Cloudflare料金計算|Free/Pro/Business/Enterpriseと Workers・R2・Pages の月額
CloudflareのFree($0)・Pro($20)・Business($200)・Enterprise(要見積)プランと、Workers・R2・Pages・KV・D1・Zero Trust・Stream・Argo Smart Routingの従量課金を試算。US$→日本円換算(1USD=150円想定)、大手クラウド系・老舗エンタープライズ系・開発者向けといった他の主要CDNとの価格比較、無料枠の使い切りポイント、法人契約時の消費税・請求書対応まで、Cloudflare公式Pricingページに基づき解説します。
Cloudflare 月額試算
料金体系と計算式
プラン基本料
プラン料金 = Free($0) / Pro($20) / Business($200) / Enterprise(要見積$5,000〜)
Cloudflareの月額料金は、CDN・WAF機能を提供するプラン基本料と、追加サービスの従量課金の合算です。プラン料金はドメイン(Zone)1つあたりの月額で、複数ドメインなら本数分の料金が発生します。Enterpriseは営業経由の年間契約が基本で、価格は非公開。
Workers 従量課金
Workers料金 = max($5, ((リクエスト数 - 1000万) / 100万) × $0.30)
Workers(エッジ関数)はStandardプランで月$5から利用可能、月1,000万リクエストまで無料。以降100万リクエストごとに$0.30。CPU時間 <10ms/リクエストが標準で、実質サーバレスとして使えます。
R2 ストレージ料金
R2料金 = (容量 - 10GB) × $0.015 + クラスA操作 × $4.50/百万 + クラスB操作 × $0.36/百万
R2は業界標準となったオブジェクトストレージAPIに互換のストレージで、egress(下り転送)無料が最大の特徴。10GBまで無料、以降GBあたり$0.015/月。書き込み系(Class A)が$4.50/百万リクエスト、読み込み系(Class B)が$0.36/百万リクエスト。
プラン別機能比較
| 機能 | Free | Pro $20 | Business $200 | Enterprise 要見積 |
|---|---|---|---|---|
| グローバルCDN | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| DDoS対策 | 基本 | 強化 | 強化 | 専用対応 |
| WAF(Web Application Firewall) | 基本 | 強化 | フルカスタム | フルカスタム |
| SSL/TLS | Universal SSL | Advanced SSL | SNIカスタム | 専用SSL |
| 画像最適化 Polish | — | ✓ | ✓ | ✓ |
| モバイル最適化 Mirage | — | — | ✓ | ✓ |
| PCI DSS準拠 | — | — | ✓ | ✓ |
| SLA保証 | — | — | 99.9% | 100% |
| サポート | Community | Priority Email | 24/7 Phone | |
| カスタム証明書アップロード | — | — | ✓ | ✓ |
| Cloudflare Access(Zero Trust) | 50ユーザーまで無料 | 同 | 同 | フルパッケージ |
| Pages(静的サイトホスト) | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
個人ブログ・スタートアップはFree/Proで十分。ECサイト・金融系はBusiness以上でPCI DSS・SLA保証が求められます。
Workers・R2 の従量課金
Workers 料金プラン
| プラン | 月額基本 | 無料リクエスト | 超過料金 | CPU時間 |
|---|---|---|---|---|
| Workers Free | $0 | 10万リクエスト/日 | — | 10ms/req |
| Workers Standard | $5 | 1000万リクエスト/月 | $0.30/百万req | 30秒/req |
| Workers Unbound(旧) | — | 移行済 | — | — |
R2 ストレージ料金
| 項目 | 無料枠 | 超過料金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ストレージ容量 | 10GB/月 | $0.015/GB/月 | 大手クラウドの標準ストレージの2/3程度 |
| Class A(PUT/POST/List等) | 100万回/月 | $4.50/百万 | 書き込み系 |
| Class B(GET/HEAD等) | 1000万回/月 | $0.36/百万 | 読み込み系 |
| Egress(下り転送) | 無制限 | $0(無料) | 最大の特徴 |
R2のegress無料は業界の特異点です。大手クラウドのオブジェクトストレージでは下り転送1GBあたり$0.09(=100GB配信で$9)が別途発生するのに対し、R2は容量課金のみ。大量配信サイトでは月数十万円の差がつきます。
