特色インキの調色計算
必要なインキ量・配合比率・ロス率・残肉から、各色の秤量と総仕込み量、過不足を算出します。
特色インキの調色計算ツール
不足分は必要量−残肉で1,000−200=800gです。調肉ロス8%を見込むと864gとなり、最小の仕込み単位500gの倍数へ切り上げて総仕込み量は1,000gになります。配合比60:30:10で分けるとA色600.0g、B色300.0g、C色100.0g。ロスは1,000×8%=80.0gで、使える920gに残肉200gを足した1,120gから必要量1,000gを引くと、過不足は+120.0gという結果です。
刷り物の条件と必要インキ量の目安
| 条件 | 1,000枚あたり | 備考 |
|---|---|---|
| 四六判・ベタ面積10% | 約30〜50g | 紙質で±2割 |
| 四六判・ベタ面積30% | 約90〜150g | コート紙は少なめ |
| 四六判・全面ベタ | 約300〜500g | 上質紙は吸い込みが多い |
| 機上と壺の残り | 200〜400g | 枚数に関係なく必要 |
調色でずれが出やすい要因
| 要因 | 色への影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 秤量の丸め | 少量色ほど比率が狂う | 0.1g単位の秤を使う |
| 練り不足 | 色ムラと濃度差 | 練り時間を一定にする |
| 残肉の混入 | もとの色に引っ張られる | 残肉の量と色を記録する |
| 紙の白色度 | 同じインキでも見え方が変わる | 本紙で色見本を確認する |
※参考計算です。保安基準・条例・製品仕様は改定されるため、最新の告示や各社の仕様書で確認してください。
特色インキの調色計算の詳しい解説
特色インキの調色で必要量ちょうどを作れないのは、練りと移し替えの過程で必ず材料が器具に残るからです。練り板やヘラ、缶の内壁に付いた分は回収できず、規模が小さいほど比率としては大きくなります。1kgの仕込みで8%なら80gですが、200gの仕込みでも器具に残る絶対量はさほど変わらないため、少量ほどロス率を高く見る必要があります。ここを一律の数字で扱うと、小ロットの仕事で足りなくなります。
判断が分かれるのは残肉の使い方です。前回の仕事で余った同系色を混ぜれば材料費は抑えられますが、残肉自体の色にばらつきがあると狙いの色から外れます。厳密な色管理が要る案件では残肉を使わず新しく仕込み、社内向けや色の許容が広い仕事に残肉を回すという使い分けが現実的です。残肉を使う場合も、量と元の配合を記録しておかないと、次に同じ色を再現できなくなります。
見落とされやすいのは、ロス率を掛けてから引くと元に戻らない点です。800gの不足に8%を足して864gを仕込んでも、そこから8%が失われれば残るのは795gで、当初の800gには届きません。掛け算と割り算の非対称によるもので、正確に確保したいなら不足量をロス率で割る必要があります。最小の仕込み単位へ切り上げるとこの差は吸収されることが多いのですが、単位が小さい場合には過不足の欄が負になることがあります。
秤量の精度も結果を左右します。配合比の小さい色ほど、わずかな計り誤差が比率を大きく動かします。10%配合の色を1g多く入れれば、その色だけ1割の増加になり、色相が目に見えて変わります。0.1g単位まで読める秤を使い、少量の色から先に量る手順にすると誤差が減ります。練りの時間や温度も濃度に影響するため、手順を一定に保つことが再現性につながります。
条件による違いも押さえておきましょう。同じインキでも紙の白色度や吸い込みで見え方が変わり、上質紙とコート紙では濃度がはっきり違います。色見本は必ず本紙で確認するのが原則です。乾燥後に色が沈む性質もあるため、刷り上がり直後の判断は避けたほうが確実です。
業界・現場での使い方
印刷会社の調肉作業
必要量と残肉から仕込み量を決め、各色の秤量を作業指示に落とします。
インキ在庫の管理
残肉を織り込んだ仕込み量を出し、原色インキの発注量を調整します。
見積もり時の材料費算定
調肉ロスを含めた実際の消費量から、特色の材料費を見積もります。
色の再現性の管理
実効の配合比を記録し、次回に同じ色を作り直せるようにします。
よくある間違い・注意点
- 必要量ちょうどを仕込む — 器具に残る分があるため、ロスを見込まないと必ず足りなくなります。
- ロス率を掛けて足すだけで足りると考える — 仕込み後に同率が失われるため、掛け算と割り算の差だけ不足します。
- 少量色を目分量で加える — 配合比の小さい色ほど誤差が比率に効き、色相が目に見えて変わります。
- 残肉の量と色を記録しない — 次に同じ色を再現できなくなり、その都度の調色になります。
- 色見本を別の紙で確認する — 紙の白色度と吸い込みで見え方が変わるため、必ず本紙で確認します。
関連する規格・公的資料
- 経済産業省 — 産業政策
- 国土交通省 — 屋外広告物・建築
- 総務省 — 地方自治・手数料
- 日本産業標準調査会 (JISC) — JIS規格
- 日本規格協会 — 規格の頒布
- 日本印刷産業連合会 — 印刷産業
- 全日本印刷工業組合連合会 — 印刷業
- 日本製紙連合会 — 製紙・用紙
- 資源エネルギー庁 — 電力・省エネ
- 日本郵便 — 郵便・ダイレクトメール
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
1,000g必要で残肉が200gあるときの仕込み量は?
ロス8%を見込んだ864gを最小単位500gに切り上げて1,000gです。
調肉のロス率はどれくらいですか?
1kg前後の仕込みで5〜10%が目安です。少量の仕込みほど器具に残る比率が上がるため多めに見ます。
過不足がマイナスになるのはなぜですか?
ロス率を掛けて足す計算では元の量に戻らないためです。仕込み単位を大きくすると解消します。
残肉は使ってよいですか?
色の許容が広い仕事なら有効です。厳密な色管理が必要な案件では新しく仕込むほうが確実です。
配合比の合計が100%でなくても計算できますか?
できます。入力された比率を合計で正規化して秤量を出すため、比の形で入力しても構いません。
必要なインキ量はどう見積もりますか?
ベタ面積と枚数から推定します。四六判でベタ30%なら1,000枚あたり90〜150gが目安です。
秤はどの精度が必要ですか?
0.1g単位まで読めるものを推奨します。少量色の誤差が比率に大きく効くためです。
乾燥すると色が変わりますか?
沈む方向に変化します。刷り上がり直後ではなく、乾いた状態で判断してください。