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精米歩留農業

玄米→白米 精米歩留 計算ツール|精米度別の白米・糠重量・袋数を即算出

玄米重量と精米度から、白米・糠(ぬか)の副産物重量、標準袋(5kg/10kg/30kg)の詰め本数を瞬時に算出。3分づき(97%)・5分づき(95%)・7分づき(93%)・標準精米(90%)・上白精米(88%)など精米度別に対応し、収穫玄米→精米→販売までの重量管理・売上計算・原価計算に。精米所・農家直販・米卸・米飯給食事業の実務基準として、JAS精米品質基準・食糧法・玄米検査規格に基づき解説します。

最終更新:2026-08-08/監修:計算ツールズ編集部

玄米→白米 精米歩留 計算機

計算式と歩留の定義

基本式

白米重量 = 玄米重量 × 精米度(%) ÷ 100

糠重量 = 玄米重量 − 白米重量

歩留率 = 白米重量 ÷ 玄米重量 × 100 (%)

精米歩留(せいまいぶどまり)とは、玄米を精米機で搗精(とうせい)した際に得られる白米の重量比率です。日本の精米業界では「標準精米=歩留90%」が業界慣行で、玄米60kg(1俵)から白米54kgと糠6kgが得られる計算が基準です。歩留は精米度の設定・玄米品質・精米機の性能・搗精時間で変動します。

玄米1俵(60kg)の意味

日本の米流通単位「1俵=60kg」は明治時代からの慣習単位です。米農家の収穫量、農協の集荷量、市場の取引量、統計調査は現在も俵単位で表現されます。玄米1俵60kg→標準精米で白米54kg=おおよそ5kg×10袋+1袋強が業界感覚です。

玄米→白米の重量減少要因

玄米は表皮(果皮・種皮・ヌカ層)・胚芽・胚乳から構成されます。精米は表皮と胚芽を機械的に剥ぎ落とす工程で、この剥離部分がすべて糠(ぬか)として排出されます。玄米重量の約10%(標準精米時)を占めるのが糠です。分づき米は表皮の一部を残すため糠排出量が少なく、歩留が上がります。

精米度と分づきの区分

精米度の呼称は「分(ぶ)」で表現され、表皮を100%取り切った状態を「10割(白米)」、逆に精米しない状態を「玄米(0割)」とします。分づき米は健康志向の高まりで需要が拡大しており、糠層由来のビタミンB1・食物繊維・ミネラルを一定量残す加工品です。

呼称歩留(残)特徴・栄養炊飯性
玄米100%ぬか層・胚芽すべて残存。ビタミン・食物繊維最大浸水12h以上・炊飯圧要
1分づき99%玄米にほぼ同じ浸水長時間
3分づき97%ぬか層3割除去。健康志向定番やや炊きにくい
5分づき(半つき)95%ぬか層半分除去。玄米と白米の中間普通炊飯可
7分づき93%ぬか層7割除去。白米に近い白米モードで炊飯可
標準精米(10割)90%ぬか層・胚芽ほぼ除去。日本の標準白米白米モード最適
上白精米88%さらに表面研磨。無洗米に近い白米モード
胚芽米92-94%胚芽を意図的に残す普通炊飯可

近年の家庭用精米機・コイン精米機は多くが5段階(玄米・3分・5分・7分・白米)から選択可能。分づき米の市販単価は白米より1〜3割高いのが一般的です。

歩留早見表(玄米重量別)

収穫量・仕入量・売上ロットに応じた白米・糠の重量早見です。

玄米3分づき(97%)5分づき(95%)7分づき(93%)標準精米(90%)糠(標準時)
10kg9.7kg9.5kg9.3kg9.0kg1.0kg
30kg(業務袋)29.1kg28.5kg27.9kg27.0kg3.0kg
60kg(1俵)58.2kg57.0kg55.8kg54.0kg6.0kg
120kg(2俵)116.4kg114.0kg111.6kg108.0kg12.0kg
300kg(5俵)291.0kg285.0kg279.0kg270.0kg30.0kg
600kg(10俵・1t弱)582.0kg570.0kg558.0kg540.0kg60.0kg
1200kg(20俵・1.2t)1164.0kg1140.0kg1116.0kg1080.0kg120.0kg
3000kg(50俵)2910.0kg2850.0kg2790.0kg2700.0kg300.0kg

