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信用保証料 計算ツール|借入額・料率・期間から総額・月額・実質金利を試算

信用保証協会の保証料を、借入額・年保証料率・保証期間から総額と月額換算で即算出。責任共有制度(部分保証80%)、セーフティネット保証4号/5号、危機関連保証、経営者保証ガイドライン、料率9区分(CRD)、プロパー融資との比較、実質金利換算まで、中小企業の資金調達実務で必ず押さえたい論点を網羅解説。日本政策金融公庫・保証協会・民間銀行の役割分担、代位弁済後の求償権実務も踏まえた実践ガイドです。

最終更新:2026-08-08/監修:計算ツールズ編集部

信用保証料ツール

計算式と実質金利換算

基本式

総保証料(万円) = 借入額(万円) × 年保証料率(%) × 保証期間(年)

月当り保証料(円) = 総保証料(万円) × 10,000 ÷ (保証期間年 × 12)

実際の信用保証協会保証料は、上記単純積算ではなく「保証残高逓減方式」または「均等元金逓減方式」で計算され、返済方法(元金均等・元利均等)によって割引率(85%・80%等)が適用されます。本ツールは概算目安ですが、実務では保証協会の公式試算表・銀行取扱窓口の見積書で正確額を確認してください。

デフォルト例:3,000万円・料率1%・7年

3,000万円 × 1% × 7年 = 210万円、月当り約2.5万円のコスト。実際には返済逓減により約7〜8割の実負担(150〜170万円)となるケースが多く、金融機関の融資明細書で必ず確認します。据置期間・利用状況で計算方式が異なります。

実質金利換算

基準金利1.5%(3,000万円・7年・元金均等)に保証料率1%が上乗せされると、実質金利は約2.5%相当になります。プロパー融資の金利(2.0-3.5%)と比較する際は、必ず「金利+保証料率」の合計で総調達コストを判断してください。日本政策金融公庫の中小企業事業(0.7-2.5%)は保証料不要のため、そのままの金利で比較します。

信用保証制度の全体像

信用保証制度は、信用力の低い中小企業でも金融機関からの融資を受けやすくするために、公的機関である信用保証協会が「保証人」となる制度です。中小企業信用保険法(1950年制定)に基づき、全国47都道府県+横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市の51協会が運営しています。

3者の役割

  • 金融機関:融資実行・回収
  • 信用保証協会:保証提供・代位弁済
  • 中小企業(債務者):借入・返済+保証協会に保証料支払

責任共有制度(2007年10月〜)

従前は保証協会が100%保証(全額弁済)でしたが、金融機関のモラルハザード防止のため「保証割合80% + 金融機関負担20%」の部分保証(責任共有制度)が原則になりました。例外として、セーフティネット保証4号/5号・危機関連保証・創業関連保証等は100%保証を維持しています。

限度額

通常保証:8,000万円(無担保)+2億8,000万円(有担保) = 3億6,000万円。特別保証枠が別途あります(セーフティネット別枠2億8,000万円、災害関係別枠等)。

料率区分表(9段階/CRD)

信用保証料率は、CRD(Credit Risk Database、中小企業信用リスク情報データベース)により9段階の料率区分で決定されます。財務内容(自己資本比率・売上高経常利益率・キャッシュフロー等)を統計モデルで評価し、優良企業ほど低料率になります。

料率区分責任共有制度対象(80%保証)非対象(100%保証)目安
1区分(優良)0.45%0.50%財務優良企業
2区分0.60%0.70%健全企業
3区分0.75%0.90%-
4区分0.90%1.10%-
5区分(標準)1.15%1.35%平均的な中小企業
6区分1.35%1.55%-
7区分1.55%1.75%-
8区分1.75%1.95%-
9区分(要注意)1.90%2.20%財務内容要改善

担保提供・経営者保証提供・小規模企業割引・特定業種割引等で最大0.1〜0.2%引下げされることがあります。実際の料率は保証協会が個別審査で決定します。

セーフティネット保証・危機関連保証

セーフティネット保証4号(自然災害等)

指定災害・突発事象で売上減少した中小企業向け。100%保証、別枠2億8,000万円、料率0.8%以下。市区町村の認定書が必要。

セーフティネット保証5号(業況悪化業種)

指定業種で売上5%以上減少した企業向け。80%保証(責任共有)、別枠2億8,000万円、料率区分に準じるが優遇有。四半期ごとに指定業種が更新されます。

危機関連保証(コロナ・リーマン等)

国が指定した危機事象(COVID-19、東日本大震災等)対応。100%保証、通常枠+セーフティネット別枠+2億8,000万円のさらなる別枠。料率大幅減免(0.8%→0.5%等)。時限的制度。

