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家事・掃除 時給換算|料理・洗濯・掃除・育児の年間労働価値と代行の損益分岐

家事は年数百万円の見えない労働です。料理・掃除・洗濯・買物・育児の日々の時間を、自分の時給と家事代行料金から年間労働価値損益分岐で可視化。総務省「社会生活基本調査」・内閣府「無償労働の貨幣評価」に基づく参考値と、経産省の家事代行実態調査の相場感で、共働き家庭の家事分担・代行導入・家電投資を数字で判断できます。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

家事・掃除 時給換算ツール

計算式と考え方

基本式

1日家事時間(分) = 料理 + 掃除 + 洗濯 + 買物 + 育児

年間家事時間(h) = 1日家事時間(分) ÷ 60 × 365

自己時給換算 年間労働価値 = 年間家事時間 × 自分の時給

家事代行 年間費用 = 年間家事時間 × 家事代行時給

家事は本来「無償労働(Unpaid Work)」で、GDPには計上されませんが、経済的価値は明確に存在します。内閣府経済社会総合研究所は、家事・育児・介護・買物などの無償労働を代替コスト(市場で同じサービスを買った場合の金額)で貨幣評価し、日本全体で年150兆円規模と試算しています(2020年推計)。

機会費用の考え方

共働き家庭では、家事に費やす時間を仕事や副業・学習・休息に振り向けることも可能です。「その時間で何が得られたか」=機会費用を、自分の実効時給(額面年収÷総労働時間)で見積もると、家事代行や時短家電への支出が「浪費」ではなく「投資」として評価できるようになります。

損益分岐の判定

損益分岐: 自分の時給 > 家事代行時給 なら代行が経済合理的

ただし、代行に置換できない部分(子どもとの時間、料理の味の再現性、家族の役割認識)や、代行を頼むための片付け・指示のコスト(隠れコスト)も考慮する必要があります。

日本の家事時間統計(社会生活基本調査)

総務省統計局が5年ごとに実施する「社会生活基本調査」(2021年)によれば、日本の6歳以上の1日あたり家事関連時間は以下のとおりです。共働き世帯でも女性の家事負担が大きい傾向が続いています。

属性1日家事時間年間換算備考
専業主婦(女性)約7時間34分約2,761時間育児込み・週末含む平均
共働き妻約4時間54分約1,789時間フルタイム勤務の場合
共働き夫約1時間5分約395時間妻の1/4程度
単身男性(30-50代)約1時間40分約608時間料理・掃除・洗濯
単身女性(30-50代)約2時間45分約1,004時間同上
6歳未満児あり妻約7時間28分約2,725時間育児時間が突出
6歳未満児あり夫約1時間54分約693時間妻の1/4

OECDのGender Data Portalでも、日本は先進国の中で夫婦間の家事分担格差が最大クラスと指摘されています。時給換算による可視化は、この不均衡を数字で共有する第一歩です。

家事の代替時給と貨幣評価

内閣府経済社会総合研究所「無償労働の貨幣評価」(令和2年推計)では、家事分野ごとに代替コスト法(RC-S)で以下の代替時給を採用しています。実勢の家事代行料金より低めですが、公的統計としての「家事の価値」の下限値として参考になります。

活動公的代替時給市場相場(家事代行)年間評価額の目安
炊事(料理)約1,180円/h2,500-4,000円/h1日1h=約7.5万円
掃除約1,180円/h2,500-4,500円/h1日30分=約3.7万円
洗濯約1,180円/h2,500-3,500円/h1日20分=約2.5万円
買物約1,180円/h2,000-3,000円/h(代行)1日30分=約3.7万円
育児(乳幼児)約1,500円/h1,500-3,500円/h(ベビーシッター)1日1h=約9.5万円
介護約1,600円/h3,000-5,000円/h(訪問介護)1日1h=約10万円

共働き夫婦(夫年収600万・妻年収500万)の家事総額を代替コスト法で試算すると、年間270-380万円規模になるケースが多く、これは第2の家計収入と同等です。

家事代行サービスの相場

経済産業省「家事支援サービス業ガイドライン」(2015年策定・2023年改訂)に基づく大手事業者の実勢価格帯です。定期利用・スポット利用・単発(ハウスクリーニング)で単価が大きく変わります。

