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特許年金

請求項の数と保有件数から、特許を維持するために納める年金の累計額を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

特許年金ツール

計算式と考え方

特許料は年数が進むほど高くなる段階制で、請求項の数に応じた加算があります。第1〜3年は「4,300円 + 300円 × 請求項数」、第4〜6年は「1万300円 + 800円 × 請求項数」、第7〜9年は「2万4,800円 + 1,900円 × 請求項数」、第10年以降は「5万9,400円 + 4,600円 × 請求項数」です。請求項5なら順に5,800円、1万4,300円、3万4,300円、8万2,400円となり、20年間の累計は約106万9,600円になります。代理人手数料を1件・年8,000円とすると16万円が加わり、1件あたり約122万9,600円です。12件で約1,475万円、外国3件・2か国分を加えると全体で約2,916万円になります。

特許料の段階(請求項1つあたりの加算を含む)

第1年〜第3年4,300円+300円×請求項数。設定登録時に3年分を一括で納付する
第4年〜第6年1万300円+800円×請求項数。ここから毎年の納付になる
第7年〜第9年2万4,800円+1,900円×請求項数。負担が目に見えて増える時期
第10年〜第25年5万9,400円+4,600円×請求項数。請求項が多いほど急に重くなる

特許年金の詳しい解説

特許権を維持するには、毎年、特許料を納付し続ける必要があります。この特許料は一般に年金と呼ばれ、権利の存続年数が進むほど高くなる段階的な料金体系が採られています。設定登録から数年間は年1万円に満たない水準ですが、第10年以降になると請求項が5つある特許で年8万円を超えます。この設計には、価値のなくなった権利を早めに手放させ、技術を社会が利用できる状態に戻すという意図があります。企業側から見れば、権利を持ち続けることの妥当性を、年を追うごとに厳しく問われる仕組みになっているということです。請求項の数が費用に与える影響は、後半になるほど大きくなります。第1年から第3年では請求項1つあたり年300円ですが、第10年以降は年4,600円になります。請求項を20個持つ特許では、第10年以降の年間特許料は15万円を超えます。出願時には権利範囲を広く取るために請求項を多めに立てることが一般的ですが、それが長期の維持費として跳ね返ってくるという関係にあります。権利化後に、実際に使っている請求項を絞り込み、不要な請求項を放棄することで費用を抑えるという手法も採られます。実務で判断が分かれるのは、どの特許をいつ手放すかという点です。特許の価値は、自社製品への実施、他社へのライセンス、競合の参入を防ぐ防御、そして訴訟の際の交渉材料という複数の側面から評価されます。自社で実施していない特許であっても、競合が回避するために設計変更を強いられているのであれば、防御としての価値があります。この価値は金額で測りにくく、担当部門の判断に委ねられることが多いため、明確な基準を持たないまま惰性で維持し続けている権利が積み上がりやすい領域です。年1回、権利ごとに実施の有無と事業計画上の位置づけを確認する棚卸しを制度化している企業では、保有件数を絞り込みながら費用を抑える運用ができています。見落とされやすいのが、外国での維持費です。国内の特許料に対して、外国での維持費は代理人費用や翻訳費用を含めると1か国あたり年10万円を超えることが珍しくありません。複数国で権利化していれば、外国分だけで国内の数倍の負担になります。市場の規模と競合の状況を踏まえ、国ごとに維持の要否を判断する必要があります。制度面では、中小企業や研究開発型のベンチャー企業を対象とした軽減措置が設けられており、要件を満たせば特許料が減額されます。適用の要件と手続は年度により変わるため、納付の前に最新の内容を確認することが必要です。納付期限を過ぎると追納の期間はあるものの割増しの料金が生じ、それも過ぎれば権利が消滅します。期限管理の体制を持つことが、費用の管理と同じくらい重要になります。

業界・現場での使い方

維持費の見通し

満了までに必要な累計額を把握します。

ポートフォリオの管理

保有件数全体の年間負担を確認します。

放棄の判断

途中で手放した場合の削減額を試算します。

よくある間違い・注意点

  • 初期の料金だけで見積もる — 第10年以降は請求項1つあたりの加算が15倍以上になります。後半の負担で判断してください。
  • 請求項の数を放置する — 使っていない請求項も毎年の費用になります。権利化後の絞り込みで維持費を抑えられます。
  • 実施していない権利を惰性で維持する — 防御としての価値がなければ費用だけが残ります。年次の棚卸しで基準を持つ必要があります。

関連する規格・法規

  • 特許庁
  • 日本弁理士会

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

特許料は毎年上がりますか?

第1〜3年、第4〜6年、第7〜9年、第10年以降という段階で上がります。段階が変わる年に大きく増えます。

請求項が多いと不利ですか?

権利範囲は広がりますが、第10年以降は1つあたり年4,600円の加算になります。長期の維持費に効いてきます。

軽減される制度はありますか?

中小企業などを対象とした軽減措置が設けられています。要件と手続は年度により変わるため確認が必要です。