大手クラウド3社の仮想サーバー同スペック料金比較|長期割引・egressまで一気に試算する無料計算ツール
大手クラウド3社の同スペックサーバー料金を、vCPU・メモリ・ストレージ・リージョン・月間稼働時間・データ転送量・ロードバランサ・マネージドDBから比較します。本ツールでは価格特性の違いから3社をA社(シェア最大手型)/B社(低単価・無料枠厚め型)/C社(企業ライセンス統合型)と呼び分けます。呼び名は各社で異なる1年/3年の長期利用コミット割引を自動適用し、24時間365日常時稼働 vs 業務時間のみのシナリオ比較、egress(外向き通信)料金の影響、最終的な最安クラウド判定まで完全無料で算出。小規模ブログから大規模EC、AI推論、開発検証環境まで、5つのケーススタディで具体化しました。
クラウド3社 同スペック料金比較ツール
結果の見方
クラウド3社の料金は「コンピュート単価×時間 + ストレージ + egress + オプション(LB・DB)」の組み合わせで決まります。当ツールの数字は次のように読み解いてください。
- 最安クラウド判定:入力構成における月額最小の社を表示します。多くの汎用構成ではB社(低単価型)<A社(最大手型)≦C社(企業統合型)の順で安くなりますが、egressが大量の場合や特殊インスタンスでは逆転もあります。
- 3社の月額:オンデマンド価格ベースの月額です。本ツールでは1年契約で30%、3年契約で55%の割引をコンピュート・ストレージ・LB・DBに適用します(egressは割引対象外)。
- egress影響:外向き通信料金は1GBあたり13〜14円で意外に大きい項目です。100GB/月ならほぼ無料枠内、1TB以上で急に効いてきます。動画配信・大量画像配信サイトはCDN併用が必須です。
- 年次コスト:月額×12。クラウド費用は「毎月動く固定費」として3年トータルで見積もると、オンプレミスとの比較判断がしやすくなります。
- 社名を伏せた比較の使い方:3社の位置づけは「単価の安さ」「無料枠の厚さ」「既存ライセンスの持ち込み優遇」で見分けられます。自社が候補にしている事業者がどの型かを当てはめてから読むと、そのまま実務の見積りに使えます。
計算の仕組みと料金モデル
本ツールが内部で使っている単価は下記のとおりです。2026年8月時点で各社が公開している東京リージョンのオンデマンド価格をならした概算で、実際の料金は為替・オプション・世代で変動します。表の数字は計算結果とそのまま対応します。
コンピュート単価(東京リージョン・オンデマンド)
A社(シェア最大手型):vCPU 4.5円/時+メモリ 1.1円/GB/時 → 2vCPU/8GBで約17.8円/時
B社(低単価型):vCPU 3.6円/時+メモリ 0.9円/GB/時 → 2vCPU/8GBで約14.4円/時
C社(企業統合型):vCPU 4.4円/時+メモリ 1.15円/GB/時 → 2vCPU/8GBで約18.0円/時
※リージョン係数:東京 1.00/米国 0.88/シンガポール 0.95(東京は米国比+約14%)。
ストレージ単価(SSD/月)
A社 汎用SSD:10.6円/GB/月
B社 バランスSSD:12.0円/GB/月(高性能SSDは約25円)
C社 標準SSD:9.6円/GB/月(高性能SSDは約21円)
egress(外向き通信)
A社:13.68円/GB(無料枠 100GB/月)
B社:13.2円/GB(無料枠 200GB/月)
C社:13.2円/GB(無料枠 100GB/月)
※egressは長期割引の対象外として計算します。
長期利用コミット割引(1年/3年)
呼び名は事業者ごとに違いますが、仕組みは「一定期間の利用を約束する代わりに単価を下げる」で共通です。本ツールは分かりやすさを優先し、1年契約▲30%・3年契約▲55%を3社共通で適用しています。実勢のレンジは次のとおりです。
1年契約・前払いなし:約27〜32%割引
1年契約・全額前払い:約33〜40%割引
3年契約・前払いなし:約50〜54%割引
3年契約・全額前払い:約55〜60%割引
ロードバランサ料金(L7・月額換算)
A社:3.6円/時+処理量課金 約1,500円/月 = 約4,128円/月
B社:約2,700円/月+転送量
