計算ツール
健康飲酒分解時間運転

アルコール分解時間 詳細計算機|性別・体重・酒量別に運転OK時刻まで算出

飲料の種類・本数・体重・性別から、体内に取り込まれた純アルコール量(g)完全分解までの時間運転が可能になる想定時刻を同時に算出する無料電卓です。計算はスウェーデンの法医学者Widmarkが1932年に発表したWidmark式に基づき、体重60kg男性で1時間あたり約6g、女性は体水分率とALDH2酵素活性の低さから15-20%遅いという実データを反映しています。純アルコール量は「ビール500mlで20g」「日本酒1合で22g」など、厚生労働省「健康日本21(第三次)」で示される純アルコール男性40g・女性20g(節度ある飲酒)基準の目安確認にもそのまま使えます。翌朝の運転可否判断、二日酔い予防、酒気帯び基準0.15mg/Lの意味、遺伝的にお酒が弱い日本人の代謝特性まで、道路交通法・警察庁基準・国立健康栄養研究所データを引用しつつ完全解説します。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

アルコール分解時間 詳細ツール

計算式(Widmark式)

純アルコール量(g) = 容量(mL) × 度数(%) ÷ 100 × 0.8(比重)
分解時間(h) = 純アルコール量 ÷ (体重kg × 0.10 [男] / 0.085 [女])

1932年スウェーデンの法医学者Erik Widmarkが確立した古典的推算式で、現代の警察庁・救急医療の飲酒運転判定にも実質標準として使われています。エタノールの比重は約0.79-0.80で、便宜的に0.8として計算。1時間あたりの分解量は体重比0.10g/kg(男)・0.085g/kg(女)が国立健康・栄養研究所や厚生労働省の資料でも採用される標準値です。

1単位(ドリンク)の考え方

WHO・厚労省では純アルコール10g=1単位(ドリンク)と定義しています。ビール500ml=2単位、日本酒1合=約2単位、ウイスキー60ml(ダブル)=約2単位で、飲料が違っても純アルコール量に換算すれば直接比較できます。体重60kg男性は1時間で約0.6単位、5時間で3単位=ビール1.5本相当を分解する計算になります。

飲料別の純アルコール量

飲料容量度数純アルコール単位
ビール(中瓶・ロング缶)500mL5%20g2.0
ビール(350mL缶)350mL5%14g1.4
ストロング系チューハイ500mL9%36g3.6
ワイン(グラス2杯)180mL12%17g1.7
日本酒(1合)180mL15%22g2.2
焼酎(お湯割り2杯)100mL25%20g2.0
ウイスキーダブル60mL40%19g1.9

厚労省「健康日本21(第三次)」の節度ある飲酒基準は、1日純アルコール男性40g・女性20g、生活習慣病リスクを高める量は男性40g・女性20g以上です。ストロング系チューハイ500ml1本(36g)で男性の1日推奨上限にほぼ到達、女性なら大幅超過する点は特に注意が必要です。

道路交通法と酒気帯び基準

道路交通法第65条により、酒気を帯びて車両を運転することは全面禁止されています。処罰基準は次の通り。

状態呼気濃度血中濃度罰則
酒気帯び運転(下限)0.15mg/L以上0.03%以上3年以下懲役・50万円以下罰金、免許停止90日
酒気帯び運転(重)0.25mg/L以上0.05%以上免許取消・欠格2年
酒酔い運転数値関係なし(正常運転困難)5年以下懲役・100万円以下罰金、免許取消・欠格3年

体重60kg男性がビール500ml1本(純アルコール20g)を飲んだ場合、直後の血中濃度は約0.04-0.05%で酒気帯び基準を超過します。「1杯だけなら大丈夫」は完全な誤りで、飲酒後は原則として運転しないという判断が唯一の安全策です。

性別・体格による分解差

同じ体重でも女性は男性より分解が15-20%遅くなります。主な理由は次の3つ。

  • 体水分率の差 ― 男性60%、女性55%と5%程度低く、同じアルコール量でも血中濃度が高くなる。
  • ADH(アルコール脱水素酵素)活性の差 ― 女性は胃粘膜のADH活性が男性の1/2-2/3程度で、胃での初回通過代謝が少ない。
  • 肝臓の相対容量 ― 女性のほうが体重に対する肝容量がわずかに小さく、代謝速度も遅くなる。

体格による差も大きく、体重40kgの女性がビール500ml1本を飲むと純アルコール20g÷(40×0.085)=約5.9時間かかります。一方、体重80kgの男性は同じ量を20÷(80×0.10)=約2.5時間で分解可能。体格の小さい人・女性ほど1杯の影響が長く残ることを忘れずに。

