SOC MSSP月額
監視対象の規模から、SOCを外部に委託した場合の月額と、自社で構築した場合の年間費用を比べます。
SOC MSSP月額ツール
計算式と考え方
外部委託の月額は「基本料金+端末数×単価+機器数×単価」に監視範囲の係数を掛けて求めます。基本料80万円、端末500台×900円で45万円、機器40台×1万2,000円で48万円、24時間365日の監視なら係数1.0で月173万円、年約2,076万円です。自社で持つ場合は3交代を回すのに8人、年間人件費900万円で7,200万円、SIEMなどの費用1,200万円を加えて年8,400万円となり、外注のほうが年約6,324万円低い計算になります。
監視サービスの範囲による違い
| ログ監視のみ | 集めたログを相関分析し、疑わしい事象を通知する。判断と対応は自社が行うため、社内に受け手が必要になる |
|---|---|
| 24時間365日の監視と一次対応 | 夜間休日も含めて検知と初動連絡を行う。交代要員を自前で持たずに済むため、外注の主な動機になる |
| MDR(検知から対応まで) | 端末の隔離やプロセスの停止といった封じ込めまで代行する。緊急時の判断を委ねるため、権限の範囲を契約で決めておく |
| インシデント対応の別契約 | 大規模な侵害が起きた際の調査と復旧支援。月額とは別に時間単価または一件単価で発生することが多い |
| 脆弱性診断・演習 | 年1回程度の診断や訓練。監視契約に含まれる場合と別料金の場合があり、見積の比較時に確認が要る |
SOC MSSP月額の詳しい解説
SOCを外部に委託する費用が端末単価と基本料金の二段構えになっているのは、費用の性格が二つに分かれているからです。基本料金は分析基盤の維持と人の常駐にかかる固定費で、監視対象が何台でもほぼ変わりません。端末単価はログの量と分析の手間に比例する変動費です。このため小規模な組織ほど基本料金の重みが大きくなり、1台あたりに換算した費用が高く見えます。逆に台数が増えるほど1台あたりは下がるため、拠点を統合して同じ契約に載せるほど条件が良くなります。自社構築が高く付く最大の理由は、24時間365日という要件です。1つの時間帯を1人で回すとしても、3交代に必要な人数は休暇と教育の時間を織り込むと最低でも6人、実際には分析の質を保つために8人から12人が必要とされます。セキュリティ分析者の人件費は一般的な情報システム部門より高く、採用に時間がかかるうえ、育成した人材が流出しやすい職種でもあります。人が2人抜けただけで夜間の監視が止まるという構造上のもろさがあり、これが外注化が進む実務上の理由です。判断が分かれるのは、どこまでを外に出すかです。検知までを外に出し、対応の判断は社内に残す形が長く標準とされてきましたが、夜間に検知だけ通知されても社内で動ける人がいなければ意味がありません。そこで封じ込めまで代行するMDRが選ばれる場面が増えています。ただし端末の隔離は業務の停止を伴うため、どの条件で自動的に隔離してよいかを事前に決めておく必要があります。この取り決めがないまま契約すると、重要なサーバが夜間に隔離されて業務が止まる、あるいは逆に遠慮して隔離されず被害が広がる、という両方の失敗が起こります。見落とされやすいのは、ログの送信と保管にかかる費用です。監視サービスの料金とは別に、ログを集めて送るための通信費、クラウド側の保管費用、既存機器がログを出せない場合の入れ替え費用が発生します。また監視の対象に入っていない領域は当然ながら守られません。クラウドサービスの設定不備や、業務部門が個別に契約したサービスは監視の外に置かれがちです。契約前に対象範囲を一覧にして、外れる部分を誰がどう見るかを決めておくと、後の空白が減ります。
業界・現場での使い方
見積の妥当性の確認
基本料金と台数単価に分けて、他社の見積と同じ土俵で比べます。
内製と外注の比較
24時間体制に必要な人件費と基盤費用を積み上げ、外注費と並べます。
拠点統合の効果測定
監視対象をまとめたときに1台あたりの費用がどこまで下がるかを見ます。
よくある間違い・注意点
- 月額だけを比べて範囲を確認しない — 検知までか対応までかで金額は大きく変わります。封じ込めの権限と夜間の連絡経路まで含めて比較してください。
- 自社構築の人件費を数人分で見積もる — 24時間365日を回すには交代と休暇を織り込んだ人数が必要です。1つの時間帯に1人という前提では成り立ちません。
- ログの送信と保管の費用を数えない — 監視料金とは別に通信費と保管費用がかかります。既存機器がログを出せない場合の更新費用も見込んでください。
関連する規格・法規
- NIST
- IPA
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
小規模な組織でも外部委託は現実的ですか?
基本料金の重みが大きくなるため1台あたりは割高になりますが、24時間の要員を自前で持つ費用と比べれば外注が収まる場合が多くなります。
MDRと通常のSOC監視はどう違いますか?
MDRは検知後の封じ込めまで代行します。夜間に社内で動ける人がいない組織では効果が大きい一方、隔離の判断基準を事前に決めておく必要があります。
契約前に確認すべき点は何ですか?
監視の対象範囲、夜間の連絡経路と応答時間、封じ込めの権限、ログの保管期間、そして大規模侵害時の調査費用が別料金かどうかです。