就業不能保険 必要保障額 計算ツール|傷病手当金・障害年金を差引いた不足額を可視化
病気・ケガで長期間働けなくなった場合の就業不能保険の必要保障額を、月収・月生活費・雇用形態から公的保障(傷病手当金・障害年金)を差し引いて算出。会社員と自営業の格差、精神疾患の免責条項、支払対象外期間60/180/365日、主要保険会社の商品比較まで、健康保険法・国民年金法・厚生年金保険法の公的制度に基づき解説します。
就業不能保険 必要保障額 計算機
計算式と設計思想
基本式
必要保障額 = 月生活費 − 傷病手当金 − 障害年金 − 副収入・貯蓄取崩し
就業不能保険は「収入がゼロになった場合に、生活費を維持するための不足額」を保障する商品です。月収そのものを補償するのではなく、公的保障(傷病手当金・障害年金)で足りない部分を上乗せするのが正しい設計思想。過剰な保障はモラルリスク(就労意欲低下)を招く恐れがあり、保険会社の引受基準も厳格です。
傷病手当金の計算
傷病手当金 = 標準報酬日額 × 2/3 × 支給日数(支給開始日から通算1年6ヶ月)
会社員・公務員が加入する健康保険には、病気・ケガで働けない場合の傷病手当金制度があります。標準報酬月額30万円なら日額約6,667円、月額約20万円が支給されます。支給期間は2022年1月の健康保険法改正で「支給開始日から通算1年6ヶ月」となり、途中で復職した期間は日数に算入されません。国民健康保険には傷病手当金がないため、自営業・フリーランスは要注意です。
障害年金の月額目安
障害基礎年金と障害厚生年金は、初診日から1年6ヶ月経過後の障害認定日以降に受給可能。金額は等級により変動:
| 等級 | 障害基礎年金/月 | 障害厚生年金/月(月収30万円想定) |
|---|---|---|
| 1級 | 約85,000円 | 約110,000円(合算約195,000円) |
| 2級 | 約68,000円 | 約88,000円(合算約156,000円) |
| 3級 | なし(自営業対象外) | 約58,000円(会社員のみ) |
| 手当金(一時金) | なし | 約1,160,000円(3級以下軽度) |
公的保障の仕組み
傷病手当金(会社員・公務員)
健康保険から標準報酬日額の3分の2を最長1年6ヶ月支給。初日から待期3日を経て4日目から受給可能。連続する3日間の休業(有給・無給問わず)が必要。復職後に再発した場合は通算1年6ヶ月まで。国保加入者は原則対象外。
労災保険(業務上の傷病)
労働災害と認定された場合、休業4日目から給付基礎日額の80%(休業補償給付60%+特別支給金20%)を無期限支給。労災は健康保険と併給不可。認定には労働基準監督署の判断が必要。
障害基礎年金(1・2級)
初診日に国民年金加入者が対象。20歳前障害も対象。1級:年間102万円、2級:年間81万7千円(2025年度)。子の加算あり(第1・2子各23.4万円、第3子以降7.8万円)。
障害厚生年金(1〜3級・手当金)
初診日に厚生年金加入者が対象。会社員のみ。3級は障害基礎年金より軽度でも支給。報酬比例部分は加入月数と標準報酬月額で計算。1〜2級は障害基礎年金と併給。3級は厚生年金のみ。
雇用保険(傷病手当)
基本手当受給資格者が、失業中に15日以上就労できない状態になった場合に支給。基本手当日額と同額。傷病手当金(健保)とは別制度で名称類似のため要注意。
生活保護
最後のセーフティネット。世帯収入と最低生活費の差額を支給。傷病手当金・障害年金を優先受給した上での補完。資産要件(預貯金・不動産・自動車)あり。厚生労働省の最新の生活保護基準を確認。
会社員と自営業の格差
就業不能時の公的保障は、雇用形態で大きく異なります。自営業・フリーランスは自助努力が不可欠。
| 制度 | 会社員・公務員 | 自営業・フリーランス |
|---|---|---|
| 傷病手当金 | あり(月収の2/3、通算1年6ヶ月) | 原則なし(一部の国保組合を除く) |
| 労災保険 | 強制加入 | 特別加入制度で任意加入可能 |
| 障害基礎年金 | あり(1・2級) | あり(1・2級) |
| 障害厚生年金 | あり(1〜3級+手当金) | なし |
