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不動産住宅ローン審査実務

住宅ローン審査 計算ツール|年収・勤続年数・他借入から借入可能額と通過率シミュレーション

住宅ローンの借入可能額と審査通過率を、年収・勤続年数・他借入額から瞬時に算出。返済負担率(バックエンド比率)、フラット35基準、メガバンク・地銀・ネット銀行の審査基準比較、事前審査と本審査の違い、審査に通らない理由と対策を、住宅金融支援機構・金融庁の公的資料に基づき解説します。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

住宅ローン審査 計算機

計算式と返済負担率の基本

基本式

返済負担率 = 年間返済額(住宅ローン+他借入) ÷ 年収 × 100

借入可能額 = 月々返済上限 × ((1+r)^n − 1) ÷ (r × (1+r)^n)

住宅ローンの審査で最重要なのは返済負担率(バックエンド比率)。「年間の返済総額が年収の何%か」を示す指標で、金融機関ごとに上限が定められています。一般的には年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下が基準です。

審査金利は実行金利より高い

審査時の返済負担率計算では、変動金利プランでも3〜4%の審査金利(ストレステスト金利)で計算されるのが一般的。金利上昇時のリスクを反映するためで、実際の実行金利(0.5〜1%)より高い水準になります。実行後は低い金利で返済しますが、審査上は保守的です。

他借入の合算

審査時は住宅ローンだけでなく、自動車ローン・カードローン・リボ払い・奨学金・スマホ端末分割など、すべての借入の年間返済額が合算されます。特にリボ払い・カードローンは残債少額でも「使途不明の慢性借入」と見なされ、審査に大きく響きます。

年収別 借入可能額目安(金利1.5%・35年)

返済負担率35%基準、変動金利1.5%・返済期間35年で計算した目安借入額です。実際の借入額は物件価格・頭金・その他条件で変動します。

年収月々返済上限(35%)借入可能額目安推奨物件価格
300万円約7.5万円約2450万円2800〜3000万円
400万円約11.7万円約3800万円4300〜4700万円
500万円約14.6万円約4750万円5400〜5900万円
600万円約17.5万円約5700万円6400〜7100万円
700万円約20.4万円約6650万円7500〜8300万円
800万円約23.3万円約7600万円8500〜9500万円
1000万円約29.2万円約9500万円1億〜1.2億円
1200万円約35.0万円約1.14億円1.3〜1.4億円
1500万円約43.7万円約1.42億円1.6〜1.8億円

※目安であり、実際の借入額は個別の審査結果に依存。頭金2〜3割を用意すると審査通過率が上がります。

主要銀行の住宅ローン審査基準比較

金融機関最低年収目安勤続年数目安変動金利(2026年)特徴
三菱UFJ銀行200万円〜1年以上0.345%〜メガバンクの中で審査は標準的
三井住友銀行200万円〜1年以上0.475%〜WEB申込特典あり
みずほ銀行200万円〜2年以上0.375%〜頭金重視の傾向
りそな銀行100万円〜1年以上0.390%〜比較的柔軟な審査
PayPay銀行200万円〜1年以上0.290%〜ネット完結・低金利
auじぶん銀行200万円〜1年以上0.319%〜ネット系最低水準
住信SBIネット銀行300万円〜1年以上0.298%〜団信の充実度が高い
ソニー銀行400万円〜2年以上0.397%〜変動金利選択の柔軟性
イオン銀行100万円〜6ヶ月以上0.380%〜イオン利用者に特典
フラット35(住宅金融支援機構)1.940%〜(固定)審査柔軟・自営業対応
地方銀行(平均)150万円〜1〜3年0.475〜0.775%地域密着・柔軟対応
信用金庫(平均)150万円〜1〜3年0.775%〜1.5%属性が弱くても対応可能なケース

※金利は2026年8月時点の目安。実際の金利・審査基準は各行の公式サイトで最新情報を確認してください。

年収別 詳細シミュレーション(金利別)

変動金利0.5%、固定金利1.5%、フラット35 1.9%それぞれで、年収別の借入可能額を比較しました。返済期間35年・返済負担率35%基準。

年収変動0.5%固定1.5%フラット35 1.9%
300万円約2890万円約2450万円約2280万円
400万円約4480万円約3800万円約3540万円
500万円約5600万円約4750万円約4420万円
600万円約6720万円約5700万円約5310万円
800万円約8960万円約7600万円約7080万円
1000万円約1.12億円約9500万円約8850万円

変動金利で借りると借入可能額は約15%増えますが、金利上昇リスクを負います。固定金利は安心料として金利差分を支払う構図。

フラット35の基準と特徴

フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する全期間固定金利の住宅ローン。民間ローンより審査基準が明確で、公表されているため予測しやすいのが特徴です。

