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インボイス計算ツール|2割特例・本則課税・簡易課税の納付額を一発比較

インボイス登録した個人事業主・フリーランスの消費税納付額を、2割特例(経過措置)/本則課税/簡易課税の3方式で比較計算。事業区分別に「いちばん得な選択肢」をワンクリック判定。

最終更新:2026-08-18/監修:計算ツールズ編集部

インボイス 消費税 計算機

計算式と前提

売上の消費税 = 税込売上 − 税込売上 ÷ (1 + 税率) 2割特例 = 売上の消費税 × 20% 簡易課税 = 売上の消費税 × (1 − みなし仕入率) 本則課税 = 売上の消費税 − 経費の消費税

既定値の「年間売上800万円(税込)・年間経費200万円(税込)・第5種サービス業(みなし仕入率50%)・軽減税率なし」で追うと、売上の本体価格は800÷1.1=727.27万円、そこに含まれる消費税は72.73万円です。2割特例はこの20%で14.55万円、簡易課税は50%を引いた残りで36.36万円、本則課税は経費200万円に含まれる18.18万円を差し引いて54.55万円。最大と最小の差は40.00万円で、税込売上の5.0%にあたります。軽減税率対象の割合を選ぶと、10%と8%を按分した平均税率で売上・経費の消費税を計算します。

3方式の比較

方式計算式有効期間適用要件
2割特例売上の消費税×20%2023.10〜2026.9免税事業者からインボイス転換した者のみ
簡易課税売上の消費税 − 売上×みなし仕入率の消費税常時基準期間の課税売上5000万円以下+事前届出
本則課税売上の消費税 − 経費の消費税(実額)常時規制なし(基本)

※2026年9月で2割特例終了予定。延長・拡充の議論は継続中。最新の政府発表を確認してください。

売上別・事業区分別 早見表

年間売上別(経費率25%・第5種サービス業)

計算機に同じ数値を入れたときの表示と一致します。単位は万円です。

年間売上
(税込)
年間経費
(税込)
2割特例簡易課税
(50%)
本則課税いちばん軽い方式
500万円125万円9.0922.7334.092割特例
800万円200万円14.5536.3654.552割特例
1,000万円250万円18.1845.4568.182割特例
1,500万円375万円27.2768.18102.272割特例
3,000万円750万円54.55136.36204.552割特例

事業区分別(年間売上800万円・経費200万円)

みなし仕入率が高い区分ほど簡易課税が軽くなります。第2種(80%)でちょうど2割特例と並びます。

事業区分みなし
仕入率
2割特例簡易課税本則課税いちばん軽い方式
第1種 卸売業90%14.557.2754.55簡易課税
第2種 小売業・飲食料品の販売80%14.5514.5554.55同額
第3種 製造業・建設業70%14.5521.8254.552割特例
第4種 飲食店・その他60%14.5529.0954.552割特例
第5種 サービス業・運輸通信業50%14.5536.3654.552割特例
第6種 不動産業40%14.5543.6454.552割特例

※単位は万円。本則課税は「経費の全額が課税仕入れである」前提で計算しているため、実際の納付額はこれより大きくなります。給与・保険料・租税公課・住居用家賃などは課税仕入れに当たりません。

どの方式を選ぶかを詳しく理解する

消費税の納付額は「預かった消費税−差し引ける消費税」で決まり、3方式の違いは差し引く側の求め方だけにあります。既定値の売上800万円・経費200万円・第5種で見ると、売上に含まれる消費税72.73万円に対し、2割特例は8割を差し引いたとみなして14.55万円、簡易課税はみなし仕入率50%を差し引いて36.36万円、本則課税は実際の経費に含まれる18.18万円だけを差し引いて54.55万円になります。差が40.00万円も開くのは、この事例の経費率が25%しかなく、2割特例が前提とする80%にも、第5種のみなし仕入率50%にも届いていないためです。裏を返せば、経費率が高い事業ほど3方式の差は縮まり、経費率が80%を超えると本則課税が最も軽くなります。

実務で判断が分かれるのは、2割特例を使い終えたあとに簡易課税と本則課税のどちらへ移るかです。分岐点は「実際の課税仕入率がみなし仕入率を上回るかどうか」で、第5種なら課税仕入率50%が境目になります。ここで注意したいのが簡易課税の2年継続義務です。届け出た年から2年間は本則に戻れないため、その間に高額な機械や車両を購入しても実額の控除を受けられません。設備更新を予定している事業では、届出前に2年分の投資計画を並べて比較する必要があります。

