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RM換算 計算ツール|1RM・5RM・10RM・15RM相互変換とトレーニング設計

筋トレの1RM〜15RMを相互変換。ベンチプレス・スクワット・デッドリフトのトレーニング重量設定に。Brzycki式・Epley式・Lombardi式の3公式比較、目的別(最大筋力・筋肥大・筋持久力)のプログラム設計、ACSM/NSCA/JATIの公式ガイドラインを踏まえた実務ガイドとして解説します。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

RM換算 計算機

RMとは何か

RMは「Repetition Maximum」の略で、正しいフォームで指定回数を挙げられる最大重量を指します。1RMは1回だけ挙上できる最大重量、10RMは10回連続で挙げられる最大重量。トレーニング強度の設計基準として、米国スポーツ医学会(ACSM)・全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)・日本トレーニング指導者協会(JATI)で標準的に用いられます。

1RM推定の意義

実際に1RM測定を行うのはリスクが高く、負担も大きいため、5RM・8RM・10RMなど中〜高回数の実測値から数式で推定するのが標準実務。ACSMの臨床ガイドラインでも、1RMの直接測定より推定式の使用を推奨しています。

RMと%1RMの関係

1RM = 100%/2RM ≈ 97%/3RM ≈ 94%/5RM ≈ 87%
8RM ≈ 80%/10RM ≈ 75%/12RM ≈ 70%/15RM ≈ 65%/20RM ≈ 60%

この比率はACSMの筋トレガイドラインに基づく標準値。トレーニング歴・個人差により±2-5%の変動があります。

3公式の比較と選び方

Brzycki式(標準・低回数向き)

1RM = 重量 × 36 ÷ (37 − 回数)

Matt Brzycki(1993年)により提案された最も広く使われる公式。1-10レップの範囲で精度が高く、パワーリフティング・ストレングストレーニングの標準式。10レップを超えると精度が落ちるため、高レップには不向き。

Epley式(中〜高回数向き)

1RM = 重量 × (1 + 回数 ÷ 30)

Boyd Epley(1985年)による式。1-15レップまで幅広く使える汎用性の高い公式で、ボディビル・筋肥大目的のトレーニングで多用。Brzycki式より高レップでの精度が良好。

Lombardi式(低回数・パワー系向き)

1RM = 重量 × 回数0.10

Vince Lombardi(1989年)が提案した指数関数型の公式。1-5レップの高強度トレーニングで精度が高く、パワーリフター・ウエイトリフター向け。10レップ超では過大評価する傾向。

3公式の推定値比較(80kg×5回の場合)

公式推定1RM特徴
Brzycki90.0 kg標準的な推定
Epley93.3 kgやや高めの推定
Lombardi92.3 kgBrzyckiに近似

実務ではBrzycki式が最も引用頻度が高いため、パーソナルトレーニング・スポーツ現場で標準的に採用されます。3公式の平均を取ることで、より安定した推定値になります。

目的別のRM設定

ACSM/NSCA/JATIの公式ガイドラインでは、目的別に異なるRM設定が推奨されています。

目的RM範囲%1RMセット数セット間休息
最大筋力・神経適応1-3RM90-100%3-53-5分
筋力増強(一般)3-6RM85-93%3-52-3分
筋力+筋肥大(両立)6-8RM80-87%3-52-3分
筋肥大(標準)8-12RM70-80%3-660-90秒
筋持久力+軽い肥大12-15RM65-72%2-445-60秒
筋持久力・準備期15-25RM60-65%2-330-45秒

初心者への推奨

NSCAの入門者向けガイドラインでは、10-15RMの中程度負荷・週2-3回・3セットから始めることを推奨。フォーム習得と怪我予防を優先し、8週間程度で身体が慣れてから重量を上げていきます。

アスリートへの推奨

競技力向上を目指す場合、シーズンオフに最大筋力(1-5RM)、プレシーズンに筋力+筋肥大(5-8RM)、シーズン中は維持(8-10RM)と期分けするのがJATI認定コーチの標準的なアプローチです。