項目フラット35基準
年収400万円未満返済負担率 30%以下
年収400万円以上返済負担率 35%以下
年齢申込時70歳未満
完済時年齢80歳未満
借入額100万〜8000万円
返済期間15年以上35年以内(50歳以上は10年以上可)
住宅基準省エネ・耐震等の技術基準適合
勤続年数明示的な制限なし(自営業対応)

民間銀行と異なり自営業・フリーランス・転職直後でも申し込み可能な点が最大のメリット。ただし全期間固定のため金利が変動より0.5〜1.5%高い水準です。

事前審査と本審査の違い

事前審査(仮審査)

物件購入前・購入時に「借入可能か」を確認する審査。3〜5営業日で結果。年収・勤続・他借入の申告ベースで判定され、信用情報照会も実施。通過すれば物件の売買契約に進めます。ネット申込で無料。

本審査

売買契約締結後、購入物件を担保として厳密に審査。1〜2週間程度。源泉徴収票・住民票・物件の登記情報・重要事項説明書等の書類提出が必要。事前審査通過後の本審査で通らないケースは1〜5%程度あります。

信用情報照会

CIC(信用情報機関)・JICC・KSCの3機関にクレジット履歴・過去の延滞・自己破産等が記録されており、審査時に必ず照会。5年以内の延滞、10年以内の自己破産は審査に致命的な影響を与えます。

団信(団体信用生命保険)審査

ローン契約者が死亡・高度障害時にローン残債が保険金で完済される保険。持病(糖尿病・高血圧・がん治療歴等)があると加入不可のケースも。ワイド団信(緩和条件)も選択肢。

審査に通らない主な理由と対策

他借入(リボ・カードローン)過多

クレジットカードのリボ払い・カードローンは残債少額でも「慢性借入」と見なされます。ローン申込前6ヶ月以内に完済し、CIC情報から消えるのを待つのが対策。

勤続年数不足

転職直後(3年未満)は年収の安定性が疑問視されます。同業界内の転職なら比較的緩和されますが、業界を跨ぐ転職は3年勤続を待つべき。フラット35なら勤続不問。

信用情報のブラック履歴

過去5年以内の延滞・61日以上の返済遅延、10年以内の自己破産・任意整理はCICに記録され致命的。CIC(1000円)・JICC(1000円)・KSC(無料)で自分の信用情報を開示してから申込むと確実。

年収に対して借入額が過大

返済負担率35%を超える申込は自動的に否認。年収600万円なら年間返済210万円(月17.5万円)が上限。頭金を増やす、返済期間を延ばす、共同名義(夫婦連生・親子リレー)で年収合算する等の対策があります。

物件の担保評価が低い

築古マンション・違反建築・接道要件不備・借地権物件等は担保評価が低く、希望額の融資が下りない場合があります。物件購入前に不動産仲介業者に「銀行の担保評価が出るか」を確認しましょう。

健康問題(団信不可)

糖尿病・がん・脳梗塞歴等で通常団信に加入できない場合、ワイド団信(金利+0.3%)、団信不加入プラン(金利-0.2%程度)、フラット35(団信任意)の選択肢があります。

使い方・活用シーン

物件探しの予算設定

年収から借入可能額を算出し、無理のない予算枠で物件を探せます。頭金や諸費用(物件価格の7〜10%)も加味した資金計画に。

複数銀行の事前比較

複数銀行の金利・審査基準を比較し、事前審査に申し込む優先順位を決める。同時申込は3〜4行までが目安(それ以上は信用情報上の「多重申込」と見なされリスク)。

ライフプランの見直し

返済負担率と月々の返済額から、教育費・老後資金とのバランスを検証。ボーナス払い併用か、月々均等か、繰上返済プランの検討にも活用。

共働き夫婦の年収合算

夫婦の年収合算により借入可能額を約1.5〜1.7倍に拡大可能。ペアローン・連帯債務・連帯保証の選択で節税と保険設計も変わります。

よくある間違い・注意点

  • 年収の額面と手取りを混同 — 審査は年収の「額面」(税込)で計算されますが、実際の返済は「手取り」から。額面500万円でも手取りは約400万円で、返済負担率35%(月14.6万円)は実質的に手取りの44%になります。
  • 他借入を過小申告 — 申告漏れはCIC照会で必ず判明し、「虚偽申告」と見なされて審査否認+ブラック化の恐れがあります。奨学金・スマホ端末分割も含めて正直に申告してください。
  • 変動金利のリスクを軽視 — 変動金利は5年ルール(返済額固定)・125%ルール(上昇上限)がありますが、25年後には金利上昇分の未払い利息が残ります。金利1%上昇で月々1.5万円増加のケースも。
  • 諸費用を忘れる — 物件価格の7〜10%(登記・保証料・仲介手数料・不動産取得税・引越し)は現金で必要。オーバーローン(物件価格超過融資)可能な銀行もありますが、金利は高くなります。
  • 複数行に同時申込しすぎ — 3ヶ月以内に5行以上の申込はCIC情報に記録され、「借入切迫」と判断され逆効果。事前審査は3〜4行までに絞りましょう。
  • 金利ばかり見て諸条件を確認しない — 保証料・団信内容・繰上返済手数料等の総コストで比較すべき。0.1%の金利差より、団信のがん保障の有無の方が家計インパクトが大きい場合も。
  • ボーナス払い併用の落とし穴 — ボーナス払いを組み込むと審査上の返済負担率は下がるが、実際にはボーナスが減額・廃止された時のリスクが大。月々均等返済が安全。