見落とされやすいのは、経費のすべてが課税仕入れになるわけではないという点です。従業員給与・法定福利費・生命保険料・租税公課・国外取引・居住用の家賃は控除対象外なので、本ツールの本則課税は上限に近い有利な数字だと考えてください。もうひとつは2割特例の適用期間です。この特例は令和5年10月1日から令和8年9月30日までを含む課税期間が対象で、個人事業者の場合は2026年分(2027年3月末までに申告する分)が最後になります。ただし基準期間である2年前の課税売上高が1,000万円を超えた課税期間には使えないため、登録後に売上が伸びた人は期限を待たずに対象から外れます。取引先側でも、免税事業者からの仕入れについて仕入税額の80%を控除できる経過措置が2026年9月末で終わり、以降は50%に下がります。

条件による違いも大きく、同じ売上800万円でもみなし仕入率90%の卸売業なら簡易課税は7.27万円と2割特例より軽く、40%の不動産業では43.64万円と重くなります。売上先が一般消費者中心の業種では、相手がインボイスを必要としないため免税事業者のまま留まる選択も引き続き成り立ちます。反対に売上先が課税事業者中心であれば、登録しないことで受ける値引き要求のほうが納税額を上回ることもあります。届出の期限は課税期間の区切りで決まり、一度過ぎると翌年まで取り返せないため、判断が微妙な場合は税理士または所轄の税務署に事前に確認してください。

よくある間違い・注意点

  • 経費の全額が課税仕入れだと思って本則課税を選ぶ:外注費や仕入は控除できますが、給与・社会保険料・保険料・租税公課・居住用家賃は対象外です。経費300万円のうち課税仕入れが150万円しかなければ、本則の控除額は半分になります。
  • 2割特例をずっと使えると考える:対象は令和8年9月30日までを含む課税期間で、個人事業者は2026年分が最後です。さらに基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた課税期間は、期限前でも使えません。
  • 簡易課税の届出期限を過ぎる:原則として適用したい課税期間が始まる前日までに提出が必要で、個人なら前年12月31日が期限です。一度選ぶと2年間は本則に戻れないので、設備投資の予定と合わせて判断してください。
  • 税込と税抜を混ぜて入力する:本ツールは売上・経費とも税込で入力する前提です。税抜の数字を入れると納付額が約1割小さく出ます。会計ソフトの表示がどちらの方式かを確認してから入力してください。
  • 納税資金を分けずに使ってしまう:消費税の納付期限は個人事業者なら翌年3月31日で、所得税・住民税・国民健康保険料と重なります。売上入金のたびに納付見込額を別口座へ移しておくと、確定申告期の資金繰りが安定します。

出典・参考資料

※本ツールは税込金額から平均税率で割り戻した概算です。経費の全額が課税仕入れである前提、貸倒れ・返品・中間納付・複数区分の按分は反映していません。適用できる方式や届出の可否は事業の実態によって異なるため、最終的な判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。

よくある質問

2割特例はいつまで使える?

原則として2023年10月〜2026年9月の3年間限定。免税事業者からインボイス登録した個人事業主・フリーランスのみが対象。期間終了後は本則・簡易のどちらかを選択。

簡易課税の届出はいつまで?

適用したい年の前年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出。一度選ぶと2年間継続義務あり。

個人事業主のサービス業はどれが得?

多くの場合、経費が少ないサービス業(コンサル・ライター等)は「2割特例(〜2026.9)→以降簡易課税(みなし仕入率50%)」が最も得。経費を実額で多く計上できる業種は本則課税が有利。

免税事業者のままなら税金は0?

消費税の納付は不要だが、取引先(インボイス登録事業者)から「消費税分を引いて支払うよ」と値下げ要求される可能性が高く、結果的に手取りが減るケース多数。総合的にはインボイス登録のほうが有利な業種が増えてきている。

2割特例が終わったら何をすればいいですか?

簡易課税と本則課税のどちらかを選びます。判断の目安は、実際の課税仕入れが売上に占める割合が、自分の事業区分のみなし仕入率を上回るかどうかです。第5種サービス業なら課税仕入率50%が分岐点で、それ未満なら簡易課税が有利です。なお、2割特例を適用していた事業者が翌課税期間から簡易課税に移る場合は、その課税期間中に届出書を提出すれば適用できる特例があります。期限の扱いが通常と異なるため、所轄の税務署に確認したうえで手続きしてください。

インボイス登録は途中でやめられますか?

やめられます。「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出すると、原則として翌課税期間の初日から効力がなくなります。ただし提出には期限があり、取りやめたい課税期間の初日から起算して15日前の日までに出す必要があります。また、登録によって課税事業者になった場合は、登録日から2年を経過する日の属する課税期間までは免税事業者に戻れない点にも注意が必要です。

少額の支払いでもインボイスの保存が必要ですか?

基準期間の課税売上高が1億円以下などの要件を満たす事業者は、税込1万円未満の課税仕入れについて帳簿の保存だけで仕入税額控除が認められる少額特例があります。この特例は令和11年9月30日までの期間限定です。また、3万円未満の公共交通機関の運賃や自動販売機での購入など、インボイスの交付を受けることが困難な取引は、金額にかかわらず帳簿の保存のみで控除できます。