目的別プログラム設計

最大筋力プログラム(パワーリフター向け)

5×5法:1RMの85%を5レップ×5セット。週3日、ベンチ・スクワット・デッドリフトを中心に構成。スターティング・ストレングスストロングリフト5×5が代表的なプログラム。神経系適応で短期間の筋力アップが期待できる。

筋肥大プログラム(ボディビル向け)

3×10法:1RMの75%を10レップ×3セット。週4-6日、部位分割で高頻度刺激。PPL(Push-Pull-Legs)ブロスプリットアーノルドスプリットが代表例。総ボリューム(重量×回数)が筋肥大の主要因子。

両立プログラム(一般向け・PHUL)

週4日、パワー日(5×5)とハイパートロフィー日(3×10-12)を分けるPHUL(Power Hypertrophy Upper Lower)プログラム。筋力・筋肥大の両立で、フィジーク競技者・スポーツ選手に人気。

循環プログラム(コンディショニング系)

サーキットトレーニング:1RMの40-60%×15-20レップを休憩短めで複数種目連続。心肺機能と筋持久力の両立、脂肪燃焼効果。クロスフィットもこの派生形。

ピラミッド法(強度変動)

セットごとに重量を上げ回数を下げる(15→10→5→3レップ)。ウォームアップ効果と最大挙上への準備を兼ねる。ドロップセット(逆に重量を下げていく)は追い込み用として筋肥大に有効。

DUP(Daily Undulating Periodization)

日ごとに強度を変える方式(月:8RM、水:5RM、金:3RMなど)。刺激の多様化で停滞を防ぐのが特徴。NSCAの研究でも線形ピリオダイゼーションより効果的な場合が示されています。

種目別の1RM目安

体重比での1RM水準の目安。ACSM/NSCAのフィットネス評価基準・パワーリフティング競技記録に基づきます。

男性ベンチプレス(体重比)

レベル体重の何倍体重70kgでの目安
初心者(3ヶ月未満)0.5-0.75倍35-52 kg
初級(6ヶ月-1年)0.75-1.0倍52-70 kg
中級(1-3年)1.0-1.5倍70-105 kg
上級(3年以上)1.5-2.0倍105-140 kg
エリート・競技者2.0倍以上140 kg以上

男性スクワット(体重比)

レベル体重の何倍体重70kgでの目安
初心者0.75-1.0倍52-70 kg
初級1.0-1.25倍70-87 kg
中級1.5-2.0倍105-140 kg
上級2.0-2.5倍140-175 kg
エリート2.5倍以上175 kg以上

男性デッドリフト(体重比)

レベル体重の何倍体重70kgでの目安
初心者1.0-1.25倍70-87 kg
初級1.25-1.5倍87-105 kg
中級1.75-2.25倍122-158 kg
上級2.25-2.75倍158-193 kg
エリート2.75倍以上193 kg以上

女性の目安(男性比×0.6)

女性の1RM水準は、同じレベルで男性の約60%が目安。体重60kgの中級ベンチプレスなら36-54kg、中級スクワットなら60-72kg、中級デッドリフトなら73-95kg程度です。

ピリオダイゼーション(期分け)

NSCA/JATIの推奨に基づく年間ピリオダイゼーションの例。1RMを基準にした強度変動で、停滞を防ぎながら継続的な向上を目指します。

準備期(4-6週)

フォーム習得と基礎体力構築の期間。1RMの60-70%×12-15レップ×3セットで高回数・低負荷。関節・筋腱の準備を進めます。

筋肥大期(4-6週)

筋量の増加を目指す期間。1RMの70-80%×8-12レップ×3-4セット。総ボリュームを最大化し、テクニカル・フェーラー(技術的に挙げられなくなる限界)まで追い込みます。

筋力期(4-6週)

神経系適応と最大筋力を高める期間。1RMの85-95%×3-5レップ×4-5セット。セット間休息を3-5分と長めに取り、質の高い挙上を優先します。

ピーク期(2-3週)

