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当座比率

当座資産と流動負債から、在庫に頼らない短期の支払能力を評価します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

当座比率ツール

計算式と考え方

当座比率は「当座資産 ÷ 流動負債 × 100」で求めます。当座資産は現金及び預金3,500万円、売掛金4,200万円、受取手形800万円、有価証券500万円を合わせた9,000万円です。流動負債8,500万円に対して約105.9%となり、在庫を売却しなくても1年以内に支払う負債を賄える計算になります。棚卸資産3,000万円とその他の流動資産600万円を加えて算出する流動比率は約148.2%です。現金と有価証券だけで見る現金比率は約47.1%となり、月間の営業支出2,800万円に対して約1.43か月分にあたります。

短期の支払能力を見る指標

当座比率在庫を除いた資産で流動負債を賄えるか。100%以上が一つの目安
流動比率在庫を含めた流動資産との比較。150〜200%が目安とされる
現金比率現金と有価証券だけで見る最も厳しい基準。20〜30%あれば当面の支払に困らない
手元資金の月数売上が止まった場合に何か月持ちこたえられるか。事業の性質で必要月数が変わる

当座比率の詳しい解説

当座比率は、流動比率から棚卸資産を除いて計算する指標です。除く理由は、在庫が現金になるまでに販売という工程を挟むためです。流動比率が高くても、その中身が売れ残った在庫であれば、支払期日に現金を用意できません。この点を厳しく見るために当座比率が用いられ、酸を垂らして本物かを確かめる試験になぞらえた呼び方もされます。100%以上が一つの目安とされますが、これは業種によって意味が変わります。現金商売が中心の小売や飲食では、売掛金がほとんど発生しない代わりに在庫を多く抱えるため、当座比率は低く出ます。この業態では、日々の現金収入があるため、当座比率が80%程度でも資金繰りに支障がない場合があります。逆に、売掛金の回収期間が長い建設業や卸売業では、当座比率が高くても、その中身である売掛金の回収が滞れば資金は不足します。数値の高さより、中身の質を確認することが実務的な評価につながります。売掛金と受取手形の質は、滞留の有無で判断します。決算日時点の残高が大きくても、その中に回収の見込みが薄いものが含まれていれば、実質的な支払能力は数値ほど高くありません。年齢調べによって、発生から何か月経過した債権がどれだけあるかを確認し、長期滞留分は当座資産から差し引いて評価するのが慎重な見方です。貸倒引当金の計上状況も併せて確認されます。判断が分かれるのは、比率が高すぎる場合の評価です。当座比率が200%を超えるような状態は、支払能力の面では安全ですが、現金を運用にも投資にも回していないとも読めます。資本の効率という観点からは、余剰資金を成長投資や借入の圧縮に振り向ける余地があるという指摘が成り立ちます。安全性と収益性は相反する側面があり、どこで折り合いをつけるかは事業の段階と業界の慣行によって変わります。見落とされやすいのが、流動負債の中身です。1年以内に返済期限が来る長期借入金は流動負債に含まれますが、借換えが慣行的に行われている場合、実質的な資金流出は起きません。一方、買掛金の支払サイトを延ばして比率を良く見せている場合、それは仕入先への負担の付け替えであり、取引条件の悪化という別の問題を抱えている可能性があります。単年度の比率だけでなく、複数期の推移と、売上の伸びに対して各項目がどう動いたかを併せて見ることで、実態に近い判断ができます。

業界・現場での使い方

財務の健全性の確認

在庫に頼らない短期の支払能力を数値で把握します。

取引先の与信管理

公開されている決算書から支払能力を評価します。

資金繰りの検討

手元資金で何か月持ちこたえられるかを確認します。

よくある間違い・注意点

  • 100%以上なら安全と判断する — 売掛金に長期滞留分が含まれていれば実質的な支払能力は低くなります。中身の質の確認が必要です。
  • 業種の違いを考えずに比較する — 現金商売では低く、掛売中心の業種では高く出ます。同業他社と自社の推移で見てください。
  • 高すぎる比率を無条件に評価する — 資金を運用にも投資にも回していない状態とも読めます。収益性との兼ね合いで判断してください。

関連する規格・法規

  • 経営分析基準
  • 日本経営学会

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

当座比率と流動比率の違いは?

当座比率は棚卸資産を除いて計算します。在庫の販売という工程を挟まずに支払えるかを見る指標です。

何%あれば安全ですか?

100%以上が目安とされます。ただし現金商売の業種では80%程度でも支障がない場合があります。

比率が下がってきた場合は?

売掛金の回収期間、在庫の増加、買掛金の支払条件を順に確認します。原因により打ち手が変わります。