連写バッファの計算
連写の速度・1枚の容量・バッファとカードの速度から、詰まるまでのコマ数と回復に要する時間を算出します。
連写バッファの計算ツール
1秒に流れ込む量は連写の速度×1枚の容量で、既定値では10コマ×25MB=250MB/秒。カードが150MB/秒で書き出すので、差し引き100MB/秒ずつバッファにたまります。1,200MBのバッファは1,200÷100=12.0秒で埋まり、その間に120コマを撮れます。以降は書込速度に律速され150÷25=6.0コマ/秒に落ちるため、15秒押し切ると合計138コマ。回復は1,200MBの半分を書き出す4.0秒です。
連写速度と1秒あたりの流入量(1枚25MB)
| 連写の速度 | 流入量 | 150MB/秒で不足する分 |
|---|---|---|
| 5コマ/秒 | 125MB/秒 | なし |
| 10コマ/秒 | 250MB/秒 | 100MB/秒 |
| 20コマ/秒 | 500MB/秒 | 350MB/秒 |
| 30コマ/秒 | 750MB/秒 | 600MB/秒 |
カードの規格と書込速度の目安
| 規格 | 書込速度の目安 | 向く用途 |
|---|---|---|
| SD UHS-I | 60〜90MB/秒 | 単写・軽い連写 |
| SD UHS-II | 150〜250MB/秒 | 一般的な連写 |
| CFexpress Type A | 400〜700MB/秒 | 高速連写・高ビットレート動画 |
| CFexpress Type B | 800〜1,400MB/秒 | 最上位機の連写 |
※参考計算です。海況・気象・機材の仕様によって結果は変わるため、実機の仕様書と現地の状況で確認してください。
連写バッファの計算の詳しい解説
連写が途中で失速するのは、撮影のたびに生まれるデータが書き出しより速く積み上がるためです。バッファは一時的な受け皿にすぎず、流入と排出の差だけ埋まっていきます。差が大きいほど早く満杯になり、満杯になった後はカードの書込速度がそのまま連写速度になります。仕様表に書かれた連写枚数は、この差から計算された持続コマ数であり、条件が変われば当然変わります。
判断が分かれるのは、カードに投資するか撮り方を変えるかです。上位規格のカードは書込速度が数倍になり持続コマ数も伸びますが、価格も同じ比率で上がります。一方で押しっぱなしをやめて2秒程度の短い連写に区切れば、バッファが回復する余裕が生まれ、安価なカードでも決定的な場面を逃しません。競技の撮影のように予測が難しい被写体では前者、動きの読める被写体では後者が合理的です。
見落とされやすいのは記録設定の影響です。RAWと高画質JPEGを同時に記録すれば1枚の容量が1.5倍になり、流入量も同じ比率で増えます。高圧縮のRAWに切り替えるだけで持続コマ数が倍近く伸びることもあります。2枚のカードに同時記録する設定では、遅いほうのカードの速度に律速される点も見落とされがちで、片方を低速なカードにすると全体の性能が落ちます。
回復の時間も撮影のリズムを左右します。満杯になったバッファを完全に空にするには、たまった量を書込速度で割った時間がかかります。既定値では1,200MBを150MB/秒で書き出すので8秒、半分だけ空けるなら4秒です。この間はメニュー操作や再生が制限される機種もあり、次の場面に備えられません。連写を止めた後の数秒も撮影の一部として計画に含める必要があります。
条件による差も大きく、寒冷地ではカードの性能が落ちることがあり、断片化した古いカードでは公称値を下回ります。連続して大量に書き込むと発熱で速度が制限される機種もあります。公称の持続コマ数は理想的な条件での値なので、実機で1度計測しておくと現場での判断が確実になります。撮影前にカードを初期化しておくと、書込速度が安定しやすくなります。
業界・現場での使い方
スポーツ撮影の機材選定
狙う連写の速度と押し続ける時間から、必要な書込速度を逆算します。
カードの購入判断
規格ごとの書込速度で持続コマ数がどう変わるかを比べます。
記録設定の見直し
RAWの圧縮方式やJPEGの同時記録を変えた場合の持続コマ数を確認します。
撮影現場の段取り
バッファの回復時間を把握し、連写を区切る間隔を決めます。
よくある間違い・注意点
- 仕様表の連写枚数をそのまま信じる — 記録設定とカードの速度で変わるため、条件が違えば持続コマ数も変わります。
- カードの読込速度を書込速度と混同する — 表示されている大きい数字は読込速度であることが多く、書込速度は別に確認が必要です。
- 2枚同時記録の律速を見落とす — 遅いほうのカードの速度に引きずられ、全体の性能が落ちます。
- 回復の時間を計算に入れない — 満杯から空になるまで数秒かかり、その間は次の場面に備えられません。
- 押しっぱなしを前提にする — 短く区切ればバッファが回復し、安価なカードでも実用になります。
関連する規格・公的資料
- カメラ映像機器工業会 (CIPA) — 撮影可能枚数・カメラ規格
- 日本産業標準調査会 (JISC) — JIS規格
- 国際標準化機構 (ISO) — 感度・国際規格
- SDアソシエーション — メモリカードの規格
- 国立天文台 — 天文情報・暦
- 日本天文学会 — 天文学の研究
- 情報処理推進機構 (IPA) — データ保全・情報セキュリティ
- 電池工業会 — 電池の規格と安全
- 製品評価技術基盤機構 (NITE) — 製品安全・事故情報
- 国民生活センター — 製品事故・消費生活相談
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
10コマ/秒で15秒押すと何コマ撮れますか?
1枚25MB・書込150MB/秒・バッファ1,200MBなら138コマです。12秒で詰まります。
詰まった後の連写速度はどう決まりますか?
カードの書込速度を1枚の容量で割った値です。既定値では6.0コマ/秒になります。
必要な書込速度はどう求めますか?
流入量からバッファで吸収できる分を引きます。既定値では170MB/秒が必要です。
高圧縮RAWにすると変わりますか?
1枚の容量が4割近く減るため、持続コマ数はおよそ1.7倍に伸びます。
バッファの容量はどこで確認できますか?
公称値が出ていない機種もあります。持続コマ数と1枚の容量から逆算するのが実用的です。
カードは新しいほど速いですか?
規格が上がれば速くなりますが、機種側が対応していなければ性能を引き出せません。
発熱で速度が落ちることはありますか?
連続して大量に書き込むと制限がかかる機種があります。実機での計測が確実です。
連写はどう区切るのが効率的ですか?
詰まるまでの秒数の半分程度で区切ると、回復が追いつき失速を避けられます。