計算ツール
駐車場附置義務建築都市計画現場実務

駐車場必要台数 計算ツール|用途・延床面積から附置義務台数と駐車場面積を即算出、緩和策・身障者用・EV充電附置まで

大規模建築物に必要な附置義務駐車台数と駐車場面積を、用途(事務所・店舗・飲食・ホテル・共同住宅など)と延床面積から瞬時に算定します。駐車場法・東京都駐車場条例・地方自治体条例の用途別原単位、身障者用駐車マス、荷捌きスペース、機械式・自走式の配置基準、共用駐車場・カーシェア代替による緩和策、EV充電設備の附置義務まで、建築設計・デベロッパー・自治体審査の実務目線で完全解説。設計初期のボリューム検討、開発協議、大規模小売店舗立地法(大店立地法)の届出資料作成にご活用ください。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

駐車場必要台数ツール

計算式と用途別原単位

基本式

附置台数 N(台) = 延床面積 A(㎡) ÷ 原単位 U(㎡/台)

駐車場面積 S(㎡) = 附置台数 × 1台あたり面積(通路含む 25〜30㎡)

本ツールは、東京都駐車場条例の一般的な原単位を初期値として、用途別に「事務所250㎡/台、店舗150㎡/台、飲食100㎡/台、ホテル200㎡/台、共同住宅80㎡/台(=床面積80㎡につき1台=世帯おおむね1台)」で計算します。延床3,000㎡の事務所ビルなら12台、駐車場面積は自走式で約180㎡(1台15㎡目安)、機械式なら約60㎡+機械費で対応可能です。

1台あたり面積の目安

車室サイズ 2.5m × 5.0m = 12.5㎡ + 通路・回転スペース = 25〜30㎡/台

駐車場法施行令第7条では、車室最小寸法は幅2.3m×長さ5.0mが規定されていますが、東京都駐車場条例施行細則では標準サイズは幅2.5m×長さ6.0m、大型車用は幅3.3m×長さ11.0mが実務基準です。自走式駐車場では通路幅5.5m以上(車路と車室の交差角90度時)を確保、機械式(タワー式・ピット式)では1台あたり床面積は約6〜8㎡まで圧縮できるものの、設備費が1台500万〜1,000万円と大きな投資が必要です。

用途別の原単位比較

用途別原単位は自治体ごとに異なりますが、東京都駐車場条例(2026年改正版)の一般的な基準では以下の通りです。地方都市では公共交通機関の充実度に応じて2倍程度緩やかな値が設定されることが多く、逆に地方の郊外型ロードサイド店舗では50㎡/台と厳しい値になる場合もあります。

駐車場法と附置義務の全体像

駐車場附置義務は駐車場法(昭和32年法律第106号)第20条および第20条の2で規定されており、都市計画法上の商業地域・近隣商業地域内で延床面積2,000㎡超の建築物、または駐車場整備地区内で1,500㎡超の建築物が対象となります。具体的な原単位や車室寸法は各自治体の駐車場条例に委ねられており、東京都・大阪市・名古屋市・横浜市など主要都市はほぼ全て独自条例を制定しています。

対象建築物の判定フロー

要件閾値備考
用途地域商業・近隣商業・駐車場整備地区準工業・工業も条例で追加指定あり
延床面積2,000㎡超(整備地区は1,500㎡超)共同住宅は別途原単位あり
特定用途床面積店舗・事務所・飲食等の合計共同住宅・倉庫は算入除外の場合あり
増改築従前建築物との差分床面積が閾値を超えた増築部分に義務

共同住宅・寄宿舎については、駐車場法とは別に各自治体の中高層建築物条例やワンルーム条例で附置台数が規定されることが一般的です。ワンルーム比率が高い物件では戸あたり0.2台程度、ファミリー向けでは戸あたり0.5〜1.0台が実務基準になります。

東京都駐車場条例の実務

東京都駐車場条例は昭和33年制定、以降数次の改正を経て2026年時点では商業地域の店舗100㎡/台、事務所250㎡/台、飲食店100㎡/台、劇場・映画館は客席100席あたり2台、ホテル・旅館は客室10室あたり1台などが主要原単位です。特筆すべきは共同住宅の駐車場附置義務が2019年改正で緩和されており、公共交通至近(駅徒歩5分以内)では戸あたり0.2〜0.4台まで削減できる点です。