1俵=60kgの直販農家が年間30俵(1.8t)を精米販売する場合、標準精米で白米1,620kg(5kg×324袋)+糠180kgが得られる計算です。糠を米ぬか油・漬物床・肥料として販売できれば追加収益になります。

副産物・糠の活用と価値

精米で排出される糠(ぬか)は、かつては「廃棄物」扱いだった時代もありますが、現在では「有価物・機能性素材」として多用途に活用されています。

米ぬか油(こめ油)の原料

糠のうち約20%が油分。国内食用油生産の重要原料で、抗酸化成分γ-オリザノールを豊富に含む機能性油として市場拡大中。1kgの糠から約200gの米ぬか油が抽出され、精米所→油脂メーカーへの安定供給ルートが確立しています。

ぬか漬け・発酵食品

家庭用・業務用のぬか床原料。乳酸菌発酵で野菜のビタミン強化と保存性向上を実現する伝統発酵食品。近年は「ぬか漬けキット」の売上増で家庭市場も拡大しています。

飼料・堆肥

養鶏・養豚の飼料添加剤、有機農業の堆肥原料。糠に含まれるフィチン酸・タンパク質・食物繊維が家畜の消化を助け、堆肥では土壌のC/N比改善に寄与。JA・畜産農家間の直接取引が定着しています。

化粧品・スキンケア原料

米ぬか由来のセラミド・スクワラン・γ-オリザノールが保湿・美白成分として化粧品原料化。「米ぬか美人」等の商標をもつ製品群が国内外で流通しています。

燃料・エコ燃料

大型精米所では糠ペレット・ボイラー燃料化のケースも。工場自家消費でCO2排出削減、再生可能エネルギー認証との連携事例が増加中です。

健康食品・機能性表示食品

ぬか自体を粉末化し、GABA・食物繊維サプリメントとして販売。血圧調整・整腸機能で機能性表示食品の届出事例も。

糠の市場価格は用途で変動しますが、飼料用は10-30円/kg、油脂原料は50-100円/kg、化粧品原料や機能性素材は数千円/kg。精米所は「白米売上+糠副収入」の二本柱経営が業界標準です。

水分含量と保管の影響

玄米・白米の重量は水分含量で±5%変動します。品質を維持したまま重量を正確に計るには、水分管理が実務の基本です。

水分含量の基準値

状態水分含量特徴
刈取直後(高水分)20-25%乾燥前・要即時乾燥処理
玄米検査規格(1等)15.0%以下農産物検査法に基づく上限
玄米流通標準14.5-15.0%販売・保管の一般値
白米流通標準14.5-15.0%精米後の目標値
過乾燥(低水分)13.0%以下食味低下・胴割れリスク

保管中の重量変化

玄米は貯蔵温度・湿度で吸湿・脱湿します。夏期の高湿度倉庫では水分16%まで上昇し重量+1〜2%、冬期の乾燥倉庫では水分13%まで下降し重量−1〜2%。1t保管で±10〜20kgの誤差が生じるため、大量流通では玄米検査時点の水分値を伝票に明記し、精米・出荷時点で改めて実測することが業界慣行です。低温倉庫(15℃以下)での定湿保管が理想です。

JAS精米品質基準と等級

精米は農産物検査法およびJAS法に基づき、以下の品質項目で管理されます。

検査項目1等米基準備考
整粒(せいりゅう)歩合70%以上形の整った玄米の割合
被害粒・死米15%以下虫害・病害・胴割れ等
着色粒0.1%以下変色粒(カビ・変質)
異種穀粒0.3%以下異品種混入
異物0.2%以下石・草・虫等
水分15.0%以下過湿度は保管性低下

精米段階での品質表示は「食品表示法」に基づき、原料玄米の産地・品種・産年・使用割合を明記する義務があります(単一原料米・複数原料米・ブレンド米で表示基準が異なる)。精米年月日・精米事業者情報も必須表示です。

精米事業の経済性・売上構造

精米所・農家直販の売上は「白米売上+糠副収入+精米加工賃」の3本立てです。年間規模別に典型的な売上構造を整理します。

規模年間玄米処理量白米売上目安糠副収入年間売上合計
個人農家(直販)3t(50俵)約120万(4,000円/10kg)約2万約122万
小規模精米所50t約1,800万約20万約1,820万
中規模ライスセンター500t約1.8億約200万約1.82億
大規模精米工場5000t約18億約2000万約18.2億
コイン精米(1台)10t/年加工賃のみ(30万)約30万

