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tunnel建設土木公共工事

トンネル覆工

トンネルの断面と覆工厚から、覆工コンクリート工事の費用と1mあたりの単価を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

トンネル覆工ツール

計算式と考え方

覆工の体積は「中心線の周長 × 覆工厚 × 延長」で求めます。内径10m・厚さ30cmの山岳工法では周長が約27.5m、体積は約4,126m3になります。コンクリート単価22,000円/m3で約9,077万円、鉄筋30kg/m3・170円/kgで約2,104万円です。型枠とセントルは内面積約13,352m2に6,500円/m2をかけて約8,679万円になります。直接工事費の合計約1億9,859万円に諸経費25%を加えると総額は約2億4,824万円、延長1mあたり約49.6万円という計算です。

工法による覆工の違い

山岳工法(NATM)吹付けと支保で地山を保持したうえで覆工を打設する。インバートの有無で数量が変わる
シールド工法工場製作のセグメントを組み立てる。二次覆工を省略する事例も増えている
開削工法(ボックス)現場打ちの箱型構造。周長が円形より長く、型枠面積が増える
覆工厚内空断面と土被り、地山等級から決まる。一般的には30〜60cmの範囲に収まる

トンネル覆工の詳しい解説

トンネル覆工の工事費は、コンクリートの数量そのものよりも、それを打設するための型枠と支保の費用に左右されます。覆工用の移動式型枠はセントルと呼ばれ、1基の製作費が数千万円の規模になります。この費用を延長で割って回収するため、延長が短い工事ほど1mあたりの単価が跳ね上がります。同じ断面でも、延長200mの工事と2,000mの工事では単価が倍近く違うことがあります。覆工厚の決め方も費用に直結します。山岳工法では、地山が自立する区間の覆工は構造部材というより内面の保護と維持管理のための部材という位置づけになり、無筋で30cm程度が標準とされます。一方、坑口部や土被りが小さい区間、断層破砕帯を通過する区間では、荷重を受け持つ構造部材として設計されるため、鉄筋を配置し厚さも増します。同じトンネルの中で区間ごとに仕様が変わるため、平均的な単価で全延長を積み上げると誤差が大きくなります。区間ごとに数量を拾うのが実務の基本です。打設の手順も費用に効きます。覆工は坑内という限られた空間での作業になり、生コンクリートの運搬距離が長くなるほど品質管理が難しくなります。運搬時間の制約からプラントの位置や打設サイクルが決まり、1日に打設できる延長が制約されます。この打設サイクルが工期を規定し、工期が現場管理費に跳ね返ります。数量が同じでも、打設が1日1スパンか2日1スパンかで総額が変わるのはこのためです。近年の課題は、新設よりも既設トンネルの維持と更新です。建設後50年を超えるトンネルの割合が増えており、覆工の剥落を防ぐための対策工事が全国で行われています。剥落防止には、繊維シートの接着、はく落防止ネットの設置、断面の一部を打ち替える補修などの方法があり、単価は工法によって大きく異なります。供用中のトンネルで行う場合は、交通規制や夜間施工の制約が加わるため、同じ工法でも新設時の数倍の単価になることがあります。点検の周期も費用計画に影響します。道路トンネルは近接目視による定期点検が定められており、その結果に応じて対策の要否が判断されます。点検で異常が見つかってから予算措置をとるまでに時間がかかるため、劣化が進んでから大規模な補修に至る例が少なくありません。予防的な補修を計画的に行うほうが総額は抑えられるという考え方が広がっていますが、単年度の予算制約の中でどこまで前倒しできるかは、事業主体ごとに判断が分かれる論点です。積算にあたっては、公共工事の標準的な積算基準と地域ごとの実勢単価の両方を確認し、仮設費や坑外設備の扱いを含めて条件を揃えることが必要です。

業界・現場での使い方

概算の把握

断面と延長から覆工工事費のおおよその規模をつかみます。

仕様の比較

覆工厚や鉄筋量を変えたときの費用の差を確認します。

単価の検証

1mあたりの単価が相場の範囲に収まっているか点検します。

よくある間違い・注意点

  • 平均の単価で全延長を積み上げる — 坑口部や不良地山区間は仕様が異なります。区間ごとに数量を拾わないと不足が出ます。
  • 型枠・セントルの費用を数量比例で見る — セントルは製作費を延長で回収する固定費です。短い工事ほど1mあたりが高くなります。
  • 維持管理の費用を織り込まない — 定期点検と剥落防止対策が供用後に継続して必要です。建設費だけで総費用は測れません。

関連する規格・法規

  • 建設業法
  • 公共工事標準積算

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

覆工厚はどう決まりますか?

内空断面、土被り、地山等級から設計で定まります。一般部で30cm前後、坑口や不良地山では厚くなります。

覆工は鉄筋が必要ですか?

地山が自立する一般部では無筋が標準です。荷重を受け持つ区間では配筋が必要と設計で判断されます。

補修と打ち替えはどちらが安いですか?

面積が限られるなら補修が安く済みます。劣化が広範囲に及ぶ場合は打ち替えのほうが長期の総額では有利になることがあります。