東京都の用途別原単位(主要抜粋)

用途原単位(㎡/台)備考
事務所250官公庁・銀行支店は事務所扱い
店舗(百貨店・SC等)100〜150大規模小売は大店立地法との整合必要
飲食店100客席の混雑度から実際は不足しがち
ホテル・旅館客室10室に1台宴会場・レストラン部分は用途分離
劇場・映画館客席100席に2台マチネ・レイトショー同時性で緩和可
共同住宅(標準)戸あたり0.5〜0.8台駅近立地では0.2〜0.4台へ緩和
倉庫・物流施設500大型車用の別途規定あり
病院・診療所200〜300救急車・患者送迎用の別枠あり

東京都では総附置台数の3割以上を隔地駐車場・附置施設外で確保することが可能な緩和規定があり、敷地が狭いオフィスビル・商業ビルでは徒歩300m圏内の月極駐車場との協定でクリアするケースが増えています。

地方主要都市の原単位比較

地方主要都市の駐車場条例では、公共交通の充実度と自動車利用率を反映し、東京都と比べて厳しめ(=原単位小さめ)の値が採用される傾向があります。福岡市・広島市など地方中枢都市の商業ビルでは、東京の1.5倍程度の駐車台数が求められることも珍しくありません。

都市事務所店舗飲食共同住宅
東京23区(商業)250㎡/台150㎡/台100㎡/台戸0.2〜0.8
大阪市200150100戸0.6〜1.0
名古屋市200150100戸0.7〜1.0
横浜市200150100戸0.5〜0.8
福岡市15010080戸0.8〜1.0
札幌市20010080戸0.7〜1.0
仙台市200150100戸0.6〜1.0
広島市15010080戸0.8〜1.0

ロードサイド型店舗や郊外型SCでは、条例の原単位よりも大規模小売店舗立地法(大店立地法)の指針値の方が厳しいことが多く、店舗面積1,000㎡以上の小売店では大店立地法に基づく駐車台数(1平米あたり0.02〜0.06台)が事実上の下限となります。

身障者用駐車マス・ユニバーサル設計

バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)およびバリアフリー条例により、床面積2,000㎡以上の特別特定建築物では身障者用駐車マスの設置が義務化されています。附置台数の全体数だけでなく、駐車マスの寸法・位置にも法的要件があります。

身障者用マスの設置基準

要件基準値
マス幅3.5m以上(通常2.5mより1m広い)
設置台数総台数の2%以上、最低1台
設置位置建物出入口に最も近い場所
通路との段差すりつけ勾配1/12以下
路面表示青地に車いすマーク(JIS Z 8210)
案内標識入口・分岐部に誘導サイン設置

近年は妊産婦・高齢者・幼児連れ用の優先駐車マス(思いやり駐車場)を追加する自治体が増え、東京都の一部区では法定身障者用マスの外に総台数の3〜5%を優先駐車マスとする指導があります。標識のデザインには自治体独自マークがあり、事前協議で確認が必要です。

荷捌き駐車スペース・配送車

店舗・飲食店・ホテル・共同住宅では、配送・搬入用の荷捌き駐車スペース(トラックバース)を一般駐車マスとは別に確保する必要があります。東京都では店舗面積1,500㎡以上の商業施設で最低2台、飲食店1,000㎡以上で1台、共同住宅50戸以上で1台などの規定があります。

荷捌きスペースの寸法基準

対象車両マス寸法用途
2t平ボディ3.0m×7.0mコンビニ・飲食店の日常配送
4tロング3.5m×9.0m中規模店舗・冷凍冷蔵配送
10t大型4.0m×13.0m百貨店・SC・工場搬入
トレーラー3.5m×16.0m大規模物流・工場搬入

近年はEC需要増でラストワンマイル配送車両(軽貨物・宅配BOX配送)の需要が急増しており、共同住宅では宅配ロッカー+短時間駐車の一体設計が推奨されます。東京都では2024年から「マンション用宅配車両短時間駐車マス」の設置指導が始まっています。

緩和策・共用駐車場・カーシェア代替

近年の都心部は自家用車保有率の低下と地価高騰から、駐車場附置義務の緩和策が拡大しています。設計段階で緩和策を組み合わせることで、初期投資と維持費を大きく削減できます。

