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家賃vs持ち家 30年比較 計算ツール

家賃持ち家(ローン返済+修繕積立・税金)の30年間の支出総額を比較し、差額を試算します。

最終更新:2026-08-18/監修:計算ツールズ編集部

家賃vs持ち家 計算機

計算式と前提

家賃 30年 = 家賃(月)× 360か月 持ち家 30年 = (ローン月返済 + 修繕積立・税金)× 360か月 差額 = 家賃 30年 − 持ち家 30年

既定値の「家賃10万円・ローン月返済10万円・修繕積立と税金で月2万円」で追います。家賃側は10万円×360か月で3,600万円、持ち家側は12万円×360か月で4,320万円、差額は−720万円です。マイナスは「30年間で持ち家のほうが720万円多く支出する」という意味で、プラスなら賃貸のほうが支出が多いことを表します。

比較しているのは30年間に出ていく現金の合計だけです。購入時の頭金と諸費用、賃貸の敷金・礼金・更新料、住宅ローン控除、30年後に手元に残る不動産の価値、いずれも含まれていません。差額はあくまで「毎月の支払いを30年続けたときの単純な累計差」として読んでください。

家賃・維持費別 早見表

家賃を動かした場合(ローン月返済10万円・維持費月2万円)

持ち家側を固定し、家賃だけを動かしたときの計算機の表示です。

家賃(月)家賃 30年持ち家 30年差額
8万円2,880万円4,320万円−1,440万円
10万円3,600万円4,320万円−720万円
12万円4,320万円4,320万円0円
15万円5,400万円4,320万円+1,080万円
20万円7,200万円4,320万円+2,880万円

差額がゼロになるのは、家賃が「ローン返済+維持費」と一致する12万円のときです。つまりこの計算での分岐点は、家賃と持ち家の月々の支出が同じかどうかという1点だけで決まります。

維持費を動かした場合(家賃10万円・ローン月返済10万円)

修繕積立金・管理費・固定資産税をまとめた「維持費」は、実際には物件の種類で大きく変わります。

維持費(月)家賃 30年持ち家 30年差額
1万円3,600万円3,960万円−360万円
2万円3,600万円4,320万円−720万円
3万円3,600万円4,680万円−1,080万円
4万円3,600万円5,040万円−1,440万円

ローン返済額を動かした場合(家賃10万円・維持費月2万円)

ローン月返済持ち家 30年差額
8万円3,600万円0円
10万円4,320万円−720万円
12万円5,040万円−1,440万円
14万円5,760万円−2,160万円

※維持費に入れる項目の目安:マンションなら管理費+修繕積立金+固定資産税・都市計画税、戸建てなら固定資産税・都市計画税+外壁や屋根の修繕に備えた積立です。国土交通省が示す修繕積立金のガイドラインでは、専有面積1㎡あたり月250〜350円程度が平均的な水準とされており、70㎡なら月1万7,000〜2万4,000円になります。ここに管理費と固定資産税が加わるため、マンションでは月2万〜4万円に収まることが多くなります。

この差額をどこまで信じてよいか

この計算機が出す差額は、家賃と「ローン返済+維持費」という2つの月額を360か月分並べただけの単純な引き算です。既定値では持ち家が720万円多く出ていきますが、これは月2万円の差が30年積み上がった結果にすぎません。分岐点も明快で、家賃がローン返済と維持費の合計を上回るかどうかの一点で符号が決まります。家賃12万円で差額がちょうどゼロになるのはそのためです。逆に言えば、この計算だけで賃貸と購入の損得は決まりません。含まれていない要素のほうが金額として大きいからです。

まず購入側で抜けているのが初期費用です。頭金に加えて、登記費用・ローン事務手数料・保証料・仲介手数料・火災保険・不動産取得税などの諸費用がかかり、新築でおおむね物件価格の3〜7%、中古では6〜10%が目安とされます。3,000万円の物件なら100万〜300万円で、これは差額720万円の相当部分を占める規模です。賃貸側も同様で、契約時の敷金・礼金・仲介手数料に加え、地域によっては2年ごとに家賃1か月分程度の更新料がかかります。家賃10万円で30年住み続ければ更新料だけで150万円前後になり、引越しのたびに初期費用が再発生します。

実務で最も判断が分かれるのは、31年目以降と資産価値の扱いです。ローンを30年で完済していれば、31年目からの持ち家の支出は維持費だけになり、月2万円で済みます。一方の賃貸は同じ家賃が生涯続きます。この差は高齢期に効いてきますが、返済期間を35年で組んでいれば30年時点では未完済で、この計算の前提から外れます。資産価値の扱いも同じで、売却して現金化するのか、そのまま住み続けるのかで、資産価値を差額に足し戻すべきかどうかの判断が変わります。住宅ローン控除も購入側の実質負担を下げる要素で、年末残高の0.7%が住宅の性能や取得時期に応じて10年または13年にわたって所得税・住民税から控除されます。

条件による違いも押さえておいてください。転勤の可能性が高い職種や、世帯人数が今後大きく変わる時期にある場合は、住み替えの自由度そのものに金額では表しにくい価値があります。反対に、団体信用生命保険が付いた住宅ローンでは契約者に万一のことがあれば残債が消えるため、その分だけ生命保険の必要保障額を下げられるという見方もあります。地域差も大きく、地方では持ち家の維持費に対して家賃相場が低いため賃貸有利になりやすく、都市部では家賃が高いため持ち家有利に振れやすい傾向があります。住宅ローンの審査や税制の適用可否といった具体的な判断は、金融機関・不動産の専門家・税理士にご相談ください。

