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総人工工期積算建設職種配分

総人工数(全工種合計)計算ツール|延床面積・建物種別から全工種の総人工・大工・鉄筋・型枠・電工・設備・仕上げの職種配分・総労務費・工期・人員手配まで

木造・S造(鉄骨)・RC造(鉄筋コンクリート)・SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)・オフィスビル・フルリノベーション等の建物種別ごとの総人工数(全工種合計)を延床面積から瞬時に算出。木造3-4人工/㎡、S造4-6、RC住宅6-8、RCオフィス7-9、SRC大規模8-10の原単位、大工・鉄筋・型枠・電工・設備・仕上・雑工の職種別配分、工期設定、総労務費、人員手配計画、外構付帯工事の別建て、国交省建築工事積算基準・建設物価調査会標準歩掛の適用まで、工務店・ゼネコン・積算事務所・職人手配・M&Aデューデリジェンス実務目線で完全解説します。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

総人工数(全工種合計)ツール

計算式と総人工の意味

基本式

総人工 = 延床面積(㎡) × 建物種別の総人工原単位

工期(日) = 総人工 ÷ 平均同時稼働人数

総労務費 = 総人工 × 平均1人工日当単価

延床面積100㎡の木造住宅なら、原単位3.5×100=約350人工。これを工期90日(=3ヶ月)で施工するには、平均4人体制で工事が回る計算です。総労務費は25,000円×350=約875万円で、材料費と並び住宅建築コストの2大要素となります。

総人工とは何を含むか

「総人工」は全工種・全職人の労務量合計を意味します。大工・鉄筋工・型枠工・電気工・設備工(給排水・空調・ガス)・仕上職人(内装・外装・タイル・左官)・鳶職(足場)・雑工など、建設現場で稼働する全ての職人の延べ稼働日数が該当します。

総人工に含まれないもの

  • 設計・監理業務(建築士の作業)
  • 現場監督・施工管理業務(施工管理技士の作業)
  • 資材運搬・調達業務(仕入担当)
  • 営業・見積・契約業務(営業部門)
  • 外構工事(別建て積算)
  • 解体工事(別建て積算)
  • 土地整地・地盤改良工事(別建て積算)

これらの間接業務・別工事は「諸経費」「別途工事」として計上され、総人工には含みません。この区分を明確にすることが積算精度の基本です。

建物種別 総人工原単位

建物種別ごとの総人工原単位は、業界標準として下表のように定まっています。実際の見積り時は、地域係数・季節係数・仕様グレード係数で調整します。

建物種別 総人工原単位詳細

建物種別総人工/㎡特徴
木造住宅(在来軸組)3.0-4.0プレカット時代の実勢値
木造2×42.8-3.5省人化された工法
木造SE構法3.5-4.5耐震木造・金物工法
軽量鉄骨(プレハブ)3.5-4.5工場加工・省人
重量鉄骨S造(住宅)4.0-5.5戸建鉄骨・小規模
S造(工場・倉庫)3.5-5.0単純空間・省人
S造(オフィス)5.0-6.5仕上げ・設備が多い
RC造(小規模住宅)6.0-8.0コンクリ・鉄筋工程が多い
RC造(中規模マンション)6.5-8.5共用部工事あり
RC造(オフィスビル)7.0-9.0設備・仕上げ充実
SRC造(大規模)8.0-10.0複雑構造・特殊仕様
フルリノベ(スケルトン)4.0-6.0解体後の全面改修
マンションフルリノベ3.5-5.0躯体保持・専有部改修

1,000㎡のオフィスビル(RC造)なら、原単位7.5×1,000=約7,500人工。工期14ヶ月(280工事日)で施工するには、平均27人体制が必要な計算になります。

職種別配分の実態

総人工は複数の職種に配分されます。建物種別ごとに配分比率が違い、これを把握することが下請発注量の調整・工程管理の基礎です。

木造住宅の職種別配分(参考)

職種配分率作業内容
大工25-30%躯体・造作・仕上
基礎工事(型枠+鉄筋+土工)10-12%基礎コンクリート工事
屋根工事4-6%瓦・板金・防水
外壁工事6-8%サイディング・塗装
建具工事4-6%窓・玄関ドア設置
内装工事10-15%クロス・床材・襖障子
電気工事5-7%配線・器具取付
給排水工事5-7%配管・衛生器具
空調工事3-4%エアコン・換気
その他(鳶・左官・雑工)10-15%足場・下地・清掃

