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サーボモータトルクロボットアーム機構設計

サーボモータの必要トルク計算

アームの長さと負荷重量、動作の角度と時間から、サーボに必要なトルクと定格に対する余裕を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

サーボモータの必要トルク計算ツール

負荷によるトルクは先端の重量×アームの長さで、200g×15cm=3.00kgf・cm。アームは重心が中央にあるとみなし80g×7.5cm=0.60kgf・cmです。さらに90度を0.6秒で振る加速に必要なトルクが0.91kgf・cm加わり、合計は4.51kgf・cm。安全率2を掛けて必要トルクは9.02kgf・cmとなります。定格15kgf・cmのサーボなら余裕は66.4%、必要な角速度は90÷0.6=150.0度/秒です。

アーム長と負荷から見た必要トルク(安全率2)

アーム長負荷100g負荷200g負荷500g
50mm1.0kgf・cm2.0kgf・cm5.0kgf・cm
100mm2.0kgf・cm4.0kgf・cm10.0kgf・cm
150mm3.0kgf・cm6.0kgf・cm15.0kgf・cm
300mm6.0kgf・cm12.0kgf・cm30.0kgf・cm

用途別の安全率の目安

用途安全率考え方
模型・展示品1.5前後短時間の動作が中心
一般的な機構2.0前後連続動作と摩擦を見込む
連続稼働の装置2.5〜3.0発熱と経年劣化を考慮
人が近づく機構3.0以上停止保持と異常時を想定

※参考計算です。機材の仕様・規格・法令は改定されるため、実機の仕様書と最新の告示を確認してください。

サーボモータの必要トルク計算の詳しい解説

必要トルクは重量と距離の積で決まるため、アームを長くすると同じ負荷でも比例して大きなトルクが要ります。倍の長さにすれば倍のトルクが必要になり、これは減速比や電源電圧では埋められません。機構を設計する段階でアームを短く抑えるか、支点の位置を負荷寄りに移すほうが、大きなサーボを選ぶより確実で安価な解決になります。

判断が分かれるのは静止状態で足りればよいのか、動かす加速まで見込むのかです。ゆっくり動かす用途では静的なトルクだけで足りますが、短時間で振る動作では慣性に打ち勝つトルクが上乗せされます。この加速ぶんは時間の二乗に反比例するため、動作時間を半分にすると四倍になります。速く動かしたいという要求は、想像以上にトルクの要求を押し上げます。

見落とされやすいのが保持と発熱です。定格トルクはあくまで瞬間的に出せる値で、その状態を保ち続けると内部で電流が流れ続けて発熱します。姿勢を長時間保つ用途では、定格の三割から五割程度で使う設計が安全です。また関節の摩擦、配線の引っ張り、ケーブルの反力も加わり、計算値どおりでは足りないことがあります。安全率を掛けるのはこれらを吸収するためです。

条件による違いもあります。電源電圧が下がると出せるトルクも下がるため、電池駆動では残量が減った状態を基準に選ぶ必要があります。減速機を追加すればトルクは上がりますが速度は落ち、遊びも増えます。垂直方向に動かすのか水平面内で動かすのかでも重力の効き方が変わり、水平面内の旋回では自重によるトルクがほとんど発生しません。想定する姿勢を決めてから計算してください。

選定の最後には、実際の動作で確認する工程を入れてください。計算ではアームを変形しない棒として扱っていますが、細いアームではたわみが生じ、目標の角度まで届かなかったり振動が残ったりします。取り付け部のがたつきも位置精度に直結します。トルクに余裕を持たせても機構側の剛性が足りなければ結果は変わらないため、必要トルクの計算と並行してアームの断面と固定方法も見直してください。軽い材料に替えれば自重によるトルクも同時に下がります。

業界・現場での使い方

ロボットアームの設計

各関節の負荷とアーム長から必要トルクを積み上げ、サーボの型番を選定します。

模型・展示装置の製作

可動部の重量と動作速度から、余裕を持ったサーボを選びます。

自動化治具の検討

既存のサーボで足りるかを判定し、機構側で腕を短くする改善案を検討します。

教育・実習

トルクと距離の関係を数値で示し、てこの原理を機構設計に結び付けます。

よくある間違い・注意点

  • 静止時のトルクだけで選ぶ — 加速に必要なトルクは動作時間の二乗に反比例し、速い動作では静的な値を上回ります。
  • アーム自体の重量を無視する — 長いアームでは自重によるトルクが負荷と同程度になることがあります。
  • 定格トルクで連続運転できると考える — 保持し続けると発熱するため、定格の三割から五割で使う設計が安全です。
  • 電源電圧の低下を見込まない — 電池残量が減ると出せるトルクも下がり、動作が途中で止まります。
  • 摩擦や配線の反力を計算に入れない — 関節の摩擦とケーブルの引っ張りが加わるため、安全率で吸収する必要があります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

アーム150mmで200gを持つと必要トルクは?

加速ぶんを含めた合計は4.51kgf・cm、安全率2を掛けて9.02kgf・cmです。

安全率はいくつにすればよいですか?

一般的な機構で2.0前後、連続稼働では2.5から3.0が目安です。人が近づく機構ではさらに大きく取ります。

kgf・cmとN・mはどう換算しますか?

1kgf・cmは約0.0981N・mです。10kgf・cmはおよそ0.98N・mにあたります。

アームを短くするとどれくらい楽になりますか?

必要トルクは長さに比例します。150mmを100mmにすれば約3分の2になります。

動作を速くするとトルクはどう変わりますか?

加速ぶんが時間の二乗に反比例して増えます。時間を半分にすると加速トルクは4倍です。

姿勢を保持し続けても大丈夫ですか?

発熱するため長時間の保持は避けます。機構側にストッパを設けて力を逃がす方法が有効です。

水平に旋回する場合も同じ計算ですか?

重力によるトルクは生じないため、加速ぶんと摩擦が支配的になります。

減速機を入れれば小さいサーボで足りますか?

トルクは上がりますが速度が落ち、遊びも増えます。位置精度が要る用途では慎重に検討します。