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コンクリートの積算温度と強度推定

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養生期間ごとの日数と平均温度から、積算温度 M=Σ(θ+10)Δtと20℃に換算した材齢を求めます。自分の配合の試験値2点を入れると、現在の強度の目安と、目標の強度に達するまでの日数を推定します。

最終更新:2026-10-16/監修:計算ツールズ編集部

コンクリートの積算温度と強度推定ツール

積算温度(マチュリティ)

コンクリートの強度は、温度が高いほど早く伸びます。温度と時間の積を足し合わせた「積算温度」が同じなら、養生の温度の履歴が違っても強度はほぼ同じになる、という考え方です。

M = Σ (θ + 10) × Δt

M は積算温度(°D·D、℃・日)、θ はその期間のコンクリートの平均温度(℃)、Δt は日数です。−10℃を強度が伸びなくなる基準の温度とみなしているので、10を加えます。20℃で28日養生すると (20+10)×28 = 840 °D·D です。

強度との関係

積算温度と強度の関係は、セメントの種類と調合ごとに試験で求めておきます。このツールは、利用者が入れた2点の試験値を通る対数の直線で推定します。

F = FA + (FB − FA) × (log M − log MA) ÷ (log MB − log MA)

計算例

3日×5℃+4日×8℃+7日×10℃+7日×12℃ = 45+72+140+154 = 411 °D·D(20℃換算で13.7日)。試験値が 210 °D·D で20 N/mm²、840 °D·D で33 N/mm² の配合なら、推定強度は約 26.3 N/mm² です。

養生温度と積算温度(1日あたりと28日間)

平均温度1日あたり28日間の積算温度840 °D·D に達する日数
20℃30 °D·D840 °D·D28日
15℃25 °D·D700 °D·D33.6日
10℃20 °D·D560 °D·D42日
5℃15 °D·D420 °D·D56日
0℃10 °D·D280 °D·D84日

推定の例(試験値 210 °D·D・20 N/mm²、840 °D·D・33 N/mm² の配合)

積算温度20℃換算の材齢推定強度
105 °D·D3.5日13.5 N/mm²
210 °D·D7日20.0 N/mm²
420 °D·D14日26.5 N/mm²
840 °D·D28日33.0 N/mm²

この例の配合では、5 N/mm² に必要な積算温度は約42 °D·D、10 N/mm² は約72 °D·D と推定されます。ただし試験値の範囲より小さい側は延長した値で、精度が落ちます。値は例で、実際の配合ごとに試験で求めてください。

寒中の施工で使う目安

項目目安出典
寒中コンクリートとして施工する時期日平均気温が4℃以下になることが予想されるとき土木工事共通仕様書
養生温度5℃以上に保つ土木工事共通仕様書
初期凍害を防ぐ強度圧縮強度 5 N/mm² 程度に達するまで凍結させない日本建築学会 寒中コンクリート施工指針

※入力した内容はお使いのブラウザの中だけで処理され、サーバーには送信されません。積算温度から出す強度は推定の目安です。積算温度と強度の関係は、セメントの種類と調合ごとに試験で求めておく必要があります。型枠の取り外しや荷重をかける判断は、構造体の強度を確かめる試験と工事監理者・施工管理者の確認によって行ってください。

コンクリートの積算温度と強度推定の詳しい解説

コンクリートは、セメントと水が反応(水和)して固まり、強くなっていきます。この反応は温度が高いほど速く、低いほど遅くなります。真夏なら数日で型枠を外せる強度が出るのに、冬は同じ日数でも強度が足りないことがあるのはこのためです。そこで、日数だけでなく温度と時間の積で強度の伸びを管理する考え方が生まれました。これが積算温度(マチュリティ)です。

積算温度は M = Σ(θ+10)×Δt で求めます。θ はその期間のコンクリートの平均温度、Δt は日数です。−10℃を、それ以下では強度がほとんど伸びない基準の温度とみなしているので、温度に10を加えて掛け合わせます。単位は °D·D(度・日)です。標準養生の20℃で28日なら (20+10)×28 = 840 °D·D で、これが設計で基準にする材齢28日の強度に相当します。10℃なら1日20 °D·Dしか増えないので、840 °D·Dに達するのに42日、5℃なら56日かかります。積算温度を30で割ると、20℃で養生した場合に何日分にあたるか(20℃換算の材齢)がわかります。

積算温度が同じなら、温度の履歴が違っても強度はほぼ同じになる、というのがこの方法の前提です。ただし、積算温度と強度の関係そのものは、セメントの種類と調合によって違います。早強セメントは低い積算温度で強度が出やすく、高炉セメントやフライアッシュセメントは初期の伸びが遅くなります。建築研究所の検討でも、積算温度で型枠の取り外しを管理するには、調合ごとに積算温度と強度の関係を事前に求めておく必要があるとされています。

このツールが固定の推定式を持たず、利用者が試験値2点を入れる形にしているのはそのためです。たとえば標準養生の材齢7日(210 °D·D)と28日(840 °D·D)の強度を入れると、その2点を通る直線を、積算温度の対数に対して引きます。積算温度と強度の関係を対数で近似する方法は古くから使われていて、積算温度が2倍になるごとに強度がほぼ一定の量だけ増える、という関係になります。2点の範囲の内側では比較的よく合いますが、範囲の外、とくに若材齢の低い積算温度の側では誤差が大きくなります。