RC造・オフィスビルの職種別配分(参考)

職種配分率
大工(型枠含む)8-12%
鉄筋工事13-18%
コンクリート工事8-10%
外装工事(タイル・カーテンウォール)10-15%
内装工事12-18%
電気工事10-14%
給排水衛生工事7-10%
空調換気工事7-10%
昇降機工事1-2%
その他8-12%

RC造は木造と比べ、大工の割合が減り(30%→10%)、鉄筋・型枠・コンクリート工事の割合が大幅に増加(0→30%)します。設備工事(電気・給排水・空調)の割合もオフィスビルでは30%を超えるのが特徴です。

工程表と工期設計

総人工から工期を設計するには、工程順序と同時稼働可能な職種数を考慮する必要があります。単純に総人工÷平均人数では正確な工期は算出できません。

木造住宅100㎡の工程例

工程期間投入人工
着工準備・地縄1-2週5-10人工
基礎工事3-4週40-50人工
建方・上棟1週15-25人工
屋根・外壁2-3週25-40人工
設備配管・電気配線2-3週30-40人工
内装・造作3-4週60-80人工
仕上げ・器具取付2-3週40-60人工
清掃・検査1週10-15人工
合計14-20週約350人工

工期短縮のポイント

プレカット活用

建方工程を1週間短縮。大工人工30-40%削減。中小工務店でも標準採用の技術。

ユニットバス・システムキッチン

造作大工と設備工事の一部を工場加工にシフト。現場工数削減、施工品質の安定。

職種並行作業

設備工事と内装工事の同時進行、電気工事と大工工事の並行。工程調整力が問われる。

プロジェクトマネジメント

MSプロジェクト・Primaveraなどの工程管理ソフト活用。クリティカルパス管理、遅延の即時把握。

総労務費の算定

総労務費は総人工×平均1人工日当単価で算出しますが、実際は職種別の単価差があるため、職種配分に応じた加重平均単価を使うのが精密です。

職種別 1人工日当単価(2024年度)

職種単価(円/人工)
大工25,000-28,000
鉄筋工24,000-28,000
型枠大工25,000-30,000
とび工25,000-30,000
左官25,000-28,000
電気工22,000-26,000
配管工22,000-26,000
板金工25,000-28,000
塗装工22,000-26,000
タイル工24,000-28,000
普通作業員18,000-22,000
軽作業員15,000-18,000

木造住宅の加重平均単価は約24,000-25,000円/人工、RC造は約25,000-27,000円/人工。これに諸経費(現場管理費・一般管理費・利益)を加算して契約額となります。

外構・付帯工事の別建て

建物本体の総人工には外構工事・付帯工事は含まれません。これらは別途積算・別途契約が業界標準です。

外構・付帯工事の内訳

外構工事

駐車場コンクリート・門扉・フェンス・アプローチ・植栽・照明。100㎡住宅で追加50-150万円、人工30-60人工が目安。

解体工事

建替え時の既存建物解体。木造30坪で100-200万円、RC造は坪単価倍増。石綿(アスベスト)除去は別途特殊工事。

地盤改良工事

軟弱地盤対策(表層改良・柱状改良・鋼管杭)。50-200万円追加。地盤調査(SS試験)の結果次第。

屋外給排水工事

公共桝から建物までの引込。20-50万円追加。上下水道の分担金は別途。

電気引込工事

電柱から建物への電気引込・受電盤設置。10-30万円追加。太陽光発電連携時は別途。

ガス工事

都市ガス引込またはLPガスボンベ設置。都市ガス20-40万円、LPガス10-20万円追加。

本体工事+外構+付帯の総額を「総工事費」と呼び、100㎡住宅で本体2,500-3,500万円+外構100-300万円+付帯100-300万円=総額2,700-4,100万円が実勢相場です。

業界・現場での使い方

工務店・ハウスメーカー

新築住宅の見積り・工期設定。標準プラン別の総人工データベース、営業段階での即答用資料、契約後の実行予算作成の基礎。

ゼネコン(大手・中堅)

