計算ツールズ
インボイス消費税

インボイス影響額 計算ツール

インボイス制度導入での免税事業者の負担増を試算。

インボイス 計算機

計算式と前提

原則課税の納付額 = (年間売上 − 仕入経費) × 10%

2割特例の納付額 = 年間売上 × 10% × 20%

簡易課税の納付額 = 年間売上 × 10% × 50%(第5種・サービス業のみなし仕入率)

売上・仕入とも税抜(本体価格)で入力する前提です。上の3つの金額は適格請求書発行事業者として登録した場合の年間納付額で、登録するかどうかを選ぶ欄の状態にかかわらず常に表示します。既定値の売上500万円・仕入100万円なら、原則課税は400,000円、2割特例は100,000円、簡易課税は250,000円です。2割特例と簡易課税は売上だけで決まるため、仕入欄をいくら動かしても金額は変わりません。「免税事業者のまま」を選んだ場合、自分の納付額は0円になります。そのかわり取引先は仕入税額控除ができず、経過措置の控除率に応じて100,000円(令和8年9月まで・80%控除)から250,000円(令和8年10月以降・50%控除)の負担が生じます。この金額を「選択による影響」欄に表示します。

売上・仕入別の納付額早見表

いずれも計算機に同じ値を入れたときの表示と一致します(3方式の金額は登録の有無を選ぶ欄の状態によらず同じです)。

年間売上別(仕入経費100万円)

年間売上原則課税2割特例簡易課税(第5種)
300万円200,000円60,000円150,000円
500万円(既定値)400,000円100,000円250,000円
800万円700,000円160,000円400,000円
1,000万円900,000円200,000円500,000円

仕入経費別(年間売上500万円)

仕入経費原則課税2割特例簡易課税(第5種)
0円500,000円100,000円250,000円
100万円(既定値)400,000円100,000円250,000円
200万円300,000円100,000円250,000円
300万円200,000円100,000円250,000円

簡易課税のみなし仕入率(事業区分)

この計算機は第5種(50%)で固定しています。他の区分では簡易課税の金額が下の割合に置き換わります。

区分おもな業種みなし仕入率
第1種卸売業90%
第2種小売業80%
第3種製造業・建設業など70%
第4種飲食店業など60%
第5種サービス業・運輸・通信など50%
第6種不動産業40%

3つの納付額に差がつく理由と、登録判断の考え方

消費税は、預かった税額から支払った税額を引いて納めるという構造です。既定値なら売上に対する50万円から仕入に対する10万円を引いて40万円になります。2割特例と簡易課税は、この「支払った税額」を実額ではなく売上からの割合で決め打ちする方式です。2割特例は売上税額の8割を控除したものとみなすので納付は2割の10万円、第5種の簡易課税はみなし仕入率50%なので25万円になります。つまり3つの差は税率の違いではなく、仕入をどう見積もるかの違いです。実際の課税仕入が売上の8割を超えるような業態では原則課税が最も軽くなり、仕入がほとんど発生しない業態ほど2割特例が有利になります。

登録するかしないかの判断は、取引先の側の事情で決まります。取引先が課税事業者で原則課税を採っている場合、免税事業者からの仕入は仕入税額控除の対象になりません。ただし経過措置があり、令和5年10月から令和8年9月までは相当額の80%、令和8年10月から令和11年9月までは50%を控除できます。控除できる割合が段階的に下がるため、取引条件の見直しを求められる場面は時間とともに増えます。一方、取引先が一般消費者や免税事業者が中心であれば、相手はインボイスを必要としないため、登録しないほうが手取りは大きく残ります。自分の売上のうち課税事業者との取引が何割かを先に把握するのが出発点です。

見落とされやすいのは期限です。2割特例が使えるのは令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日を含む課税期間で、個人事業者の場合は2026年分が最後になります。翌年からは原則課税か簡易課税のいずれかを選ぶことになり、簡易課税を使うには原則として適用を受けたい課税期間が始まる前までに届出が必要です。また、2割特例を使っても申告そのものは必要で、帳簿と請求書の保存要件も課税事業者と同じように課されます。取引先が消費税分の値引きを一方的に求めることは独占禁止法や下請法の問題になり得る点も、あわせて押さえておくと判断材料になります。

