交通事故 慰謝料 計算ツール|入通院・自賠責・任意・弁護士基準を即算出、後遺障害等級・逸失利益・過失相殺まで完全解説
交通事故の入院・通院期間から、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準(赤い本)の3種類の慰謝料を瞬時に計算。むち打ち(軽傷)・骨折等(重傷)の差、後遺障害等級1〜14級の慰謝料と逸失利益、過失相殺、休業損害、示談交渉フロー、弁護士費用特約まで、日弁連交通事故相談センター・国土交通省・警察庁・損害保険料率算出機構・日本損害保険協会の一次資料に基づき解説。具体的な判断は弁護士へ相談してください。
交通事故 慰謝料 計算ツール
3つの慰謝料基準と成り立ち
交通事故の慰謝料には、加害者側が使う基準と被害者側が主張する基準が併存します。同じ事案でも基準によって2〜3倍の差が出るのが特徴です。
自賠責基準(最低)
自動車損害賠償保障法(自賠責保険法)に基づく法定最低保障。入通院慰謝料は日額4,300円(2020年4月1日以降)で、対象日数は「入通院期間」か「実治療日数×2」の少ない方。傷害総額の上限は120万円で、これを超える部分は任意保険で対応します。損害保険料率算出機構が算定基準を管理。
任意保険基準
各任意保険会社が内部で使う算定基準。自賠責の1.2〜1.5倍程度になるのが一般的で、加害者側から最初に提示される金額はこの基準に基づきます。会社ごとに数値が異なり、公開されていません。
弁護士基準(赤い本・青い本)
裁判所・弁護士が使う基準。「赤い本」(東京三弁護士会 交通事故処理委員会編)と「青い本」(日弁連交通事故相談センター)の判例集に基づき、過去の判例に照らした最も高い基準。同じ事案でも自賠責基準の2〜3倍になります。
基準選択の実務
加害者側は当初「任意保険基準」で提示し、被害者側が「弁護士基準」を主張して交渉するのが典型的な流れ。弁護士に依頼して交渉に入るだけで、示談額が1.5〜3倍になるケースが実務で多く見られます。
入通院慰謝料の計算方法
自賠責基準
入通院慰謝料 = 4,300円 × 対象日数
対象日数 = min(治療期間, 実治療日数×2)
治療期間3ヶ月・実通院30日なら、対象日数はmin(90, 60)=60日 → 25.8万円が上限。ただし治療費・休業損害・慰謝料の合計が傷害部分120万円までが自賠責保険の上限です。
弁護士基準(別表I・別表II)
別表Iは骨折等の重傷用、別表IIはむち打ち等の軽傷用で、通院月数と入院月数を交差させたマトリクスで金額が決まります。以下は代表値です(万円単位)。
| 期間 | 別表II(軽傷・むち打ち) | 別表I(重傷・骨折) |
|---|---|---|
| 通院1ヶ月 | 19万円 | 28万円 |
| 通院2ヶ月 | 36万円 | 52万円 |
| 通院3ヶ月 | 53万円 | 73万円 |
| 通院6ヶ月 | 89万円 | 116万円 |
| 通院12ヶ月 | 154万円 | 218万円 |
| 入院1ヶ月+通院3ヶ月 | 83万円 | 115万円 |
| 入院2ヶ月+通院6ヶ月 | 133万円 | 181万円 |
| 入院3ヶ月+通院6ヶ月 | 148万円 | 211万円 |
数値は「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(赤い本)」の公表基準に基づく代表値。実際の金額は事案の重大性・治療経緯・後遺症の有無で変動します。
後遺障害等級別 慰謝料早見表
治療を続けても症状が残る場合、症状固定時点で後遺障害の認定申請を行います。損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)が等級認定を行い、認定後は等級ごとの慰謝料と逸失利益が加算されます。
| 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 | 症状例 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 1,650万円 | 2,800万円 | 植物状態・両目失明 |