創業関連保証

創業予定者・創業後5年未満企業向け。3,500万円までは100%保証、無担保・無保証人。料率は標準〜やや高め。

プロパー融資との比較

項目保証協会付融資プロパー融資
金利低め(1-2%)やや高め(2-4%)
保証料0.5-2%/年不要
審査主体銀行+保証協会銀行のみ
審査難易度やさしめ厳しめ
金融機関の融資意欲高い(保証あり)企業信用力次第
実質金利(総額)金利+保証料金利のみ
限度額3.6億円(通常)企業信用力次第
代位弁済後保証協会に求償される企業存続に直結

財務優良企業・大手取引先ありの中小企業なら、プロパー融資のほうが総調達コスト安になる場合があります。金利+保証料率で総合比較することが重要で、必要に応じて「プロパー+協会付」のハイブリッド調達も選択肢です。

経営者保証ガイドライン

2014年施行の「経営者保証に関するガイドライン」は、中小企業経営者の個人保証を段階的に不要化する枠組み。信用保証協会も原則に沿い、下記3要件を満たせば経営者保証不要となります。

  1. 法人と経営者の分離 — 役員報酬・貸付金・不動産共有等の公私混同排除
  2. 財務基盤の強化 — 自己資本比率・キャッシュフローの十分性
  3. 財務情報の適時開示 — 定期的な決算報告・経営状況の透明性

2023年からは「経営者保証改革プログラム」により、金融庁が銀行に対しGL遵守状況の報告を求め、GL準拠が実質義務化されつつあります。保証協会も「経営者保証ナシ枠(0.25%上乗せ)」を新設し、上乗せ料率負担で個人保証を回避できる制度が広がっています。

現場での使い方

中小企業経営者・財務担当

設備投資・運転資金・借換の複数プランで、金利+保証料の総調達コスト比較。日本政策金融公庫との併用戦略、プロパー融資への切替検討、資金繰り表への保証料計上に活用。

金融機関(地銀・信金・信組)融資担当

顧客への融資提案書作成、審査稟議の金利計算、責任共有制度20%リスク見合いの引当計上。保証協会経由の代位弁済リスク分散、地域金融機関の主要収益源。

税理士・経営コンサルタント

資金調達コンサル、資金繰り表・事業計画書作成、経営者保証GL対応の助言、複数金融機関見積比較。中小企業診断士・認定支援機関としての伴走支援。

創業予定者・スタートアップ

創業関連保証3,500万円までは100%保証・無担保無保証人。プロパー融資は原則不可のため、まず保証協会付+日本政策金融公庫の並列調達が定石。

建設業・製造業(大型設備投資)

数千万〜数億の設備投資は、有担保保証+セーフティネット保証併用が定石。責任共有制度20%を金融機関がプロパーで補完するハイブリッド調達も検討。

M&A・事業承継

後継者による株式取得資金・のれん代の調達に、信用保証協会の「事業承継特別保証」枠(2020年創設、経営者保証GL準拠・別枠2.8億)を活用。金融庁も後押しする成長分野。

よくある間違い・注意点

  • 金利のみで融資比較 — 「A行1.5%」「B行1.2%+保証料1.1%」を金利だけで比較すると誤った判断。実質金利(金利+保証料率)で総額比較を。
  • プロパー融資可能なのに保証付 — 財務優良企業は保証料負担ゼロのプロパー融資を主軸に。銀行任せにせず、金利+保証料でTCO最小を追求する。
  • 返済逓減方式を見落とし — 保証料は元金残高に応じて逓減。単純な借入額×料率×年数の計算より実額は7-8割になるが、途中一括返済で戻し保証料が発生する場合も。
  • セーフティネット認定申請の失念 — 4号/5号認定は市区町村への申請が必要。売上減少要件を満たしても認定書がないと100%保証枠を使えない。
  • 代位弁済後の求償権 — 返済不能で保証協会が代位弁済した場合、企業と経営者は保証協会に対して求償債務を負い、10年程度の請求権が存続。経営者保証ありの場合、個人資産も対象。
  • 経営者保証GLの誤解 — 「GL適用=無条件で経営者保証不要」ではない。3要件(公私分離・財務基盤・情報開示)を満たしていることが前提。
  • 複数の保証枠混同 — 通常8,000万+セーフティネット2.8億+危機関連2.8億+事業承継2.8億等、複数の別枠制度がある。上限を混同しないよう保証協会の残高証明を毎年取得する。