関連する法令・規制

  • 宅地建物取引業法 ― 不動産取引の基本法。重要事項説明義務、契約書の記載事項を規定。
  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除) ― 所得税・住民税から年末残高の0.7%を最大13年間控除。国税庁・財務省の税制。
  • フラット35融資に係る技術基準 ― 住宅金融支援機構が定める住宅の耐震・省エネ・断熱等の基準。適合証明書が必要。
  • 金融商品販売法 ― 金融機関の説明義務・断定的判断の禁止など、消費者保護のための金融行為規制。
  • 個人情報保護法 ― 信用情報機関(CIC/JICC/KSC)の個人情報取扱いを規制。
  • 民法(連帯債務・連帯保証) ― 夫婦ローン、親子リレーローンの法的枠組み。

参考文献・公的資料

より正確な住宅ローン情報は、以下の公的機関の資料を参照してください。

※本ページで算出される借入額・返済負担率は目安です。実際の審査結果は金融機関ごとの独自基準・物件の担保評価・信用情報の詳細等により変動します。住宅ローン申込は、住宅金融支援機構・金融機関公式サイトの最新情報を確認し、必要に応じてファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士・銀行のローンアドバイザーに相談してください。特に自営業・フリーランスの方は、フラット35や事業実績重視の地方銀行など、選択肢を広く検討されることをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

年収の何倍まで借りられる?

目安は年収の6〜8倍。年収500万円なら3000〜4000万円、年収1000万円なら6000〜8000万円が目安。返済期間35年・変動金利前提。ただし返済負担率35%が上限のため、金利や返済期間で実際の借入額は上下します。

他借入があると住宅ローンは通らない?

他借入の年間返済額を含めた返済負担率が35%以下なら可能。ただしリボ払い・カードローンは残債少額でも印象が悪く、申込前に完済しCIC情報から消えるのを待つのが安全策です。

勤続何年から審査に通る?

メガバンクは1〜2年以上、フラット35は勤続不問。ネット銀行は業界跨ぎ転職に厳しめ、地銀・信金は地域密着で柔軟な傾向。転職直後なら1年以上待つか、フラット35を検討。

頭金はいくら用意すべき?

物件価格の1〜2割が理想。頭金2割で審査通過率が上がり金利優遇も受けやすい。ただし手元資金を全て頭金に投入すると生活防衛費が減るため、6ヶ月分の生活費は残しておくべき。

ペアローンと連帯債務の違いは?

ペアローンは2本のローン契約(夫婦各自が主債務者)、連帯債務は1本のローン契約(2人で共同債務)。ペアローンは各自が住宅ローン控除を受けられる、連帯債務は団信が主債務者のみ、といった違いがあります。

変動と固定、どちらが得?

金利上昇局面(現在)なら固定が安心、金利安定局面なら変動が得。ただし固定金利は変動より1〜1.5%高い水準。今後10〜20年の金利予測は困難なため、リスク許容度で選ぶのが基本。

自営業でも住宅ローンは組める?

組めますが、民間銀行は事業実績3期以上の申告所得(節税前)ベースで審査するため、節税しすぎると審査で不利。フラット35は自営業に柔軟で、確定申告書・納税証明書があれば申込可能です。

審査に落ちた場合の対策は?

1)信用情報を開示して原因確認、2)他借入を完済、3)半年〜1年待って再申込、4)頭金増額、5)フラット35・地銀・信金への申込。同じ銀行に短期間で複数回申込は逆効果です。

住宅ローン控除の要件は?

床面積50m²以上、居住用、返済期間10年以上、合計所得金額2000万円以下等。認定住宅なら控除枠が拡大。年末残高の0.7%を最大13年間所得税から控除できます(2026年時点)。

複数の銀行に同時申込していい?

2〜3行までは問題なし。5行以上は多重申込としてCIC情報に記録され、金融機関から警戒されます。事前審査は複数行、本審査は1行、と絞り込みが基本戦略です。

団信に入れない場合はどうする?

ワイド団信(金利+0.3%程度)、団信不加入プラン(金利-0.2%程度)、フラット35(団信任意)の選択肢があります。ただし団信なしは死亡時に家族に残債が残るリスクを別の生命保険等でカバーする必要。

繰上返済のタイミングは?

ローン初期(残高が多い時)ほど利息軽減効果が大きい。ただし住宅ローン控除期間中(13年)は残高に応じた税控除があるため、控除期間終了後に繰上げるのが節税上有利なケースも。総合的な資金計画で判断。