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傭車自社便損益分岐運送原価

自社便と傭車の損益分岐計算

車両の固定費と燃料費、傭車の1回単価から、自社1回あたりの原価と損益分岐の運行回数、年間の差額を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

自社便と傭車の損益分岐計算ツール

自社1回あたりの原価は固定費÷運行回数+1回の燃料費です。既定値では償却120,000+保険等45,000+人件費420,000=585,000円を40回で割った14,625円に燃料6,000円を足して20,625円。自社の月額は825,000円、傭車は積載率80%換算の32回×22,000円で704,000円となり、月121,000円の差が出ます。損益分岐は51回で、これを超えれば自社が有利です。

費目の性格と扱い方

費目性格運行を止めたとき
車両の減価償却固定費そのまま発生します
保険・自動車税・車検固定費ほぼ発生します
ドライバーの人件費実質は固定費月給制なら発生します
燃料費・高速代変動費発生しません
傭車料変動費発生しません

運行回数別の月額比較(固定585,000円・燃料6,000円・傭車22,000円)

運行回数自社の月額傭車の月額
20回705,000円352,000円
40回825,000円704,000円
51回891,000円902,000円
60回945,000円1,056,000円

※参考計算です。車両仕様・機材・商慣習・取引条件によって数値は変わるため、実際の運用条件で検証してください。

自社便と傭車の損益分岐計算の詳しい解説

自社便と傭車の比較が難しいのは、費用の性格が違うからです。自社は車両の償却、保険と税、ドライバーの人件費が運行の有無にかかわらず発生し、既定値では月585,000円が固定で乗ります。一方の傭車は使った回数だけ支払う変動費です。運行回数が少ないうちは固定費を薄く割れないため自社が不利になり、回数が増えると1回あたりの固定費負担が下がって逆転します。この分岐点が損益分岐の運行回数です。

判断が分かれるのは人件費を固定と見るかどうかです。月給制なら固定費ですが、稼働に応じた歩合や残業の比重が大きい会社では半分近くが変動費に近い性格を持ちます。変動費とみなせば分岐回数は下がり自社が有利に見えます。実際には採用が難しく、一度手放した人員はすぐには戻らないため、短期の損得だけで判断すると繁忙期に車も人も足りない状態に陥ります。

見落とされやすいのは積載率の差です。傭車は1台を借り切るため、自社便で8割しか積めていないなら同じ物量を運ぶのに必要な傭車の回数は少なく済みます。既定値では40回分の物量が傭車32回で運べる計算になり、単価の比較だけでは見えない差が出ます。ほかにも車検や修繕の突発費用、代車の手配、事故時の負担、駐車場の賃料など原価に含めそこねる項目が残ります。

条件による違いとして、冷凍車や危険物のように専用の設備が要る輸送では傭車の手配自体が難しく単価も高いため、自社で持つ判断に傾きます。逆に季節変動が大きい商材では谷の時期の固定費が重く、傭車の比率を上げたほうが収支は安定します。拘束時間の上限が厳しくなるなかで、1人あたりの運行回数を増やす前提の計画は成立しにくく、台数と人員の両面から見直す必要があります。

実際の判断では、この計算で出る分岐回数を一つの目安としながら、運行の質も併せて見る必要があります。自社車両であれば荷扱いの教育を徹底でき、事故や苦情への対応も直接行えます。傭車では車両ごとに乗務員が替わることがあり、荷主の求める作業手順を毎回伝える手間が生じます。逆に自社に固定すると、繁忙期以外の余剰を抱えたまま人件費を払い続けることになります。多くの会社は基幹となる路線を自社で持ち、変動する分を協力会社に委ねる形に落ち着いており、その比率を毎年見直す運用が現実的です。

業界・現場での使い方

車両の増車・減車の判断

運行回数の見込みから自社と傭車のどちらが安いかを比べ、増車の可否を決めます。

協力会社との単価交渉

自社1回あたりの原価を基準に、傭車単価の妥当な水準を検討します。

荷主への運賃提示

固定費と変動費の内訳を示し、運行回数の保証と単価の関係を説明します。

季節変動への対応

閑散期の固定費負担を確認し、傭車比率を高める判断の材料にします。

よくある間違い・注意点

  • 傭車単価と自社の燃料費だけを比べる — 固定費を割り付けないと自社が不当に安く見え、増車の判断を誤ります。
  • 積載率の差を計算に入れない — 傭車は借り切りのため、同じ物量でも必要な回数が変わります。
  • 人件費を変動費として扱う — 月給制では運行がなくても発生し、実質は固定費として計算すべきです。
  • 突発の修繕費と代車費用を見込まない — 車検外の修繕は年に数万円から数十万円発生し、1回あたりの原価を押し上げます。
  • 繁忙期に傭車を確保できる前提を置く — 協力会社も同時期に埋まるため、単価が上がるか手配できません。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

自社1回あたりの原価はいくらですか?

固定費585,000円を40回で割った14,625円に燃料6,000円を足して20,625円です。

損益分岐の運行回数はどう求めますか?

固定費を「傭車単価の積載率換算−1回の燃料費」で割ります。既定値では585,000÷11,600で51回です。

積載率はなぜ計算に関わるのですか?

傭車は1台を借り切るため、自社便の積載率が低いほど同じ物量を少ない傭車回数で運べるからです。

人件費を含めずに比較してもよいですか?

含めないと自社が過度に有利に見えます。月給制であれば固定費として計上してください。

傭車のほうが安い場合は減車すべきですか?

数字の上ではそうですが、繁忙期の確保と荷主への責任を考えると一定の自社車両は必要です。

高速代や有料道路の費用はどこに入れますか?

1回の燃料費に含めて変動費として扱うか、別項目として自社の月額に加算してください。

車両を購入せずリースにした場合はどうなりますか?

リース料が減価償却と保険等の代わりに固定費として入ります。整備の範囲を確認して費目を整理してください。

年間の差額はどう使えばよいですか?

増車の投資判断や、協力会社との年間契約の交渉材料になります。閑散期を含めた平均で見てください。