関連する法令・制度

  • 中小企業信用保険法 ― 信用保証協会の法的根拠(1950年制定)。保証対象・限度額・保険料率などを規定。
  • 信用保証協会法 ― 全国51協会の設立根拠法。監督官庁は経済産業省中小企業庁。
  • 責任共有制度(2007年10月〜) ― 保証割合80%+金融機関負担20%の部分保証原則を定めた制度改正。
  • 経営者保証に関するガイドライン ― 全国銀行協会・日本商工会議所が策定(2013年12月)。経営者個人保証の段階的不要化。
  • 経営者保証改革プログラム ― 金融庁が2022年12月公表。銀行のGL遵守状況を報告義務化。
  • 中小企業等経営強化法 ― 認定経営革新等支援機関制度の根拠。保証料率減免の対象。

参考文献・公的資料

正確な保証料率・制度適用は、以下の一次資料をご確認ください。

※本ページの計算結果は概算目安です。実際の保証料率・制度適用・返済逓減後の実負担額は、管轄の信用保証協会・取引金融機関・認定経営革新等支援機関の見積・見解を優先してください。特にセーフティネット認定・危機関連保証・経営者保証GLの実務対応は、税理士・中小企業診断士・弁護士等の有資格者へご相談ください。

よくある質問(FAQ)

3,000万円・1%・7年の保証料は?

単純積算で210万円、月当り約2.5万円。実際は返済逓減方式で約7-8割(150-170万円)が実負担となるケースが多く、契約時の金融機関見積書で正確な額を確認してください。

信用保証協会保証料率は何で決まる?

CRD(中小企業信用リスク情報データベース)による9段階の料率区分。財務内容(自己資本比率・売上高経常利益率・キャッシュフロー等)を統計モデルで評価し、優良企業ほど低料率(0.45%〜)、要注意企業ほど高料率(1.90%〜)になります。

責任共有制度の80%保証とは?

2007年10月から原則になった制度で、保証協会が80%・金融機関が20%を負担する部分保証。従前は100%保証でしたが、金融機関のモラルハザード防止のため導入されました。セーフティネット保証4号・危機関連保証等は100%保証を維持しています。

セーフティネット保証4号と5号の違いは?

4号は自然災害等突発事象で売上減少した企業(100%保証、市区町村認定)、5号は指定業種で売上5%以上減少した企業(80%保証、四半期ごと業種指定更新)。両者とも別枠2億8,000万円が付与されます。

プロパー融資と保証協会付、どちらが得?

財務優良企業なら金利のみで済むプロパー融資が総額安。中小企業一般は保証協会付の金利1-2%+保証料1%の実質金利2-3%が現実的。まず金利+保証料率で総調達コスト比較して判断します。

経営者保証は必ず必要?

2014年の「経営者保証ガイドライン」で、法人と経営者の分離・財務基盤強化・情報開示の3要件を満たせば不要にできます。保証協会も「経営者保証ナシ枠(0.25%上乗せ)」を新設。2023年の改革プログラムでGL準拠が実質義務化されつつあります。

信用保証協会保証の限度額は?

通常保証:無担保8,000万円+有担保2億8,000万円 = 3億6,000万円。セーフティネット別枠2億8,000万円、危機関連別枠2億8,000万円、事業承継特別枠2億8,000万円などが上乗せされます。

代位弁済されるとどうなる?

返済不能で金融機関が保証協会に代位弁済請求→保証協会が金融機関に支払→保証協会が企業(および経営者保証者)に求償。10年程度の請求権があり、任意整理・民事再生等の法的手続で圧縮する場合が多い。信用情報にも記録が残ります。

創業時に信用保証は使える?

創業関連保証で3,500万円まで100%保証・無担保・無保証人で利用可能。日本政策金融公庫の新創業融資と組み合わせて数千万〜1億円級の資金調達がスタートアップ・小規模事業の定石です。

信用保証料は経費(損金)算入できる?

できます。支払時に一括損金算入(法人税法上の繰延資産該当性は保証期間・条件で異なる場合あり)。詳細は税理士・国税庁通達に従ってください。会計上は「保証料」または「支払手数料」勘定で計上します。

途中で一括返済すると保証料は戻る?

返済期間の残余分に対応する保証料は戻し保証料として返還されます(実務では減額幅は保証期間・返済形態・約款により異なる)。繰上返済時は保証協会にも連絡し、返還額を確認してください。

複数の保証枠(通常+セーフティネット)は併用可?

可能です。通常8,000万円+セーフティネット別枠2億8,000万円+危機関連別枠2億8,000万円は、それぞれ独立した別枠として付与されます。既存借入残高との合算で判定されるため、保証協会の残高証明を毎年取得して管理します。