コイン精米は加工賃のみで、10kg100円が業界相場。年間の売上は少ないが設備投資回収後は保守費のみで運用可能。JA・自治体設置が全国3万台超に普及しています。

業界・現場での使い方

精米所・農協ライスセンター

日次の入荷玄米→白米出荷の歩留管理、糠副産物の売上把握、精米機のメンテナンス判断(歩留低下は摩耗サイン)、顧客への納品書作成。

農家直販・産直

収穫玄米→精米→販売の重量計画、5kg・10kg袋の詰め本数見積、通販の送料計算基礎データ。分づき米オプションの原価試算。

米卸・米穀店

ロット別歩留分析、仕入価格→販売価格の原価算定、業務用大口取引の重量伝票。ブレンド米の配合設計と歩留予測。

米飯給食・弁当製造

1食あたり米量→月間仕入量の精米ロット計算。学校給食・企業給食・病院給食で月次のロット決定。

飲食店・弁当チェーン

米飯提供量から精米→玄米ベースの仕入量に逆算。地産地消の農家契約仕入時に重量ベースの契約書を作成する際に必須。

米粉・加工食品メーカー

粉砕原料としての精米度別(玄米粉・白米粉・胚芽米粉)の歩留・粉収率を管理し、生産計画に反映。

よくある間違い・注意点

  • 玄米水分の変動を無視して重量計算 — 玄米の水分は14〜16%で変動し、1t保管で±20kgの重量差が生じます。仕入・販売の伝票は必ず「水分○%基準」を明記し、精米時点で再計量してください。
  • 糠を廃棄物として処理 — 糠は米ぬか油・飼料・堆肥・化粧品原料として有価物です。10-1000円/kgで流通しており、廃棄費用を払うのは損失です。地元農協・畜産農家・油脂メーカーとの取引ルート確立が実務の要です。
  • 精米度の呼称を混同 — 「3分づき=3割精米」ではありません。3分づきは3割のぬかを除去=97%残で、分数は「除去率」を表します。表示ミスは食品表示法違反の恐れがあるため注意。
  • 過乾燥米を高歩留と誤認 — 水分13%以下の過乾燥米は歩留は高くなりますが、胴割れ・食味低下で商品価値低下。精米所での急速乾燥の設定ミスに要注意です。
  • 精米機の摩耗放置で歩留低下 — 精米機の搗精ロールやスクリーンは摩耗で歩留が低下(標準90%→85%等)。歩留5%低下は年間売上数百万円の損失に相当。定期メンテナンスが必須です。
  • ブレンド米で歩留予測ズレ — 品種・産地・産年で歩留が微妙に異なります。ブレンド比率と過去実績歩留から予測する際は品種別データが必要です。
  • 精米後放置での酸化 — 白米は精米後2〜3週間で酸化が進み食味低下。大量精米後の保管期間管理を怠ると返品リスクが上がります。無洗米は特に酸化に敏感です。

関連する規格・法令

  • 食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律) ― 米穀の需給・価格安定・流通の基本法。旧食糧管理法(1995年廃止)の後継。
  • 農産物検査法 ― 玄米の等級検査(1等・2等・3等・規格外)の根拠法。農林水産省登録検査機関が実施。
  • 食品表示法 ― 精米の原料玄米(産地・品種・産年)、精米年月日、内容量、精米事業者情報の表示義務。
  • JAS法(日本農林規格等に関する法律) ― 有機JAS米、特別栽培米、産地銘柄米等の品質基準・表示基準。
  • 玄米及び精米品質表示基準 ― 単一原料米・複数原料米・ブレンド米の表示区分と使用割合表示ルール。
  • 計量法 ― 精米袋の内容量表示(kg単位)、取引・証明用の計量器(自動秤)の検定合格品使用義務。
  • 食品衛生法 ― 精米所・卸倉庫のカビ毒(アフラトキシン等)・重金属(カドミウム等)基準。
  • 米トレーサビリティ法 ― 米穀事業者による産地情報伝達義務・記録保存義務(平成23年施行)。

参考文献・公的資料

※本ページの計算結果は概算値です。実際の精米歩留は玄米品種・水分含量・精米機仕様・搗精時間で±3〜5%変動します。精米所での取引・出荷伝票、農産物検査、食品表示は農林水産省・消費者庁の最新の公式基準に従い、大口取引では現物実測と登録検査機関の等級証明を優先してください。

よくある質問(FAQ)

60kg(1俵)玄米から白米は何kg取れる?