Workers KV / D1 の料金
KV(キーバリューストア)は読み取り1000万回/日まで無料、書き込み1000回/日まで無料。それ以降は$0.50/百万読み取り、$5/百万書き込み。D1(SQLite互換DB)は500万行読み取り/日まで無料、書き込み10万行/日まで無料。
Pages・KV・D1 の無料枠
Pages(静的サイトホスト)
主要なGitホスティングサービスと連携して自動デプロイ。無料枠が破格で、月500ビルド、リクエスト無制限、帯域無制限、100サイトまで。個人ポートフォリオ・SPAには最適で、他の静的ホスティングサービス(無料枠は月100GB帯域程度が一般的)より枠が広いのが特徴です。
KV(Key-Value Store)
グローバル分散KVS。読み取り1000万/日無料、書き込み1000/日無料。セッション・A/Bテスト・Feature Flagに最適。書き込み系はプランで制限。
D1(SQLite互換DB)
2024年GA。SQLiteベースのグローバル分散DB。500万行読/日、10万行書/日、5GBまで無料。小〜中規模Webアプリに最適。
Durable Objects
単一インスタンス状態管理。WebSocket・ゲームサーバー・共同編集アプリ用。月100万リクエストまで無料、以降$0.15/百万req+CPU時間課金。
Queues
メッセージキュー。月100万操作まで無料、$0.40/百万操作。バッチ処理・Webhook配信・非同期タスクに。
AI Gateway・Vectorize
LLM API のキャッシュ・レート制限(Gateway無料)、ベクターDB(Vectorize:500万Q/月まで無料)。RAG構築に有用。
Zero Trust・Cloudflare One の料金
| プラン | 月額 | ユーザー数 | 主要機能 |
|---|---|---|---|
| Zero Trust Free | $0 | 50ユーザーまで | Access・Gateway・DNS Filtering |
| Zero Trust Standard | $7/ユーザー/月 | 1〜1000 | Free機能+高度な脅威検知 |
| Zero Trust Enterprise | 要見積 | 1000〜 | フルSASE・専任サポート |
| Cloudflare One | 要見積 | — | Zero Trust+Magic WAN統合 |
50人以下の中小企業・スタートアップはZero Trust Freeで十分。VPN代替として使えます。50人超えは$7/ユーザー×人数。
他の主要CDNとの比較
| 項目 | Cloudflare | 大手クラウド系CDN | 開発者向けCDN | 老舗エンタープライズCDN |
|---|---|---|---|---|
| 最小プラン | Free/月$20 | 1TBまで$85 | 月$50〜 | $1,000〜/月 |
| 下り転送単価 | プラン込 | $0.085/GB | $0.12/GB | 要見積 |
| ストレージegress | R2: 無料 | 標準ストレージ: $0.09/GB | — | — |
| エッジ関数 | Workers: $5〜 | $0.60/百万req | 月$50〜 | $0.60/百万req |
| DDoS対策 | Free/全プラン込 | 上位保護サービス $3,000/月 | プラン込 | 専用サービスの別料金 |
| グローバルPoP数 | 300+都市 | 410+PoP | 75PoP | 4,000+ |
| WAF | Pro以上込 | $1/百万リクエスト | プラン込 | 専用製品の別料金 |
| 日本語サポート | △(英語主) | ◯ | △ | ◯ |
Cloudflareはegress無料・DDoS対策込み・シンプルな定額が強み。大手クラウド系や老舗エンタープライズ系は、細分化された機能と大企業向けのSLA・日本語サポートが強みです。中小規模ならCloudflare、大企業や厳密なSLAが要る案件なら大手クラウド系・老舗系、というのが定石です。
用途別プラン選び
個人ブログ・ポートフォリオ
Free + Pages(静的ホスト)で完結。月$0で世界配信・SSL自動・DDoS対策込み。独自ドメインもFreeで運用可能。
Webサービス・SaaS(月10万PV)
Pro $20 + Workers $5 = 月$25(約¥3,750)。画像最適化Polish、高度なWAF、Advanced SSLで安全運用。
ECサイト(月100万PV)
Business $200 + Workers $5-20 + R2で在庫画像。合計$250-300(約¥45,000)。PCI DSS準拠でカード決済対応。
動画配信サービス
Stream $1/1000分視聴 + R2でオリジン。1万ユーザー×10分/日 = 3百万分/月 = $3000/月。egress無料の恩恵大。
大規模メディア(月1000万PV)
Business $200 + Argo Smart Routing $5/GB + Cache Reserve。合計$500-1000/月。より高速なグローバル配信。
金融・官公庁レベル
