ダクト圧損 計算ツール
風量+相当直径+延長+曲がり数から直管+局所損失を即算出。Darcy-Weisbach式準拠。送風機静圧算定の基礎に対応。
ダクト圧損 計算ツールツール
ダクト圧損の基本式
直管損失 = f × (L/D) × (ρv²/2) [Darcy-Weisbach式]
局所損失 = ζ × (ρv²/2) [エルボ・分岐等]
f=摩擦係数(亜鉛鉄板0.02)、ρ=空気密度1.2kg/m³。総圧損は送風機の必要静圧となり、ファン動力算定の基礎となります。
局所抵抗係数 ζ
| 要素 | ζ値 |
|---|---|
| 90°エルボ(標準) | 0.3 |
| 45°エルボ | 0.15 |
| T分岐(直進側) | 0.1 |
| T分岐(枝分側) | 1.0 |
| ダンパ(全開) | 0.2 |
| 吹出口 | 1.0 |
※本ツールはJIS/SHASE-S/JRAIA等の公的基準に基づく参考計算です。実施設計・冷凍機保安・行政協議時は設備士・冷凍機械責任者による最終判断が必須です。
ダクト圧損 計算ツールの詳しい解説
ダクト圧損計算はファン容量選定の根幹。圧損が2倍になるとファン動力は約2倍となり、ライフサイクルコストに直結します。
省エネ設計のコツ
①低速大断面: 風速3-6m/sで圧損激減、②エルボ最少化: 1個減で5-15Pa削減、③ゆるやかな分岐: 45°分岐でT分岐の1/3圧損。20年運用で電気料金数百万円の差になります。
業界・現場での使い方
空調設計
ファン静圧算定、機種選定、動作点確認。
省エネ改修
既存系統の圧損実測+改善提案、インバータ効果試算。
工場設備
大風量ダクトの圧損低減設計、集塵系統の負圧管理。
検討測定業者
実測データとの照合、抜けている抵抗要素の特定。
プロパティマネ
経年ダクト内粉塵蓄積の影響評価、清掃前後の性能比較。
送風機静圧を決めるまでの圧損の積み上げ
系統の総圧損は「直管の摩擦損失+継手の局所損失+機器の圧損」を足し合わせて求め、送風機はこれに余裕率を掛けた静圧で選定します。どれか1つを落とすと、竣工後に風量不足やファンの過大選定として現れます。
相当長換算で局所損失を集計する
局所抵抗係数ζで個別に計算するほかに、継手を「直管何m分の抵抗か」に置き換えて集計する相当長換算法があります。ダクト系統図に継手ごとの相当長を書き込み、直管長と合算して単位摩擦圧損を掛けるだけなので、系統数が多い実施設計で扱いやすい方法です。分岐側のティーは相当長が突出して大きく、継手が多い系統では局所損失が直管損失の2〜3倍になることも珍しくありません。
エルボのR/Dで局所損失は大きく変わる
R/Dは曲率半径Rをダクト径Dで割った値です。標準的なR/D=1のエルボ(ζ≒0.3)を、R/D=1.5の緩やかな曲がりにするとζはおよそ半分になります。スペースに余裕がある系統では、曲率を緩くするだけで送風動力を落とせます。
単位摩擦圧損とダクト圧損線図
直管の圧損は単位摩擦圧損(Pa/m)×直管長(m)で求めます。単位摩擦圧損は風速とダクト径で決まり、実務ではダクト圧損線図から読み取ります。値は条件によって0.5〜3Pa/mと幅があり、1Pa/m前後を設計目安に置くのが一般的です。平均値で一律に仮定すると系統ごとの差を取りこぼします。
機器の圧損を計上し忘れない
ダクトだけでなく、空調機のコイル・フィルタ・消音器・ダンパにも圧損があります。フィルタやコイルで200〜500Paが加わることもあり、特にHEPAフィルタを含む系統では機器圧損が総圧損の大半を占めます。
送風機静圧の余裕率
計算値そのままではなく、10〜30%(1.1〜1.3倍)の余裕を見て送風機静圧を決めます。既設改修などで系統の把握が不十分な場合は30%側を、系統図が確かな新築では10%側を採るのが実務の目安です。
よくある間違い・注意点
- 局所損失無視 — エルボ多い系統で総損失の30-50%が局所。無視は動作点ズレ。
- 相当直径換算漏れ — 矩形ダクトを実寸で計算→圧損20%誤算。
- 保温厚不足 — 保温不足で結露→ダクト腐食→圧損増加。
- 分岐比率考慮漏れ — 不等分岐の主管vs枝管でζ大差。詳細計算要。
- 気密漏気の見落とし — 漏気10%でファン動力+30%。密閉施工必須。
関連する規格・公的資料
- 国土交通省 建築設備設計基準 — 公共建築の空調設計基準
- 空気調和・衛生工学会 (SHASE) — SHASE-S 系空調衛生規準
- 日本冷凍空調工業会 (JRAIA) — 冷凍空調機器の業界標準
- 日本産業標準調査会 JIS検索 — JIS B 8615(業務用エアコン)等
- 経済産業省 エネルギー使用の合理化 — 省エネ法・トップランナー基準
- 環境省 フロン排出抑制法 — 冷媒管理・回収義務
- 日本ボイラ協会 — ボイラー技士・技術基準
- 日本建築学会 空気調和・熱源設備 — 設計指針
- 厚生労働省 建築物における衛生的環境の確保 — ビル管理法(換気基準)
- 高圧ガス保安協会 (KHK) — 冷媒配管の高圧ガス保安法対応
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
ダクト圧損の目安は?
オフィス空調で100-300Pa、工場排気で300-800Paが典型。
相当直径とは?
矩形ダクトを圧損計算用に円管換算。De=1.3(ab)^0.625/(a+b)^0.25。
エルボ1個の損失は?
直管5-10m相当。φ400・6m/sで約10Pa。
T分岐は?
直進側ζ=0.1、枝分側ζ=1.0と大差。設計時の主流検討要。
圧損を減らす設計は?
①低速大断面、②エルボ最少、③45°分岐、④保温適正の4点。
経年劣化の影響は?
内部粉塵蓄積で断面積5-15%減→圧損20-40%増。年1回清掃。
漏気の影響は?
漏気10%でファン動力+30%。フランジ+ガスケット密閉施工。
高速ダクトのメリットは?
断面小型化+空間節約だが騒音+動力増。用途で判断。
送風機静圧の余裕率は?
10-30%が実務標準。系統の把握が甘い改修では30%側を見ます。
エルボのR/Dとは?
R=曲率半径、D=ダクト径。R/D=1(標準)→1.5(緩曲)でζがおよそ半減します。