| 退職金 | 企業により支給 | なし(自己準備) |
| 健康保険料の免除 | 傷病手当金受給中は健保料を継続 | 市区町村の減免申請 |
例えば月収30万円で長期就業不能になった場合、会社員は最初の1年6ヶ月で約360万円の傷病手当金を受給できますが、自営業は同期間で公的保障ゼロというケースも珍しくありません。自営業ほど就業不能保険の必要性が高いのが実態です。
主要商品と保障設計
主要な就業不能保険(所得補償保険を含む)を比較します。保障範囲・支払対象外期間・精神疾患の扱いに大きな差があります。
| 商品 | 月額保障 | 免責期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アフラック 給与サポート保険 | 10〜50万円 | 60/180/540日 | 精神疾患は特約選択可、災害後遺症一時金あり |
| SBI生命 就業不能保険 働く人のたより | 10〜50万円 | 60/180日 | 精神疾患も月払給付対象(60日免責) |
| ライフネット生命 働く人への保険3 | 10〜50万円 | 60/180日 | ネット完結、精神疾患は一時金対応 |
| チューリッヒ生命 くらすプラス | 5〜30万円 | 60日 | 復職リハビリ期間の給付軽減 |
| 東京海上日動 所得補償保険 | 月収の60%まで | 7/60日 | 短期免責・自営業向け・掛捨 |
| 三井住友海上 生活サポート費用 | 10〜30万円 | 60日 | 介護状態も対象 |
| 県民共済・都道府県民共済 | 入院日額のみ | 入院初日 | 安価だが就業不能保障は限定的 |
精神疾患の免責と特約
就業不能の原因として最多は精神疾患(うつ病・適応障害)ですが、多くの商品で精神疾患は支払対象外もしくは一時金のみに制限されます。理由は、症状の客観的判定が困難で、モラルリスク(詐取・詐病)のリスクが高いためです。
精神疾患保障ありの主要商品
- SBI生命「働く人のたより」 ― 精神疾患も月払給付対象(就業不能状態の医師診断書ベース)。ただし免責期間60日。
- アフラック「給与サポート保険」精神疾患保障特約 ― 特約付加で月額給付対象。追加保険料が発生。
- ライフネット生命「働く人への保険3」 ― 精神疾患は入院時のみ月払給付、通院のみは一時金対応。
- アクサダイレクト生命「就業不能保険」 ― 精神疾患は一時金給付のみ。継続的な生活保障には不向き。
厚生労働省「令和2年患者調査」より
気分障害(うつ病・双極性障害)の総患者数は約172万人、不安障害約83万人、統合失調症約88万人。20〜50代の就業不能原因のトップが精神疾患であり、保険選びで精神疾患カバー範囲は必ずチェックすべき項目です。
支払対象外期間の選び方
就業不能保険には「支払対象外期間(免責期間)」があり、この期間中は給付されません。60日・180日・365日・540日から選択します。
| 免責期間 | 保険料比較 | 推奨対象 |
|---|---|---|
| 60日(短) | 高い(180日の約1.4倍) | 自営業・貯蓄少ない・傷病手当金なし |
| 180日(中) | 標準 | 会社員・貯蓄6ヶ月分程度あり |
| 365日(長) | やや安い | 会社員・傷病手当金1年6ヶ月受給予定 |
| 540日(超長) | 安い(180日の約60%) | 会社員・傷病手当金満了後の長期保障 |
会社員なら180日または365日、自営業なら60日を推奨。免責期間が短いほど保険料は上がりますが、貯蓄が乏しい場合や国保加入者は短期免責を選ぶべきです。
他の保障手段との比較
収入保障保険
被保険者死亡時に遺族が年金形式で受け取る保険。就業不能時は原則対象外だが、高度障害状態は保険金支払対象。保険料が安く、若い世代の遺族保障として広く使われる。就業不能保険とは補完関係。
医療保険・がん保険
入院日額と手術給付金がメイン。長期通院や後遺症、就業不能状態への直接保障は限定的。三大疾病一時金特約付ければ、就業不能の初期資金として活用可。
貯蓄・投資
最も自由度が高い自助努力。月生活費の6〜12ヶ月分の生活防衛資金を最優先で確保。その上でNISA・iDeCoで長期資産形成。就業不能保険と併用するのが定石。
