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リバランス|目標比率とのずれから実行タイミングを判定

目標の株式比率と現状の株式比率を入れると、乖離ポイントと「動かすべきか、放置してよいか」の判定が出ます。年1回の点検・乖離5ポイント基準の考え方、売る場所の順番、税と手数料の扱いまで解説します。

最終更新:2026年8月18日/監修:計算ツールズ編集部

リバランスツール

計算式と前提

乖離ポイント = 現状の株式比率 − 目標の株式比率
|乖離|が5ポイント未満 → 対応不要/5ポイント以上 → 比率の高い側を売り、低い側を買い増す

既定値は目標株式70%・現状株式75%です。75 − 70 で乖離は+5.0ポイントとなり、判定は「株式売却・債券買増」と表示されます。株式が目標より重いので、超過分を売って債券側に移す向きです。逆に現状が66%なら乖離は−4.0ポイントで、5ポイントに届かないため「不要」と出ます。

このツールは株式と債券の2資産で配分を見ています。残りの債券比率は「100 − 株式比率」として扱うため、債券欄の入力はありません。現金や不動産を別枠で持っている場合は、それらを除いた運用資産の中での株式比率を入れてください。

乖離幅の早見表

目標株式70%を固定し、現状株式比率を動かしたときの判定です。計算機に同じ値を入れると同じ結果が出ます。

現状の株式比率乖離判定
62%−8.0株式買増・債券売却
66%−4.0不要
70%0.0不要
74%4.0不要
75%5.0株式売却・債券買増
80%10.0株式売却・債券買増

乖離ポイントに運用資産額を掛けると、動かす金額の目安になります。下表はツールの出力ではなく、乖離が5.0ポイント・10.0ポイントだったときの金額換算です。

運用資産額乖離5.0ポイントのとき乖離10.0ポイントのとき
500万円25万円50万円
1,000万円50万円100万円
2,000万円100万円200万円
3,000万円150万円300万円
5,000万円250万円500万円
※動かす金額は「売る額」と「買う額」が同額になります。表の金額を売却し、同額を反対側に買い付ける形です。

リバランスの詳しい解説

発動ラインが5ポイント前後に置かれるのは、放置によるリスクのずれと、動かすたびに生じる費用の釣り合いが、そのあたりで入れ替わるからです。株式70%・債券30%で組んだ配分は、株式が1年で20%上がり債券が横ばいだった場合、株式比率がおよそ74%まで動きます。この程度なら値動きの幅の増え方は小さく、手数料や税を払ってまで戻す実益は乏しくなります。一方で乖離が10ポイントを超えると、下落局面での落ち込み幅が当初の想定より数ポイント深くなり、自分で決めた許容度の外に出ます。5ポイントは「まだ許容範囲」と「もう別の配分」の境目に置かれた目安です。

判断が割れるのは、日付で決めるか乖離幅で決めるかという点です。年1回と日を決める方式は手間が読め、賞与月など資金を動かしやすい時期に合わせられます。乖離幅で決める方式は、相場が動かなかった年に無駄な売買をせずに済む代わりに、相場が荒れた年には何度も発動して費用がかさみます。折衷として「年1回だけ点検し、そのとき5ポイント以上ずれていれば動かす」という運用が広く採られています。バンドの取り方も、絶対値で±5ポイントと見るか目標比の相対値(70%の±25%なら52.5〜87.5%)で見るかで結論が変わり、比率の小さい資産クラスほど相対のほうが放置されにくくなります。

見落とされやすいのは売却側の費用です。課税口座で値上がりした株式を売れば譲渡益に20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)がかかるため、戻すコストは手数料だけではありません。少額投資非課税制度の口座では売却時の課税は生じませんが、非課税枠が戻るのは翌年で、しかも取得価額ベースの復活のため「売って買い直す」は同じ年に完結しません。確定拠出年金(企業型・個人型)の中での組み替えは課税されないため、同じ配分に戻すなら年金口座側で動かすほうが有利です。毎月の積立を比率の低い側に寄せれば、売却を伴わずに戻せます。