隔地駐車場

敷地外の徒歩300m以内の駐車場を長期契約(20年程度)で確保し、附置台数の一部に充当。東京都では総台数の3割まで隔地化可能。月極駐車場の相場が高い都心では追加コスト要注意。

共同駐車場

複数の建築物で駐車場を共同利用し、時間帯による稼働ピークのズレを活用。事務所(平日昼)+商業施設(夜間・週末)の組合せで20〜30%削減可能。

カーシェアリング代替

タイムズ・オリックス等のカーシェアステーションを敷地内に設置し、附置台数を最大30%減免。自治体条例で認定制度あり(横浜市・世田谷区・港区など)。

公共交通至近

駅徒歩5分以内の建物では、附置義務が20〜50%緩和される条例が拡大中。共同住宅の駅近立地では戸あたり0.2台まで削減可能な事例あり。

駐輪場との交換

自転車利用を促進する物件では、駐輪場を法定倍以上設置することで駐車場附置台数を減免。SDGs・カーボンニュートラルの流れで自治体が積極的に運用。

短時間貸出しへの供用

建物の駐車場を時間貸し(タイムズ等)に開放することで附置義務の一部充当。空き時間の収益化にもなり、駐車場管理会社との契約で運営可能。

EV充電設備の附置義務化

脱炭素社会の流れで、東京都は2025年4月から大規模建築物へのEV充電設備附置義務条例を全国で初めて施行しました。総駐車台数の20%以上に普通充電器または急速充電器の設置が義務化され、対象は延床10,000㎡以上の大規模建築物です。

EV充電設備の設置基準(東京都)

建物用途充電設備附置率種別
共同住宅総台数の20%以上普通充電(3〜6kW)基本
事務所・店舗総台数の20%以上普通+急速の組合せ
ホテル・宿泊総台数の20%以上急速充電を1台以上
公共施設総台数の30%以上急速充電を推奨

横浜市・大阪市・京都市など主要自治体でも同様の条例改正が進行中で、2027年までに全国展開が見込まれます。設計段階でEV充電設備の電源容量(1台6kWで駐車場20台なら120kW)、キュービクル増設スペース、V2Hユニット対応まで見込んでおくことが重要です。

業界・現場での使い方

建築設計事務所(意匠・設備)

基本設計段階で駐車場ボリューム(自走式か機械式か)を判断する第一検討ツール。用途複合ビル(オフィス+商業+ホテル)では用途別に原単位計算した合算値と、緩和策適用後の実際附置台数を比較して最適解を導きます。

不動産デベロッパー(事業企画)

用地取得検討時のフィージビリティスタディで駐車場整備費用(自走式1台500万〜、機械式1,000万〜)を早期把握。共同住宅のワンルーム比率とファミリー比率で戸あたり原単位を調整し、事業計画に反映。

ゼネコン(施工計画)

実施設計段階で駐車場面積の最終確定に使用。自走式車路のスロープ勾配1/6以下、耐震区分による耐震要件、防火区画1,000㎡ごとの区画設計を横断的に検証。

自治体(建築指導・審査)

建築確認申請の事前相談・審査で附置台数の適合性チェック。用途複合の按分計算、共同駐車場協定書のチェック、隔地駐車場の距離要件確認など。

商業施設運営(SC・百貨店)

大店立地法届出書類の駐車台数根拠として使用。ピーク時(週末昼)の待ち行列予測から実質必要台数を算出し、法定値との差分を隣接駐車場との協定で埋める設計。

マンション管理組合(改修・改築)

共同住宅の駐車場稼働率低下(高齢化・車離れ)による空き区画をカーシェア・EV充電・宅配ボックスへ用途転換する際の適法性チェック。管理規約変更と自治体協議に必要な資料作成。

