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湿り空気湿球温度露点空気線図

乾球・湿球から湿り空気の状態値計算

乾球温度・相対湿度・大気圧・標高から、湿球温度・露点温度・絶対湿度・比エンタルピを算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

乾球・湿球から湿り空気の状態値計算ツール

飽和水蒸気圧は温度の関数として求め、30℃では4.21kPa。相対湿度60%を掛けた水蒸気分圧は2.53kPaです。絶対湿度は0.622×水蒸気分圧÷(大気圧−水蒸気分圧)で0.622×2.53÷98.80=0.01591kg/kg=15.91g/kg(DA)。露点温度は水蒸気分圧から逆算して21.35℃、湿球温度は断熱飽和の関係を満たす温度として23.81℃となります。比容積は0.88m3/kg(DA)、比エンタルピは1.006×30+0.01591×(2,501+1.86×30)=70.86kJ/kg(DA)、風量1,000m3/hが運ぶ水分は18.07kg/hです。

乾球30℃における相対湿度と各状態値

相対湿度湿球温度露点温度絶対湿度
40%約20.1℃約14.9℃約10.5g/kg
50%約22.0℃約18.4℃約13.2g/kg
60%約23.8℃約21.4℃約15.9g/kg
70%約25.5℃約23.9℃約18.6g/kg

状態値の使いどころ

状態値主な用途
湿球温度冷却塔の能力・蒸発冷却の限界温度
露点温度結露判定・除湿コイルの設計
絶対湿度加湿量と除湿量の計算
比エンタルピ全熱負荷と外気負荷の計算

※参考計算です。材料の仕様・現場条件・適用される規準によって値は変わるため、製品資料と最新の規準で確認してください。

乾球・湿球から湿り空気の状態値計算の詳しい解説

湿り空気の状態が二つの値で決まるのは、圧力が定まれば温度と水分量の組み合わせで残りがすべて導かれるからです。実務で測るのは乾球温度と相対湿度、あるいは乾球温度と湿球温度の組で、そこから露点や比エンタルピを求めます。空気線図はこの関係を図にしたもので、計算はその図上の一点を数値で特定する作業にあたります。

判断が分かれるのは、どの状態値を制御の指標にするかです。人の快適性は乾球温度と相対湿度で語られますが、結露を避けたい場面では露点温度、冷却塔の能力を見る場面では湿球温度が効きます。冷房負荷の計算では顕熱と潜熱を分けて扱うため比エンタルピと絶対湿度が要ります。同じ空気でも、目的によって着目すべき値が変わる点を押さえておく必要があります。

見落とされやすいのは大気圧の影響です。相対湿度と乾球温度が同じでも、標高が高く気圧が低い場所では同じ相対湿度に対する絶対湿度が大きくなり、比容積も増えます。比容積が増えるということは、同じ風量でも運べる空気の質量が減るということで、送風機とコイルの能力に直接効きます。高地の施設では平地の設計値をそのまま使うと能力不足になります。

条件による違いも整理しておきます。湿球温度は蒸発冷却で到達できる下限で、乾燥した空気ほど乾球との差が大きく冷却の余地があります。逆に高湿度では差が縮まり、冷却塔や気化式加湿の効率が落ちます。露点温度を下回る表面があれば結露するため、冷水配管や外壁の内表面の温度と比較する必要があります。本計算は一般的な近似式によるもので、精密な測定や機器の性能保証には測定値と機器メーカーの計算を用いてください。

測定の方法によっても値は変わります。乾湿計で湿球温度を測る場合、球部を包むガーゼが乾いていたり、風速が不足していたりすると実際より高い値が出ます。電気式の湿度センサーは低湿度域と高湿度域で誤差が大きくなる傾向があり、定期的な校正が前提です。得られた状態値を負荷計算に使うときは、外気条件を年間のどの確率で超過する値にするかという設計用気象データの選び方も結果に効きます。過去の実測値と設計値を突き合わせて、前提が現実と離れていないか確認してください。

業界・現場での使い方

空調負荷計算の前処理

設計条件の乾球と相対湿度から比エンタルピと絶対湿度を求め、外気負荷を算出します。

結露の判定

室内空気の露点温度と表面温度を比較し、結露が生じる条件かを確認します。

冷却塔の能力確認

外気の湿球温度から冷却水の到達温度の限界を把握します。

加湿・除湿量の算出

風量と絶対湿度の差から必要な加湿量や除湿量を求めます。

よくある間違い・注意点

  • 相対湿度が同じなら水分量も同じと考える — 絶対湿度は温度で大きく変わり、30℃60%と20℃60%では水分量が倍近く違います。
  • 標高を考えずに平地の値を使う — 気圧が下がると比容積が増え、同じ風量で運べる質量が減ります。
  • 露点温度と湿球温度を混同する — 露点は結露の判定、湿球は蒸発冷却の限界という別の意味を持ちます。
  • 顕熱だけで冷房負荷を見る — 潜熱を含めた比エンタルピの差で見ないと、除湿に必要な能力が抜けます。
  • 近似式の値を保証値として扱う — 実機の性能は測定値と機器メーカーの計算で確認する必要があります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

乾球30℃・湿度60%の湿球温度は何℃ですか?

標準気圧では約23.8℃、露点温度は約21.4℃、絶対湿度は約15.9g/kg(DA)です。

露点温度は何に使いますか?

結露の判定に使います。表面温度が露点を下回ると結露します。

湿球温度が下がらないのはなぜですか?

相対湿度が高いほど蒸発できる余地が小さく、乾球との差が縮まるためです。

比エンタルピは何を表しますか?

乾き空気1kgあたりが持つ熱量で、顕熱と潜熱を合わせた全熱の指標として使います。

標高を入れると何が変わりますか?

気圧が下がり、絶対湿度と比容積が増えます。送風機とコイルの能力に影響します。

絶対湿度の単位はどれを使いますか?

乾き空気1kgあたりのg数で表すg/kg(DA)が一般的です。

風量から水分量を出す意味は何ですか?

加湿器や除湿機の能力、ドレン量の見積もりに使います。

この計算はどの程度の精度ですか?

一般的な近似式に基づく概算です。精密な用途では測定値と機器メーカーの計算を用いてください。