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年間離職率

離職者数と従業員数から、年間離職率と離職に伴うコストを試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

年間離職率ツール

計算式と考え方

離職率は「年間の離職者数 ÷ 期首の従業員数」で求めます。120人の職場で18人が離職すれば15.0%です。全産業の平均を15.4%とすると0.4ポイント低い水準になります。離職コストは、採用費90万円に加えて、欠員期間と立ち上がりの生産性の損失を年収480万円の6か月分の半分として120万円と見積もり、1人あたり210万円としています。さらに入社3年以内の離職者7.2人分について教育投資の未回収分を加え、年間で約4,298万円、1人あたり約239万円という計算になります。

業種別の年間離職率の目安

全産業平均おおむね15%前後。産業構造や景況感によって年ごとに動く
情報通信業12%前後。転職市場が活発で、中堅層の流動性が高い
宿泊・飲食サービス業25〜30%。短時間労働者の比率が高く、離職率も高く出やすい
医療・福祉15%前後。夜勤や身体的負担、資格を持つ人材の需給が影響する

年間離職率の詳しい解説

離職率は単独の数字では意味を持ちません。分母の取り方、雇用形態の扱い、集計期間のどれかが違うだけで数値が大きく動くためです。期首の従業員数で割るのか、期中の平均人数で割るのかで結果は変わります。短時間労働者を含めるかどうかでも変わり、飲食や小売のように短時間労働者の比率が高い業種では、正社員だけの離職率と全体の離職率が倍以上違うことも珍しくありません。他社と比較する際は、まず定義を揃える必要があります。次に見るべきは、辞めている層の内訳です。同じ15%でも、入社3年以内の若手が中心なのか、勤続10年前後の中堅が中心なのかで、打つべき手はまったく違います。若手の離職が多い場合は、募集段階で伝えている仕事の内容と実際の業務の差、配属後の初期支援の薄さ、最初の上司との関係が原因になりやすいとされます。この場合は採用時の情報提供と入社後3か月の受け入れ体制の改善が効きます。中堅の離職が多い場合は、報酬の水準、次の役割の見通し、意思決定への関与といった構造的な要因が背景にあることが多く、個別の面談だけでは止まりません。コストの見積もりも、直接費用だけでは実態を過小に評価します。求人広告費や人材紹介の手数料は目に見えますが、欠員が生じている期間に周囲が負担する残業、新任者が一人前になるまでの生産性の差、引き継ぎに費やされる時間は帳簿に出てきません。これらを合わせると、1人の離職に伴う損失は年収の3割から2倍程度という幅で語られます。専門性が高い職種や、顧客との関係が個人に紐づく職種では、この幅の上限に近づきます。営業担当の離職では、担当していた顧客の一部が離れることによる売上の減少まで含めて考える必要があります。改善の手段については、報酬の引き上げが最も直接的ですが、費用対効果は職種によって異なります。転職市場での相場との差が大きい職種では報酬の是正が効きますが、相場並みの報酬を払っている職場で離職が続く場合、原因は報酬以外にあります。実務では、直属の管理職との関係、業務量の偏り、成長の実感の有無が挙げられることが多く、管理職の育成に投資するほうが結果として離職率を下げるという考え方があります。一方で、離職率をゼロに近づけることが目的ではないという見方もあります。組織の新陳代謝が止まると、新しい発想が入りにくくなり、成果を出していない人が滞留する副作用があります。事業の性質と成長の段階に応じて、許容できる水準を決めておくことが、指標を運用するうえでの出発点になります。退職者への聞き取りは、本音が出にくいという限界がありますが、複数年分を並べると傾向が見えてきます。

業界・現場での使い方

水準の確認

自社の離職率が業種の目安に対してどの位置にあるかを把握します。

費用の可視化

離職に伴う採用費と生産性の損失を金額で示します。

施策の判断

定着施策への投資額と離職コストを比較する材料にします。

よくある間違い・注意点

  • 他社の数値と定義を揃えずに比べる — 分母や雇用形態の扱いが違えば数値は大きく変わります。前提を確認してから比較してください。
  • 離職率だけを見て内訳を見ない — 若手の離職と中堅の離職では原因も対策も異なります。層別に分解する必要があります。
  • 採用費だけをコストと考える — 欠員期間の負担や引き継ぎの時間が加わります。実際の損失は採用費の数倍になることがあります。

関連する規格・法規

  • 日本人材マネジメント協会
  • SHRM

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

何%なら問題ないですか?

業種によって基準が異なります。全産業平均は15%前後で、これを大きく上回るかどうかが一つの目安になります。

短時間労働者は含めるべきですか?

含めるかどうかで数値が大きく変わります。正社員のみと全体の両方を出して使い分けるのが実務的です。

離職率は低いほど良いのですか?

低すぎると新陳代謝が止まる面もあります。事業の段階に応じて許容できる水準を決めることが先です。