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血圧ステージ

診察室で測った血圧を日本高血圧学会の基準(JSH2019)にあてはめ、正常血圧からIII度高血圧までの6段階のどこに入るかを判定します。上と下のどちらか高いほうで段階が決まる仕組み、家庭血圧との5mmHgの差、治療を始める目安までまとめました。

最終更新:2026-08-18/監修:計算ツールズ編集部

血圧ステージツール

計算式と前提

血圧のステージは、収縮期血圧(上)と拡張期血圧(下)を別々に評価し、より高い段階に該当したほうを採用します。上と下の両方が同じ段階に収まっている必要はありません。

ステージ = 収縮期の該当段階と拡張期の該当段階のうち高いほう
正常血圧:120未満 かつ 80未満/正常高値血圧:120〜129 かつ 80未満
高値血圧:130〜139 または 80〜89/I度高血圧:140〜159 または 90〜99
II度高血圧:160〜179 または 100〜109/III度高血圧:180以上 または 110以上

既定値の125/80mmHgでは、収縮期125は「正常高値血圧」の範囲ですが、拡張期80は「高値血圧」の範囲に入ります。高いほうを採るため、判定は高値血圧になります。単位はいずれもmmHgで、本ツールは診察室(医療機関)で測った値を前提としています。

ステージ早見表と入力例

日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)による成人の診察室血圧の分類です。同じ段階に対応する家庭血圧の基準は、収縮期・拡張期ともに5mmHg低く設定されています。

ステージ収縮期(診察室)拡張期(診察室)家庭血圧の目安位置づけ
正常血圧<120かつ <80<115/<75心血管リスクが最も低い水準
正常高値血圧120〜129かつ <80115〜124/<75生活習慣の見直しを始める段階
高値血圧130〜139または 80〜89125〜134/75〜84高血圧の一歩手前。危険因子次第で治療対象
I度高血圧140〜159または 90〜99135〜144/85〜89高血圧と診断される水準
II度高血圧160〜179または 100〜109145〜159/90〜99薬物療法が原則として必要
III度高血圧≧180または ≧110≧160/≧100速やかな受診が必要な水準

入力例と判定結果

本ツールに実際に入力したときの表示です。上下で段階が違う場合に高いほうが採られることを確認できます。

入力(上/下)収縮期だけで見ると拡張期だけで見ると本ツールの判定
115/75正常血圧正常血圧正常
125/78正常高値血圧正常血圧正常高値
125/80(既定値)正常高値血圧高値血圧高値血圧
135/85高値血圧高値血圧高値血圧
145/85I度高血圧高値血圧I度高血圧
165/85II度高血圧高値血圧II度高血圧
132/112高値血圧III度高血圧III度高血圧
185/95III度高血圧I度高血圧III度高血圧

血圧ステージの詳しい解説

段階の区切りが130/80と140/90に置かれているのは、この2本の線に別々の意味があるからです。血圧と脳卒中・心筋梗塞の発生率の関係は本来なめらかな坂で、どこかに崖があるわけではありません。それでも区切りを設けるのは、介入の判断をそろえるためです。追跡調査では収縮期が20mmHg、拡張期が10mmHg上がるごとに心血管死亡のリスクがおよそ2倍になる関係が繰り返し確認されており、この傾きは至適とされる120/80mmHg未満から連続しています。そこで、生活習慣の見直しを始める水準として130/80、治療対象とする水準として140/90が引かれました。上下のどちらか高いほうを採るのは、片方だけが高い状態も血管への負担として無視できないためです。

実務で最も判断が分かれるのは、高値血圧(130〜139/80〜89mmHg)に薬を使うかどうかです。危険因子のない方では、まず減塩・減量・運動・節酒を数か月続け、それでも下がらない場合に薬物療法へ進むのが一般的な流れです。一方、糖尿病や慢性腎臓病、心血管病の既往が重なる方では、同じ数値でも将来のリスクが大きく異なるため、早い段階から130/80mmHg未満を目標に薬を始める考え方が取られます。同じ高値血圧の判定でも次にすべきことは併存する状態で変わり、ステージは単独で処方を決める指標ではありません。

見落とされやすいのは測定条件の影響です。カフの位置が心臓より低い、直前に階段を上った、喫煙やカフェインを摂った、測定中に会話した、室温が低い、尿意を我慢している。こうした条件で10mmHg以上動くことは珍しくありません。だからこそ診断は異なる日の複数回の測定に基づいて行われます。もう一つは診察室と家庭の基準の違いで、家庭血圧は診察室より5mmHg低い値が同じ段階に対応します。診察室では正常でも家庭や職場で高い仮面高血圧は、早朝高血圧や夜間高血圧として静かに臓器障害を進めることがあり、診察室の一点だけでは捉えられません。