適した方法は資産規模と局面で変わります。資産が数百万円で毎月の積立額が大きいうちは、積立の振り分けを変えるだけで乖離を吸収でき、売却は不要です。資産が数千万円に育って積立の比重が下がると、売買による調整が避けられなくなります。取り崩し期の人は、生活費を比率の高い資産クラスから引き出せば、それ自体がリバランスになります。外貨建て資産があると円換算の比率が為替だけで数ポイント動くため、どちらの通貨で見るかを先に決めておく必要があります。なお課税関係は口座区分や他の所得との組み合わせで変わるため、金額が大きい場合は税理士など専門家に確認してください。

よくある間違い・注意点

  • 乖離の数字だけで機械的に売る — 5.0ポイントの乖離でも、運用資産が200万円なら動かす額は10万円です。売買手数料や手間に見合わない額なら、次の積立で寄せるほうが合理的です。
  • 課税口座から先に売ってしまう — 同じ配分に戻すのでも、非課税で組み替えられる年金口座(企業型・個人型の確定拠出年金)を先に使えば譲渡益課税を避けられます。売る場所の順番で手残りが変わります。
  • 年に何度も点検して都度発動する — 点検回数が増えるほど発動回数も増え、費用だけがかさみます。点検の頻度と発動の基準は別物として、先に決めておいてください。
  • 下がった資産を買い増せずに終わる — リバランスは値下がりした側を買い増す行為なので、実行時には心理的な抵抗が生じます。あらかじめ基準を書き出しておかないと、上昇した側の売却だけで止まりがちです。
  • 現金や持ち家を株式比率の分母に入れ忘れる — 生活防衛資金まで分母に含めると株式比率は低く出ます。運用に回している資産の中で数えるのか、金融資産全体で数えるのかを固定してください。

出典・参考資料

※本ツールは株式と債券の2資産に単純化した概算判定です。実際の配分判断は保有商品の中身・口座区分・課税関係によって変わります。

免責:本ツールは情報提供を目的としており、特定の商品の売買を勧めるものではありません。税務上の取り扱いは税理士または所轄の税務署にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

リバランスの頻度はどのくらいが適切ですか

年1回の点検が基本形です。半年ごとや四半期ごとに点検しても長期の成績差はわずかとされる一方、売買回数は確実に増えます。点検の頻度(年1回など)と発動の基準(乖離5ポイントなど)を分けて決めると、無駄な売買を避けやすくなります。

売却すると税金はかかりますか

課税口座で値上がりした分を売れば、譲渡益に20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)がかかります。少額投資非課税制度の口座なら売却益は非課税ですが、使った枠が戻るのは翌年です。個別の判断は税理士や所轄の税務署にご確認ください。

新規の積立だけで比率を戻す方法はどうですか

売却を伴わないため税と手数料の面で有利です。毎月の積立を比率の低い資産クラスに寄せるだけで済みます。ただし資産額に対して積立額が小さいと戻すのに何年もかかるため、乖離が10ポイントを超えるような局面では売買との併用が必要になります。

5ポイントではなく「目標比で何%ずれたら」という基準ではだめですか

どちらでも構いませんが、結論が変わります。絶対値で±5ポイントとすると、比率の小さい資産クラス(例えば目標10%)は倍近くに増えても発動しません。目標比の相対値(±25%など)で見れば小さいクラスも拾えます。資産クラスの数が多いほど相対バンドが向きます

確定拠出年金の中で組み替えるのと、証券口座で売買するのはどちらが先ですか

年金口座の組み替えが先です。企業型・個人型いずれの確定拠出年金でも、内部でのスイッチングに譲渡益課税は生じません。同じ配分に戻せるなら、課税の生じない側から動かすほうが手残りが増えます。

相場が大きく下がったときもリバランスすべきですか

基準どおりなら実行の対象です。下落局面では株式比率が下がるため、値下がりした株式を買い増す向きの取引になります。心理的な抵抗が最も大きい場面なので、基準を事前に文章にしておき、そのとおりに動かせるかを先に決めておいてください。

外貨建ての資産があると比率はどう数えますか

円換算した評価額で数えるのが一般的です。ただし為替だけで比率が数ポイント動くため、円安の局面では外国株式の比率が実力以上に高く見えます。円ベースで判断すると決めたなら、為替由来のずれも乖離として受け入れる整理になります。