条件による違いも大きく出ます。簡易課税のみなし仕入率は事業区分ごとに40%から90%まで開きがあり、卸売業なら簡易課税がかなり有利に働く一方、不動産業では原則課税のほうが軽くなることが珍しくありません。この計算機は第5種で固定しているため、他業種は上の表の割合に読み替えてください。簡易課税には基準期間の課税売上高5,000万円以下という要件もあり、規模によっては選べません。事業区分の判定、届出の期限、経過措置の適用可否は個別事情で変わるため、実際の申告にあたっては税理士や所轄の税務署に確認してください。

よくある間違い・注意点

  • 売上の10%がそのまま納税額だと考える — 原則課税は仕入分を引きます。既定値でも50万円ではなく40万円です。
  • 税込の売上を入力する — この計算機は税抜前提です。税込550万円を「500万円」の欄に550と入れると、納付額が約1割大きく出ます。
  • 2割特例が続くと思い込む — 令和8年9月30日までの日を含む課税期間が対象で、個人事業者は2026年分が最後です。
  • 簡易課税を届出なしで使う — 原則として適用を受けたい課税期間の開始前までに届出が必要で、基準期間の課税売上高5,000万円以下という要件もあります。
  • 免税のままなら影響がゼロだと考える — 取引先の控除割合が下がる時期に、単価や取引条件の見直しを求められることがあります。
  • 簡易課税の欄をそのまま自分の業種に当てはめる — この計算機は第5種50%固定です。卸売なら90%、不動産なら40%で結果が変わります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは制度の骨格を確認するための参考計算です。事業区分の判定・届出期限・経過措置の適用可否は個別事情で変わるため、実際の申告は税理士または所轄の税務署の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

免税事業者のままだと何が起きますか?

自分が消費税を納める必要はありませんが、取引先が課税事業者で原則課税を採っている場合、その取引先はあなたへの支払分を全額は控除できなくなります。経過措置により令和5年10月から令和8年9月までは80%、令和8年10月から令和11年9月までは50%を控除できるため、影響は段階的に大きくなります。取引先が一般消費者中心であれば、実質的な影響はほとんどありません。

2割特例はいつまで使えますか?

令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日を含む各課税期間が対象です。個人事業者は暦年が課税期間なので、2026年分が最後の適用年になります。2027年分からは原則課税か簡易課税のいずれかで計算することになるため、事業区分と仕入の実態を見て、どちらを選ぶか事前に検討しておくと慌てずに済みます。

簡易課税と2割特例はどちらが有利ですか?

みなし仕入率が80%を上回る区分、つまり卸売業(90%)であれば簡易課税のほうが納付額は小さくなります。それ以外の区分は2割特例のほうが有利です。既定値の売上500万円で比べると、2割特例は100,000円、第5種の簡易課税は250,000円で、2割特例が有利という結果になります。ただし2割特例には期限があるため、期限後の見通しも含めて比べてください。

「年間売上」は税込・税抜のどちらを入れますか?

税抜(本体価格)で入力してください。この計算機は入力額に10%を掛けて売上に対する消費税額を出しています。税込金額をそのまま入れると納付額が約1割過大に表示されます。税込額しか分からない場合は1.1で割った額を入力してください。軽減税率8%の売上がある場合は、この計算機の前提から外れます。

売上1,000万円以下でも課税事業者になれますか?

なれます。適格請求書発行事業者として登録すれば、基準期間の課税売上高にかかわらず課税事業者として申告することになります。課税事業者選択届出書による方法もあります。登録すると納税と申告の手間が発生する一方、取引先にインボイスを交付できるようになるため、取引の継続や単価交渉の面では有利に働くことがあります。

登録を取りやめることはできますか?

登録の取消しを求める届出書を提出すれば取りやめられますが、提出には期限があり、登録から一定期間は免税事業者に戻れない取扱いもあります。取りやめの効力が生じる時期は提出日によって変わるため、いつから免税に戻したいかを決めたうえで、所轄の税務署または税理士に手続きの時期を確認してください。

この計算機の簡易課税はどの業種の前提ですか?

第5種(サービス業・運輸・通信など)のみなし仕入率50%で固定しています。卸売業は90%、小売業は80%、製造業・建設業は70%、飲食店業などは60%、不動産業は40%です。自分の区分が第5種でない場合は、売上×10%に自分の区分の率を掛けた残りが納付額になると読み替えてください。複数の事業を営む場合は区分ごとの売上按分が必要になります。