目標値も一律ではありません。75歳未満の成人や、脳血管障害・冠動脈疾患・糖尿病・蛋白尿のある慢性腎臓病を持つ方は診察室血圧130/80mmHg未満が目安とされ、75歳以上ではまず140/90mmHg未満を目指し、ふらつきなどが出なければさらに下げる方針が取られます。高齢の方では下げすぎによる立ちくらみや転倒のほうが問題になる場面もあり、年齢と体調を見ながらの調整になります。妊娠中は別の基準が用いられます。本ツールが返すのは分類名までで、治療の要否や目標値の設定は診察した医師の判断に委ねてください。

よくある間違い・注意点

  • 上の数値だけで判断する — 収縮期が正常高値でも拡張期が80mmHg以上なら高値血圧です。若い方では拡張期だけが先に上がることがあり、片方だけを見ていると段階を見誤ります。
  • 家庭で測った値をそのまま診察室の基準に当てる — 家庭血圧の基準は5mmHgずつ低く設定されています。家庭で135/85mmHgは診察室の140/90mmHg相当で、すでに高血圧の水準です。
  • 1回だけ測って安心する、あるいは落ち込む — 測定条件で10mmHg以上動きます。朝は起床後1時間以内で服薬・朝食前、夜は就寝前に、それぞれ座位で1〜2分安静にしてから測り、1週間分を平均して見てください。
  • 数値が下がったので自己判断で薬をやめる — 降圧薬が効いているために下がっている状態です。中断すると血圧が戻り、急な上昇を招くことがあります。減量や中止は必ず処方した医師と相談してください。
  • 減塩だけで済ませようとする — 食塩摂取量の目標は1日6g未満ですが、体重の減量、節酒、有酸素運動、禁煙、睡眠の確保がそれぞれ独立して数mmHgずつ寄与します。1つだけでは届かないことが多い水準です。

参考資料・公的情報

※本ツールは公表されている分類基準に基づく参考判定です。診断・治療の要否・降圧目標の設定は、診察した医師の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

家庭で測った血圧はそのまま入力してよいですか?

本ツールは診察室で測った値を前提としています。家庭血圧は診察室より低く出るため、同じ段階に対応する基準値が5mmHgずつ低く設定されています。家庭で135/85mmHgなら診察室の140/90mmHg、家庭で125/75mmHgなら診察室の130/80mmHgに相当します。家庭血圧を入力する場合は、収縮期・拡張期にそれぞれ5を足した値を入れると近い判定になります。

治療を始める目安はどこですか?

診察室血圧で140/90mmHg以上が続けば高血圧と診断され、薬物療法が検討されます。130〜139/80〜89mmHgの高値血圧では、糖尿病・慢性腎臓病・心血管病の既往といった危険因子がなければ、まず減塩や減量などの生活習慣の改善を数か月行うのが一般的です。ただし危険因子が重なる場合は早めに薬を始める判断もあり、要否は診察した医師が決めます。

白衣高血圧と仮面高血圧はどう違いますか?

白衣高血圧は診察室では高いのに家庭では正常な状態、仮面高血圧はその逆で診察室では正常なのに家庭や職場で高い状態を指します。仮面高血圧は見逃されやすく、早朝高血圧や夜間高血圧として臓器障害を進めることがあります。どちらも診察室の測定だけでは区別できないため、家庭での朝晩の記録が判断材料になります。

1回の測定でステージを決めてよいですか?

決められません。血圧は測定条件で10mmHg以上動きます。診断は原則として、異なる日に複数回測った値をもとに行います。測る前は背もたれのある椅子に座って1〜2分安静にし、カフを心臓の高さに合わせ、直前の喫煙・カフェイン・運動と測定中の会話を避けてください。

上だけ高い、下だけ高い場合はどう読みますか?

本ツールは上と下を別々に評価し、高いほうの段階を採用します。収縮期だけが140mmHg以上で拡張期が90mmHg未満の状態は孤立性収縮期高血圧と呼ばれ、動脈の硬さが増した高齢者に多く見られます。逆に若い方では拡張期だけが高いことがあり、いずれも片方だけだから軽い、とは言えません。

降圧目標は誰でも130/80mmHg未満ですか?

年齢と合併症で変わります。75歳未満の成人、および脳血管障害・冠動脈疾患・糖尿病・蛋白尿のある慢性腎臓病などがある方は診察室血圧130/80mmHg未満が目安です。75歳以上は140/90mmHg未満を目安とし、体調に問題がなければさらに下げる方針が取られます。妊娠中は別の基準が用いられます。

III度高血圧と出たらすぐ受診すべきですか?

180/110mmHg以上は速やかな受診が必要な水準です。特に強い頭痛、胸痛、息切れ、視力の異常、片側の脱力やしびれ、意識のもうろうを伴う場合は救急受診の対象になります。症状がない場合でも、数日以内に医療機関で相談してください。本ツールの判定は分類の目安であり、診断ではありません。