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モルタル左官DIY配合建築工事

モルタル配合(1:2, 1:3, 1:4) 計算ツール|施工面積・塗厚からセメント・砂・水・25kg袋数を即算出

用途別モルタル配合(セメント:砂=1:2/2.5/3/4)と施工面積・塗厚から、セメント・砂・水・プレミックス25kg袋の必要数を即算出。仕上げモルタル・防水モルタル・一般下地モルタル・厚塗り下地の配合基準、水セメント比、下地処理、養生、ひび割れ対策、寒中/暑中施工、JIS R 5210ポルトランドセメント・JASS 15左官工事仕様書の実務観点で解説します。左官業者の日常見積り、リフォーム工事の材料手配、DIY補修工事、外構工事の設計にご活用ください。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

モルタル配合(1:2, 1:3, 1:4)ツール

計算式と配合の基本

基本式

モルタル体積 V(m³) = 施工面積(m²) × 塗厚(mm) ÷ 1000

セメント量(kg) = V × 単位セメント量(kg/m³)

砂量(kg) = V × 単位砂量(kg/m³)

水量(L) = セメント量 × 水セメント比(0.4〜0.6)

モルタルはセメント+砂+水の3成分で構成される左官材料で、コンクリートと違って粗骨材(砂利)を含まないのが特徴です。塗厚5〜100mmの塗装用途で、床・壁・タイル下地・防水下地・ブロック目地・段差調整など幅広い施工に対応します。

体積比と質量比

実務では「セメント1袋(25kg)に対して砂○バケツ」のように現場で計量する体積比表記が主流ですが、正確には質量比で管理するのが標準です。セメントの単位容積質量約1.5g/cm³、砂約1.5g/cm³で体積比1:3なら質量比も1:3に近くなりますが、砂の含水状態で数値が変動するため、精密施工では表乾状態(SSD)の砂を用いて質量計算するのが基本になります。

配合比の意味

1:2はセメント1に対して砂2の体積比。セメント量を増やすほど圧縮強度・防水性が上がる一方、乾燥収縮によるひび割れが増える傾向があります。1:3が汎用配合として最もバランスが取れており、建築工事の左官仕上げ・タイル下地・床下地の標準配合として、JASS 15左官工事仕様書でも推奨されています。

用途別配合比の詳細

配合用途圧縮強度特徴
1:2 仕上げ薄塗り仕上げ・タイル張り接着25〜30 N/mm²高強度、防水性向上、薄塗り可
1:2.5 防水防水下地・外壁補修20〜25 N/mm²防水材配合、地下ピット・浴室
1:3 一般床下地・壁下地・タイル張り下地15〜20 N/mm²汎用配合、コスパ最良
1:4 厚塗り下地厚塗り・段差調整10〜15 N/mm²経済性、10mm以上の厚塗り可
1:5〜1:6ブロック目地・レンガ積み5〜10 N/mm²粘性重視、可塑性大

建築基準法の構造モルタル(タイル下地・防水下地等)としては1:3以上のセメント比が推奨され、1:5以上はブロック目地など非構造用に限定されます。強度重視の外壁補修・防水下地では1:2〜1:2.5、内装や下地厚塗りでは1:3〜1:4を使い分けるのが実務標準です。

1m³あたり材料量早見

配合セメント(kg)砂(kg)水(L)25kg袋数
1:2 仕上げ6001,40028024袋
1:2.5 防水5401,45025022袋
1:3 一般4501,50022018袋
1:4 厚塗り3801,55019016袋

1m²あたりに換算すると、塗厚20mmでモルタル20L=セメント9kg・砂30kg・水4.4L(1:3配合)となります。10m²の床下地(塗厚20mm)なら200L=セメント90kg(25kg袋4袋)・砂300kg・水44Lが目安。プレミックス既調合モルタル25kg袋なら約12〜13Lのモルタルが練れるので、200L÷12=17袋が必要になります。

施工面積別の必要量早見(1:3, 塗厚20mm)