| 2級 | 1,203万円 | 2,370万円 | 常時介護・両上下肢麻痺 |
| 3級 | 861万円 | 1,990万円 | 常時介護必要 |
| 4級 | 737万円 | 1,670万円 | 両手指の全部喪失 |
| 5級 | 618万円 | 1,400万円 | 1眼失明+他障害 |
| 6級 | 512万円 | 1,180万円 | 両耳の聴力喪失 |
| 7級 | 419万円 | 1,000万円 | 軽度の麻痺・両耳難聴 |
| 8級 | 331万円 | 830万円 | 1眼失明・1下肢短縮 |
| 9級 | 249万円 | 690万円 | 1眼の視力著しく低下 |
| 10級 | 190万円 | 550万円 | 咀嚼・言語機能の障害 |
| 11級 | 136万円 | 420万円 | 脊柱の変形障害 |
| 12級 | 94万円 | 290万円 | むち打ちで神経症状(他覚的所見あり) |
| 13級 | 57万円 | 180万円 | 1眼の視力軽度低下 |
| 14級 | 32万円 | 110万円 | むち打ちで神経症状(他覚的所見なし) |
むち打ちで最も認定されやすいのが14級9号「局部に神経症状を残すもの」と12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」。両者の違いはMRI等の他覚的所見の有無で、示談額は3〜4倍変わります。
逸失利益の計算
後遺障害認定を受けると、慰謝料に加えて逸失利益(労働能力を失うことによる将来の減収)が請求できます。
基本式
逸失利益 = 基礎収入 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数
労働能力喪失率(後遺障害等級別)
| 等級 | 労働能力喪失率 | 喪失期間の目安 |
|---|---|---|
| 1級 | 100% | 就労可能年数まで |
| 3級 | 100% | 就労可能年数まで |
| 5級 | 79% | 就労可能年数まで |
| 7級 | 56% | 就労可能年数まで |
| 9級 | 35% | 就労可能年数まで |
| 12級 | 14% | むち打ち10年目安 |
| 14級 | 5% | むち打ち5年目安 |
計算例
年収500万円・30歳・12級認定(喪失期間10年、ライプニッツ係数8.5302)の場合、逸失利益=500万×14%×8.5302=約597万円。慰謝料290万円と合わせて約887万円が請求可能となります。詳細は損害保険料率算出機構 自賠責保険支払基準を参照。
過失相殺と減額
被害者に過失がある場合、過失割合分だけ賠償額が減額されます(民法722条2項)。判例に基づく過失割合の基準は「別冊判例タイムズ38号(民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準)」で示されており、事故類型ごとに数値が細かく規定されています。
典型事故と過失割合の目安
| 事故類型 | 典型的な過失割合 |
|---|---|
| 信号赤で進入 vs 青で進入 | 0:100 |
| 信号なし交差点(同幅員・直進車同士) | 50:50 |
| 右折車と対向直進車の衝突 | 70:30〜80:20(右折車が悪い) |
| 追突事故 | 0:100(追突側が全責任) |
| 脇道からの一時停止無視 | 70:30〜80:20(一時停止無視側が悪い) |
| 横断歩道上の歩行者事故 | 0:100〜10:90(車が全責任) |
| 青信号横断中の歩行者事故 | 0:100 |
| 単路の追い越し中の衝突 | 70:30〜80:20(追越側が悪い) |
過失割合はドライブレコーダー、防犯カメラ、目撃者証言、警察の実況見分調書で決まります。数値に納得がいかない場合は、修正要素(居眠り・飲酒・急ハンドル・徐行義務違反等)を主張して割合を動かします。
休業損害と治療費
休業損害
休業損害 = 基礎収入(日額)× 休業日数
- 給与所得者 ― 事故前3ヶ月の給与÷実日数(事故前3ヶ月の給与総額÷90日または実日数)で日額算定。有給休暇消化分も請求可能。
- 自営業者 ― 前年度確定申告の所得÷365日で日額算定。青色申告の事業専従者控除は原則除外。