標準精米(歩留90%)で白米54kg+糠6kg。5分づきなら白米57kg+糠3kg、3分づきなら白米58.2kg+糠1.8kg、7分づきなら白米55.8kg+糠4.2kgです。実際の歩留は玄米品質(水分・整粒歩合)・精米機の性能・搗精時間で±3%程度変動します。

3分づき米の残歩合は?

97%残(=糠層3割を除去)。分数は「ぬかの除去率」を表します。5分づき=95%残、7分づき=93%残、白米(10割)=90%残。分数が小さいほど玄米に近く、栄養価が高い一方で炊きにくくなります。

1俵(60kg)は何合分の白米になる?

標準精米で白米54kg=約360合(1合=約150g)。1日3食で白米1合(お茶碗2膳分)ずつなら約120日分。3-4人家族の1〜2か月分の消費量に相当します。

糠(ぬか)はどうやって売れる?

用途で価格が大きく変わります。飼料用は10-30円/kg、肥料用は10-20円/kg、米ぬか油の原料は50-100円/kg、化粧品・機能性素材は1,000円/kg超も。地元農協、畜産農家、油脂メーカー、化粧品原料商社への直接販売ルートを確立するのが精米所経営の要諦です。

精米機の歩留が下がってきた原因は?

①搗精ロール・スクリーンの摩耗、②白度センサーのズレ、③投入玄米の水分過多、④異物混入、が主要因。歩留が90%→85%に低下するだけで年間売上の5%が失われるため、月次のメンテナンス点検が必須です。メーカー推奨のロール交換周期(300〜500時間)を守ってください。

玄米と白米、栄養価はどれくらい違う?

玄米はビタミンB1・食物繊維・マグネシウム・鉄が白米の2-5倍。ただし炊飯性・消化性で白米に劣ります。健康志向の高まりで胚芽米・5分づき米・3分づき米の需要は年々拡大しており、白米市場の1〜2割を占めるまでに成長しています。

無洗米と精米の関係は?

無洗米は白米の表面に残る肌ヌカを湿式洗浄・乾式研磨等で除去した米で、歩留は白米の98%程度。BG精米法(福井県のトーヨーライス社)、NTWP法(神明社)等が主要製法。研ぎ水が不要で節水・時短効果があります。

玄米の水分が高いとどうなる?

水分16%超は保管中のカビ・酵母発生リスク、貯蔵害虫(コクゾウ・コクガ)の発生源に。逆に13%以下では胴割れが増え食味低下します。玄米検査規格上限は15.0%、流通標準は14.5-15.0%。刈取後の乾燥設備で速やかに調整することが品質維持の要です。

精米ロット単位で歩留はどれくらいばらつく?

同じ精米機で同じ玄米ロットを精米しても、環境湿度・機械温度・搗精時間の設定で±1-2%の歩留誤差が生じます。大口取引では複数ロットの実測平均値を歩留基準として契約書に明記するのが業界慣行です。

コイン精米機の歩留は?

コイン精米機は家庭用玄米→白米の即時精米機で、標準90%・7分93%・5分95%等の設定可能。歩留は業務用大型機と同等ですが、精米ロールが摩耗しやすいため定期メンテが自治体・農協にとって重要な運営コストです。

ブレンド米の歩留はどう計算する?

品種ごとの歩留に配合比率を乗じて加重平均。例えばコシヒカリ50%(歩留91%)+ひとめぼれ50%(歩留90%)なら加重平均90.5%。ただし食味・炊飯性は加重平均にならないため、少量試験精米で確認するのが実務です。

精米して何日以内に食べるべき?

精米後2〜3週間以内が理想。白米は空気に触れると酸化が進み、油脂の劣化で食味が低下します。大量購入する場合は真空パック・脱酸素剤入り包装を選ぶか、家庭用精米機で「玄米→白米」を都度精米する方法もあります。