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ガントリークレーン生産性

クレーンの基数と荷役能力から、コンテナ船1隻あたりの荷役時間とバースの生産性を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

ガントリークレーン生産性ツール

計算式と考え方

クレーン1基の実効能力は「公称サイクル数 × 実稼働率 ×(1 − 干渉ロス)」で求めます。30本/時、稼働率85%、干渉ロス8%なら約23.5本/時です。これを3基分合わせるとバース全体で約70.4本/時になり、積卸1,600本の荷役には約22.7時間を要します。着離岸と荷役準備の1.5時間を加えた在港時間は約24.2時間で、在港時間で割った生産性は約66.0本/時です。在港1時間あたり25万円で換算すると本船1隻の在港コストは約606万円、コンテナ1本あたり約3,787円になります。年間100隻が寄港すれば、TEU換算で256,000TEUの取扱量です。

荷役生産性を左右する要素

クレーンのサイクル数1基が1時間に扱える本数。機種と運転技量で25〜40本の幅がある
実稼働率故障、待機、シフト交代で失われる時間の裏返し。85〜90%が実務的な目安
クレーン間の干渉隣接するクレーンは同じハッチに入れない。基数を増やすほど1基あたりは落ちる
ヤード側の搬送能力岸壁の速度に荷役機械と車両が追いつかないと、クレーンが待つ時間が生じる

ガントリークレーン生産性の詳しい解説

コンテナターミナルの競争力は、本船が着岸してから離岸するまでの時間で測られます。船社にとって在港時間は費用そのものであり、大型船では1時間あたり数十万円規模の負担になります。寄港地の選択にあたって荷役生産性が重視されるのは、この費用構造が理由です。生産性の中心にあるのは岸壁クレーンのサイクル数ですが、公称値がそのまま実現することはありません。実際の値は、故障や待機で失われる時間、シフト交代の空白、悪天候による中断を差し引いた実稼働率で決まります。加えて、同じ本船に複数のクレーンを配置すると、隣り合うクレーンは同一のハッチに同時に入れないため、待ちが発生します。この干渉によって、基数を倍にしても能力は倍にならず、5〜15%程度の低下が生じるのが一般的です。したがって、クレーンを追加すれば時間が比例して短縮されるという前提で計画を立てると、実績が計画を下回ります。もう一つの制約はヤード側にあります。岸壁のクレーンがいくら速くても、コンテナを運ぶ車両とヤードクレーンが追いつかなければ、岸壁側で待ち時間が生じます。荷役の速度は工程全体の最も遅い部分で決まるため、岸壁だけを増強しても効果は限定的です。自動化ターミナルが高い数値を出しているのは、無人搬送車とヤードクレーンを含めた全体を制御し、待ち時間を圧縮しているためです。評価の際には、どの時間を分母に取るかを確認する必要があります。クレーンが実際に動いていた時間だけで割る指標と、着岸から離岸までの全時間で割る指標では、同じ荷役でも値が変わります。前者はクレーンの性能を、後者はターミナル全体の運営力を表します。他港と比較する場合は、定義をそろえないと意味のある比較になりません。設備投資の判断では、クレーン増設と自動化投資のどちらが有効かが論点になります。寄港1隻あたりの取扱本数が少ない港では、クレーンを増やしても稼働しない時間が増えるだけで、投資が回収できません。逆に大型船の寄港が多い港では、荷役時間の短縮がそのまま船社の費用削減となり、寄港の誘致につながります。取扱貨物の構成と寄港パターンを踏まえた判断が求められます。

業界・現場での使い方

荷役計画の立案

クレーン配置ごとの所要時間を試算し、本船の出港時刻を検討します。

設備投資の検討

クレーン増設や稼働率改善が在港時間に与える効果を確認します。

船社への提案

在港コストの削減額を示して寄港の誘致材料にします。

よくある間違い・注意点

  • 公称のサイクル数をそのまま使う — 待機や故障で実効値は2割ほど下がります。実稼働率を掛けた値で計画してください。
  • クレーンを増やせば比例して速くなると考える — 隣接するクレーンは干渉します。基数を増やすほど1基あたりの能力は落ちます。
  • 岸壁側だけで能力を判断する — ヤードの搬送が追いつかなければ待ち時間が生じます。工程全体の最も遅い部分で決まります。

関連する規格・法規

  • 国交省
  • 日本物流団体連合会

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

クレーン1基あたりの目安は?

実効値で25本/時前後が一般的です。自動化が進んだターミナルでは35本/時を超える例もあります。

在港時間はどこまで含めますか?

着岸から離岸までを含めるのが船社側の見方です。クレーン稼働時間だけで測ると値が高く出ます。

生産性を上げる最も効果的な方法は?

待ち時間の削減です。ヤードとの連携と本船の積付計画の精度が効いてきます。