C社:約2,700円+処理データ 約1,000円 = 約3,700円/月
マネージドDB料金(東京・シングル構成)
小(2vCPU/8GB):A社 35円/時/B社 30円/時/C社 38円/時
中(4vCPU/16GB):A社 70円/時/B社 60円/時/C社 76円/時
大(8vCPU/32GB):A社 140円/時/B社 120円/時/C社 152円/時
※いずれもストレージ料金は別途。
月次コストの内訳フロー
中規模SaaS構成(2vCPU/8GBを2台+マネージドDB小を冗長構成+L7ロードバランサ+egress 500GB+SSD 200GB)を、A社(シェア最大手型)で組んだ場合の月次コスト内訳です。単価は前掲の料金モデルと同じものを使っています。
17.8円 × 730h × 2 = 25,988円
│
▼
[ブロックストレージ 汎用SSD 200GB]
10.6円/GB × 200GB = 2,120円
│
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[L7ロードバランサ]
3.6円/時 × 730h + 処理量課金 約1,500円 = 4,128円
│
▼
[マネージドDB 小(2vCPU/8GB)× 冗長2台 + ストレージ100GB]
35円/時 × 730h × 2 + 10.6円 × 100GB = 52,160円
│
▼
[小計(オンデマンド) 84,396円]
└─▶ 1年コミット割引 ▲30%適用 = 59,077円
▼
[egress 500GB(割引対象外)]
(500 − 100無料) × 13.68円 = 5,472円
│
▼
[月次合計 オンデマンド 約89,900円/1年コミット時 約64,500円]
(年間 約108万円/約77万円)
中規模SaaSで月額9万円前後、長期コミットを入れて6.5万円前後というのが、この規模のよくある値です。内訳を見るとマネージドDBが小計の6割超を占めており、削減の効き目が大きいのは仮想サーバーよりDBの構成(冗長化の要否・インスタンスサイズ)だと分かります。同じ構成を低単価型のB社で組むと月約75,100円(年間約90万円)、企業統合型のC社では月約93,600円(年間約112万円)が目安。C社は大口の全社契約による割引を別途得られるケースがあり、その場合は最大手型と同等以下に下がります。
3社×構成別 料金比較表(東京リージョン・オンデマンド・24h稼働)
本ツールの単価モデルで、代表的な構成の月額を計算した結果です(LB・DB・egressなし)。
| 構成 | A社(最大手型) | B社(低単価型) | C社(企業統合型) |
|---|---|---|---|
| 2vCPU/8GB/100GB SSD | 約14,100円/月 | 約11,700円/月 | 約14,100円/月 |
| 4vCPU/16GB/200GB SSD | 約28,100円/月 | 約23,400円/月 | 約28,200円/月 |
| 8vCPU/32GB/500GB SSD | 約57,300円/月 | 約48,000円/月 | 約57,400円/月 |
| 16vCPU/64GB/1TB SSD | 約114,600円/月 | 約96,100円/月 | 約114,700円/月 |
| egress 1TB追加時 | +約12,300円 | +約10,600円 | +約11,900円 |
| 3年契約後(egress除く) | ▲55% | ▲55% | ▲55% |
| エントリーGPU 1基(参考・試算対象外) | 約70,000円/月 | 約90,000円/月 | 約85,000円/月 |
汎用ワークロードでは低単価型が約1〜2割安いのが常です。GPU用途は事業者ごとに搭載世代がばらつくため順位が入れ替わりやすく、上表のGPU行は本ツールの試算には含めていません(別途加算してください)。egress単価はほぼ横並びですが、無料枠が200GB/月ある事業者は小規模サービスで効いてきます。
ケーススタディ:5つの典型構成での3社比較
下の金額は計算機と同じ単価モデルで自動計算しています(社名の伏字は本ツール共通のA社=最大手型、B社=低単価型、C社=企業統合型)。
① 小規模ブログ(小型バースト型インスタンス相当・24h稼働)