- 専業主婦(夫) ― 賃金センサス(女性全年齢平均)÷365日で日額算定。2023年で約1万円/日。
- 無職・失業中 ― 原則否定だが、就職内定・就労予定があれば認容例あり。
治療費
- 治療費実費 ― 症状固定までの必要かつ相当な医療費。健康保険適用の有無で扱いが変わる。
- 付添看護費 ― 入院1日6,500円(弁護士基準)、自宅療養1日3,300〜4,000円。医師の指示や症状で判断。
- 入院雑費 ― 1日1,500円(弁護士基準)。日用品・雑費相当。
- 通院交通費 ― 公共交通機関の実費。タクシーは必要性の疎明で認容。
- 診断書作成費・後遺障害診断書料 ― 加害者側請求可能。
- 症状固定後の治療費 ― 原則自己負担(後遺障害逸失利益で吸収)。
示談交渉の流れ
STEP1:治療期間(事故直後〜数か月)
警察通報・実況見分、任意保険会社への事故報告、病院受診と診断書取得、健康保険/労災の利用検討、通院継続。通院を早期に中断しないことが重要。示談交渉はまだ開始しません。
STEP2:症状固定(治療終了)
医師が「これ以上治療で改善しない」と判断した状態。症状固定日から慰謝料の算定期間が確定します。後遺症がある場合は後遺障害診断書を医師に作成依頼。
STEP3:後遺障害認定申請(該当時)
後遺障害診断書+MRI等の医療記録を損害保険料率算出機構に提出。事前認定(任意保険会社経由)と被害者請求(自賠責への直接請求)の2ルート。認定結果は等級表に照らして通知されます。異議申立ても可能。
STEP4:示談交渉開始
加害者側任意保険から示談案(任意保険基準)が提示。被害者側は弁護士基準での再計算を要求。過失割合・治療費打切りタイミング・逸失利益の算定期間で争点化。3〜6ヶ月で合意が中心。
STEP5:合意困難時
①日弁連交通事故相談センターの紛争処理、②交通事故紛争処理センターのADR、③民事訴訟(訴額により簡裁/地裁)。訴訟に至るのは全体の5%程度ですが、後遺障害認定や逸失利益で大きく争いになる事案では必要。
STEP6:示談書作成・支払
示談書(清算条項付き)に双方が署名捺印、任意保険から一括支払。示談後の追加請求は原則不可のため、後遺症の症状が変動する可能性がある場合は「症状悪化時の再協議条項」を残すことも。
弁護士費用特約と選任タイミング
弁護士費用特約とは
任意保険・自動車保険・火災保険等に付帯できる特約で、弁護士費用を300万円まで、法律相談費用を10万円まで保険会社が支払う仕組みです。付帯料は月200〜400円程度。近年は多くの保険で自動付帯・格安付帯が主流化しており、日本損害保険協会の統計でも普及率が上昇しています。
特約利用のメリット
- 自己負担なしで弁護士依頼可能 ― 慰謝料が増額分より弁護士費用が上回っても、300万円まで自腹なし。
- 過失0の被害者でも安心 ― 過失0(もらい事故)の場合は自分の保険会社が示談交渉できないため、弁護士特約の価値が特に高い。
- 示談交渉の心理的負担が軽減 ― 加害者側保険担当者との直接交渉ストレスがゼロ。
弁護士に依頼すべきタイミング
- 後遺障害等級認定申請前(等級認定のクオリティが変わる)
- 示談案提示時(弁護士基準で再計算するチャンス)
- 治療費打切りを言われた時(不当な打切りへの対抗)
- 過失割合に納得がいかない時(判例に基づく主張が必要)
- 加害者が無保険/自賠責のみ(政府保障事業への請求検討)
- 死亡事故(相続手続と請求権行使が複雑)
よくある間違い・注意点
- 任意保険基準で早期示談 — 加害者側が最初に提示する金額は任意保険基準(弁護士基準の40〜60%)。「早く終わらせたい」と即決すると、本来受け取れる慰謝料の半分以下しか受け取れないケースが多いです。弁護士基準で再計算する時間を確保しましょう。
- 通院を早期に中断 — 症状が軽くなったからと通院を1〜2ヶ月で止めると、①治療期間が短くなり慰謝料も減、②後遺障害認定で「症状継続性なし」と判断される、③加害者側から「その後の悪化は事故と因果関係なし」と反論される、の三重不利益。医師の判断で症状固定まで通院しましょう。
