計算ツール
単位変換電気配線JIS/電技解釈

電線断面積 計算ツール|sq・AWG・単線mm相互変換/許容電流/電気工事の実務

電線の断面積(sq=mm²)・AWG(米国式)・単線直径(mm)を相互変換する無料電卓。JIS C 3306(600Vビニル絶縁電線)・電技解釈第146条・内線規程に基づく許容電流表、周囲温度補正、本数補正、絶縁種類による選定、電圧降下計算、電線コスト目安まで、電気工事士・電子回路設計者・DIYで配線を扱う方向けに実務目線で網羅。住宅の1.6mm/2.0mmから産業用60sqまで対応します。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

電線断面積 変換ツール

電線サイズ表記の基本

sq(mm²)とは

sq = 断面積(square millimeter, mm²)

日本のJIS規格で採用される電線サイズ表記で、導体の断面積をmm²で表します。0.5sq・0.75sq・1.25sq・2sq・3.5sq・5.5sq・8sq・14sq・22sq・38sq・60sq...と系列化。住宅の一般回路は1.6mm(2sq)・2.0mm(3.5sq)が主流です。

AWG(American Wire Gauge)とは

米国式の電線太さ表記。数値が小さいほど太く、40〜0000(4/0)で表現。AWG14=2.08mm²、AWG12=3.31mm²、AWG10=5.26mm²など、日本のsq系列と大きく重なりつつ細部で差があります。米国・北米市場の電子機器・輸入品はAWG表記が標準です。

単線直径(mm)とは

単線の直径をミリメートルで表す表記。IV線(絶縁ビニル電線)で「IV 1.6」「IV 2.0」などと呼ばれます。1.6mm=約2sq、2.0mm=約3.5sqと対応。電気工事士試験でも頻出です。

より線と単線

電線は単線(1本の太い銅線)より線(細い銅線を撚り合わせたもの)があります。単線は固定配線に、より線は可動部分・柔軟性が必要な用途に。同じ断面積でも用途で選び分けが必要です。

sq/AWG/mm 完全対応表

日本(sq)・米国(AWG)・単線直径(mm)の対応関係を、実務でよく使う範囲で網羅します。

sq(mm²)AWG単線φmmより線構成主用途
0.2240.57/0.18信号線・電子回路
0.3220.67/0.23DC信号・LED配線
0.5200.820/0.18制御信号・小電流
0.75181.030/0.18ランプ・小型機器
1.25161.250/0.18コンセント延長
2.0141.67/0.6 または 37/0.26住宅一般回路15/20A
3.5122.07/0.8 または 45/0.32住宅一般回路20A・IH
5.5102.67/1.0 または 70/0.32エアコン専用30A
8.083.27/1.2 または 50/0.45電気温水器・大電力
1464.07/1.6 または 84/0.45200Vエアコン・機械
2247/2.0 または 140/0.45幹線・分電盤配線
30219/1.4幹線・工場
38119/1.6幹線・受電設備
601/0(2/0)19/2.0建物引込・大型モーター
1003/037/1.8ビル幹線
1504/037/2.3大規模施設幹線

許容電流と電線選定

電線の許容電流は電技解釈第146条・内線規程で規定されます。ここでは600Vビニル絶縁電線(IV)を単独敷設した場合の目安値を示します(周囲温度30℃・空気中)。

sq(mm²)単線直径IV線 許容電流(A)ブレーカ選定目安
0.757—(信号系)
1.2519—(信号系)
2.01.6mm2715A/20A回路
3.52.0mm3720A/30A回路
5.52.6mm4930A/40A回路
8.03.2mm6150A回路
144.0mm8875A回路
22115100A回路
38162125A回路
60217175A回路
100298225A回路

実際の使用では、絶縁種類・敷設方法・周囲温度・複数条数の束で補正が必要です。ケーブル(VVFなど)を金属管に入れる場合は許容電流が下がり、屋外・地中埋設は上がる傾向があります。

温度・本数補正

周囲温度補正係数

電技解釈では基準温度30℃で許容電流を規定。周囲温度が異なる場合の補正係数(60℃絶縁体の場合)。

周囲温度補正係数(60℃絶縁)補正係数(75℃絶縁)
20℃1.151.10
25℃1.081.05
30℃1.00(基準)1.00
35℃0.910.94
40℃0.820.88
45℃0.710.82
50℃0.580.75

本数(電線条数)補正係数

金属管・PF管に複数本の電線を通す場合、放熱が悪化するため許容電流を下げる補正が必要です。

同一管内本数補正係数
3本以下0.70
4本0.63
5〜6本0.56
7〜15本0.49
16〜40本0.43

補正後許容電流 = 基準許容電流 × 温度補正 × 本数補正で最終許容電流が決まります。

絶縁種類と用途

IV(600Vビニル絶縁電線)