2vCPU/2GB/30GB SSD、egress 30GB。3社比較で最安は—。月6,900〜8,500円レンジです。個人サイト・小規模ブログはこの構成で十分で、各社が持つ低コストの小型シリーズが有力候補になります。
② 中規模SaaS(4vCPU/16GB+マネージドDB小+LB)
4vCPU/16GB、マネージドDB小、L7ロードバランサ、egress 500GB、SSD 200GB。最安は—。月5万〜6.5万円レンジ。中規模Webサービスの典型的な本番環境構成です。
③ 大規模EC(20vCPU/80GB+マネージドDB大+egress 5TB・1年契約)
20vCPU/80GB、マネージドDB大、L7ロードバランサ、egress 5TB、SSD 2TB、1年コミット割引あり。最安は—。月21万〜25万円レンジです。egressだけで月6万円を超えるため、CDN併用で3〜5割の削減余地があります。
④ AI推論(エントリーGPU 1基・24h稼働)
4vCPU/16GB+GPU 1基、egress 200GB。GPU料金は本ツールの試算対象外のため、表示される—はCPU・ストレージ・egress分(月2.3万〜3万円)です。ここに前掲のエントリーGPU 1基あたり月7万〜9万円を加算してください。3年コミット割引でGPU分も約半額になります。
⑤ 開発・検証環境(業務時間のみ稼働)
4vCPU/16GB/100GB SSD、月160時間(平日9-18時のみ)、egress 20GB。最安は—。月5,800〜6,800円レンジ。従量課金の恩恵が最大化されるケースで、自動停止スクリプトを入れると稼働時間で▲78%、月額総額で7割前後の削減が可能です。
割引プラン活用戦略
名称は事業者ごとに違いますが、割引の型は「長期利用コミット」「余剰キャパシティ(スポット)」の2つに集約されます。
| プラン | A社(最大手型) | B社(低単価型) | C社(企業統合型) |
|---|---|---|---|
| 従量課金 | オンデマンド | オンデマンド | 従量課金 |
| 1年コミット | ▲約30% | ▲約37% | ▲約40% |
| 3年コミット | ▲約55% | ▲約55% | ▲約60% |
| スポット(余剰キャパシティ) | 最大▲90% | 最大▲91% | 最大▲90% |
| コミットの単位 | 金額コミット型は柔軟/インスタンス指定型は固定 | vCPU・メモリ単位 | インスタンスサイズ固定 |
| 途中解約 | 原則不可 | 原則不可 | 返金可(一部) |
本番環境はほぼ確実に稼働し続ける前提なので3年コミットで半額運用が定石。開発・検証はスポット(余剰キャパシティ)で9割OFFを活用します。この2つを使い分けるだけで、同じアプリで月コストが半減以上になります。なお本ツールの計算では、比較の見通しを優先して1年▲30%・3年▲55%を3社共通で適用しています。
コミット型の選び方は「構成を1年以内に変える見込みがあるか」で決まります。変える見込みがあるなら金額コミット型(インスタンス種別を変えても割引が追随する型)、構成が固まっていて最安を狙うならインスタンス指定型が有利です。
よくある質問(FAQ)
クラウド3社で一番安いのは結局どれですか?
2026年時点、汎用ワークロード(Web/API/DB)では低単価型のB社が約1〜2割安いのが一般的です。ただし大口の全社契約・部門契約を含めると企業統合型が安くなるケースもあります。GPU/AIワークロードは搭載GPU世代しだいで順位が入れ替わり、商用サーバーOSはライセンス持ち込み優遇のある事業者が有利、マネージドなコンテナ基盤は低単価型が安定して安い、と用途別に最安が変わります。「全部で最安の1社」は存在しない前提で選んでください。
egress料金はどうやって抑えられますか?
3つの定石があります。①CDNを挟む(CDN経由の配信単価はクラウドのegressの半額以下になることが多い)、②同一クラウド内のリージョン間転送を最小化する、③無料枠を最大活用する(月100GB〜200GBが各社の水準)。動画配信サイトは無料枠の大きいCDNを組み合わせると、クラウド側のegress料金をほぼゼロにできます。
長期コミット割引には、どんな型がありますか?