Enterprise($5,000〜/月)。100% SLA、24/7電話サポート、Bot Management、Advanced DDoS、専任アカウントマネージャー付き。
請求・消費税・法人契約
支払方法
クレジットカード(主要国際ブランド)払いが基本。Enterpriseは請求書(NET30/60日)・銀行振込対応。日本円建て請求は不可で、USD建て請求のみです。カード会社の為替レート(TTMまたは仲値+手数料)で日本円換算されます。
消費税・インボイス
2023年10月からのインボイス制度対応:Cloudflare Inc.(米国法人)からの請求のためリバースチャージ方式が適用され、原則として日本の消費税は課税対象外。ただし特定課税仕入れ(電気通信利用役務)に該当する可能性があり、税務上の取扱いは税理士に相談を。
法人契約のポイント
Enterprise契約では専任アカウントマネージャー(AM)と技術サポート(SE)が付き、契約は年間コミット。日本法人(クラウドフレアジャパン株式会社)経由で日本語対応も可能。契約前にPoC(概念実証)期間の設定を推奨。
よくある間違い・注意点
- 「Freeなら完全無料」の誤解 — Free CDNは無料だが、Workers・R2・Pages Functions・KVは無料枠を超えると別途課金。月末に予期せぬ請求が発生する例も。使用量アラート必須。
- プラン料金がドメインごとの誤解 — Pro/Business/Enterpriseはドメイン(Zone)1つあたり。10ドメイン運用ならProで月$200になります。
- R2 egress無料に頼りすぎ — R2は下り転送無料だが、Class A(書き込み)は$4.50/百万で大手クラウドの標準ストレージより高い。使い方(読み8:書き2)で有利不利が変わります。
- Workers CPU時間の見落とし — Standardプランでも1リクエストあたりCPU 30秒までは無料だが、超過は$0.02/百万msの課金。重い処理は要注意。
- DNSだけFreeでOKと判断 — DNS応答は速いが、DDoS対策のフルパワー(L7 WAF・Bot Management)はPro以上で有効。攻撃を受けるサイトはPro以上必須。
- Zero Trust Free 50ユーザー超えで急に有料 — 51人目から$7/ユーザー×全員に課金され、月$357〜の急増。人数管理が重要です。
- Enterprise「要見積」を軽視 — 実際は$5,000/月〜。中小企業には過剰。Business+Workers/R2の組み合わせで十分なケースが多い。
関連する規約・仕様
- Cloudflare Self-Serve Subscription Agreement ― Free/Pro/Business契約の正式条項。米カリフォルニア法準拠。
- Cloudflare Enterprise Master Services Agreement (MSA) ― Enterprise契約の正式条項。個別交渉可能。
- Cloudflare Data Processing Addendum (DPA) ― GDPR/日本個人情報保護法対応のデータ処理契約。
- PCI DSS v4.0 ― Business/Enterpriseで対応。カード決済サイトの必須要件。
- SOC 2 Type II ― Cloudflare全プラン範囲で年次監査。監査報告書は法人契約で開示可能。
- ISO 27001 / 27018 ― 情報セキュリティ・クラウド個人情報の国際認証。
- 個人情報保護法(日本) ― 越境データ移転(Cloudflareの米国サーバー処理)の適法性確認が必要。
- GDPR(EU一般データ保護規則) ― EU圏ユーザーのデータ取扱い規則。CloudflareはDPA対応。
- Cloudflare 依存関係の SLA ― Business 99.9%、Enterprise 100%(クレジットバック方式)。
参考文献・公式ドキュメント
- Cloudflare Plans(公式Pricing) ― Free/Pro/Business/Enterpriseの機能比較と料金。
- Workers Pricing(公式ドキュメント) ― Workers・KV・D1・Durable Objectsの詳細料金。
- R2 Pricing(公式ドキュメント) ― R2のGB単価・Class A/B操作単価、egress無料の詳細。
- Pages Limits & Pricing ― Pages無料枠の詳細と法人プラン。
- Cloudflare Zero Trust ― Access・Gateway・One統合サービス。
- Cloudflare Trust Hub ― SOC2・ISO27001・GDPRなど認証・監査報告書。
- 個人情報保護委員会 越境移転 ― 海外クラウドの個人情報取扱いガイドライン。
- 国税庁 インボイス制度 ― 海外事業者からの電気通信利用役務の税務処理。
- 総務省 情報通信白書 ― 国内のクラウド・CDN利用動向の政府統計。
- 政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP) ― 政府調達で認められたクラウドサービスの登録簿。事業者選定の客観指標。
よくある質問(FAQ)
Cloudflareは本当に無料で使える?
