テールゲート荷役のサイクル時間計算
昇降と荷扱い、台車の往復距離と人数から、1サイクルの時間・総荷役時間・必要人数を算出します。
テールゲート荷役のサイクル時間計算ツール
1サイクルは昇降+荷扱い+台車の往復です。既定値では昇降40秒、6個×8秒=48秒、往復30mを毎分50mで36秒となり124秒。240個を6個ずつ運ぶと40サイクルで、延べ4,960秒=82.7分かかります。2人で分担すれば1人41.3分、1個あたりの実働は10.3秒です。60分以内に終えるには2人が必要という結果になります。
荷役条件別の1サイクル時間の目安
| 条件 | 昇降 | 1サイクル |
|---|---|---|
| 路面付け・短距離 | 30〜40秒 | 90〜120秒 |
| 段差あり・中距離 | 40〜60秒 | 120〜180秒 |
| エレベーター使用 | 40〜60秒 | 180〜300秒 |
| 検品の立会いあり | 40〜60秒 | 240〜360秒 |
1回の運搬個数別の総荷役時間(240個・昇降40秒・1個8秒・往復36秒)
| 1回の個数 | 1サイクル | 総荷役時間(延べ) |
|---|---|---|
| 4個 | 108秒 | 108.0分 |
| 6個 | 124秒 | 82.7分 |
| 8個 | 140秒 | 70.0分 |
| 12個 | 172秒 | 57.3分 |
※参考計算です。車両仕様・機材・商慣習・取引条件によって数値は変わるため、実際の運用条件で検証してください。
テールゲート荷役のサイクル時間計算の詳しい解説
テールゲートを使った荷役の時間が読みにくいのは、作業の多くが荷物を持つ時間ではなく、昇降装置の上下と台車の往復に費やされるからです。既定値の1サイクル124秒のうち荷扱いは48秒で、昇降40秒と歩行36秒が残りを占めます。1回に運ぶ個数を増やせば昇降と歩行の回数が減るため、同じ240個でも6個ずつなら82.7分、12個ずつなら57.3分と3割ほど短縮できます。
判断が分かれるのは1回の運搬個数をどこまで増やすかです。台車に高く積めばサイクル数は減りますが、荷崩れの危険が増し視界も遮られます。荷が重い場合は昇降装置の積載制限にも触れます。実務では荷姿の安定する高さを上限とし、それでも足りなければ台車の台数を増やして往復を分担する形が採られます。人数を増やす前に1回の運搬量を見直すほうが効果は大きくなります。
見落とされやすいのは搬入先の条件です。台車の往復距離は荷降ろし場所から納品先までの実距離で、エレベーターの待ちや段差、扉の開閉が加わると計算値の1.5倍になることがあります。集合施設への納品では入館手続きや検品の立会いも発生します。昇降装置は一度に一人しか使えないため、人数を増やしても昇降の回数自体は減らず、待ちが生じる点にも注意が要ります。
条件による違いとして、パレットのまま降ろせる納品先ではフォークリフトが使え所要時間は数分の1になりますが、店舗の路面付けではテールゲートと台車に頼らざるを得ません。夜間や早朝の納品では騒音への配慮で作業速度が落ちます。荷役時間は運送会社の拘束時間に算入されるため、1件10分の短縮でも1日10件なら100分となり、翌日の運行計画にまで効いてきます。
安全面の配慮も時間の見積もりに関わります。昇降装置の上では手すりのない状態で荷を扱うため、落下や挟まれの危険があり、急がせる計画は事故につながります。雨天では床面が滑りやすくなり、台車の制動にも余裕が要るため作業の速度は落ちます。重量物を扱う場合は一人で持てる重さの目安を超えないよう、二人での作業や補助具の使用を前提に時間を組む必要があります。作業時間の短縮を目的に人数や積載量を詰めるときは、安全に必要な余裕を先に確保したうえで、残った部分で効率を上げる順序を守ってください。
業界・現場での使い方
配送計画の作成
1件あたりの荷役時間を見積もり、1日に回れる件数の計算に反映します。
荷役方法の改善
台車の積載量や運搬距離を変えた場合の時間差を比べ、改善の優先順位を決めます。
人員配置の検討
納品先ごとに必要な人数を出し、二人乗務にするかどうかを判断します。
納品条件の交渉
搬入距離や立会いの有無が荷役時間に与える影響を示し、条件の見直しを求めます。
よくある間違い・注意点
- 荷物を持つ時間だけで見積もる — 既定値では荷扱いは全体の4割で、昇降と歩行が過半を占めます。
- 搬入距離を直線距離で計算する — エレベーターの待ちや段差、扉の開閉で実際は1.5倍前後かかります。
- 人数を増やせば比例して短縮すると考える — 昇降装置は一度に一人しか使えず、待ちが発生します。
- 台車の積載量を上げすぎる — 荷崩れと視界不良の危険が増し、昇降装置の積載制限にも触れます。
- 荷役時間を拘束時間に算入しない — 運転時間だけで計画すると、1日の拘束時間の上限を超えます。
関連する規格・公的資料
- 国土交通省 — 物流政策・自動車運送
- 厚生労働省 — 労働時間・改善基準告示
- 経済産業省 — 産業・流通政策
- 全日本トラック協会 — トラック運送事業
- 日本ロジスティクスシステム協会 — 物流管理・標準指標
- 日本物流団体連合会 — 物流事業全般
- 日本パレット協会 — パレット規格
- 日本産業標準調査会 (JISC) — JIS規格
- 農林水産省 — 食品流通・商慣習
- 中小企業庁 — 取引適正化・下請取引
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
240個の荷役にはどのくらいかかりますか?
6個ずつ運ぶ既定値で40サイクル、延べ82.7分です。2人なら1人41.3分になります。
1回の運搬個数を増やすとどのくらい短縮しますか?
6個から12個にすると総荷役時間は82.7分から57.3分に減ります。荷崩れの危険と併せて判断してください。
昇降1往復の秒数はどのくらいですか?
一般的なテールゲートで30〜60秒です。荷の積み下ろしと安全確認を含めた実測値を使ってください。
人数を2人にすると半分の時間になりますか?
荷扱いと歩行は分担できますが、昇降装置は一度に一人のため単純な半減にはなりません。
エレベーターを使う納品先ではどう見積もりますか?
待ち時間を往復距離の歩行時間に加算するか、1サイクルの時間を直接引き上げて計算してください。
必要人数の基準はどこに置きますか?
この計算では1件を60分で終える前提です。配送件数から逆算した許容時間に置き換えて判断してください。
荷役時間は運賃に反映できますか?
荷役を運送とは別の作業として扱い、附帯作業料として区分する考え方があります。契約内容の確認が必要です。
台車を増やせば時間は短くなりますか?
往復回数を分担できるため短縮します。ただし荷台での積み替えスペースが確保できることが前提です。