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下水道管布設

管径と工法から、下水道管の布設工事にかかる総額と1mあたりの単価を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

下水道管布設ツール

計算式と考え方

管布設費は「管径別のm単価 × 工法係数 × 深さ係数 × 延長」で求めます。呼び径200mmの開削工法はm単価45,000円で、深さ2.5mなら係数1.075が掛かり48,375円、延長200mで9,675,000円です。舗装復旧は幅2.5m×200mの500㎡に㎡単価9,000円を掛けて4,500,000円、マンホールは5基×450,000円で2,250,000円になります。直接工事費16,425,000円に諸経費22%の3,613,500円を加えて総額20,038,500円、1mあたり約100,193円です。

管径・工法別の布設単価の目安(1mあたり)

呼び径200mm・開削45,000円前後。宅地からの取付管や枝線に使われる最小級の規格で、掘削幅も狭く済みます。
呼び径300mm・開削60,000円前後。区画の幹線として一般的な規格で、掘削幅と土留めの規模が一段大きくなります。
呼び径450mm・開削85,000円前後。複数区画を集める幹線に使われ、埋設深さも深くなる傾向があります。
呼び径600mm・開削110,000円前後。主要幹線の規格で、施工には大型の重機と本格的な土留めが必要になります。
推進工法開削の2.5倍前後。道路を掘り返さずに施工でき、交通量の多い道路や鉄道・河川の横断で選ばれます。

下水道管布設の詳しい解説

下水道管の布設単価が管径だけで決まらないのは、費用の大半が管そのものではなく掘削・土留め・埋め戻しと舗装復旧に費やされるためです。管材費が全体に占める割合は1割から2割程度で、残りは土工事と復旧、そして交通処理の費用になります。埋設深さが単価に効くのは、深くなるほど掘削土量が断面積に比例して増え、土留めの規模と安全対策の水準が上がるためです。深さ3mを超えると土留め支保工が本格化し、5mを超えると地下水対策が加わって単価が跳ね上がります。市街地では地下に水道・ガス・電気・通信の管路が輻輳しており、これらを避けながら施工するための手掘りや防護の費用も加わります。工法の選択が判断の分かれ目になります。開削工法は掘って埋める素直な方法で単価は安く済みますが、道路を占用する期間が長く、交通規制と沿道への影響が大きくなります。推進工法は発進立坑と到達立坑を設けて地中を掘進する方法で、単価は開削の2.5倍前後になるものの、路面を掘り返さないため舗装復旧費が不要になり、交通規制も立坑周辺に限定されます。交通量の多い幹線道路や、鉄道・河川を横断する区間では推進工法しか選べない場合もあります。総額で比較すると、舗装復旧費と交通誘導員の費用まで含めれば、条件によっては推進工法のほうが安くなることもあり、単価だけの比較では判断を誤ります。見落とされやすいのは、舗装復旧の範囲と仮復旧・本復旧の二段階です。掘削幅より広い範囲の舗装をやり直すよう道路管理者から求められることが多く、幅が1m広がれば復旧費は延長に比例して増えます。また、埋め戻し直後は仮復旧にとどめ、沈下が落ち着いてから本復旧を行うため、同じ区間で二度の工事が発生します。この費用を初期の概算に含めていないと、後から予算が不足します。近年の課題は老朽管の更新です。高度経済成長期に集中的に整備された管路が耐用年数を迎えており、新設と同じ費用をかけて更新する必要があります。管を引き抜かずに内側から新しい管を形成する更生工法も普及しており、開削より安く済む場合がありますが、管径が実質的に小さくなる点や、既存管の劣化状況によっては適用できない点に注意が要ります。豪雨の増加を受けて雨水排除能力を高める拡径も課題となっており、既存管の更新と能力増強を同時に行う計画が各地で進められています。工事費の積算は公共工事標準積算基準に基づいて行われるため、実際の発注では地域単価と現場条件を反映した積算が必要です。

業界・現場での使い方

概算予算の作成

延長と管径から工事費の総額を把握し、事業計画の初期段階で予算を組めます。

工法の比較検討

開削と推進を同じ条件で比べ、舗装復旧費を含めた総額で判断できます。

更新計画の優先順位づけ

路線ごとの費用を並べ、限られた予算の配分を検討する材料になります。

よくある間違い・注意点

  • 管材費を中心に費用を見積もる — 管材費は全体の1〜2割です。掘削・土留め・舗装復旧が費用の大半を占めるため、土工事の条件で総額が決まります。
  • 工法をm単価だけで比較する — 推進工法は単価が高くても舗装復旧費と交通規制費が不要になります。総額で比べてください。
  • 仮復旧と本復旧を一度と数える — 沈下の収束を待って本復旧を行うため、同じ区間で二度の工事が発生します。両方の費用を計上してください。

関連する規格・法規

  • 建設業法
  • 公共工事標準積算

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

深さはどこまでが標準ですか。

1mから3m程度が一般的な範囲です。3mを超えると土留めが本格化し、5mを超えると地下水対策が加わって単価が大きく上がります。

更生工法は安くなりますか。

掘削と舗装復旧が不要になるため、条件が合えば開削より安く済みます。ただし管径が実質的に小さくなる点と、既存管の劣化度による適用制限があります。

1mあたりの単価に幅があるのはなぜですか。

管径・深さ・地質・交通量・地下埋設物の輻輳度で大きく変わるためです。同じ管径でも現場条件により数倍の差が生じます。