最も一般的な絶縁電線。屋内配線・電気工事士試験で頻出。耐熱60℃。JIS C 3307規格。単線・より線があり、単線は主に住宅、より線は制御盤用。

VVF(ビニル絶縁ビニルシースケーブル・平形)

住宅の屋内配線用ケーブル。2芯・3芯の1.6mm・2.0mmが定番。「Fケーブル」の通称で電気工事店では日常呼称。JIS C 3342規格。

VVR(丸形)

VVFの丸型版。4芯以上や太径で使われる。露出配線に適するが露出配線での外傷リスク考慮が必要。

CVT・CV(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース)

耐熱90℃の高性能ケーブル。幹線・受電設備・地中埋設に多用。3芯撚り(CVT)は熱放散性が良く許容電流が高い。JIS C 3606。

HIV(耐熱75℃ビニル絶縁)

IVの耐熱強化版で75℃絶縁。ボイラー室・工場など高温環境で使用。同断面積でも許容電流が高くなります。

SV/VCT(キャブタイヤコード)

可動機器用の柔軟なゴム絶縁ケーブル。工事現場の仮設・機械の電源コードに。使用条件に応じて0種〜3種の耐外傷性グレード。

電圧降下の計算

電圧降下の基本式

V降下(単相2線) = 35.6 × L × I ÷ (1000 × A)

V降下(三相3線) = 30.8 × L × I ÷ (1000 × A)

L=電線長(m)、I=電流(A)、A=断面積(mm²)。内線規程では幹線での電圧降下は2%以内が推奨されます。

電圧降下の実例

条件V降下降下率判定
2.0sq・20m・15A・100V5.34V5.3%×(要太径化)
3.5sq・20m・15A・100V3.05V3.0%△(2%以内NG)
5.5sq・20m・15A・100V1.94V1.9%
2.0sq・10m・15A・100V2.67V2.7%
5.5sq・50m・30A・200V9.7V4.9%×
14sq・50m・30A・200V3.8V1.9%

長距離配線では許容電流だけでなく電圧降下が電線サイズ決定の主要因になります。電気機器の性能低下・モーター焼損の原因になるため設計時に必ず確認します。

住宅配線の実例

照明・コンセント一般回路

15A回路: VVF 1.6mm(2sq)が標準。20A回路もVVF 1.6mmで対応可(電技解釈上OK)。1回路で20-30ヶ所のコンセントまで、合計15A(1500W)以内で運用。

キッチンIHクッキングヒーター

30A200V回路: VVF 2.6mm(5.5sq)+30A漏電ブレーカ。分電盤から専用配線。電圧降下の観点から2mm(3.5sq)は距離が15m超で不十分。

エアコン専用回路

20A100V/200V: VVF 2.0mm(3.5sq)+20Aブレーカ。専用回路が原則。6畳〜14畳の一般エアコンならこれで対応可能。大型業務用は30A回路。

電気温水器・エコキュート

200V30A: CVT 8sqクラスが多い。電力会社の低圧引込は60A契約以上が前提。夜間電力使用が主。

EV充電コンセント

200V15A/20A/30A: VVF 2.0mm(3.5sq)以上。急速充電は3相200V対応が必要。ホームコンセントは15A/20A設計。

幹線(引込〜分電盤)

60Aサービス: CV 22sq×3芯クラス。100A契約なら38sq×3芯。引込柱から幹線切替は電力会社との協議が必要です。

産業用配線の実例

用途電線種類断面積備考
制御盤内配線KIV(電気機器用)0.75-2sq柔軟性重視・可動部
PLC信号線制御用ケーブル(CVV等)0.5-1.25sqノイズシールド対応
三相200V誘導電動機11kWCVT14-22sqスターデルタ始動考慮
三相200V誘導電動機30kWCVT38-60sq電圧降下2%以内
変電設備一次側CV高圧ケーブル38-100sq6.6kV対応
非常用発電機引込耐火電線(FP)30-60sq火災時30分耐火
接地線IV緑黄縞2-14sq電技解釈第17条
太陽光パネル直流直流用ケーブル(CV/UL)3.5-14sqDC1500V対応品

