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GCP Compute Engine 料金計算ツール|マシンタイプ・稼働時間・割引適用から月額即算

Google Cloud Compute Engineの月額を、E2/N2/N2D/T2D/C3系マシンタイプ、稼働時間、持続使用割引(SUD)・確約利用割引(CUD)・Spot VMまで反映して算出。AWS EC2/Azure VMとの相対比較、Cloud Run・GKE Autopilotへの移行判断、リージョン差、OSライセンス、永続ディスク、エグレス通信費まで、Google Cloud公式ドキュメントおよびSLAに基づき解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

GCP Compute Engine 料金計算機

計算式と料金構造

基本式

月額 = (vCPU単価 × vCPU数 + メモリ単価 × GB) × 稼働時間 + ディスク費 + エグレス通信費 − 割引額

Compute Engineの料金は「マシンタイプ本体 + 永続ディスク + エグレス通信 + プレミアムOSライセンス」の合算で構成されます。マシンタイプ本体は「vCPU秒×単価 + GB秒×単価」で秒単位課金され、最低課金時間は1分。停止中でも永続ディスクとスタティック外部IPには課金が続く点が典型的なコスト漏れ要因です。

持続使用割引(SUD)の自動計算

SUD = 月間稼働率25%以上から段階的に自動適用(最大30%オフ)

SUDは1か月のうち25%(約182h)以上稼働するVMに対しGoogle Cloud側が自動適用します。予約や事前手続きは不要で、E2/N2/N2D/T2D/C3など主要ファミリーが対象。ただしSpot VM・プリエンプティブル・E2共有コア(micro/small/medium)には適用されない点に注意してください。

確約利用割引(CUD)

1年または3年の期間、特定リージョンでのvCPU・メモリ使用量を確約することで、1年契約で約37%、3年契約で約55%の割引を得られます。CUDには「リソース確約(旧タイプ)」と「支出額確約(Flexible CUD)」があり、後者はマシンタイプ変更やリージョン移動に柔軟対応可能です。定常稼働の本番環境はCUD、変動が大きいステージング/開発環境はSUD、バッチや耐障害性ワークロードはSpotという使い分けが定石。

マシンタイプ別 単価早見表(us-central1・オンデマンド)

2026年時点の実勢価格に基づく参考値です。Google Cloud公式Pricing Calculatorおよびcloud.google.com/compute/pricingで最新値を必ず確認してください。

マシンタイプvCPUメモリ時間単価月額(730h)SUD後
e2-micro0.251 GB$0.008$7$4.9
e2-small0.52 GB$0.017$14$9.8
e2-medium14 GB$0.034$28$19.6
e2-standard-228 GB$0.067$50$35
e2-standard-4416 GB$0.134$100$70
e2-standard-8832 GB$0.268$200$140
n2-standard-228 GB$0.097$71$50
n2-standard-4416 GB$0.194$142$99
n2-standard-8832 GB$0.388$283$198
n2d-standard-4 (AMD)416 GB$0.169$123$86
t2d-standard-4 (Tau)416 GB$0.169$123$86
c3-standard-4416 GB$0.209$153$107
c3-standard-8832 GB$0.418$305$214

永続ディスク: バランスPD $0.10/GB月、SSD PD $0.17/GB月、標準PD $0.04/GB月。エグレス: 同一リージョン内無料、同大陸間 $0.02/GB、大陸間 $0.08〜$0.15/GB、インターネット向け $0.12/GB(北米/欧州→アジア)。

割引プランの選び方(SUD / CUD / Spot)

SUD(持続使用割引)

25%以上の稼働で自動適用され、フル稼働(730h)で最大30%オフ。契約手続き不要でE2/N2/N2D/T2D/C3が対象。共有コア(e2-micro/small/medium)およびSpotには非適用。停止・削除・マシンタイプ変更が自由にできる開発・ステージング環境の第一選択。

CUD 1年(約37%)

1年間、特定リージョンのvCPU・メモリ量を確約。本番Webサーバー・DBなど「稼働時間・スペックが確定している」用途に最適。Flexible CUDならマシンタイプ変更・リージョン移動も可能で、モダナイゼーション途上のプロジェクトでも導入しやすい。

CUD 3年(約55%)

3年契約で最大割引。監視・DNS・SSO基盤のような「今後3年変わらない」ワークロードに。Enterprise Support契約とセットで24×7×365監視・SLA保証(99.99%)も受けられ、SREチーム未整備の中小組織で有効。

Spot VM(60〜91%オフ)