サービス種別時給/回単価主要事業者特徴
大手家事代行(定期)3,000-5,000円/hダスキン・ベアーズ・カジタク週1回×2-3時間で月3-5万円
大手家事代行(スポット)4,500-7,000円/h同上単発利用は割高
マッチング型1,500-2,500円/hタスカジ・キッズライン個人契約で低価格・要吟味
シルバー人材センター1,200-1,800円/h各自治体シルバー草刈り・掃除中心・軽作業
ハウスクリーニング10,000-30,000円/回ダスキン・おそうじ本舗エアコン・レンジ・浴室単発
ベビーシッター1,500-3,500円/hポピンズ・キッズライン資格者は時給高い
家政婦(住み込み)月25-40万円紹介所経由富裕層向け・住込み
料理代行(作り置き)3,000-5,000円/回タスカジ・シェアダイン3時間で1週間分作り置き

2016年の「家事支援サービス業のガイドライン」策定以降、業界の質は向上していますが、依頼者側の指示・段取り・鍵の受渡し等の「隠れコスト」もあります。定期契約は初回お試し価格(通常の1/2程度)が用意されているため、まずは1回試すのが経済合理的です。

時短家電の投資回収

家事代行と並行して検討したいのが時短家電への投資です。1度買えば数年間、時給を払わずに家事時間を削減できます。年間時短時間×自分の時給で、投資回収期間を算定できます。

家電初期費用年間時短時間時給2,000円換算回収期間
食器洗い乾燥機10-18万円約180-240時間36-48万円/年約4-6ヶ月
ドラム式洗濯乾燥機25-35万円約120-180時間24-36万円/年約10-14ヶ月
ロボット掃除機5-15万円約90-120時間18-24万円/年約3-8ヶ月
電気圧力鍋・自動調理鍋2-6万円約80-120時間16-24万円/年約1-3ヶ月
スチームオーブンレンジ5-15万円約60-100時間12-20万円/年約5-8ヶ月
ネットスーパー(月額)0-500円/月約90-120時間18-24万円/年1ヶ月以内
ミールキット(月額差額)+5-10万円/年約80時間16万円/年約8ヶ月-1年

特に食洗機・ロボット掃除機・電気圧力鍋の「三種の神器」は、時給1,500円以上の共働き家庭では例外なく1年以内に投資回収できます。詳細な電気代シミュレーションは電気代詳細計算を参照してください。

業界・現場での使い方

共働き家庭の家事分担

時給×家事時間で「見えない労働」を可視化。夫婦間の家事バランスを数字で共有し、家事代行導入・家電投資・分担ルールの合意形成に役立つ。妻の家事時間が夫の4倍という統計(社会生活基本調査)を数字で示すと、話し合いが具体化する。

家事代行会社の提案

営業担当者が顧客に「時給2,500円で3時間依頼=7,500円/回、月4回で3万円。あなたの時給が2,500円以上なら経済合理的です」とROI提案。特に共働き高所得層への訴求に有効。

子育て家庭の育児判断

フルタイム勤務の妻(時給2,500円)が保育料月8万円+家事代行月3万円=月11万円払っても、年収500万円(実質手取り400万円=時給2,500円×160h×12)なら経済的にプラス。共働き継続のROIを数字で判断できる。