1RM測定・大会に向けた最終調整。1RMの90-100%×1-3レップ×3セット。ボリュームを落とし、疲労を抜きながらピークに合わせます。

デロード(1週)

強度を落として回復を促す週。通常の60-70%程度の重量で3セット。疲労蓄積・オーバートレーニング予防に不可欠。4-6週ごとに1週のデロードが推奨されます。

アクティブレスト(2-4週)

年に1-2回、大会後や長期ブロック終了時に。他種目(ランニング・水泳)・軽い筋トレのみ。身体の完全な回復と再生を目指す期間。

安全に測定する方法

直接1RM測定のリスク

1RM直接測定は関節・筋腱への負担が大きく、フォームの崩れによる怪我リスクも高い。ACSMのガイドラインでも、初心者・中高年者は推定式による1RM算出を推奨しています。

推定式の使い分け

対象者推奨レップ推奨公式
初心者(3ヶ月未満)10-12レップから推定Epley式
中級者(3ヶ月-2年)5-8レップから推定Brzycki式
上級者(2年以上)3-5レップから推定Brzycki式・Lombardi式
高齢者・リハビリ中15-20レップから推定Epley式(過大評価を避ける)

実測時の注意事項

推定式でも実測は必要。ウォームアップを十分(10-15分)フォームチェックスポッター(補助者)確保セーフティラックの使用が必須。特にスクワット・ベンチプレスは補助なしでの限界挑戦は禁物です。

よくある間違い・落とし穴

  • フォームを崩して回数を稼ぐ — 「10RM」は正しいフォームでの10回であり、腰を反らせる・チーティングでの回数はカウント外。フォームが崩れた瞬間の直前で計測を止めるのが正しい実務。フォーム崩れによる怪我が非常に多い落とし穴。
  • 推定式の絶対視 — 推定式は個人差±5-10%の誤差があります。実測値との照合を月1-2回行い、自身の推定式を補正するのが実務セオリー。若年・トレーニング歴長い人ほど過小評価、高齢・初心者ほど過大評価する傾向。
  • 1RMを頻繁に測定 — 直接1RM測定は月1回以下が原則。頻繁な測定は神経系・関節への負担が大きく、慢性疲労・オーバートレーニングの原因に。ピリオダイゼーションのピーク期のみ実測するのが理想。
  • 種目間で同じ%1RMを使う — ベンチプレス・スクワット・デッドリフトで%1RM-レップ関係は微妙に異なる。デッドリフトは他種目より高%でも多くのレップができる特性があり、種目別の補正が必要な場合も。
  • ウォームアップ不足 — 高強度のRMテストは十分なウォームアップが必須。軽い負荷(1RM40-60%)で複数セット、動的ストレッチ、実測種目のフォーム練習を行い、10-15分かけて準備。ウォームアップ不足は怪我リスク倍増。
  • 栄養・睡眠を考慮しない測定 — 前日の睡眠不足・食事不足・カフェイン摂取有無で1RM値は5-10%変動します。コンディションを揃えて測定するのが実務基本。連日の測定は避けるべき。

参考文献・公的資料

※本ページのRM推定値は、Brzycki式・Epley式・Lombardi式の理論式に基づく概算です。実際の1RMには個人差(±5-10%)があり、トレーニング歴・栄養状態・睡眠・種目特性・当日のコンディションで大きく変動します。特に初心者・高齢者・持病のある方が高強度トレーニングを実施する場合は、事前にメディカルチェックを受け、日本トレーニング指導者協会(JATI)認定の指導者・理学療法士等の専門家の指導のもとで実施することを強く推奨します。既往症(心疾患・高血圧・関節疾患)のある方は必ず医師にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

1RM推定式の精度はどれくらい?