よくある間違い・注意点

  • 国の駐車場法基準のまま計算 — 駐車場法は最低ラインで、実際に適用されるのは各自治体の駐車場条例。東京都・大阪市・名古屋市等の主要都市では条例が別途あり、原単位・車室寸法・共同住宅の扱いが大きく異なります。必ず建設地の自治体条例を確認してください。
  • 身障者用駐車マスの計上忘れ — バリアフリー法により総台数2,000㎡以上の特別特定建築物では最低1台以上の身障者用マスが必須。マス幅3.5m以上、建物出入口最近接、路面表示・案内標識も要件。設計段階で忘れると後戻りが大きい。
  • 荷捌きスペースの見落とし — 商業施設・飲食店・共同住宅では法定荷捌きバースが別枠で必要。一般駐車マスから流用すると条例違反+日常運営の支障。特に共同住宅50戸以上は最低1台必須。
  • 大店立地法との二重基準 — 大規模小売店舗(1,000㎡超)は駐車場条例と大店立地法の両方に適合が必要。大店立地法の指針駐車台数の方が厳しい場合が多く、条例だけで判断すると届出で不適格となる。
  • 共同住宅ワンルーム条例の見落とし — 東京都新宿区・豊島区等ではワンルーム条例で駐車場附置の別基準あり。戸あたり0.2台以下は認められない、または法定を超える台数が必要な区もある。
  • 機械式駐車場の維持費見落とし — 機械式駐車場は初期費用だけでなく、法定点検年2回・15年目の大規模改修(1基300〜500万円)が必要。マンション管理組合の長期修繕計画に必ず組み込むこと。
  • EV充電設備の電源容量不足 — 附置義務化された充電設備を後付けで設置しようとすると、キュービクル容量不足で施設全体の電源改修が必要になる例多発。基本設計段階で受電容量に組み込むこと。

関連する規格・法規

  • 駐車場法(昭和32年法律第106号) ― 附置義務駐車場の全国共通の最低基準を規定。
  • 駐車場法施行令 ― 車室最小寸法(2.3m×5.0m)、車路幅、勾配等の技術基準。
  • 東京都駐車場条例 ― 東京23区における用途別原単位・緩和策・隔地駐車場の運用基準。
  • 各自治体駐車場条例 ― 大阪市・名古屋市・横浜市など主要都市が独自条例で運用。
  • バリアフリー法(移動円滑化法) ― 身障者用駐車マス設置義務。特別特定建築物の適合基準。
  • 大規模小売店舗立地法(大店立地法) ― 店舗面積1,000㎡超の駐車台数指針・周辺環境配慮基準。
  • 建築基準法・同施行令 ― 駐車場の防火区画(1,000㎡)、避難施設、機械式の耐震要件。
  • 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法) ― 身障者用マス設置の実務基準。

参考文献・公的資料

実際の設計・確認申請・自治体協議では、下記の公的機関・業界団体の資料を必ず参照してください。

※本ページの計算結果および設計目安値は概算です。実際の附置義務判定・車室配置・自治体協議にあたっては、建設地の駐車場条例の最新版、バリアフリー条例、大店立地法指針、防火区画・避難施設の建築基準法要件を確認し、建築士・建築確認機関・自治体建築指導課との協議を経てください。共同住宅のワンルーム条例、EV充電設備附置義務、隔地駐車場協定の運用は自治体ごとに大きく異なるため、事前相談を強く推奨します。

よくある質問(FAQ)

延床3,000㎡の事務所ビルの必要駐車台数は?

東京都駐車場条例の事務所原単位250㎡/台で計算すると、3,000÷250=12台。自走式駐車場なら1台あたり15㎡目安で駐車場面積は約180㎡。加えて身障者用マス最低1台(3.5m幅)と、荷捌きスペースの検討が必要です。都心駅近では緩和策(隔地・共同・カーシェア代替)で10台程度まで削減する事例もあります。

駐車場法と駐車場条例の違いは?

駐車場法(国法)は全国共通の最低基準を規定し、対象要件(延床2,000㎡超・商業地域内など)だけを定めます。具体的な原単位・車室寸法・共同住宅の扱いは、東京都駐車場条例・大阪市駐車場条例など各自治体の条例に委ねられています。実務では必ず建設地の自治体条例を確認します。

身障者用駐車マスは何台必要?

バリアフリー法により、床面積2,000㎡以上の特別特定建築物では総台数の2%以上かつ最低1台の身障者用マス設置が義務。マス幅3.5m以上、建物出入口最近接、青地に車いすマーク(JIS Z 8210)の路面表示、通路との段差1/12以下のすりつけが必要です。

共同住宅の駐車場は世帯あたり何台?

東京都では戸あたり0.5〜0.8台が標準ですが、駅徒歩5分以内の駅近立地では0.2〜0.4台まで緩和可能。地方主要都市では戸あたり0.8〜1.0台が一般的で、地方郊外の低層マンションでは戸あたり1.5台以上を確保することも。ワンルーム比率が高い物件では戸0.2台程度、ファミリー向けなら戸0.8〜1.0台が実務相場です。

荷捌き駐車スペースは何台必要?