家電量販店・EC店舗

「食洗機は買い物じゃなくて投資」という訴求で高単価家電の販売促進。年間時短時間×時給で、初期費用の回収期間を提示。家事代行との比較で選ばれやすくなる。

FP・ライフプランナー

家計相談で「家事の隠れた労働価値」を可視化し、共働き継続 vs 専業主婦の生涯収支を比較。育休復帰時の家事代行予算や時短家電の位置づけを提案。

離婚時の財産分与・慰謝料交渉

離婚調停で、専業主婦の家事労働価値を年270-380万円と主張することで、財産分与や婚姻費用の交渉材料に。日本の裁判実務でも家事労働の貨幣評価は認められている。

よくある間違い・注意点

  • 「家事は無料」と誤解する — 家事は本来2,500-4,000円/hで市場調達できるサービス。共働き妻の家事総額は年270-380万円分に達するケースもある。「無料」と思い込むと投資判断を誤る。
  • 時給を額面年収÷2,088時間で単純計算 — 実効時給は「額面年収÷総労働時間(通勤・準備・残業含む)」で計算すべき。通勤片道1時間だと年480時間が労働に関連する時間として上乗せされ、実効時給は表面値の8-9割になる。
  • 代行料金だけで判断し、隠れコストを無視 — 家事代行の導入には、片付け・指示・鍵の受渡し・在宅対応など月1-2時間の隠れコストがある。時給換算で3-6千円分。定期契約前に試験導入で自分の家庭に合うか検証を。
  • 子育ての機会費用を軽視する — 6歳未満児の育児は代行では代替できない部分(愛着形成・言語発達)が大きい。時給換算は「妻が働く vs 専業」の選択判断のみに使い、育児そのものは金銭化しないほうが健全。
  • ロボット掃除機で「掃除ゼロ」と誤認 — ロボット掃除機は床の8割の日常清掃を担うが、隅・トイレ・浴室・レンジ周り等は別途必要。時短効果は年90-120時間(1日15-20分)が現実的。
  • 家事代行と家電投資を二者択一で考える — 家電で日常家事を効率化し、代行で月1-2回の大掃除・作り置きを頼む「併用戦略」が最もROIが高い。共働き高所得層の主流パターン。

関連する規格・法令

  • 社会生活基本調査(総務省) ― 5年ごとに国民の生活時間・行動を統計調査。家事時間の男女差・世代差の公式データ源。
  • 無償労働の貨幣評価(内閣府経済社会総合研究所) ― GDP補完指標として家事・育児・介護等を代替コスト法で評価。日本全体で年約150兆円の推計。
  • 家事支援サービス業ガイドライン(経済産業省 2015→2023改訂) ― 家事代行事業者の情報開示・トラブル対応・保険加入等の運用基準。
  • 家事代行サービス認証制度(HCS認証) ― 日本規格協会が運営。事業者の品質保証。
  • 男女共同参画基本計画(内閣府) ― 家事・育児・介護の性別分担を男女で公平化する国家目標。第5次計画(2020-)。
  • 労働基準法(第32条 週40時間) ― 労働時間の上限規制。家事時間+勤務時間で週80時間超は健康リスク領域。
  • 育児・介護休業法 ― 育児休業給付・短時間勤務制度。育休中の家事代行・家電投資のタイミング判断に。
  • OECD Time Use Survey ― 国際比較統計。日本の家事分担格差は先進国最大クラス。

参考文献・公的資料

より詳細な家事時間・貨幣評価・家事代行データは、以下の公的資料を参照してください。

※本ページの計算結果および統計データは、公的統計・業界調査に基づく参考値です。実際の家事代行契約・家電購入・家計判断にあたっては、最新の各事業者の見積・約款、および税務・社会保険・労務の専門家の判断も併せてご確認ください。特に離婚調停における家事労働価値の主張は、弁護士等の法律専門家に相談することを強く推奨します。

よくある質問(FAQ)

家事代行はいくらから頼めますか?

大手家事代行(ダスキン・ベアーズ・カジタク等)の定期契約なら、週1回2-3時間で月3-5万円から。初回お試しは通常の半額程度(3,000-5,000円)で1回試せます。マッチング型(タスカジ・キッズライン)なら時給1,500-2,500円で単発から利用可能。まずは初回お試しで自分の家庭に合うか検証するのが経済合理的です。

食洗機・ロボット掃除機の時短効果は?

食洗機は年間180-240時間(1日30-40分)、ロボット掃除機は年間90-120時間(1日15-20分)を削減できます。時給2,000円なら食洗機で36-48万円分、ロボット掃除機で18-24万円分の労働価値を回収。共働き家庭では投資回収期間3-8ヶ月が典型的。両方導入で年60-90万円分の時給を取り戻せます。

共働き夫婦の家事分担はどのくらいが標準?