大規模建築の工期・労務費見積り。工程管理、下請発注量の妥当性検証、現場人員動員計画。BIM・工事管理ソフト連携。

積算事務所

公共工事・民間工事の予定価格算定。国交省積算基準に準拠した精密な人工計算、複数見積りの比較検証、コンサル業務の主力。

職人手配業(人材派遣・応援)

工事規模から必要職人数の予測。派遣手配の受注機会創出、繁忙期の応援大工・鉄筋工手配のマッチング。

設計事務所・建築家

設計段階での工事費概算。施主への説明資料、実行予算との差異チェック、監理業務での工程進捗確認。

不動産デベロッパー

分譲マンション・オフィスビルの事業計画策定。建築費積算(用地取得費+建築費+諸経費+利益で分譲価格逆算)、投資回収期間の算定。

M&Aデューデリジェンス

買収候補建設会社の受注案件評価。過去実績の総人工・実行予算・利益率の妥当性検証、追加投入必要人工の見積り。

建材メーカー(セメント・鋼材・木材)

着工予測からの資材需要予測。営業戦略の立案、生産計画の調整、建設市場の統計分析。

よくある間違い・注意点

  • 建物種別で原単位が倍以上違うことの認識不足 — 木造3.5・S造5・RC造7・SRC造9と、建物種別で原単位に2-3倍の差があります。同じ100㎡でも総人工は350〜900人工と大きく違い、労務費・工期に大差。設計段階での構造選定は建築費全体に決定的影響を与えます。
  • 外構・付帯工事を本体人工に含めてしまう — 外構工事(駐車場・門扉・植栽)、付帯工事(屋外給排水・電気引込)、解体工事、地盤改良工事はいずれも別建て積算が実務標準。本体人工に含めると外構抜きの契約となり工事範囲でトラブル発生します。
  • 季節・地域差を無視した工期設定 — 東京と沖縄、冬季と夏季で工期・人工に差。豪雪地域の冬季施工は工期+15-25%、離島・山間部の資材搬入で人工+10-15%。全国一律の見積は地方で赤字要因、都心で失注要因になります。
  • 職種別配分の一律適用 — 木造とRC造では大工・鉄筋の配分が全く違います(大工30%→10%、鉄筋0→15%)。建物種別ごとの配分表を使い分けが必要。誤った配分で下請発注すると、余剰・不足が発生し工程が乱れます。
  • 工期を総人工÷平均人数で機械的に算出 — 工程順序があるため、全工種を同時並行できません。基礎工事完了前に大工工事は始まらず、内装は屋根・外壁完成後。クリティカルパス管理が必要で、単純除算では非現実的な工期設定に。
  • 設計・監理・現場管理業務を人工に含める — 設計監理・現場監督・営業業務は諸経費として別途計上。総人工は現場作業員のみが対象で、間接業務を混ぜると人工計算が過大になります。
  • プレカット・ユニット工法の効果過大評価 — プレカットで大工人工30-40%減、ユニットバス・システムキッチンで造作大工削減。ただし総人工全体では10-15%減程度、期待しすぎるとコスト超過。
  • 下請発注時の適正価格軽視 — 元請から下請への発注は建設業法・下請法に基づき、「通常必要な費用」を下回ってはいけません。過度な値引き交渉は法違反、公取委調査対象。適正な人工数×単価の発注が必須です。

関連する規格・法規

  • 建築基準法 ― 建築確認申請・構造規定・省エネ基準。全建物種別の設計・施工の基本法。
  • 建設業法 ― 建設業許可・下請代金支払期限(注文者受領後50日以内)・29業種分類。
  • 下請代金支払遅延等防止法(下請法) ― 元請から下請への発注価格・支払条件の妥当性規定。
  • 労働基準法 ― 建設労働者の労働時間・残業・休日出勤の規定。
  • 建設労働災害防止規則 ― 建設現場の安全衛生規則。足場・落下防止・熱中症対策。
  • 公共工事設計労務単価 ― 国交省が毎年公表する労務単価の全国基準。
  • 建築工事積算基準 ― 国交省の積算基準。歩掛・単価適用の統一ルール。
  • 住宅品質確保促進法(品確法) ― 新築住宅の10年瑕疵担保責任、住宅性能表示制度。
  • 省エネ基準 ― 2025年から適合義務化。断熱・気密の設備・仕上工事に影響。
  • 建設リサイクル法 ― 解体・分別廃棄の義務規定。工事人工計上に影響。

