計算ツール
固定荷重構造設計単位重量積算

固定荷重の計算

部位・構造下地・仕上げ材・天井の構成から、平米あたりの固定荷重と対象面積の総荷重を積み上げて算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

固定荷重の計算ツール

固定荷重は各層の厚み×単位重量を足し上げます。既定値では鉄筋コンクリートスラブ150mm×24N=3,600 N/m2、フローリング15mm×6N=90N、天井の石膏ボードと下地で200N、床の雑荷重150Nを加えて合計4,040 N/m2。重力加速度で割ると412.0 kg/m2、対象面積100m2では404.0 kNになります。住宅の床用積載荷重1,800N/m2を足した設計用の値は5,840 N/m2です。

主な材料の単位重量

材料単位体積重量厚み1mmあたり
鉄筋コンクリート24 kN/m324 N/m2
モルタル20 kN/m320 N/m2
磁器質タイル23 kN/m323 N/m2
塩ビシート14 kN/m314 N/m2
アスファルト防水13 kN/m313 N/m2
木材(構造用合板)6 kN/m36 N/m2

天井構成の重量の目安

構成単位重量備考
天井なし(打放し)0 N/m2配管の吊りは別途
石膏ボード9.5mm+軽量鉄骨下地約200 N/m2事務所の標準
石膏ボード12.5mm二重張り約350 N/m2遮音・耐火仕様
木質化粧板+木下地約250 N/m2住宅・和室

※参考計算です。規準・示方書・製品仕様は改定されるため、実施設計では最新の告示と材料メーカーの技術資料で確認してください。

固定荷重の計算の詳しい解説

固定荷重が設計で重く扱われるのは、建物の重さがそのまま地震力の大きさに直結するためです。地震力は質量に比例するので、仕上げを重くすると柱と梁だけでなく基礎と杭まで連鎖して大きくなります。鉄筋コンクリートスラブは厚み1mmあたり1平米24Nと大きく、150mmで3,600Nに達します。仕上げ材が数十Nから数百Nの世界であることを考えると、まず効くのは構造体の厚みです。

判断が分かれるのは、どこまでを固定荷重に含めるかです。間仕切壁は移動する可能性があるため積載荷重として扱う考え方と、位置が確定していれば固定荷重に含める考え方があります。設備配管やダクト、照明器具も、天井裏に納まる分をまとめて雑荷重として平米あたり数百Nで見込むのが実務では一般的です。細かく拾うほど精度は上がりますが、変更に弱い数値になるという難点もあります。

見落とされやすいのが下地と接着層です。タイルは仕上げ厚だけを見ると10mm程度でも、下地モルタルが20mmから30mm入ると仕上げ本体より重くなります。二重床やフリーアクセスフロアは支持脚とパネルで平米あたり300Nから500N、屋上の防水押えコンクリートは80mmで約1,900Nになります。図面の断面詳細を読まずに仕上表だけで拾うと、この層が丸ごと抜け落ちます。

部位による違いも整理しておきます。屋根は固定荷重が小さい一方で雪荷重が支配することがあり、多雪区域では固定荷重の何倍にもなります。壁は自重を面積あたりで出したうえで、支持する梁への線荷重に換算する手順が必要です。床は積載荷重との合計で決まりますが、その積載荷重は用途と算定の目的で三通りの値が定められています。既存建物の改修では、実際の仕上げを開けて確認するのが最も確実です。

数量の詰め方としては、断面詳細図から層を順に拾い、厚みと単位重量を掛けて足し上げ、最後に雑荷重を加えます。層の抜けを防ぐには、下地から仕上げまで施工の順に並べて確認するのが有効です。改修で仕上げを変える場合は、撤去する層と新設する層の差分だけを見れば増減が把握できます。

業界・現場での使い方

構造設計の荷重拾い

部位ごとの構成から固定荷重を算定し、応力計算の入力値とします。

改修計画の重量比較

仕上げを変更したときの荷重の増減を求め、既存構造で成立するかを判断します。

屋上設備の設置検討

既存の屋根荷重に機器荷重を加え、スラブと梁の余裕を確認します。

積算・見積もりの補助

材料の数量と重量から、揚重と運搬の計画を立てる材料にします。

よくある間違い・注意点

  • 仕上表だけで荷重を拾う — 下地モルタルや防水押えなど、断面詳細にしか出てこない層が抜け落ちます。
  • 二重床や天井裏の設備を数えない — 合わせて平米あたり数百Nになり、無視すると集計が1割前後小さくなります。
  • 間仕切壁の扱いを決めずに進める — 固定荷重と積載荷重のどちらで見るかで結果が変わります。方針を先に決める必要があります。
  • 屋根で雪荷重を忘れる — 多雪区域では固定荷重を大きく上回ることがあり、部材の断面を左右します。
  • kgとNを混同する — 単位重量はN/m2で扱います。kgのまま足すと約9.8倍のずれが生じます。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

既定値の床構成では平米何Nになりますか?

スラブ150mm、フローリング15mm、石膏ボード天井の構成で4,040 N/m2、約412kg/m2です。

固定荷重と積載荷重はどう違いますか?

固定荷重は構造体と仕上げなど動かないものの重さ、積載荷重は人や家具など用途に応じて載る重さです。

鉄筋コンクリートの単位体積重量はいくつですか?

24 kN/m3が標準です。無筋コンクリートは23 kN/m3、軽量コンクリートは20 kN/m3程度で扱います。

雑荷重はどのくらい見込みますか?

床で平米150N前後、屋根で250N前後が目安です。設備の多い建物ではさらに加算します。

間仕切壁はどちらに含めますか?

位置が固定なら固定荷重、変更の可能性があれば積載荷重に含めます。設計方針として先に決めます。

二重床の重量はどのくらいですか?

支持脚とパネルで平米300〜500Nが目安です。配線と機器を含めるとさらに増えます。

屋上の防水押えコンクリートは?

厚み80mmで約1,900 N/m2になります。屋根の固定荷重を大きく押し上げる要素です。

この値をそのまま構造計算に使えますか?

概算の目安です。実施設計では断面詳細と製品資料に基づき、構造設計者が確定してください。