東京都では店舗1,500㎡以上で最低2台、飲食店1,000㎡以上で1台、共同住宅50戸以上で1台などの規定あり。2tトラック用は3.0m×7.0m、4tロングは3.5m×9.0m、10t大型は4.0m×13.0mが標準寸法。一般駐車マスとは別枠で確保することが原則で、宅配ロッカー併設で短時間駐車マスの追加設置が推奨されます。

機械式駐車場と自走式のどちらが得?

初期費用は機械式(タワー式1台1,000万円〜、ピット式500万円〜)が自走式(1台500万〜)より高いですが、床面積は1/3〜1/5に圧縮できます。ただし機械式は年2回の法定点検(1回20万円〜)と15年目の大規模改修(1基300〜500万円)が必要で、20年ライフサイクルコストでは自走式の方が有利になるケースが多いです。都心の狭小敷地では機械式が唯一の選択肢になります。

駐車場附置義務の緩和策には何がある?

東京都では(1)敷地外300m以内の隔地駐車場で総台数の3割まで代替、(2)複数建物での共同駐車場による稼働ピーク調整、(3)敷地内カーシェアステーション設置で最大30%減免、(4)駅徒歩5分以内の公共交通至近緩和、(5)駐輪場増設による代替、(6)時間貸駐車場への供用、などがあります。組合せで50%以上の削減事例もあります。

EV充電設備の設置は義務?

東京都は2025年4月から全国初のEV充電設備附置義務条例を施行し、延床10,000㎡以上の大規模建築物では総駐車台数の20%以上に充電器設置が義務化されました。共同住宅は普通充電(3〜6kW)基本、ホテル・宿泊施設は急速充電を1台以上、公共施設は30%以上と用途別に基準が異なります。横浜市・大阪市も同様の条例改正が進行中です。

用途複合建物の場合の計算方法は?

用途ごとの延床面積を原単位で除して求めた台数を合算するのが原則。例:オフィス2,000㎡(250㎡/台=8台)+店舗1,000㎡(150㎡/台=6.7→7台)+飲食500㎡(100㎡/台=5台)で合計20台。ただしホテル+宴会場のように稼働時間帯が重ならない用途では共同駐車の按分緩和が認められる場合があります。

ロードサイド店舗の駐車台数は?

ロードサイド店舗は駐車場条例と大規模小売店舗立地法(大店立地法)の両方に適合が必要。大店立地法の指針は店舗面積1平米あたり0.02〜0.06台で、これが条例より厳しい場合が多く、実質的な下限となります。1,000㎡のロードサイドドラッグストアなら60台前後が実務的な必要台数です。

駐車場車路の幅・勾配の基準は?

駐車場法施行令では車路幅は一方通行3.5m以上、対面通行5.5m以上、勾配は縦断1/6(17%)以下、屈曲部は5m半径以上と規定。自走式駐車場のスロープは1/8以下が推奨、勾配変化点にはヘッドクリアランス確保のための緩和勾配区間が必要です。二輪車専用車路は幅2.0m以上で別途規定。

マンション駐車場が空いてきたら?

近年の高齢化・車離れで共同住宅の駐車場稼働率が60%を切る物件が増加。管理組合として(1)カーシェアリング事業者への貸出、(2)EV充電設備への転換、(3)宅配ボックス・ゴミ集積所への用途転換、(4)近隣住民への月極貸し、などで収益改善が可能。用途転換には管理規約変更(4分の3特別多数)と自治体協議が必要です。

駐車場の防火区画の基準は?

建築基準法で駐車場は1,000㎡ごとの防火区画が義務。区画は耐火構造の床・壁で、開口部は特定防火設備(甲種防火戸)で塞ぐ必要あり。自走式立体駐車場は「開放型」なら防火区画緩和が適用可能(換気開口が周長の1/4以上)。地下駐車場は排煙設備・防災設備の追加基準もあります。

駐車場整備地区とは?

駐車場法第3条に基づき、地方公共団体が都市計画で定める地区で、駐車場需要が特に多い商業地区や駅前地区などが指定されます。整備地区内では附置義務の適用閾値が延床1,500㎡と厳しく、東京23区の主要駅前、大阪梅田・難波、名古屋栄・名駅などが指定されています。