施工面積体積セメント袋数砂重量水量
5m²100L2袋150kg22L
10m²200L4袋300kg44L
20m²400L8袋600kg88L
50m²1000L18袋1500kg220L
100m²2000L36袋3000kg440L

下地処理と接着

下地の含水管理

モルタル施工前は下地(コンクリート・ブロック・既存モルタル)を散水して湿潤状態にします。乾燥した下地に直接塗ると、下地がモルタルの水を吸って硬化不良・接着不良の原因になります。目安は表面が湿っていて水滴が浮かない程度で、過度な散水は逆に接着面の界面水膜となり接着力低下を招きます。

接着増強材(モルタル用ポリマー)

材料混和量効果
SBRラテックスセメント10〜15%接着強度2倍、防水性向上
EVA(酢酸ビニル)セメント5〜10%柔軟性・接着性・耐久性
アクリル系エマルションセメント5〜10%屋外用・耐候性重視

外壁改修や高強度が求められる部位では、JIS A 6203「セメント混和用ポリマーディスパージョン」に適合したポリマーセメントモルタル(PCM)を採用するのが実務標準です。混和量はメーカー指定に従い、独自判断で増減しないのが基本です。

プライマー処理

コンクリート下地に既調合モルタルを塗る場合、多くは専用プライマーで下地強化・吸水調整をします。プライマーの塗布量はメーカー指定(通常0.15〜0.25kg/m²)、塗布後の乾燥時間(20分〜1時間)を厳守し、乾いた後にモルタル塗りを開始します。

水セメント比と強度

水セメント比の基本

水セメント比 W/C = 水量(kg) ÷ セメント量(kg) × 100%

W/Cは硬化後の圧縮強度・耐久性・防水性を決定する最重要指標です。低いほど強度・耐久性が向上しますが、練混ぜ・こて塗り施工性が悪化します。実務では以下の目安を使います。

W/C圧縮強度目安用途
40〜45%30 N/mm²以上高強度仕上げ・防水モルタル
45〜55%20〜30 N/mm²床下地・壁下地(標準)
55〜65%15〜20 N/mm²下地厚塗り・段差調整
65%超10 N/mm²以下非推奨(ひび割れ・耐久性低下)

建築基準法では耐久性の観点からW/C 65%以下が推奨で、これを超えると乾燥収縮ひび割れ・凍害・中性化・鉄筋腐食のリスクが急増します。水を多く加えて練りやすくする現場対応は、長期的に見て致命的な品質低下につながります。

混和剤の使い分け

W/Cを低く抑えつつ施工性を確保するために、AE剤(空気連行剤)・減水剤・高性能AE減水剤などの混和剤が使われます。既調合モルタルにはこれらが標準配合されていますが、自前調合の場合は建材店で入手可能。JIS A 6204「コンクリート用化学混和剤」への適合品を選ぶのが原則です。

養生・季節別施工

湿潤養生の重要性

モルタルの水和反応は7日間で強度の70%、28日で100%に達します。施工後は乾燥を防ぐため、散水・湿布養生・養生シート被覆で湿潤状態を最低7日間保つのが標準。乾燥が急激だと表面ひび割れ・硬化不良・強度低下の3重苦になります。

暑中・寒中施工

施工時期気温注意点・対策
暑中(気温25℃超)7〜9月直射日光遮蔽、練混ぜ水冷水化、頻回散水養生
標準期(15〜25℃)4〜6月・10月通常施工、湿潤養生7日
寒中(気温4℃以下)12〜3月練混ぜ水温水化(50℃以下)、養生温度5℃以上維持

気温4℃以下では水和反応が著しく遅くなり、凍結でモルタルが破壊されるリスクが発生します。JASS 15では気温2℃以下の左官作業は原則中止、必要な場合は断熱シート被覆+ジェットヒーターで養生温度を5℃以上に維持します。凍結融解による強度低下は永久的で、後補修も困難です。

