計算ツール
ダクト圧損Darcy-Weisbach空調設計省エネ

ダクト圧損 計算ツール

風量+相当直径+延長+曲がり数から直管+局所損失を即算出。Darcy-Weisbach式準拠。送風機静圧算定の基礎に対応。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

ダクト圧損 計算ツールツール

ダクト圧損の基本式

直管損失 = f × (L/D) × (ρv²/2) [Darcy-Weisbach式]

局所損失 = ζ × (ρv²/2) [エルボ・分岐等]

f=摩擦係数(亜鉛鉄板0.02)、ρ=空気密度1.2kg/m³。総圧損は送風機の必要静圧となり、ファン動力算定の基礎となります。

局所抵抗係数 ζ

要素ζ値
90°エルボ(標準)0.3
45°エルボ0.15
T分岐(直進側)0.1
T分岐(枝分側)1.0
ダンパ(全開)0.2
吹出口1.0

※本ツールはJIS/SHASE-S/JRAIA等の公的基準に基づく参考計算です。実施設計・冷凍機保安・行政協議時は設備士・冷凍機械責任者による最終判断が必須です。

ダクト圧損 計算ツールの詳しい解説

ダクト圧損計算はファン容量選定の根幹。圧損が2倍になるとファン動力は約2倍となり、ライフサイクルコストに直結します。

省エネ設計のコツ

低速大断面: 風速3-6m/sで圧損激減、②エルボ最少化: 1個減で5-15Pa削減、③ゆるやかな分岐: 45°分岐でT分岐の1/3圧損。20年運用で電気料金数百万円の差になります。

業界・現場での使い方

空調設計

ファン静圧算定、機種選定、動作点確認。

省エネ改修

既存系統の圧損実測+改善提案、インバータ効果試算。

工場設備

大風量ダクトの圧損低減設計、集塵系統の負圧管理。

検討測定業者

実測データとの照合、抜けている抵抗要素の特定。

プロパティマネ

経年ダクト内粉塵蓄積の影響評価、清掃前後の性能比較。

送風機静圧を決めるまでの圧損の積み上げ

系統の総圧損は「直管の摩擦損失+継手の局所損失+機器の圧損」を足し合わせて求め、送風機はこれに余裕率を掛けた静圧で選定します。どれか1つを落とすと、竣工後に風量不足やファンの過大選定として現れます。

相当長換算で局所損失を集計する

局所抵抗係数ζで個別に計算するほかに、継手を「直管何m分の抵抗か」に置き換えて集計する相当長換算法があります。ダクト系統図に継手ごとの相当長を書き込み、直管長と合算して単位摩擦圧損を掛けるだけなので、系統数が多い実施設計で扱いやすい方法です。分岐側のティーは相当長が突出して大きく、継手が多い系統では局所損失が直管損失の2〜3倍になることも珍しくありません。

エルボのR/Dで局所損失は大きく変わる

R/Dは曲率半径Rをダクト径Dで割った値です。標準的なR/D=1のエルボ(ζ≒0.3)を、R/D=1.5の緩やかな曲がりにするとζはおよそ半分になります。スペースに余裕がある系統では、曲率を緩くするだけで送風動力を落とせます。

単位摩擦圧損とダクト圧損線図

直管の圧損は単位摩擦圧損(Pa/m)×直管長(m)で求めます。単位摩擦圧損は風速とダクト径で決まり、実務ではダクト圧損線図から読み取ります。値は条件によって0.5〜3Pa/mと幅があり、1Pa/m前後を設計目安に置くのが一般的です。平均値で一律に仮定すると系統ごとの差を取りこぼします。

機器の圧損を計上し忘れない

ダクトだけでなく、空調機のコイル・フィルタ・消音器・ダンパにも圧損があります。フィルタやコイルで200〜500Paが加わることもあり、特にHEPAフィルタを含む系統では機器圧損が総圧損の大半を占めます。

送風機静圧の余裕率

計算値そのままではなく、10〜30%(1.1〜1.3倍)の余裕を見て送風機静圧を決めます。既設改修などで系統の把握が不十分な場合は30%側を、系統図が確かな新築では10%側を採るのが実務の目安です。

よくある間違い・注意点

  • 局所損失無視 — エルボ多い系統で総損失の30-50%が局所。無視は動作点ズレ。
  • 相当直径換算漏れ — 矩形ダクトを実寸で計算→圧損20%誤算。
  • 保温厚不足 — 保温不足で結露→ダクト腐食→圧損増加。
  • 分岐比率考慮漏れ — 不等分岐の主管vs枝管でζ大差。詳細計算要。
  • 気密漏気の見落とし — 漏気10%でファン動力+30%。密閉施工必須。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

ダクト圧損の目安は?

オフィス空調で100-300Pa、工場排気で300-800Paが典型。

相当直径とは?

矩形ダクトを圧損計算用に円管換算。De=1.3(ab)^0.625/(a+b)^0.25。

エルボ1個の損失は?

直管5-10m相当。φ400・6m/sで約10Pa。

T分岐は?

直進側ζ=0.1、枝分側ζ=1.0と大差。設計時の主流検討要。

圧損を減らす設計は?

①低速大断面、②エルボ最少、③45°分岐、④保温適正の4点。

経年劣化の影響は?

内部粉塵蓄積で断面積5-15%減→圧損20-40%増。年1回清掃。

漏気の影響は?

漏気10%でファン動力+30%。フランジ+ガスケット密閉施工。

高速ダクトのメリットは?

断面小型化+空間節約だが騒音+動力増。用途で判断。

送風機静圧の余裕率は?

10-30%が実務標準。系統の把握が甘い改修では30%側を見ます。

エルボのR/Dとは?

R=曲率半径、D=ダクト径。R/D=1(標準)→1.5(緩曲)でζがおよそ半減します。