プリエンプティブルの後継。Google Cloud側の空きリソースを最大91%オフで利用。24時間以上の連続稼働保証なし、30秒予告で強制停止される可能性あり。バッチ処理、Renderingファーム、ML学習、CI/CDワーカーで最強のコスト削減手段。GKEやDataflow経由の自動再スケジュール構成が現実的。

Sole-Tenant Node

物理サーバー専有型。BYOL(Bring Your Own License)、コンプライアンス要件(PCI DSS、金融ISO)対応、Windows Server/OracleのCPUライセンス最適化に使う特殊枠。単価はオンデマンド比+約10%だが、ライセンス費が大きい場合にトータルで安くなるケースあり。

Free Tier(無料枠)

e2-micro 1台がus-west1・us-central1・us-east1に限り月744h無料(2024年8月以降の新規案件は対象外の可能性あり、公式で最新条件を確認)。永続ディスク30GB標準、エグレス1GB/月無料枠を含む。個人開発・学習・小規模ボット運用の起点として活用可。

AWS EC2・Azure VMとの比較

同スペック(4 vCPU / 16 GB)でTokyo/us-central1リージョン、オンデマンド730h稼働の月額を比較すると次のとおり。

クラウドインスタンス月額(オンデマンド)持続/自動割引3年契約
GCPe2-standard-4$100$70 (SUD)$45 (CUD 3年)
GCPn2-standard-4$142$99 (SUD)$64 (CUD 3年)
AWSm6i.xlarge$140$60 (RI 3年前払)
AWSt3.xlarge$121$52 (RI 3年前払)
AzureD4s v5$140$63 (Reserved 3年)

オンデマンド価格ではGCPのE2ファミリーが最安クラス。SUDが自動適用される点は「割引を意識しなくても勝手に安くなる」というFinOps上の強みで、開発チーム主導のクラウド運用と相性が良い。ただしN2/C3など高性能ファミリーはAWS/Azureとほぼ同水準で、選定はマシンタイプ×リージョン×割引適用後で比較する必要があります。

Cloud Run・GKE Autopilotとの棲み分け

Cloud Run(サーバーレス)

コンテナを「リクエストごと課金」で稼働。CPU-only 200万リクエスト/月まで無料枠、以降 vCPU秒 $0.000024、GB秒 $0.0000025、リクエスト $0.40/100万。スパイクの多いAPI・Web、Cron的なジョブに最適で、低トラフィックなら月$0〜$10程度で運用可能。VMの管理・OSパッチ不要。

GKE Autopilot(マネージドK8s)

Podのリソース要求量(vCPU/メモリ/ephemeral storage)で課金。ノード管理不要、自動スケーリング・自動修復付き。中規模以上のマイクロサービス、複数チーム相乗り運用に向く。管理費 $0.10/クラスター/h(1クラスターあたり月約$73)は必要だが、複数VM運用のオペコスト削減効果が大きい。

Compute Engine(IaaS)

OS/ミドルウェア完全掌握、GPU・大容量メモリ・特殊NW構成に対応。既存資産のリフト&シフト、ライセンス制約のあるOracle/SAP/Windows、SREチームがある組織のコア基盤に最適。CUD 3年でTCO最適化。

選定の目安

①リクエスト<1req/秒 or Cron主体 → Cloud Run、②複数サービス・チーム運用 → GKE Autopilot、③OS/カーネル制御・GPU必須 → Compute Engine + CUD。3者はハイブリッド構成もでき、フロントCloud Run + バックGKE + バッチCompute EngineのSpotなど。

リージョン・ゾーン差と可用性

Compute Engineの単価はリージョンで最大約20%異なります。asia-northeast1(東京)/asia-northeast2(大阪)は日本ユーザー向けレイテンシ最小だが単価は高め、us-central1(アイオワ)/us-east1(サウスカロライナ)は最安クラス。バッチ処理・非同期ML学習であれば米国リージョンに切り出すことで20〜30%のコスト削減が可能です。

リージョン相対単価SLA典型用途
us-central1(アイオワ)基準(1.00)99.99% (Regional)グローバル最安、開発・バッチ
us-east1(サウスカロライナ)1.0099.99%米国東海岸ユーザー向け
asia-northeast1(東京)1.1599.99%日本国内サービス本番
asia-northeast2(大阪)1.1599.99%DR/バックアップ、金融向け
asia-southeast1(シンガポール)1.1299.99%ASEAN・インドユーザー向け
europe-west1(ベルギー)1.0599.99%EU GDPRデータ主権

SLAは単一ゾーン稼働で99.5%、マルチゾーン(Regional)で99.99%。CUDは購入したリージョン内でのみ有効なので、DR構成では東京/大阪双方の購入計画が必要です。