- 健康保険使用を渋る — 「交通事故は自賠責しか使えない」は誤り。健康保険は使えます(第三者行為の届出必要)。使わないと医療費が10割全額になり、傷害部分120万円の自賠責上限を超える計算が難しくなります。
- 後遺障害診断書の内容を確認せず提出 — 主治医の記載が薄い、他覚的所見(MRI・可動域制限)の記録がないと、認定率が大幅に下がります。医師と相談しながら記載を充実させることが重要。弁護士や後遺障害専門行政書士に事前チェックしてもらうと効果的。
- ドラレコ映像を廃棄 — 過失割合の交渉ではドラレコが最強の証拠。事故直後は無傷でも、後日過失割合で揉めることは頻発。ドラレコデータは最低3年保存してください。
- 弁護士費用特約の未活用 — 自分の保険に特約が付帯されているのに知らずに自腹で弁護士依頼するケースが実は多い。家族の保険や火災保険にも特約が付いていることがあるので、全ての保険証券を確認しましょう。
関連する規格・法令
- 自動車損害賠償保障法(自賠責保険法) ― 自賠責保険の根拠法。傷害120万円・後遺障害等級ごとの上限・死亡3,000万円の保障を規定。
- 自動車損害賠償保障法施行令別表第1・第2 ― 後遺障害等級表。1〜14級ごとの症状定義と保険金額。
- 民法709条(不法行為)・710条(財産以外の損害の賠償) ― 慰謝料の一般法上の根拠。
- 民法722条2項 ― 過失相殺の根拠規定。
- 道路交通法 ― 交通ルール、事故時の措置義務、警察通報義務。
- 刑法211条(業務上過失致死傷罪)・自動車運転処罰法 ― 事故加害者の刑事責任。
- 健康保険法・国民健康保険法 ― 交通事故治療での保険適用ルール(第三者行為届出)。
- 労働者災害補償保険法(労災法) ― 通勤中・業務中の事故は労災適用可能。
- 民事訴訟法・民事調停法 ― 訴訟・調停の手続法。
- 民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(赤い本) ― 東京三弁護士会 交通事故処理委員会編。裁判で使う算定基準の実務標準。
参考文献・公的資料
より正確な算定基準・実務ルールを確認したい場合は、以下の公的機関の資料を参照してください。
- 国土交通省 自動車損害賠償保障制度 ― 自賠責保険・共済制度の運営、被害者救済制度の公式情報。
- 国土交通省 政府保障事業 ― 無保険車事故・ひき逃げ事故の被害者救済。
- 損害保険料率算出機構 ― 自賠責保険の料率算定・後遺障害等級認定の運営機関。
- 損害保険料率算出機構 自賠責保険支払基準 ― 自賠責の傷害・後遺障害・死亡の支払基準の公表資料。
- 警察庁 交通事故統計 ― 交通事故発生件数・死傷者数・原因別統計。
- (公財)日弁連交通事故相談センター ― 弁護士による無料相談、示談斡旋(ADR)、審査手続。全国支部あり。
- (公財)交通事故紛争処理センター ― 交通事故のADR機関。中立第三者による示談和解斡旋。
- (一社)日本損害保険協会 ― 損害保険の業界団体。事故対応ガイド、保険選びの解説。
- (一社)日本自動車連盟(JAF) ― ロードサービス、事故対応、交通安全啓発。
- 日本自動車工業会(JAMA) ― 自動車業界団体。統計、安全技術、業界指針。
- 厚生労働省 労災補償 ― 通勤・業務中の交通事故の労災適用。
- 国民生活センター 交通事故関連 ― 消費者向け相談窓口、トラブル事例。
よくある質問(FAQ)
3基準の差は何倍あるの?
典型的には自賠責基準 : 任意保険基準 : 弁護士基準 ≒ 1 : 1.3 : 2〜3。同じ通院3ヶ月・軽傷なら自賠責約26万→任意保険33万→弁護士基準53万円になる例が典型。弁護士に依頼すると弁護士基準で交渉できるため、示談額が1.5〜3倍になるケースが実務で多く見られます。
むち打ちと骨折の慰謝料はどれくらい違う?
同じ通院3ヶ月でも、軽傷(むち打ち)53万円、重傷(骨折)73万円(弁護士基準)と20万円の差。骨折等の重傷は「別表I」、むち打ち等の軽傷は「別表II」で算定されます。MRI画像で他覚的所見があるかどうか、骨折・脱臼・靭帯損傷等の物的損傷の有無で判定されます。
過失割合の影響はどれくらい?