火災保険の家財費用特約
災害時の休業損失を保障する特約。就業不能保険とは対象事由が異なるが、事業者向けでは重要。持ち家・賃貸ともに保険内容を確認。
クレジットカードの就業不能特約
ゴールド・プラチナカード付帯の海外/国内旅行保険で一部あり。金額・期間は限定的。メインの保障ではなく補完的位置づけ。
労働組合の共済
労働組合が独自に運営する共済制度。月数千円で入院・就業不能に幅広く対応。組合員のみが加入可能。所属組合の資料を確認。
収入保障保険との違いと併用の考え方
名前が似ている収入保障保険は、就業不能保険とは支払要件も受取人も異なる別商品です。混同したまま片方だけに加入すると、想定していたリスクが無保険のまま残ります。
| 項目 | 収入保障保険 | 就業不能保険 |
|---|---|---|
| 支払要件 | 死亡・高度障害 | 病気・ケガで働けない状態 |
| 受取人 | 遺族 | 本人 |
| 目的 | 遺族の生活費 | 本人の療養中の生活費 |
| 重なる公的保障 | 遺族年金 | 傷病手当金(会社員・公務員のみ)・障害年金 |
| 支払対象外期間 | なし | 60日・180日・365日など |
| 受取方法 | 年金形式(月払)が中心 | 月払の給付金 |
両者は目的が異なるため併用が原則です。「亡くなったとき」は収入保障保険、「生きているが働けないとき」は就業不能保険が受け持ちます。特に自営業・フリーランスは傷病手当金がないため就業不能保険の必要性が高く、会社員は傷病手当金(標準報酬日額の2/3を通算1年6ヶ月)を織り込んだうえで不足分を設計してください。
なお収入保障保険には、満期直前に死亡しても一定期間分の給付を保証する最低保証期間(2年・5年など)というオプションがあります。65歳満期で64歳9ヶ月に死亡した場合、通常は残り3ヶ月分しか給付されませんが、5年保証を付けていれば5年分が保証される仕組みです。
保険料と給付金の税制上の扱い
保険料を払うとき
就業不能保険の保険料は生命保険料控除の対象です。商品の設計により「一般生命保険料控除」または「介護医療保険料控除」のどちらの区分になるかが分かれるため、毎年10月ごろに届く保険料控除証明書の区分表示で確認してください。新制度では各区分の控除上限が所得税4万円・住民税2.8万円(旧制度は所得税5万円・住民税3.5万円)です。
給付金を受け取るとき
身体の傷害に基因して支払われる給付金は原則として非課税で、就業不能給付金・障害給付金・入院給付金などが該当します(所得税法施行令第30条)。受取人が被保険者本人・配偶者・直系血族・生計を一にする親族であることが条件です。非課税のため、確定申告で医療費控除を計算する際は、支払った医療費から受け取った給付金を差し引く点に注意してください。
一方、死亡保険金や高度障害保険金が遺族に支払われる場合は、契約者・被保険者・受取人の組み合わせによって課税区分が変わります。
| 受取パターン | 課税区分 |
|---|---|
| 契約者=被保険者、受取人=遺族 | 相続税(500万円 × 法定相続人数の非課税枠あり) |
| 契約者=受取人、被保険者は別人 | 所得税(一時所得または雑所得) |
| 契約者・被保険者・受取人が全員別人 | 贈与税 |
年金形式で毎年受け取る場合は、初年度の相続税課税分を除いた部分が2年目以降に雑所得として所得税・住民税の対象になります(相続税と所得税の二重課税を排除する措置が設けられています)。
よくある間違い・注意点
- 公的保障を無視して月収の100%を保障設定 ― 傷病手当金・障害年金を差し引かず月収の100%を保障にすると、保険料が高額(月2万円超)になり継続困難。過剰保障は保険会社の引受も難しい。
- 精神疾患保障の未確認 ― 就業不能原因のトップは精神疾患。契約時に「精神疾患も月払給付対象か」を必ず確認。「一時金のみ」の商品では長期の生活保障にならない。
- 免責期間の選択ミス ― 会社員が60日免責を選ぶと保険料が過剰、自営業が365日免責を選ぶと免責期間中の生活が破綻。雇用形態と貯蓄状況で正しく選択する。