Brzycki式・Epley式・Lombardi式ともに個人差±5-10%の誤差があります。トレーニング歴が長い上級者・パワーリフター系のほうが精度が高く、初心者・高齢者は誤差が大きくなる傾向。3公式の平均を取ることで、単一公式より安定した推定値になります。

Brzycki・Epley・Lombardiのどれを使うべき?

1-5レップならBrzycki・Lombardi、5-10レップならBrzycki、10-15レップならEpleyが適しています。パワーリフター・ストレングス系はBrzycki式が業界標準、ボディビル・筋肥大目的はEpley式が多用されます。実務ではBrzycki式が最も引用頻度が高いため、標準として使用するのが無難。

筋肥大に最適なRMは?

ACSMのガイドラインでは1RMの70-80%×8-12レップが筋肥大の標準ゾーン。ただし近年のメタ分析(Schoenfeld et al.)では、「セットを限界まで追い込めば、幅広いRM範囲(5-30RM)で同等の筋肥大効果」との報告も。総ボリューム(重量×回数×セット数)が筋肥大の主要因子とされています。

1RM測定はどの頻度で?

ピリオダイゼーションのピーク期のみ、月1回以下が原則。頻繁な測定は関節・神経系への負担が大きく、慢性疲労・オーバートレーニングの原因になります。日常的な進捗確認には、推定式(5-8RMからの1RM推定)を月1回程度実施するのが実務的です。

初心者は1RMを測るべき?

フォーム習得が不完全な初心者(3ヶ月未満)は、直接1RM測定は怪我リスクが高いため非推奨。10-15レップの中負荷で身体を慣らし、フォームが安定してから推定式で1RMを算出するのが安全策。NSCAの入門者ガイドラインでも同様の推奨があります。

体重比の1RMは何倍が目標?

男性中級レベルなら、ベンチプレス体重の1.0-1.5倍、スクワット1.5-2.0倍、デッドリフト1.75-2.25倍が目安。「BIG3合計体重の4倍」が中級者の到達目標としてよく引用されます(体重70kgなら合計280kg)。女性は男性の60%程度が同レベルの目安。

RMを上げる最速の方法は?

神経系適応が最速で、4-6週間の高強度トレーニング(1RMの85-95%×3-5レップ)で顕著な向上が見られます。筋量による向上は12週以上かかるため、短期成果は神経系、長期成果は筋肥大の組み合わせが実務的。ピリオダイゼーションで交互に狙うのが最速コースです。

スクワットとベンチプレスで1RMの伸びが違うのは?

下半身種目(スクワット・デッドリフト)は上半身種目(ベンチプレス・オーバーヘッドプレス)より筋量が大きく重量進歩が速いのが標準。ベンチプレス月2.5-5kg、スクワット月5-10kg、デッドリフト月5-10kgが中級者の平均的伸び幅です。

デロード週は本当に必要?

NSCA/JATIの推奨では4-6週ごとに1週のデロードが原則。慢性疲労蓄積・オーバートレーニング・停滞(プラトー)を予防します。デロード後は神経系・筋腱の回復により、1RMがむしろ上がるケースも多い。デロード軽視は長期の停滞に直結します。

1RMは女性でも同じ公式を使える?

使えます。Brzycki・Epley・Lombardi式は性別に依存しない数式で、女性も同じ%1RM-レップ関係が成立します。ただし相対的な体重比では男性より低いため、絶対値ではなく体重比・進捗率で評価するのが実務的。

マシンとフリーウェイトで1RMは違う?

違います。マシンはフリーウェイトの1.2-1.5倍の重量を扱えるのが標準(軌道が固定されバランス補正が不要なため)。ベンチプレスならスミスマシン>ダンベル>バーベルの順に重量が扱いやすい。種目・機器ごとに個別に1RMを設定するのが原則です。

高齢者もRMベースのトレーニングをすべき?

推奨されます。厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準」でも、高齢者の筋トレは週2回以上推奨。1RMの60-70%×10-15レップの中負荷が基本で、骨密度低下・サルコペニア予防に効果的。ただしメディカルチェック後、専門家の指導下で実施するのが必須条件です。