過失30%なら慰謝料も30%減額(過失相殺、民法722条2項)。100万円→70万円に。「9割:1割」「7割:3割」など過失割合の判定で総受取額が大きく変わります。ドラレコの証拠、警察の実況見分調書、目撃者証言が過失割合交渉の要。判例基準は「別冊判例タイムズ38号」に整理されています。
後遺障害等級認定はどうする?
症状固定後、①事前認定(任意保険会社経由)か、②被害者請求(自賠責への直接請求)で申請。損害保険料率算出機構が認定を行います。後遺障害診断書の記載充実、MRI等の他覚的所見、症状継続性の疎明が認定率に直結。むち打ちの14級認定で110万+数百万の逸失利益が加算されます。認定に不満なら異議申立て・訴訟も可能です。
弁護士に依頼すべきタイミングは?
①後遺障害が残った時、②過失割合に納得いかない時、③加害者が無保険/自賠責のみ、④死亡事故、⑤治療費打切りを言われた時、⑥示談案が任意保険基準で提示された時。慰謝料の増額分が弁護士費用を超えるケースがほぼ全て。弁護士費用特約があれば自己負担なしで即依頼OKです。
弁護士費用特約とは?
任意保険・自動車保険・火災保険等に付帯できる特約で、弁護士費用を300万円まで、法律相談費用を10万円まで保険会社が支払う仕組み。付帯料は月200〜400円程度。過失0(もらい事故)の場合は自分の保険会社が示談交渉できないため、特約の価値が特に高くなります。家族の保険・火災保険にも付帯していることがあるので全証券確認を。
治療費打切りを言われたらどうする?
加害者側任意保険が3〜6ヶ月で「治療費打切り」を通告するのは典型パターン。医師が「治療継続必要」と判断すれば、①健康保険/労災に切替えて自費立替後に請求、②弁護士に打切り妥当性を精査させる、③後遺障害認定を早期に検討、の対応が可能。症状固定は医師が決めるもので、保険会社の一方的判断ではありません。
通院日数・通院頻度はどれくらいが適正?
むち打ち等は週2〜3回の通院ペースが一般的。実通院日数が少なすぎると自賠責基準の対象日数(実治療日数×2)が小さくなり、任意保険側の「治療継続必要性なし」の主張材料にもなります。ただし過度な通院は「濃厚診療」と疑われるため、医師の指示に従うのが原則。整骨院のみの通院は認められにくいので、整形外科と併用してください。
症状固定とは?
「これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態」を医師が判断した時点。症状固定日が慰謝料算定の終点で、後遺障害認定の起点になります。加害者側は早期の症状固定を望みがちですが、医学的に見て時期尚早な症状固定は将来の逸失利益を失うため慎重に。骨折で6ヶ月、むち打ちで6〜12ヶ月が一つの目安です。
健康保険は使えるの?
使えます。交通事故で健康保険が使えないというのは誤解。ただし第三者行為による傷病届を保険者(健保組合等)に提出する必要があります。健康保険を使うと3割自己負担で治療できるため、傷害部分120万円の自賠責上限を超える計算がしやすくなります。加害者側が「使えません」と言っても信じないでください。
ひき逃げ・無保険車事故にあった場合は?
国土交通省の政府保障事業が自賠責同等の保障を行います。ひき逃げ加害者不明の場合や、加害車両が無保険の場合の救済制度。手続は最寄りの損害保険会社等が窓口。ただし政府保障事業は治療費の実費請求が必要で、健康保険を使う手続きも自分で行う必要があります。
相談窓口はどこがおすすめ?
①日弁連交通事故相談センター(無料弁護士相談・ADR)、②交通事故紛争処理センター(中立ADR)、③各都道府県弁護士会の法律相談、④損害保険料率算出機構(後遺障害認定)、⑤消費生活センター、⑥法テラス(無料法律相談・弁護士費用立替)。特に日弁連交通事故相談センターと紛争処理センターは無料で中立性が高く、示談交渉で困ったらまず相談を。