日本人特有のALDH2遺伝多型

お酒に強い/弱い体質を決めるのは、アセトアルデヒド(有毒中間代謝物)を分解するALDH2(アルデヒド脱水素酵素2型)の遺伝型です。日本人の遺伝子頻度は次の通り。

遺伝型日本人頻度特徴飲酒リスク
NN型(活性型)約56%普通に飲める体質低いが飲みすぎ注意
ND型(低活性)約40%顔が赤くなる、少量で酔う食道がん・肝疾患リスク高
DD型(不活性)約4%1杯でも動悸・頭痛基本的に飲めない体質

ND型の人は「飲酒経験を積めば強くなる」と誤解して飲み続けると、食道がんリスクが12倍以上に上がることが国立がん研究センターの疫学調査で示されています。顔が赤くなる体質の方は、無理な飲酒を避けることが健康寿命に直結します。

翌朝運転チェック

就寝中はアルコール分解速度が起床時の約1/2に低下します。夕食で純アルコール40g(ビール1L相当)を摂取した場合の翌朝残留の目安は次のとおり。

就寝時刻→起床時刻分解可能量(男60kg)残留(40g摂取時)運転可否
23時→7時(8時間)約30g(睡眠中1/2速度)約10g残留NG
22時→7時(9時間)約36g約4g残留境界(NG推奨)
21時→7時(10時間)約42gほぼ分解済ぎりぎりOK
20時→7時(11時間)約48g完全分解OK

純アルコール60g以上(ビール1.5L・日本酒2.5合)を摂取した場合、10時間睡眠でも翌朝完全に抜けないケースが多発します。翌日運転する日は前夜19時までに飲酒を切り上げるのが安全ルール。呼気アルコール検知器(3,000-5,000円)を持ち歩くドライバーも増えており、業務ドライバーには法定義務化されています。

二日酔いのメカニズム

二日酔いの正体はアルコールそのものではなく、代謝中間産物のアセトアルデヒド脱水・電解質異常・炎症性サイトカインの複合影響です。

アセトアルデヒド蓄積

ALDH2低活性の人ほど蓄積しやすく、頭痛・吐き気・動悸の主因。分解を早める確実な方法はなく、時間経過を待つしかない。

利尿による脱水

アルコールは抗利尿ホルモンを抑制し、飲んだ量の1.5倍以上の水分を失う。飲酒中・就寝前・起床時の水分補給が予防と回復の要。

低血糖・電解質異常

肝臓の糖新生阻害でめまい・倦怠感が発生。ナトリウム・カリウム喪失も加わる。スポーツドリンクや味噌汁が有効。

睡眠の質低下

飲酒後の睡眠はREM睡眠が減少し、途中覚醒も増える。「寝れば治る」は誤りで、飲酒後の回復睡眠は質が低い。

俗説・都市伝説の検証

「シジミ・ウコンで分解が早まる」

肝機能サポート効果は限定的で、分解速度自体を上げる科学的根拠は乏しい。ウコン(クルクミン)の飲酒前摂取は軽度の抗炎症効果はあるが、酒気帯び基準クリアを早める効果はほぼゼロ。過信は禁物です。

「サウナで汗と一緒に抜ける」

汗から出るアルコールは総摂取量の1%未満。しかもサウナは脱水・血圧変動を招き、二日酔い状態の入浴は循環器系事故のリスクを高める。医学的にはむしろ危険。

「コーヒーで酔いが覚める」

カフェインは眠気を抑えるが、血中アルコール濃度は変化しない。「覚めた気分」で運転すると重大事故の原因に。米国CDCも明確に否定しています。

「油物を先に食べれば酔わない」

胃からの吸収が遅くなるので酔いが緩やかにはなるが、総アルコール摂取量が減るわけではない。分解時間は変わらず、翌日の残留量も同じ。

よくある間違い・注意点

  • 「翌朝には抜けている」 ― 純アルコール40g超摂取なら10時間睡眠でも残留する。前夜の量と時間で必ず個別計算を。
  • 「シジミ・ウコンで大丈夫」 ― 分解速度を上げるわけではない。飲酒運転回避策にはならない。
  • 「1杯だけ」で運転 ― ビール1本でも酒気帯び基準を超える。1滴でも飲んだら運転しない。
  • ストロング系を「軽く1本」 ― 500ml1本で純アルコール36g、ビール1.8本相当。缶チューハイは度数を必ず確認。
  • 個人差を無視 ― 計算値はあくまで平均。ALDH2低活性・肝疾患・服薬中は分解が大幅に遅れる。
  • 睡眠中の分解を過大評価 ― 就寝中は覚醒時の約1/2速度。「寝れば抜ける」は誤り。
  • ジムやサウナで汗を出す ― 汗からのアルコール排出は1%未満、循環器事故リスクが上がる。
  • 翌朝の呼気検査を過信 ― 家庭用呼気検知器の精度は業務用より低い。数値ぎりぎりは絶対運転しない。

参考文献・公的資料(発リンク)

