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飲食店開業総額

席数と物件条件から、飲食店の開業に必要な総額と運転資金を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

飲食店開業総額ツール

計算式と考え方

総額は「初期投資+運転資金」で求めます。15坪の居抜き物件なら内装・厨房工事はスケルトン坪単価60万円の3割で約270万円、造作譲渡料250万円、保証金は家賃25万円の10か月分で250万円、仲介手数料と前家賃で2か月分50万円、什器・食器類150万円、これらの1割にあたる開業前の予備費67万円を加えて約1,037万円です。運転資金は家賃25万円と月の固定支出100万円の合計を6か月分見て750万円となり、総額は約1,787万円になります。

飲食店開業時の主な費用項目

物件取得費保証金、礼金、仲介手数料、前家賃。保証金は家賃の6か月から12か月分が一般的
内装・厨房工事スケルトンは坪50万円から80万円。居抜きなら3割から5割に圧縮できる
造作譲渡料居抜き物件で前の借主から設備を買い取る費用。100万円から500万円の幅がある
什器・備品食器、調理器具、レジ、券売機など。中古の活用で大きく変わる
運転資金開業後に売上が安定するまでの資金。家賃と固定費の6か月分が目安とされる

飲食店開業総額の詳しい解説

飲食店の開業資金でつまずく原因の多くは、工事費の見積もりではなく運転資金の不足にあります。内装や厨房の費用は見積書という形で目に見えるため過小に見積もられにくい一方、開業から売上が安定するまでの期間に出ていく資金は計画に載りにくいためです。新規開業の店が想定した売上に届くまでには数か月かかるのが通常で、その間も家賃、人件費、水道光熱費は満額で発生します。家賃と固定費の6か月分を手元に残す考え方が広く採られているのは、この期間を耐え切るためです。居抜きとスケルトンの選択は、初期費用と自由度の交換です。居抜きは内装費を3割から5割に抑えられ、厨房設備をそのまま使えるため開業までの期間も短くなります。ただし前の店の設備は業態に合わないことがあり、換気能力やガス容量が足りずに結局入れ替えるという事態も起きます。造作譲渡料は設備の残存価値というより営業権に近い性格を持つことがあり、金額の根拠を確認しないまま支払うと、実質的に不要な設備に高い対価を払うことになります。引き渡し前に厨房機器の年式と稼働状態、排水と排気の経路、電気容量を確認することが必要です。席数と面積の関係も収益に効きます。1坪あたり1.3席から1.5席が居酒屋やカフェの目安とされ、これを超えて詰め込むと客の滞在時間が短くなる代わりに客単価が下がる傾向があります。1席あたりの投資額は、業態にもよりますが60万円から100万円が小規模店の一つの水準です。この金額を月あたりの席あたり売上で割ると、投資の回収に何か月かかるかが概算できます。資金調達では、自己資金が総額の3分の1程度あることが融資審査での一つの目安とされています。自己資金が少ないほど借入額が増え、毎月の返済が固定費として乗ってくるため、損益分岐点が上がります。開業前に見落とされやすい費用としては、食品衛生責任者の講習費、営業許可申請の手数料、看板とメニューの制作費、開業前の研修期間の人件費、初回の仕入れがあります。これらを合わせると工事費と設備費の1割前後になることが多く、予備費として計上しておくと計画が崩れにくくなります。

業界・現場での使い方

開業資金の見積

物件条件と席数から必要な総額と自己資金の目安を確認します。

物件の比較

居抜きとスケルトンで初期投資がどれだけ変わるかを比べます。

融資額の検討

総額と自己資金の差から必要な借入額の規模を把握します。

よくある間違い・注意点

  • 運転資金を計算に入れない — 売上が安定するまで数か月かかります。家賃と固定費の6か月分を手元に残さないと、黒字化前に資金が尽きます。
  • 造作譲渡料の内訳を確認せずに払う — 設備の残存価値と合っていない例があります。厨房機器の年式と稼働状態、電気とガスの容量を引き渡し前に確認してください。
  • 開業前の細かい費用を見落とす — 許可申請、看板、研修期間の人件費、初回仕入れが加わります。工事費と設備費の1割前後を予備費として見込んでください。

関連する規格・法規

  • 日本フードサービス協会
  • ぐるなび統計

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

自己資金はどのくらい必要ですか?

開業総額の3分の1程度が融資審査での一つの目安とされます。少ないほど借入が増え、返済が固定費として重くなります。

居抜きなら必ず安く済みますか?

内装費は抑えられますが、造作譲渡料と設備の入れ替えで差が縮むことがあります。設備が業態に合うかの確認が前提です。

保証金は戻ってきますか?

契約により償却分を差し引いて返還されるのが一般的です。償却割合と原状回復の範囲を契約書で確認してください。