現場での活用シーン

スタートアップWebサービス

e2-medium×2台(Load Balancer配下) + Cloud SQL db-g1-small + Cloud Storageで月$100〜$150。SUD適用で自動節約、成長後にn2/c3にスケールアップ。

SaaSの本番Web/DB

n2-standard-8×2 + n2-highmem-8 DB + Regional Persistent Diskで月$1,500〜$2,000。CUD 3年で55%オフ、SLA 99.99%契約でエンタープライズ要件充足。

機械学習・バッチ

n2d/t2d + Spot VMで大量並列。ML学習はA2/G2(GPU/TPU)構成、Vertex AIパイプラインと連携。Spotで通常オンデマンドの1/10コスト。

ゲームサーバー

c3-highcpu系 + Regional Load Balancerで低レイテンシ。Global Load Balancerで世界配信、Cloud CDNでエグレス圧縮。

企業内システム

Windows Server + Sole-Tenant Node + BYOLでSQL Server/Oracleライセンス最適化。オンプレからのリフト&シフト、AD統合。

データパイプライン

Dataflow(Apache Beam)/BigQueryのバックエンドとしてCompute Engine Spot。日次バッチ、Cloud Composer(Airflow)スケジューリング。

よくある間違い・注意点

  • 停止中のVMも課金される項目がある — VMインスタンスを停止(TERMINATED)しても、永続ディスク・スタティック外部IP・ロードバランサには課金が継続します。「使っていないのに月$50かかっている」の典型パターン。不要ならディスクごと削除するか、TERMINATEDインスタンスにstatic IPを紐付けたままにしない。
  • SUDがE2共有コアには適用されない — e2-micro/e2-small/e2-mediumは共有コア型でSUD対象外。フル稼働でも定価のまま。長期定常稼働ならe2-standard-2以上、または3年CUDに切り替える方が安くなるケース多数。
  • エグレス費が見えない — 大陸間・インターネット向けエグレスは$0.08〜$0.15/GB。動画配信・大量ログ転送で月数十万円になることも。Cloud CDN・Cloud Interconnect・Direct Peeringで大幅圧縮可能。
  • OSプレミアム課金の見落とし — Windows Server: +$0.04〜$0.184/vCPU時、RHEL: +$0.06/h、SUSE: +$0.02〜$0.10/h。UbuntuやDebianは無料。TCO試算時に必ず加算。
  • Spot VMを本番Webに使ってしまう — Spotは30秒予告で強制停止される可能性あり。有状態Webサーバー・DBには不適。GKEやCloud Composerで自動再スケジュールされる構成でのみ本番採用可。
  • CUDのリージョン縛りを忘れる — 東京リージョンで購入したCUDは東京でしか使えない。DR前提の大阪利用や、us-central1へのワークロード移設時にはCUDが「空回り」する。Flexible CUDなら緩和可能。
  • ゾーン分散を怠り単一ゾーンSLAで運用 — 単一ゾーンSLAは99.5%(月43分停止許容)、Regional(マルチゾーン)は99.99%(月4.3分)。本番はManaged Instance Group + Regional Disk + Regional Load Balancerで冗長構成が必須。

関連ドキュメント・SLA

  • Compute Engine SLA ― Regional VM 99.99%、Zonal VM 99.5%。SLA未達時のクレジット計算式はcloud.google.com/compute/slaに記載。
  • Compute Engine Pricing Docs ― マシンタイプ別vCPU/メモリ単価の公式一覧。SUD計算の詳細はSustained Use Discountsセクション参照。
  • Committed Use Discounts(CUD) ― 1年/3年契約の適用条件、Flexible CUDの支出額確約モデル。
  • Cloud Billing・Cost Management ― 予算アラート、Budget API、BigQuery Billing Export、Recommender APIによるコスト最適化提案。
  • Google Cloud Adoption Framework ― TCO試算、マイグレーション計画、FinOps体制構築ガイド(公式Whitepaper)。
  • GDPR/APPI/PCI DSS対応 ― Compute EngineはGDPR、日本の個人情報保護法(APPI)、PCI DSS、ISO 27001/27017/27018、SOC 1/2/3に準拠。金融庁「FISC安全対策基準」対応も可能。

参考文献・公的資料

実際の料金計算・契約時は、以下の一次資料および公式Pricing Calculatorで最新値を必ず確認してください。

※本ページの料金試算は概算値です。実際の課金は選択リージョン・マシンタイプ・課金オプション・OSライセンス・エグレス通信量・SUD/CUD適用状況で変動します。契約前に必ずGoogle Cloud Pricing Calculatorおよびcloud.google.com/compute/pricingで最新価格を確認し、正式な購買判断は自組織の調達規程・SI/リセラーとの契約内容に基づいてください。SLA未達時のクレジット計算は公式SLAドキュメントに従います。

よくある質問(FAQ)

SUDは自分で設定する必要がある?