よくある間違い・注意点

  • 差額のマイナスを「損」と読んでしまう:この欄は30年間に出ていく現金の差です。持ち家側がマイナスでも、30年後には不動産という資産が手元に残り、完済後は返済がなくなります。支出の多寡と損得は別の話です。
  • 維持費に修繕積立金しか入れていない:マンションなら管理費と固定資産税・都市計画税、戸建てなら外壁・屋根・給湯器の更新費用が加わります。戸建ては毎月の請求が来ないぶん積立を忘れやすく、10〜15年ごとに100万円単位の出費が発生します。
  • 頭金と諸費用を無視する:購入時の諸費用は新築で物件価格の3〜7%、中古で6〜10%が目安です。賃貸側にも敷金・礼金・更新料・引越し費用があります。どちらも月額に均して入力欄に足すと比較が揃います。
  • 返済期間が30年でないのに30年比較の結果を使う:35年ローンなら30年時点で残債があり、40年ローンならなおさらです。返済期間が30年を超える場合、この計算は「途中経過の支出比較」であって完済までの総額ではありません。
  • 家賃が30年間変わらない前提を疑わない:更新時の改定や、同じ広さの部屋に住み替える際の相場変動は反映されていません。家族構成が変われば必要な広さも変わるため、30年間ずっと同じ家賃という前提は現実には成り立ちにくくなります。

出典・参考資料

※本ツールは月額の支出を360か月分だけ単純に累計した概算で、頭金・諸費用・住宅ローン控除・資産価値・物価上昇は考慮していません。借入や税制の具体的な判断は、金融機関・不動産の専門家・税理士にご相談ください。

よくある質問

差額がマイナスで表示されるのはなぜですか?

「家賃30年 − 持ち家30年」で計算しているため、持ち家側の支出が多いとマイナスになります。既定値では家賃3,600万円に対して持ち家が4,320万円なので、差額は−720万円です。プラスなら賃貸のほうが多く支出することを意味します。符号は損得ではなく、どちらに多く現金が出ていくかを示しているだけだと考えてください。

維持費(修繕積立・税金)にはいくら入れればよいですか?

マンションなら管理費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税の合計を12で割った金額です。国土交通省のガイドラインでは修繕積立金の目安が専有面積1㎡あたり月250〜350円程度とされており、70㎡なら月1万7,000〜2万4,000円になります。ここに管理費と税金が加わるため、実務上は月2万〜4万円に入ることが多くなります。戸建ては毎月の請求がないぶん見落としやすく、固定資産税に加えて外壁・屋根・給湯器の更新を見込んで月1万5,000〜2万5,000円を積んでおくと実態に近づきます。

頭金や購入時の諸費用はどう扱えばよいですか?

この計算には含まれていないため、月額に均して「修繕積立・税金」の欄に足すのが簡便な方法です。諸費用は新築で物件価格の3〜7%、中古で6〜10%が目安なので、3,000万円の中古物件で240万円かかるなら360か月で割って月約6,700円を上乗せします。頭金を同じように扱うかは考え方が分かれますが、頭金は物件の持ち分として残るため、支出ではなく資産の移し替えとみなして除外する整理も一般的です。

30年後に残る家の価値は反映されていますか?

反映されていません。木造戸建ては建物の評価が年数とともに下がって土地だけが残るのに対し、立地の良いマンションは築30年でも一定の価格を保つことがあります。売却して現金化する前提なら、想定売却価格から仲介手数料などを引いた額を差額に足し戻すことで、より実態に近い比較になります。ただし30年先の相場を予測することはできないため、幅を持たせて考えるべき部分です。

住宅ローン控除は考慮されていますか?

考慮していません。住宅ローン控除は年末のローン残高の0.7%が所得税・住民税から控除される制度で、控除期間は住宅の性能や取得時期に応じて10年または13年です。控除額には上限があり、所得や借入額によって実際に受けられる額は変わります。持ち家側の実質負担を下げる方向に働くため、正確に比較したい場合は控除見込額を月額に均してローン返済の欄から差し引いてください。適用の可否は要件が細かいため、税務署または税理士にご確認ください。

31年目以降はどうなりますか?

30年で完済していれば、持ち家の支出は維持費だけになります。既定値なら月2万円で、賃貸の月10万円との差は年96万円です。この差が高齢期の家計を大きく左右するため、30年時点の差額だけを見て判断すると持ち家側を過小評価することになります。ただし返済期間を35年で組んでいる場合は30年時点で残債があり、完済までの支出はこの計算より増えます。

賃貸と持ち家、どちらが得と言い切れますか?

金額だけで一般解を出すことはできません。家賃相場と物件価格の関係、住み続ける年数、金利、資産価値の推移、転勤や家族構成の変化といった条件で結論が入れ替わるためです。この計算機で分かるのは「月々の支出がどれだけ違い、30年でいくらの差になるか」という一面だけです。判断材料の1つとして使い、頭金・諸費用・資産価値・完済後の支出を別途書き出して総合的に比べてください。