総務省「社会生活基本調査」(2021年)では、共働き妻が1日約4時間54分、夫が約1時間5分と、依然として妻の負担が4倍以上です。厚労省・内閣府は「妻:夫=6:4」を目標としていますが、実態は「8:2」の家庭が多数。家事時給換算で数字を共有すると、話し合いが具体化します。

専業主婦の家事は年いくら分の労働?

内閣府「無償労働の貨幣評価」(令和2年)では、専業主婦の家事は年約200-400万円分の労働価値と推計されています。子ども有りだと育児が加わり300-450万円に。市場の家事代行相場(2,500-4,000円/h)で換算するとさらに高く、年500-700万円規模になるケースも。GDPには計上されない「見えない労働」の価値です。

家事代行を頼む前に片付けが必要って本当?

ある程度は本当です。家事代行はあくまで「掃除・料理等の実行」を担うサービスで、片付け・整理は基本サービスに含まれません。頼む前に散らかったモノを片付ける必要があり、これが「隠れコスト」として月1-2時間発生します。時給換算で3-6千円/月分の追加負担。定期化すると常態化して負担が減るケースが多いです。

ベビーシッターと家事代行の違いは?

ベビーシッターは子どもの世話が本業(食事・遊び・送迎)で、家事は付随的。家事代行は家事が本業で、子どもの見守りは限定的です。時給はベビーシッター1,500-3,500円、家事代行2,500-4,500円が相場。0-3歳児がいる共働きなら、両方を目的別に使い分けるのが一般的。ベビーシッターは資格者(認定ベビーシッター等)を選ぶと安心。

家事代行の料金は経費で落とせる?

個人利用は原則不可ですが、個人事業主・フリーランスが「自宅兼事業所」で家事按分すれば、事業使用割合分は必要経費算入可能。会社員は不可。ただし2022年度税制改正で「特定支出控除」の対象に一部の家事代行が入る議論もあり、今後の制度改正で経費化が広がる可能性があります。詳細は税理士に相談を。

夫の家事時間を増やす効果的な方法は?

厚生労働省の男女共同参画データによれば、①家事の可視化(タスクリスト化)、②「手伝う」ではなく「担当する」への意識変換、③家事分担アプリ(Yieto・TimeTree等)による記録の3点が効果的。時給換算で家事の労働価値を共有することも意識改革に有効です。育児期に家事分担のルールを確立した夫婦は、その後も分担が続きやすい傾向があります。

家事代行のトラブルはどこに相談?

国民生活センター(消費者ホットライン188)が第一窓口。契約時のトラブル・破損事故・盗難・約束不履行等の苦情を受付。大手家事代行は損害保険加入が必須ですが、マッチング型(タスカジ・キッズライン等)は個人契約なので約款・保険を要確認。日本家事代行協会加盟事業者は業界団体の相談窓口も利用可能です。

離婚時に家事労働価値は認められる?

認められます。日本の民法768条(財産分与)では、専業主婦の家事労働は「無形の寄与」として財産形成に貢献したとみなされ、原則として1/2ルール(夫婦の共有財産を折半)が適用されます。慰謝料・婚姻費用の算定でも、家事労働の年評価額270-380万円が交渉材料になるケースがあります。詳細は弁護士に相談を。

子育て世代におすすめの時短家電の優先順位は?

食洗機(即回収)、②電気圧力鍋・自動調理鍋(即回収)、③ロボット掃除機、④ドラム式洗濯乾燥機、⑤ミールキット・ネットスーパーの順が、投資回収の早さと満足度で高評価です。特に食洗機と電気圧力鍋は初期費用が比較的安く(合計12-24万円)、1-3ヶ月で時給を回収できます。

家事代行と時短家電、どちらを優先?

年収900万円未満の共働き家庭では時短家電が先、年収900万円以上は家事代行併用が経済合理的です。時短家電は1度買えば5-10年働き続けますが、家事代行は月々の固定費。時給が高い高所得層ほど代行のROIも高くなります。まず食洗機・圧力鍋・ロボット掃除機で日常を効率化し、月1-2回の大掃除・作り置きを代行に委ねるハイブリッド戦略が最強です。