いいえ、自動適用です。E2/N2/N2D/T2D/C3ファミリーで月間25%以上稼働したVMに対し、Google Cloud側が自動で最大30%オフの請求を行います。予約や購買手続きは不要。ただし共有コア(e2-micro/small/medium)とSpot VMは対象外。

Cloud RunとCompute Engine、どちらが安い?

低トラフィックのAPI・CronはCloud Runが圧倒的に安い(月$0〜$10)。常時稼働のWebサーバーやDB、OSカスタマイズ必要な既存資産の移設はCompute Engineが有利。分岐点は「1日あたりリクエスト数」と「常時プロセス保持の必要性」で判断します。

Spot VMはどのくらい頻繁に停止する?

SLAでは24時間以内に停止される可能性があると明記。実運用ではリージョン・時間帯・マシンタイプにより差があり、us-central1のE2/N2は数日〜1週間稼働継続する例も多い一方、C3や東京リージョンでは日次停止する場合も。GKE・MIG・Dataflow経由での自動再スケジュール構成が現実的です。

CUDを買った後にマシンタイプを変えたい

従来のリソースCUDは特定マシンファミリー・リージョン縛りですが、Flexible CUD(支出額確約型)ならマシンタイプ変更・リージョン間移動・EM(汎用)ファミリー間の切替が可能です。IT基盤の変化が予測しづらい成長企業ではFlexible CUD推奨。

Windows Serverはどれくらい追加料金がかかる?

Windows Server 2022の追加ライセンス費はvCPUあたり$0.04〜$0.184/時間(4 vCPUなら月$116〜$538)。BYOL(既存ライセンス持ち込み)対応のSole-Tenant Nodeを使えばライセンス費を節減可能。RHEL、SUSEも同様のプレミアム加算が発生します。

永続ディスク SSDと標準の選び方は?

DB・キャッシュ・高IOPS用途はSSD Persistent Disk($0.17/GB月、最大30 IOPS/GB)、汎用WebやログはBalanced($0.10/GB月)、大容量アーカイブ用途は標準PD($0.04/GB月)。ext4/xfsフォーマットは変更後もオンラインリサイズ可能。

エグレス料金を抑える方法は?

Cloud CDNで静的コンテンツをキャッシュ、②Cloud Storage同一リージョン配置でVM-Storage間エグレスを無料化、③Cloud Interconnect/Partner Interconnectで専用線接続によりエグレス単価を$0.02/GB以下に削減。動画・大量ログ用途では月数十万〜数百万円の差になります。

e2-microの無料枠はいつまで有効?

Google Cloud Free Tierとして、us-west1・us-central1・us-east1のe2-micro 1台と永続ディスク30GB、エグレス1GB/月が無期限で無料(2024年時点)。ただし新規申し込みには請求先アカウント設定が必要で、無料枠を超えた分は自動的に課金されます。無料枠の適用条件は変更される場合があるため、公式Free Tierページで最新条件を確認してください。

AWSからGCPへ移設するとどのくらい安くなる?

ワークロード次第ですが、SUD自動適用でオンデマンド比15〜30%削減CUD 3年契約でRI 3年比+5〜10%削減できるケースが典型。ただしAWS S3/CloudFront/Route53からGCPへの移行時にはエグレス費が大きく発生するため、移行計画にはデータ転送コストの試算が必須です。

マシンタイプの変更(リサイズ)はダウンタイムが必要?

はい、停止 → タイプ変更 → 起動のプロセスで数十秒〜数分のダウンタイムが発生。ゼロダウンタイムでスケールしたい場合はManaged Instance Group(MIG) + Rolling Updateでインスタンス群を段階的に置換します。Load Balancer配下ならエンドユーザー影響なし。

予算アラートの設定方法は?

Cloud Console → Billing → Budgets & alertsで、月次予算($100/$500/$1000など)と閾値(50%/90%/100%)を設定。閾値超過時にEmail・Pub/Sub・Cloud Functionsで通知可能。BigQuery Billing Exportを併用すると、Looker Studioでコスト可視化ダッシュボードを構築できます。

GKE Autopilotとの料金比較は?

GKE AutopilotはPod単位課金(vCPU $0.0445/h、メモリ $0.0049/GB h、Storage $0.0000668/GB h)で、加えて管理費 $0.10/クラスター/hが必要。単一Compute Engineより高い場合が多いが、複数マイクロサービスを1クラスターに集約すれば運用コストとインフラコストの両方で有利。SREチームがない組織ではAutopilotが総合コスト最小になるケースも多数。