計算ツール
テーパ勾配角度換算旋盤

テーパの勾配・角度・寸法の相互換算

大径・小径・テーパ長さから、勾配比・テーパ角・任意位置の直径・心押台オフセット量を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

テーパの勾配・角度・寸法の相互換算ツール

テーパ比はテーパ長さ÷(大径−小径)で、既定値では100÷(40−30)=1対10.00です。片側の傾き角は arctan((40−30)÷(2×100))=2.86度、全角はその2倍で5度43分29.3秒になります。大径側から30mmの位置の直径は40−0.1×30=37.00mm。心押台をずらして削る場合のオフセット量は 全長×(大径−小径)÷(2×テーパ長さ)=150×10÷200=7.50mmです。

代表的なテーパ比と角度

テーパ比片側の傾き角全角
1対55度42分38秒11度25分16秒
1対102度51分45秒5度43分29秒
1対201度25分56秒2度51分51秒
1対500度34分23秒1度8分45秒

加工方法による向き不向き

方法加工できるテーパ注意点
複合送り台を振る急なテーパも可能手送りのため面が荒れやすくなります
心押台オフセット緩いテーパ向きセンタ穴が偏摩耗します
倣い装置・テーパアタッチメント長いテーパ装置の準備が要ります
傾斜バイス・傾斜テーブル平面のこう配切削力で角度がずれないよう固定します

※参考計算です。規格・工具メーカーの推奨値・機械の仕様によって適正値は変わるため、実機の取扱説明書と最新のJISで確認してください。

テーパの勾配・角度・寸法の相互換算の詳しい解説

テーパの表し方が勾配比と角度の2通りあるのは、使う場面が違うからです。勾配比は長さの比なので図面上で読み取りやすく、寸法から直接検算できます。角度は工作機械の傾斜目盛にそのまま入力できるので段取り向きです。両者は正接の関係でつながっていますが、勾配比が示すのは直径の変化であるのに対し、傾き角は中心線からの片側の角度なので、2で割る操作を忘れると角度が倍になります。図面の指示がどちらの角度を指しているかを最初に確かめる必要があります。

判断が分かれるのは加工方法の選び方です。複合送り台を振る方法は急なテーパにも対応できますが、送りが手動になるため面が荒れやすく、テーパ長さも送り台のストロークに制限されます。心押台をずらす方法は自動送りが使えて長いテーパも削れますが、センタ穴と心押センタの当たりが片寄って偏摩耗し、角度も工作物の全長に依存します。同じテーパでも全長が変われば必要なオフセット量が変わる点は、複数の長さの部品を続けて削るときに間違えやすいところです。

見落とされやすいのは、テーパ部の始点と終点の定義です。図面によっては大径をテーパ部の端ではなく仮想の交点で示していることがあり、その場合は指定位置の直径が計算値とずれます。またテーパの嵌合では、当たりの良否は角度差で決まり、直径の絶対値ではありません。光明丹による当たり確認で、先端側だけ、あるいは根元側だけが当たるようなら、角度を分単位で修正する必要があります。角度の微修正は複合送り台の目盛では読み取れないため、ダイヤルゲージとサインバーの併用が現実的です。

用途による違いも押さえておきます。工具のシャンクに使われる自己保持テーパは1対20前後の緩い勾配で、摩擦で保持することを狙っています。位置決め用のテーパピンはより急な勾配で抜き差しを前提とします。緩いテーパほど角度誤差の影響が当たり面に強く出るため、要求精度は勾配比が小さいほど厳しくなります。測定はローラとブロックゲージを使う方法やテーパゲージによる当たり確認が一般的で、直径だけを測って合否を決めることはできません。

業界・現場での使い方

旋盤のテーパ加工

図面の勾配比から複合送り台の設定角や心押台のオフセット量を求めます。

図面の読み取り

角度指示と勾配比指示を相互に換算し、加工指示書に落とし込みます。

検査

任意位置の理論直径を求め、実測値との差からテーパ角のずれを推定します。

治具・型の設計

抜き勾配を角度と寸法の両面から確認します。

よくある間違い・注意点

  • 全角と片側の角を取り違える — 複合送り台に入れるのは片側の角で、全角を入れると勾配が倍になります。
  • 心押台オフセットで全長を無視する — オフセット量は工作物の全長に比例するため、長さが違えば同じ設定では角度が変わります。
  • 直径だけでテーパの合否を判断する — 嵌合の良否は角度差で決まるため、当たりの確認が欠かせません。
  • 仮想交点の寸法を実寸と混同する — 図面が仮想の交点で大径を示している場合、実際の端面の直径とは異なります。
  • 緩いテーパで角度の微修正を省く — 勾配が小さいほど角度誤差が当たり面に強く現れます。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

大径40mm・小径30mm・長さ100mmのテーパ比は?

100÷(40−30)=1対10.00です。全角は5度43分29.3秒になります。

複合送り台には何度を入力しますか?

片側の傾き角です。既定値では2.86度で、全角の5.72度ではありません。

心押台オフセット量はどう決まりますか?

工作物の全長×(大径−小径)÷(2×テーパ長さ)です。全長が変わればオフセットも変わります。

緩いテーパと急なテーパで加工法は変わりますか?

緩いテーパは心押台オフセットや倣い装置、急なテーパは複合送り台を振る方法が向きます。

テーパの当たりはどう確認しますか?

光明丹を薄く塗って相手と擦り合わせ、当たり面の分布を見ます。先端や根元だけ当たる場合は角度の修正が要ります。

任意位置の直径はどう求めますか?

大径から、1mmあたりの直径変化×距離を引きます。既定値では30mmの位置で37.00mmです。

自己保持テーパとは何ですか?

摩擦で工具が保持される緩い勾配のテーパで、工作機械の主軸まわりに使われます。

テーパの測定方法にはどんなものがありますか?

ローラとブロックゲージを使う方法、テーパゲージによる当たり確認、三次元測定機での実測などがあります。