計算ツール
割出し台分割フライス歯切り

割出し台の分割ハンドル回転数の計算

減速比と必要な分割数から、割出し台のハンドル回転数・使う穴板・送る穴数を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

割出し台の分割ハンドル回転数の計算ツール

1分割あたりのハンドル回転数は減速比÷分割数です。既定値の40対1で27分割なら40÷27=1.4815回転、つまり1回転と27分の13になります。分母の27を割り切れる穴数列を探すと27穴の列が該当するので、設定は1回転+27穴板を13穴です。1分割の角度は360÷27=13.33度、直径80mmの外周では円弧長が π×80÷27=9.31mmとなります。直接割出し板(24穴)は分割数が24の約数のときだけ使えます。

減速比40対1でよく使う分割の設定

分割数ハンドル回転数設定例
123.33333回転+18穴板を6穴
182.22222回転+18穴板を4穴
271.48151回転+27穴板を13穴
401.00001回転ちょうど
640.625016穴板を10穴

穴板の穴数列(標準的な3枚組)

穴板穴数列得意な分割数
1枚目15・16・17・18・19・202の倍数・3の倍数・5の倍数
2枚目21・23・27・29・31・337・9・11の倍数
3枚目37・39・41・43・47・4913以上の素数を含む分割
直接割出し板242・3・4・6・8・12・24

※参考計算です。規格・工具メーカーの推奨値・機械の仕様によって適正値は変わるため、実機の取扱説明書と最新のJISで確認してください。

割出し台の分割ハンドル回転数の計算の詳しい解説

割出し台でハンドルを何回転させればよいかが単純な割り算で決まるのは、ウォームとウォームホイールの減速比が固定されているためです。減速比40対1なら、ハンドル40回転で主軸がちょうど1回転します。分割数で40を割った値が1分割あたりの回転数になり、整数部分は素直に回せますが、小数部分は穴板の穴数に置き換えなければ再現できません。穴板が複数の穴数列を備えているのは、この小数部分を分数として正確に表せる分母を用意するためです。

判断が分かれるのは、割り切れない分割数への対処です。標準の穴数列で分母が作れない場合、差動割出しという方法で主軸と穴板を歯車で連結し、穴板自体をゆっくり回して端数を吸収します。段取りは増えますが誤差はほぼ残りません。もう一つは近似解で済ませる方法で、最も近い穴数と穴送りを選び、1分割あたり数秒から数十秒の誤差を許容します。歯車の歯切りでは誤差が歯溝の位置に累積するため近似解は避け、平面の等分や刻印では実用上支障がない場合もあります。

見落とされやすいのはバックラッシの処理です。穴送りを行き過ぎたときに戻すと、ウォームのすきま分だけ主軸が戻らず、その分割だけ位置がずれます。行き過ぎたら一度大きく戻してから同じ向きで入り直すのが原則です。セクタアームを正しく開いておかないと穴数を数え間違えやすく、1穴の数え違いが分割誤差にそのまま現れます。穴板を交換したときは、セクタアームの開きも設定し直す必要があります。

加工の種類によって求められる精度も違います。フランジのボルト穴のように後で長穴やクリアランスで吸収できる用途では、数十秒の誤差は問題になりません。歯車、割出しカム、目盛板のように角度そのものが機能する部品では、割り切れる条件を最優先で選びます。工作物の直径が大きいほど、同じ角度誤差でも外周では大きな長さの差になるため、円弧長に換算して確認しておくと判断しやすくなります。数値制御の回転軸が使える環境なら、そちらのほうが段取りは簡単です。作業前に、計算した回転数と穴数を紙に書き出し、1周分を仮に回して最後がちょうど元の位置に戻るかを確かめておくと、途中での計算間違いに気づけます。分割数が多い部品では、この確認だけで手戻りを大きく減らせます。

業界・現場での使い方

フライス加工の段取り

六角や十二角などの等分割で、ハンドル回転数と穴数を確定します。

歯車の歯切り

歯数に対応する穴板と穴送りを決め、割り切れない場合の代替を検討します。

目盛板・刻印の製作

等分割の角度と外周の円弧長から、刻印位置を確認します。

治具製作

ボルト穴やピン穴を円周上に等配置する際の割出し条件を求めます。

よくある間違い・注意点

  • 小数の回転数のまま作業する — 小数部分は穴板の分数に置き換えないと再現できず、分割ごとに誤差が積み重なります。
  • 行き過ぎたハンドルをそのまま戻す — ウォームのバックラッシ分だけ主軸が戻らず、その分割だけ位置がずれます。
  • セクタアームの開きを設定しない — 穴数の数え間違いが起き、1穴のずれがそのまま分割誤差になります。
  • 歯切りで近似解を使う — 誤差が歯溝の位置に累積し、かみ合いに影響します。
  • 直接割出しをどんな分割数でも使えると考える — 直接割出し板の穴数の約数になる分割数に限られます。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

40対1の割出し台で27分割するには?

40÷27=1.4815回転なので、1回転+27穴板を13穴送ります。

割り切れない分割数はどうしますか?

差動割出しで穴板自体を回して吸収するか、誤差を許容できる用途なら近似解を使います。

直接割出しはいつ使えますか?

直接割出し板の穴数(一般に24穴)の約数となる分割数、すなわち2・3・4・6・8・12・24のときです。

穴板の穴数はどう選べばよいですか?

端数の分母を割り切れる穴数を選びます。分母が素数のときはその素数を含む列が必要です。

セクタアームは何のためにありますか?

送る穴数を毎回数え直さずに済ませるためのガイドで、開き角を穴数に合わせて固定します。

バックラッシへの対処はどうしますか?

常に同じ向きで穴に入れます。行き過ぎた場合は大きく戻してから入り直します。

1分割の角度はどう確認しますか?

360を分割数で割ります。既定値では27分割で13.33度になります。

数値制御の回転軸があれば割出し台は不要ですか?

段取りは簡単になります。ただし治具の剛性や設備の空き状況によっては割出し台のほうが早い場合もあります。