- 復職後の給付停止条件 ― 多くの商品で「一時的な復職でも給付停止」の条件あり。うつ病のように症状が波打つ疾患では、リハビリ復職で給付が止まり、再休職しても待期期間が再カウントされるケースも。
- 加入時の告知義務違反 ― 過去5年以内の通院歴・服薬歴の告知漏れは告知義務違反となり、保険金不支給の可能性。健康診断結果や過去の医療記録を確認して正確に告知する。
- 介護状態と就業不能状態の混同 ― 就業不能保険は「働けない状態」を保障、介護保険は「他人の介助が必要な状態」を保障。両者は別のリスクで、要介護状態のみでは就業不能保険の給付対象にならないことが多い。
- 自営業が国民健康保険組合の傷病手当金を見落とし ― 建設業国保、文芸美術国保、医師国保など、業種別国保組合の一部には傷病手当金があります。所属可能な国保組合を確認しましょう。
関連する制度・法令
- 健康保険法 第99条 ― 傷病手当金の支給要件(療養のため労務不能で連続3日を経過し、4日目以降に給与の一部又は全部が支給されない場合)。
- 国民年金法 第30条〜第31条 ― 障害基礎年金の受給要件と等級判定。
- 厚生年金保険法 第47条〜第55条 ― 障害厚生年金・障害手当金の受給要件と計算式。
- 労働者災害補償保険法 ― 労災による休業補償給付・傷病補償年金の給付。
- 雇用保険法 第37条 ― 雇用保険の傷病手当(失業中の疾病時給付)。
- 保険業法 第300条 ― 保険募集人の説明義務・告知義務違反の効果。
- 生活保護法 ― 最低生活費を下回る困窮者への公的扶助。
- 障害者総合支援法 ― 障害者への就労支援・自立支援医療・障害福祉サービス。
参考文献・公的資料
公的保障制度は法改正で頻繁に変わります。最新情報は以下の一次資料を必ずご確認ください。
- 厚生労働省 傷病手当金について ― 健康保険法に基づく傷病手当金の給付要件・支給額・期間の公式解説。
- 日本年金機構 障害年金 ― 障害基礎年金・障害厚生年金の受給要件、金額、請求手続きの公式ページ。
- 厚生労働省 労災保険制度 ― 労災保険の休業補償給付、傷病補償年金、障害補償給付の解説。
- 厚生労働省 患者調査 ― 精神疾患を含む主要疾病の患者数統計。就業不能リスクの根拠データ。
- 金融庁 保険商品に関する情報 ― 保険業法に基づく保険商品の監督情報。
- 生命保険文化センター ― 生命保険・就業不能保険に関する消費者向け中立情報。
- 厚生労働省 生活保護制度 ― 最後のセーフティネットとしての生活保護の要件・給付水準。
- 国民健康保険中央会 ― 国民健康保険の給付内容、市区町村ごとの傷病手当金対応の情報。
- 厚生労働省 健康保険法・国民健康保険法の相違 ― 会社員と自営業の公的医療保険の違い。
- JASSO 減額返還・返還免除(障害) ― 就業不能時の奨学金返還免除申請。
よくある質問(FAQ)
就業不能保険と所得補償保険は何が違う?
「就業不能保険」は生命保険会社が販売、長期保障(60歳〜70歳まで)、給付は月額。「所得補償保険」は損害保険会社が販売、短期保障(1〜5年)、給付は月額もしくは一時金、掛捨てが基本。長期の生活保障には就業不能保険、短期の失業リスク補填には所得補償保険が向いています。
精神疾患は保障対象になる?
多くの商品で精神疾患は原則対象外もしくは一時金のみ。月額給付対象なのはSBI生命「働く人のたより」、アフラック「給与サポート保険」(特約付加)などに限定。就業不能原因のトップが精神疾患のため、契約前に必ずカバー範囲を確認してください。
支払対象外期間はどう選ぶ?
会社員なら傷病手当金受給期間(最長1年6ヶ月=約540日)を意識し、180日か365日を選択。自営業・国保加入者は傷病手当金がないため60日を選択。免責期間が短いほど保険料は上がるため、貯蓄状況とバランスを取ります。
会社員でも就業不能保険は必要?
傷病手当金は最長1年6ヶ月で終了。その後の長期就業不能状態では障害厚生年金3級(月約5〜7万円)程度しか公的保障がなく、生活費との差額を保険でカバーする必要があります。月収30万円の会社員なら月10〜15万円の保障が目安。
自営業・フリーランスは何がどう違う?