Free プランでCDN・SSL・DDoS対策・基本WAF・無制限帯域が完全無料で利用可能です。個人ブログ・ポートフォリオ・小規模SaaSなら追加費用ゼロで運用できます。ただしWorkers・R2などの従量サービスは無料枠を超えると課金され、月末の予期せぬ請求を防ぐには使用量アラートの設定が推奨されます。
Pro $20とBusiness $200の違いは?
Proは画像最適化Polishと強化DDoS/WAFが追加。Businessはさらにモバイル最適化Mirage、カスタムSSL証明書、PCI DSS対応、99.9% SLA保証、優先メールサポートが加わります。EC・金融・医療サイトはBusiness以上が必須です。
Workersはどのくらいの規模まで無料?
Workers Freeプランで月10万リクエスト/日(=月300万リクエスト)まで無料。Workers Standardは月$5で1000万リクエスト/月まで含まれ、以降100万リクエストごとに$0.30。CPU 30秒/リクエストまで含まれます。
R2は大手クラウドのストレージより安い?
egress(下り転送)を頻繁に使う場合、R2が圧倒的に安いです。大手クラウドの標準ストレージはegressが$0.09/GB かかるのに対し、R2は無料。100GBを月10回配信する(=1TB egress)と、前者は$90/月、R2は$0で月$90の差になります。ストレージ単価もR2の$0.015/GB は大手クラウドの$0.023/GB より安い水準です。
Enterpriseはいくらから?
営業経由の年間契約で、価格は非公開。実際の相場は月$5,000(年間$60,000)以上。100% SLA、24/7電話サポート、Bot Management、Advanced DDoS、専任アカウントマネージャーが含まれます。中小企業には過剰でBusiness+Workers/R2の組み合わせが実務的です。
Pagesの無料枠を超えるとどうなる?
ビルド500回/月まで無料。以降は月$20のPro相当プラン加入で月5000ビルドまで可能。帯域・リクエスト数は無料枠でも無制限で、静的サイトホストとしては業界最も無料枠が広い部類です。
日本円で請求される?
いいえ、USD建て請求のみ。クレジットカード会社の為替レートで自動換算されます。法人はEnterprise契約で請求書(USD)+銀行振込対応が可能。日本法人(クラウドフレアジャパン)経由でも通貨はUSDです。
消費税・インボイスの扱いは?
Cloudflare Inc.(米国法人)からの請求のためリバースチャージ方式が原則で、日本の消費税は課税対象外。ただし電気通信利用役務に該当する可能性があり、特定課税仕入れの検討が必要。税務処理は税理士に相談を推奨します。
大手クラウドのCDNと比べて安い?
使い方次第です。転送量が多い(月100GB以上)ならCloudflareが圧倒的に安く、従量課金型の$0.085/GBだと月$8.5以上かかるところ、Cloudflareは転送量無料でPro $20固定。逆に月数GB程度の低トラフィックなら、従量課金型のCDNのほうが安く収まることもあります。
Zero Trust Freeの50ユーザーを超えたら?
51人目から$7/ユーザー×全員に課金され、月$357(=51人×$7)に急増します。50人以下で運用するか、有料プランに切り替える判断が必要。人数管理を怠ると請求が跳ね上がります。
複数ドメインでプランを共有できる?
Pro/Business/Enterprise料金はドメイン(Zone)1つあたり。10ドメイン運用ならPro×10 = 月$200になります。ただしFreeは無制限ドメイン可、Workers・R2・Pagesはドメイン数無関係で利用可能です。
途中でプラン変更できる?
Free→Pro→Businessへのアップグレードはダッシュボードから即時可能。ダウングレードも即時対応。日割り計算で月内変更にも柔軟対応。Enterprise契約は年間コミットのため中途解約に別途条件があります。