大きく2型です。インスタンス指定型は特定のインスタンス種別・リージョンを固定して契約するもので、割引率は最大。金額コミット型は「時間あたり◯ドル使う」というコミットで、インスタンス種別やリージョンの変更にも割引が追随します。近年は金額コミット型が主流で、柔軟性を求めるなら金額コミット型、構成が固まっていて絶対最安を狙うならインスタンス指定型が有利です。
スポットインスタンスは本番で使えますか?
ステートレスなワーカー・バッチ処理・コンテナのワーカーノードなら本番投入可能です。2分前通知で強制終了されるため、状態を持たない設計+自動リプレース+オンデマンドとの混在が前提。バッチ処理をスポット90%+オンデマンド10%で構成すれば、コストを1/5に圧縮できます。
マネージドDBは自前構築より本当に割高ですか?
マネージドDBは同スペックの仮想サーバーにDBを自前構築する場合より約1.5〜2倍のコストです。ただし運用工数(バックアップ・パッチ・レプリケーション設定)を含めた総所有コスト(TCO)で見ると、担当エンジニア1人月あたり80〜120万円分の工数を吸収してくれるため、10台未満のDB運用なら圧倒的にマネージドが有利。50台超なら自前構築の検討価値があります。
マルチクラウド構成は現実的ですか?
ベンダーロックイン回避には有効ですが、クラウド間のegress料金・運用工数・スキルセットの分散でコストは1.3〜1.5倍に膨らむのが一般的です。真のマルチクラウドが必要なのは金融・公共など規制業界で、それ以外は1つのメインクラウド+バックアップ/DR用途で別クラウドのハイブリッドが現実解です。
クラウド費用が予想より膨らむ主な原因は?
上位5つは、①egress料金の想定漏れ(月10万→50万で発覚)、②停止し忘れた検証環境(週末稼働で月20万浪費)、③ロードバランサのアイドル料金(処理量課金の加算)、④NATゲートウェイの通過料金(東京で6円/GB前後)、⑤ログ・監査データの保存料金。月次コストレポート+予算アラートでの早期発見が必須です。
商用サーバーOSのライセンスはどう扱われますか?
多くの事業者は「ライセンス込み」のインスタンス価格になり、無償OS比で+約1.5倍が目安です。一方、自社のOS製品を持つ事業者は既存のオンプレライセンスを持ち込める優遇制度を用意しており、実質的に無償OS価格に近づきます。商用サーバーOSやDB製品を大量に使っている企業ほど、ライセンス統合による差が大きく出る典型例です。
クラウド費用の最適化はどこから手を付けるべきですか?
3ステップが定石です。①Right Sizing(実使用率30%未満のインスタンスをダウンサイジング、通常20〜30%削減)、②長期コミット(本番系に3年契約で55%削減)、③egress見直し(CDN活用・リージョン統合で30〜50%削減)。この3つで年間30〜60%のコスト削減が現実的に狙えます。
為替変動でクラウド料金はどう変わりますか?
大手クラウドの料金は基本的にUSD建てで、請求時に円換算されます。1円の円安につき料金は約0.7%上昇。150円→160円で約7%値上がり、200円まで進めば約35%値上がりです。円建て契約を選べる事業者は一部に限られるため、為替リスクを重視するなら円建て提供の有無も比較軸に入れてください。
出典・参考資料
- 各クラウド事業者が公開する仮想サーバーの料金ページ(オンデマンド単価・リージョン別価格)
- 各クラウド事業者が公開するマネージドDB・ブロックストレージ・ロードバランサの料金ページ
- 各クラウド事業者の長期利用コミット割引(1年/3年)の条件・割引率一覧
- 各クラウド事業者のデータ転送(egress)料金表と無料枠の条件
- 調査会社が公表するパブリッククラウド市場の動向レポート
※本記事の料金は2026年8月時点で各クラウド事業者が公開している料金を参考にした概算値です。実際の料金は為替レート・オプション・世代・大口契約などで大きく変動します。本番環境の見積りは、契約予定の事業者が提供する公式の料金計算ツールおよび担当営業・技術支援窓口への相談を推奨します。