傷病手当金なし、障害厚生年金なしと公的保障が薄いため、就業不能保険の必要性が高いです。所得補償保険は月収の60〜70%まで、就業不能保険は月10〜30万円が上限。両者を組み合わせるか、月生活費の1.2倍を目安に加入することを推奨します。
加入年齢制限や告知は厳しい?
加入年齢は多くの商品で20〜60歳。過去5年以内の入院・手術・通院、健康診断の指摘事項の告知が必要。精神疾患既往者は加入拒否されるケースが多く、糖尿病・高血圧なども条件付き加入となる場合があります。健康なうちの早期加入がおすすめ。
保険料はどのくらい?
30歳男性、月10万円保障、免責180日で月額約2,500〜4,500円。40歳男性で3,500〜6,000円、50歳男性で6,000〜10,000円が目安。精神疾患特約付、免責60日、月20万円保障などにすると1.5〜2倍に上昇します。
復職したら給付は止まる?
約款上は「所定の就業不能状態が終了した時点」で給付停止。一時的な復職やリハビリ勤務でも症状が回復と判断されれば給付が止まる商品が多いです。うつ病のように再発を繰り返す疾患では、免責期間が再カウントされる商品もあるため、契約前に「復帰後再発時の取扱い」を必ず確認しましょう。
介護状態は対象になる?
就業不能保険は原則「働けない状態」を保障。要介護認定は介護保険の対象で、就業不能保険の直接の対象にはなりません。ただし、介護状態+就業不能状態の合併なら対象。介護リスクは民間介護保険や公的介護保険で別途対応してください。
加入時期はいつが良い?
健康な20〜30代のうちが最適。年齢が上がるほど保険料が上がり、既往症で加入が難しくなります。特に子どもができる、住宅ローンを組むなど「家計の責任が増える時期」の直前に加入するのがベストタイミング。
専業主婦・専業主夫でも加入できる?
収入がない専業主婦・主夫は原則加入不可、または保障額が限定的。ただし所得補償保険の一部商品では家事従事者の就業不能を保障対象にしています。共働きの片方だけ加入するのが実質的な選択肢。
ローン契約時の団信で代替できる?
住宅ローンの団信(団体信用生命保険)には「就業不能保障特約」を付けられる商品も多く、ローン残高相当を保障。ただし団信は死亡・高度障害中心で、就業不能保障は特約扱いで金額限定。就業不能保険は生活費保障、団信はローン返済保障と位置づけの違いがあります。
収入保障保険と就業不能保険は併用すべき?
両方の併用が原則です。死亡・高度障害に備えるのが収入保障保険、病気やケガで働けない状態に備えるのが就業不能保険で、守る対象が「遺族」と「本人」に分かれます。自営業・フリーランスは傷病手当金がないため就業不能保険の優先度が高く、会社員は傷病手当金(給与の2/3を通算1年6ヶ月)を織り込んで不足分を設計します。
就業不能保険に解約返戻金はある?
ほぼゼロです。就業不能保険は掛捨型で貯蓄性がないため、途中解約で戻る金額はごくわずかか、まったくありません。貯蓄目的なら終身保険・個人年金保険や、NISA・iDeCoといった資産形成の制度を別枠で使うほうが効率的です。
保険料に税制優遇はある?
保険料は生命保険料控除の対象で、商品設計により「一般生命保険料控除」か「介護医療保険料控除」の区分になります。新制度では各区分の上限が所得税4万円・住民税2.8万円(旧制度は所得税5万円・住民税3.5万円)。区分は保険料控除証明書に記載されているので、年末調整・確定申告の前に確認してください。
受け取った給付金に税金はかかる?
病気やケガを原因として本人・配偶者・直系血族などが受け取る給付金は原則非課税です(所得税法施行令第30条)。ただし医療費控除を申告する際は、支払った医療費から受け取った給付金を差し引く必要があります。死亡保険金・高度障害保険金は、契約者・被保険者・受取人の関係により相続税・所得税・贈与税に分かれます。
非喫煙者は保険料が安くなる?
非喫煙者料率を用意している商品があり、血圧・BMI・健康診断結果とあわせて割安な料率が適用されます。遺族保障の収入保障保険や定期保険では、非喫煙優良体で20〜40%程度の差がつくこともあります。契約後に喫煙を始めても遡って料率は変わりませんが、告知内容に誤りがあると告知義務違反として給付が受けられない可能性があるため、正確に申告してください。