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ゼロトラスト構築

従業員数と導入範囲から、ゼロトラスト環境の構築費用と運用コストを試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

ゼロトラスト構築ツール

計算式と考え方

全社導入では、ID管理900円、端末保護1,100円、ZTNA1,400円の合計3,400円が1人あたりの月額になります。800人なら月272万円で、ログ監視の委託費120万円を加えて月392万円、年間では4,704万円です。設計・構築の初期費用6,000万円を加えると、5年間の総所有コストは約2億9,520万円になります。1人あたりの年間コストは5万8,800円です。置き換える既存機器・回線の年間費用1,800万円が5年で9,000万円削減されるため、純増は約2億520万円という計算です。

ゼロトラストを構成する主な要素

ID管理と多要素認証誰がアクセスしているかを継続的に検証します。すべての制御の起点になるため、最初に着手されることが多い領域です
端末の管理と保護接続してくる端末の状態を確認し、条件を満たさない端末を遮断します。EDRによる挙動の監視と組み合わせます
ネットワークのアクセス制御社内ネットワークへの一括接続を前提とするVPNに代えて、アプリケーション単位でアクセスを許可する方式に移行します
ログの収集と監視各要素から出るログを集約して異常を検知します。人による24時間の監視体制が必要になるため、外部委託が選ばれることが多い部分です

ゼロトラスト構築の詳しい解説

ゼロトラストの費用が読みにくいのは、単一の製品を買う話ではなく、複数の領域の製品と運用体制を組み合わせる話だからです。見積りを比べるときに最初に確認すべきなのは、どの領域まで含まれているかという範囲の定義です。ID管理だけを刷新した段階でゼロトラストと呼ぶ事業者もあれば、端末、ネットワーク、データ、アプリケーションまでを含めて設計する事業者もあり、同じ名称でも金額が数倍違います。範囲を揃えずに金額だけを比べても意味のある比較にはなりません。費用構造は、初期の設計・構築費と、継続的なライセンス費・運用費に分かれます。総所有コストで見ると、5年程度の期間では継続費用のほうが初期費用を上回るのが一般的です。1人あたり月3,000円前後のライセンスでも、1,000人規模なら年間3,600万円になり、5年で1億8,000万円に達します。初期費用の見積りに目が向きがちですが、判断を左右するのは継続費用のほうです。導入で最も工数がかかるのは技術の設置ではなく、アクセス制御の方針を決める作業です。誰がどのシステムに、どの条件でアクセスできるかを整理する必要があり、これは情報システム部門だけでは決められません。各部門の業務内容と、扱う情報の重要度を突き合わせる作業が発生し、この調整に数か月を要することが珍しくありません。既存の業務システムのうち、社内ネットワークからの接続を前提に作られている古いシステムが残っていると、そのままでは新しい方式に載せられず、改修か例外扱いかの判断を迫られます。段階導入か一括導入かも判断が分かれます。一括で進めれば整合の取れた設計になりますが、初期費用が集中し、業務への影響も大きくなります。段階導入は負担を分散できる一方、移行期間中は新旧の仕組みが併存して運用が複雑になり、両方のライセンス費用がかかる期間が生じます。多くの組織では、リモートワークで必要性が高いネットワークのアクセス制御か、被害が大きいID管理から着手し、数年かけて範囲を広げる進め方が取られています。既存投資の扱いも費用に影響します。VPN装置や社内のプロキシ、ファイアウォールを置き換えられれば、その分の保守費と回線費が浮きます。この削減額を差し引いた純増で見ると、見かけの投資額より負担は小さくなります。運用面では、24時間の監視体制を自社で持つか外部に委託するかが大きな分岐です。自社運用は人材の確保と育成が課題で、専門人材の採用は簡単ではありません。委託は費用が明確になる一方、自社の業務理解が浅いと誤検知への対応が非効率になるため、社内側にも判断できる人材を残す設計が現実的です。

業界・現場での使い方

予算の策定

導入範囲ごとに初期費用と継続費用を積み上げ、複数年の予算計画を立てます。

段階導入の設計

ID中心、ネットワーク中心といった範囲を切り替えて、初期負担がどう変わるかを比べます。

投資判断の説明

既存機器の費用削減を差し引いた純増を示して、経営層への説明資料に使います。

よくある間違い・注意点

  • 初期費用だけで投資額を判断する — 5年程度で見ると継続的なライセンス費と運用費が初期費用を上回ります。総所有コストで比較してください。
  • 既存製品との機能重複を確認しない — 導入済みの資産管理やアンチウイルスと機能が重なることがあります。整理すると1〜2割の圧縮余地が生まれます。
  • アクセス方針の設計工数を見込まない — 誰がどのシステムに接続できるかを部門横断で整理する作業に数か月かかります。技術の導入より時間を要する部分です。

関連する規格・法規

  • NIST
  • IPA

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

どこから着手するのが一般的ですか?

ID管理と多要素認証から始める例が多くなっています。すべての制御の起点になり、単独でも効果が出やすい領域です。

VPNは完全に廃止できますか?

社内ネットワークへの接続を前提とした旧来のシステムが残っていると、当面は併存させる判断になることが一般的です。

監視は外部に委託すべきですか?

24時間体制を自社で持つには人材の確保が必要です。委託が現実的な選択ですが、社内にも判断できる人材を残す設計が推奨されます。