計算ツール
アンテナエレメント長短縮率無線

アンテナのエレメント長 計算

運用する周波数と型式、電線の短縮率から、アンテナの波長・エレメント長・給電点インピーダンスを算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

アンテナのエレメント長 計算ツール

波長は299.79÷周波数(MHz)で求めます。既定値の14.1MHzでは21.26m、その半分の1/2波長は10.63mです。半波長ダイポールの全長は波長×0.5×短縮率96%×導体径の補正1.00で10.21m、片側は5.10mになります。給電点のインピーダンスは自由空間で73Ωですが、設置高さ10mは波長の0.47倍にあたるため補正して71Ω。推奨される設置高さは半波長以上が目安で10.6mです。

型式別の全長と給電点インピーダンス

型式全長の係数給電点の目安
半波長ダイポール波長×0.573Ω
逆V型ダイポール波長×0.5150〜60Ω
1/4波長グラウンドプレーン波長×0.2536Ω前後
1波長ループ波長×1.02100〜120Ω

主なアマチュアバンドの波長と半波長

周波数波長1/2波長
7.05MHz42.52m21.26m
14.1MHz21.26m10.63m
50.1MHz5.98m2.99m
145MHz2.07m1.03m

※参考計算です。機材の仕様・規格・法令は改定されるため、実機の仕様書と最新の告示を確認してください。

アンテナのエレメント長 計算の詳しい解説

エレメント長が計算どおりにならないのは、電線の中を進む電波の速度が真空中より遅いためです。導体の周囲に生じる電界の一部が絶縁被覆や周囲の構造物に取り込まれ、実効的な波長が数%短くなります。これを短縮率として掛けることで実長を求めますが、被覆の材質や太さ、支持物との距離で値は変わるため、計算値は最初の切り出し寸法と考え、実測しながら詰めるのが基本です。

判断が分かれるのは、どの寸法から調整を始めるかです。長めに切って少しずつ詰める方法は失敗が少ない一方、何度も昇降する手間がかかります。計算値どおりに切って給電部側で整合をとる方法は作業が速い代わりに、短く切りすぎると取り返しがつきません。屋根上や高所での作業回数を減らしたい場合は、地上で共振点を測ってから設置するほうが結果的に早く済みます。

見落とされやすいのが設置高さの影響です。給電点のインピーダンスは大地との距離で変動し、半波長ダイポールでは高さが波長の半分を下回るあたりから下がり始めます。地面の導電率でも変わるため、同じ寸法でも設置場所により整合状態が異なります。周囲の金属物や雨樋、屋根材との結合も共振点をずらす要因で、地上での測定値がそのまま使えないことは珍しくありません。

周波数帯による違いもあります。短波帯では波長が長く、導体径による補正はほとんど効きませんが、超短波帯以上では波長に対する導体径の比が無視できず、太い素子ほど短く切る必要が出ます。逆V型は開き角によって全長も給電点の値も変わり、角度が浅いほどダイポールに近づきます。実際の運用では設置後に定在波比を測り、共振周波数のずれから寸法を補正する手順を前提に計画してください。

作業の段取りとしては、地上で仮組みして共振点を測り、そこから設置高さぶんの変化を見込んで微調整するのが安全です。測定は簡易な機器でも足り、共振周波数が目的の帯より低ければ短く、高ければ長くと判断できます。長さの1%の違いが共振周波数のおよそ1%に対応するため、ずれ幅から切り詰め量を逆算できます。給電部の防水と引き留めの処理も、性能を長く保つうえで欠かせません。

業界・現場での使い方

自作アンテナの製作

運用したい周波数から切り出し寸法を求め、調整代を含めた電線の必要長を決めます。

移動運用の準備

複数バンドのエレメント長をまとめて算出し、持ち出す電線とバランの構成を決めます。

業務無線の仮設

現場の周波数に合わせた簡易アンテナの寸法を出し、設置高さの目安を確認します。

教育・実験用途

波長と物理寸法の関係を数値で示し、共振の考え方を実物と対応づけて説明します。

よくある間違い・注意点

  • 短縮率を掛けずに理論値で切る — 実長が数%長くなり、共振周波数が目的の帯より下にずれます。
  • 設置高さを考えずに整合を判断する — 給電点のインピーダンスは高さで変わり、地上での測定値と一致しません。
  • 周囲の構造物の影響を無視する — 雨樋や屋根材との結合で共振点がずれ、再調整が必要になります。
  • 超短波帯で導体径の補正を省く — 波長に対する導体の太さが効くため、太い素子ほど短く切る必要があります。
  • 調整代を残さずに切断する — 短く切りすぎると継ぎ足しになり、接続部が新たな損失源になります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

14.1MHzの半波長ダイポールは何メートルですか?

短縮率96%・導体径2mmの条件で全長10.21m、片側5.10mが目安です。

短縮率はどのくらいを見込みますか?

裸線で97〜98%、被覆線で95〜96%が目安です。太い導体や周囲に構造物がある場合はさらに下がります。

グラウンドプレーンのラジアルは何本必要ですか?

接地の代わりになるため4本以上が一般的です。本数が多いほど打ち上げ角と整合が安定します。

逆V型にすると全長は変わりますか?

エレメントの開き角によって実効長が変わり、水平のダイポールよりやや長めが必要になります。

設置高さはどのくらい必要ですか?

半波長以上が目安です。既定値の14.1MHzなら10.6m以上あると打ち上げ角が実用的になります。

給電点のインピーダンスが50Ωでない場合はどうしますか?

バランや整合回路で変換します。1波長ループのように100Ωを超える型式では、1/4波長の変換線を使う方法もあります。

太い導体を使うとどう変わりますか?

帯域が広がる代わりに共振点が下がるため、計算値より短めに切る必要があります。

アマチュア無線局の開設に手続きは必要ですか?

無線局の免許が必要です。空中線の型式や設置場所は申請内容に含まれるため、事前に確認してください。