参考文献・公的資料

総人工・工事費見積りの実務にあたっては、下記の公的機関・団体の資料を参照してください。

※本ツールの計算結果は公的歩掛データと業界実勢値に基づく参考値です。実際の見積り・積算・工期設計にあたっては、最新の国交省公共工事設計労務単価、建設物価調査会「積算資料」・経済調査会「積算ポケット手帳」等の公式データ、地域の実勢単価、現場条件を総合的に検討してください。下請発注においては、下請代金支払遅延等防止法・建設業法の遵守が必要です。工事契約の内容は建築士・施工管理技士・税理士等の専門家と協議の上、適正に運用してください。

よくある質問(FAQ)

100㎡木造住宅の総人工は?

350人工(原単位3.5/㎡)。工期3-4ヶ月、平均4人体制で施工可能。総労務費は25,000円/人工×350=約875万円が目安です。材料費と合わせて2,500-3,500万円の建築費が実勢相場。

RC造は木造の何倍の人工?

約2倍。木造3.5/㎡に対しRC造は7.0/㎡。材料(コンクリート・鉄筋)の重量、複雑な工程(型枠→鉄筋→打設→養生)、高度な技術力の違いが主因。工期も1.5-2倍長くなります。

SRC造の総人工は?

8-10人工/㎡と最大級。鉄骨鉄筋コンクリート造は超高層マンション・大規模オフィスに用いられ、複合構造のため工程が複雑。1,000㎡以上の大規模建築物に採用される特殊工法です。

工期はどう決まる?

総人工÷平均同時稼働人数が理論値ですが、工程順序(基礎→建方→内装)と職種の並行作業可能性で調整。100㎡木造なら5人体制で約3ヶ月、100㎡RC造なら8人体制で約6ヶ月が実勢。

人工×単価=総労務費?

基本的にはYes。ただし職種別に単価差(電気工22-26千円 vs 大工26-30千円)があるため、加重平均単価の使用が精密。木造で約24,000-25,000円、RC造で約25,000-27,000円が実勢加重平均です。

外構工事は総人工に含まれる?

含まれません。外構(駐車場・門扉・植栽)、付帯(屋外給排水・電気引込)、解体、地盤改良はいずれも別建て積算。本体工事のみで積算し、これらを追加した総額を「総工事費」と呼びます。

フルリノベーションの人工は?

スケルトンリフォーム(躯体除く全面改修)で4-6人工/㎡。新築より少ないが、解体・処分費が別途発生。マンション専有部フルリノベは3.5-5.0人工/㎡程度と、戸建より低め。

職種配分は木造とRCで違う?

大きく違います。木造は大工30%・基礎10%・内装15%、RC造は大工10%・鉄筋15%・型枠+コンクリ20%・仕上30%。工事の中心となる職種が構造で変わるため、下請発注量の設計が根本的に異なります。

プレカット・ユニット工法の効果は?

プレカットで大工人工30-40%減、ユニットバス・システムキッチンで造作人工削減。ただし総人工全体では10-15%減程度に留まり、期待しすぎは禁物。他の工程は変わらないため、全体工期短縮も限定的。

公共工事と民間工事の積算差は?

公共工事は国交省積算基準に厳密準拠、民間工事は実勢単価を柔軟に活用。公共工事は歩掛通り(高め)、民間工事は競争入札で実勢(やや低め)。地方公共団体の工事は地元業者優先で調整あり。

大手ゼネコンと中小工務店の人工差は?

大手ゼネコンは工程管理・BIM活用で+5-10%の生産性向上。中小工務店は柔軟対応・臨機応変で若干+の場合もあるが、基本原単位は同じ。差は諸経費(現場管理費)の方が大きい傾向。

労務費以外のコスト構成は?

材料費が全体の40-50%、労務費が30-40%、諸経費(現場管理費+一般管理費+利益)が20-30%。木造住宅で見ると材料費+労務費で純工事費、諸経費20-30%上乗せで契約額となります。

建設労働者の月間稼働日数は?

建設労働者の実稼働は月20-22日(4週6休が主流、8休の週休二日制も増加)。年間で約250日稼働。1人年間の人工数は約250人工が現実的な計算基礎。人員動員計画で重要な数値です。