産業用配線は電気事業法・電気工事士法・消防法・労働安全衛生法の複数規制対象となり、電気主任技術者・電気工事士(第一種・第二種)による適切な選定と施工が必須です。

よくある間違い・注意点

  • 許容電流だけで電線を選定電圧降下の考慮忘れが典型ミス。長距離配線ではまず電圧降下2%以内の断面積を求め、次に許容電流と比較する順序が正解。
  • 金属管内で複数条同時使用の補正忘れ — 4本以上入る場合は係数0.63〜0.49の補正が必要。20A回路のつもりが実質12A許容になっていた、というトラブルの原因です。
  • 接地線を電源線と同じサイズで選定接地線は電技解釈第17条で機器容量に応じて別途規定。過大でも過小でもコスト・保護効果に影響します。
  • AWGと単線直径mmの混同 — AWGは断面積系列、単線φは直径。「1.6mm=AWG14=2sq」を頭に入れておかないと海外部品導入時にサイズミスします。
  • ブレーカ容量と電線許容電流の逆転 — 電線許容電流<ブレーカ容量になっていると火災リスク大。必ずブレーカ容量≦電線許容電流の関係を維持します。
  • 電気工事士なしでの100V超工事電気工事士法違反で罰金・懲役対象。特に電源引込・分電盤工事は第二種電気工事士以上の資格保有者による施工が必須です。

参考文献・公的資料

より正確な電線規格・許容電流の情報を確認したい場合は、以下の公的機関・団体の資料を参照してください。

※本ページの許容電流・電圧降下・電線サイズ選定は電技解釈・内線規程の一般的な目安であり、実際の電気工事では電気工事士法・電気事業法・消防法・労働安全衛生法等の法令遵守と、有資格者(第一種/第二種電気工事士・電気主任技術者)による適切な設計・施工が必須です。DIY での100V超の電源工事や分電盤・幹線工事は違法となり、感電・火災の重大リスクがあります。工事は必ず電気工事登録業者に依頼してください。特殊環境(防爆・医療・地下)は追加規制があります。

よくある質問(FAQ)

住宅配線は何sqが標準?

VVF 1.6mm(2sq)が15A/20A回路の標準、VVF 2.0mm(3.5sq)は20A/30Aの専用回路。IH・エアコン・電気温水器などの大型機器は5.5sq以上を選択します。

IH専用回路の電線は?

VVF 2.6mm(5.5sq) + 30A200V漏電ブレーカが標準。分電盤から専用配線で電圧降下も考慮。距離が15m超なら8sqへ格上げを検討します。

AWG6は日本のどのサイズ?

AWG6 ≒ 14sq(mm²)。エアコン200V専用回路・大型機器の主回路で使用。単線直径換算では4.0mm相当。

電圧降下は何%以内が推奨?

内線規程では幹線2%以内、分岐2%以内、合計4%以内を推奨。特に長距離配線・低電圧回路では電圧降下が電線サイズ決定の主要因になります。

DIYで電気工事はどこまで許される?

コンセント・スイッチ交換・器具取付は電気工事士資格が必要で、無資格は電気工事士法違反(罰金3万円以下)。DIYの範囲は「電池・小型信号回路・USB配線」など極めて限定的です。

金属管に何本まで電線を通せる?

電技解釈上の上限はないものの、本数補正で許容電流が下がるため、通常は10本以下に抑えます。管内充満率(電線断面積の合計/管断面積)も32%以下が推奨。

VVFとCVTの違いは?

VVFはビニル絶縁(60℃)の平型ケーブル、住宅屋内配線用。CVTは架橋ポリエチレン絶縁(90℃)の丸型撚り、幹線・地中埋設・産業用。CVTの方が耐熱・許容電流とも高性能です。

屋外配線で注意することは?

耐候性・耐紫外線・絶縁体劣化に対応した専用ケーブル(CVT・VCT・OW/DV等)を選定。金属管・PF管に入れて外傷防止も必要。地中埋設は深さ30-60cm以上と規定されています。

接地線のサイズは?

電技解釈第17条・24条で規定。C種接地(300V未満)は1.6mm(2sq)以上、D種接地(高圧機器)は機器容量に応じ2.6mm(5.5sq)〜14sqまで幅がある。緑黄縞のIVが標準です。

電線コストの目安は?

2025年時点でVVF 1.6mm×2芯が1mあたり150-200円、VVF 2.0mm×3芯が300-400円、CVT 22sqが2,000円/m前後。銅相場で変動します。大量購入は電材商社・オンライン電材専門店で単価を下げられます。

アルミ電線は使える?

日本では特別高圧・高圧の幹線で採用例あり。低圧はCV銅が標準。アルミは同断面積での抵抗が銅の1.6倍のため、太径が必要になり施工性も落ちます。米国では住宅にAL電線が普及していますが日本では稀。

EV充電用配線の推奨サイズは?

15A普通充電はVVF 2.0mm(3.5sq)、200V20A充電は3.5sq以上、200V30A急速は5.5sq以上。将来のEV普及を見越して太めに配線するのが賢明。専用回路で他機器との共用は避けます。