※本ページの計算結果はWidmark式に基づく健常成人の目安値で、個人差(ALDH2遺伝多型・肝機能・体組成・服薬・空腹/満腹)により大きく変動します。いかなる数値であっても、飲酒後の運転(自動車・自転車・電動キックボード等)は法律で禁止されており、本ツールの結果を根拠に運転してはいけません。飲酒運転は道路交通法違反です。肝疾患・膵疾患・糖尿病・妊娠中・服薬中の方、大量飲酒が習慣化している方、家族に飲酒問題を指摘されている方は、必ず内科医・精神科医(依存症専門医)・アルコール依存症治療機関にご相談ください。二日酔いの症状が48時間以上続く、意識障害・けいれん・激しい嘔吐がある場合は医療機関を受診してください。急性アルコール中毒が疑われる場合はためらわず救急車(119)を要請してください。

よくある質問(FAQ)

翌朝運転しても大丈夫?

純アルコール40g(ビール1L相当)を夜10時までに飲み終えれば、朝7時起床時にはほぼ分解済み(男性60kg基準)。ただし60g以上なら10時間睡眠でも残留する可能性が高く、女性・体格の小さい方はさらに時間がかかります。運転する日は前夜19時までに切り上げ、心配な場合は市販の呼気アルコール検知器(3,000-5,000円)で確認するのが最も確実です。

女性が分解遅い理由は?

(1)体水分率が男性60%に対し女性55%と低く血中濃度が高くなる、(2)胃粘膜のADH活性が男性の1/2-2/3で初回通過代謝が少ない、(3)肝臓の相対容量が小さい、の3つが主因です。結果として同体重・同酒量でも分解時間は15-20%長くなります。妊娠中・生理前後はさらにアルコール感受性が変動する点にも注意。

お茶・水で早まる?

科学的にはアルコールの分解速度そのものは変わりません。ただし飲酒中の水分補給は、脱水予防・血中濃度の希釈・二日酔いの軽減に確実な効果があります。「和らぎ水(チェイサー)」を1杯につき同量以上摂ることが、日本酒の伝統的な飲み方でも推奨される標準的な健康マナーです。

顔が赤くなるのに強くなった?

ALDH2低活性のND型は生涯変わらず、「慣れて強くなった」は錯覚です。実際は蓄積したアセトアルデヒドで食道がん・咽頭がんのリスクが健常者比12倍以上に上がることが国立がん研究センターの疫学研究で確認されています。顔が赤くなる方は無理な飲酒を控えることが、健康寿命に直結する重要な自己防衛策です。

ウコン・シジミサプリは効く?

肝細胞の抗酸化・保護作用は多少期待できるものの、アルコール分解速度を上げる科学的根拠は乏しいのが実態です。「翌朝運転できる」「二日酔いにならない」等の効果を過信するのは危険。医薬品ではないためエビデンス基準は緩く、消費者庁も景表法の観点から広告表現に注意喚起を続けています。

ストロング系チューハイの危険性は?

500ml1本で純アルコール36g、ビール1.8本相当です。厚労省の節度ある飲酒基準(男40g・女20g)を1本で超えるため、女性は特に注意。低価格・甘い口当たり・大容量で急速摂取しやすく、急性アルコール中毒の若年層搬送例が増加し、厚労省と業界団体で自主規制の議論が続いています。

1単位・1ドリンクとは?

純アルコール10gが1単位(1ドリンク)で、WHO・厚労省・世界の飲酒ガイドラインで共通の基本単位です。ビール500ml=2単位、日本酒1合=約2単位、ウイスキーダブル=約2単位。厚労省の生活習慣病リスク上限は男性4単位・女性2単位(1日)で、これを継続的に超えると肝・膵・食道等の疾患リスクが顕著に上がります。

寝れば早く分解される?

むしろ逆で、就寝中は覚醒時の約1/2の速度に低下します。副交感神経優位で肝血流が減り、代謝酵素の働きも鈍化するためです。「寝れば抜ける」は科学的に誤り。翌日運転する場合は、飲み始めから10時間以上経過し、かつ純アルコール40g以下に抑えることが安全基準の目安です。

飲酒運転の罰則は?

呼気0.15mg/L以上の酒気帯び運転で3年以下の懲役または50万円以下の罰金、免許停止90日以上。0.25mg/L以上なら免許取消・欠格2年。酒酔い運転(数値関係なし・正常運転困難)は5年以下の懲役または100万円以下の罰金、免許取消・欠格3年。同乗者・酒類提供者・車両提供者にも罰則が及ぶ「三罪同時処罰」体制です。

二日酔いを最速で治す方法は?

特効薬はなく、(1)スポーツドリンクで水分・電解質補給、(2)糖分補給(バナナ・蜂蜜)、(3)ビタミンB1・C摂取、(4)頭痛時は解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンは肝負荷で避け、イブプロフェン等を選択)、(5)無理せず横になる、の組み合わせが基本。運動・サウナ・迎え酒は循環器負荷とアルコール総量増で逆効果です。