注意したいのは、氷点下の扱いです。M=Σ(θ+10)Δt は養生温度が0℃以上の実験から得られた式で、0℃を下回る期間を含むと強度を過大に見積もるおそれがあります。コンクリートの中の水が凍ると、水和に使える水が減るからです。日本建築学会の寒中コンクリート施工指針は、氷点下でも使える別の積算温度の式を採用しています。氷点下の期間があるときは、このツールの結果を目安としてだけ使ってください。

寒中の施工では、まず初期凍害を防ぐことが大切です。打ち込んだばかりのコンクリートが凍ると、中の水が膨張して組織が壊れ、その後に温めても強度が戻りません。圧縮強度が5 N/mm²程度に達するまで凍結させないのが一般的な目安です。土木工事共通仕様書では、日平均気温が4℃以下になることが予想されるときは寒中コンクリートとして施工し、養生温度を5℃以上に保つことを求めています。

温度は、できればコンクリートそのものか、養生囲いの中の温度を測って使います。外気温で計算すると、セメントの水和熱で温まった構造体の実際の積算温度より小さめに出る傾向があり、結果は安全側になります。反対に、供試体だけを暖かい場所に置いて測ると、構造体より大きく出ることがあります。推定はあくまで目安で、型枠や支柱の取り外し、荷重をかける判断は、構造体の強度を確かめる試験と工事監理者の確認によって行います。

計算の例を示します。打ち込み後の3日間が平均5℃、次の4日間が8℃、その後7日間が10℃、さらに7日間が12℃だったとすると、積算温度は 3×15+4×18+7×20+7×22 = 411 °D·D です。20℃で養生した場合の約13.7日分にあたり、28日相当の840 °D·Dにはまだ半分ほどしか届いていません。この配合が標準養生の材齢7日で20 N/mm²、28日で33 N/mm²なら、対数の関係から現在の強度は約26.3 N/mm²と推定されます。これからの平均気温が10℃なら、840 °D·Dに届くまであと約21.5日かかります。

このように、積算温度は「何日たったか」より「どれだけ温度をかけたか」で工程を考えるための道具です。冬の現場で保温養生や給熱養生を検討するとき、養生温度を上げると1日あたりの積算温度がどれだけ増え、何日短縮できるかを比べるのにも使えます。ただし数字が出るのは、試験値を入れた配合についてだけです。別の現場や別の工場の試験値を流用すると、推定の意味がなくなります。試験値には、同じ配合・同じ工場のコンクリートで行った圧縮強度試験の結果を使い、どの温度で養生した供試体かも記録しておきます。

業界・現場での使い方

寒中コンクリートの養生管理

日々の温度記録から積算温度を出し、初期凍害を防ぐ強度に達したかの見当をつけます。

型枠の取り外し時期の検討

必要な強度に達する積算温度と日数を見込み、工程を組みます。

工程の比較

保温・給熱で養生温度を上げたとき、何日短縮できるかを比べます。

品質管理の記録

期間ごとの温度と積算温度を整理し、試験結果と照合します。

冬季の工程計画

平均気温から、28日相当(840°D·D)に達する日数を見積もります。

よくある間違い・注意点

  • 10を足し忘れる — 積算温度は (θ+10)×日数です。5℃×10日は50でなく150°D·Dです。
  • 氷点下の期間をそのまま計算する — この式は0℃以上の実験式で、氷点下を含むと強度を過大に見積もります。
  • ほかの配合の関係式を流用する — 積算温度と強度の関係はセメントの種類と調合ごとに違います。
  • 推定値だけで型枠を外す — 推定は目安です。構造体の強度を試験で確かめてから判断します。
  • 外気温と構造体の温度を混同する — 外気温で出すと小さめになります。どの温度で計算したかを記録します。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

積算温度とは何ですか?

(温度+10)×日数を足し合わせた値で、コンクリートの強度の伸びを温度と時間でまとめて表す指標です。単位は°D·Dです。

20℃で28日の積算温度は?

(20+10)×28=840°D·Dです。

なぜ10を足すのですか?

−10℃を強度が伸びなくなる基準の温度とみなしているためです。

10℃なら何日で28日相当になりますか?

1日20°D·Dなので、840°D·Dに達するのに42日かかります。

積算温度から強度はわかりますか?

配合ごとに試験で関係を求めておけば推定できます。このツールは試験値2点から対数の関係で推定します。

氷点下でも使えますか?

この式は0℃以上の実験式です。氷点下を含むと過大に見積もるおそれがあります。

初期凍害を防ぐ強度は?

圧縮強度5N/mm²程度に達するまで凍結させないのが目安です。

寒中コンクリートになるのはいつですか?

土木工事共通仕様書では、日平均気温が4℃以下になることが予想されるときです。

20℃換算の材齢とは?

積算温度を30で割った値で、20℃で養生した場合の何日分にあたるかを表します。