プレミックスモルタルの選び方

近年はプレミックス(既調合)モルタル25kg袋がホームセンター・建材店で普及し、DIY・小規模補修工事の主流になっています。単価300〜800円/袋、1袋で約12〜13Lのモルタルが練れて、水を混ぜるだけで使用可能です。

一般モルタル(1:3相当)

基本用途向け。床下地・壁下地・タイル貼下地。単価300〜500円/25kg袋。汎用ブランドが多数流通。

速乾性モルタル

3〜6時間で歩行可能。緊急補修・階段修理・タイル差し替えに。単価500〜800円/25kg袋。硬化開始が早いので大量練混ぜ厳禁。

防水モルタル

浴室・地下ピット・水槽内側の防水下地。防水材(パラフィン・シリコン系)配合済み。単価800〜1500円/25kg袋。

ポリマーセメントモルタル

接着強度向上・耐震補強・外壁改修用。SBR・EVA等ポリマー配合済み。単価1000〜2000円/25kg袋。JIS A 6916規格品を選択。

無収縮モルタル

機械据付・アンカー充填・柱脚モルタルに。膨張材配合で乾燥収縮ゼロ。単価1500〜3000円/25kg袋。

耐火モルタル

暖炉・薪ストーブ・工業炉の目地。1200℃以上の耐熱性。単価2000円〜/25kg袋。

業界・現場での使い方

左官工事・タイル張り下地

床レベル調整・壁下地・タイル張り下地・外壁補修。左官業者の日常材料計算。1:3が汎用配合、ヘッドウォール等の凹凸部は1:4での厚塗りが基本。

外構・エクステリア工事

ブロック塀の目地・化粧目地・階段仕上げ・門柱基礎。少量発注はプレミックス25kg袋、大規模はプラント配送生モルタルを使い分け。

DIY補修工事

壁の穴埋め・タイル貼替・階段補修・浴室補修。プレミックス製品25kg袋+バケツ+コテで施工可能。少量なら1kgパッケージも流通。

リフォーム・改修工事

床下地の再構築・タイル張替下地・外壁補修モルタル。既存下地の含水状態・強度で配合を調整、ポリマーセメントモルタル(PCM)採用が増加。

公共建築・官庁工事

公共建築工事標準仕様書(建築工事編)・JASS 15左官工事仕様書に基づく厳密な品質管理。W/C・スランプ・空気量・材齢28日圧縮強度の記録保存が義務。

耐震補強・改修

ポリマーセメントモルタル(PCM)吹付・繊維混入モルタル。既存建物の耐震補強で最も採用される工法。

よくある間違い・注意点

  • 体積比のまま実施工(バケツ計量) ― 砂の含水状態で体積が変動し、水セメント比が狂う。質量計算またはメーカー指示に従うのが基本。特にプレミックスは指定水量を守る。
  • 水量を目分量で多く ― 練りやすさ優先で水を多く入れるとW/C 65%超えで強度低下・ひび割れ・凍害。「硬すぎるから水を足す」対応は品質破壊の典型パターン。
  • 乾燥した下地に塗る ― コンクリート・ブロック下地の吸水で水分が奪われて硬化不良・接着不良。散水で湿潤状態にしてから施工開始。
  • 薄すぎる塗厚(5mm未満) ― 5mm未満の薄塗りは剥落・ひび割れの温床。プレミックス薄塗り仕上げ材(1〜3mm)は専用製品を選ぶ。
  • 厚塗り30mm超で1回塗り ― 30mm超は1回塗りではダレ・剥落発生。2回塗り(1回目乾燥後2回目)またはメッシュ補強・繊維モルタルで対応。
  • 寒中施工での凍結 ― 気温4℃以下で凍結、強度低下は永久的。JASS 15では気温2℃以下は原則中止、養生温度5℃以上維持。
  • 暑中の急乾燥 ― 30℃超の直射日光下で表面が急乾燥し、内部との水和反応差でひび割れ発生。頻回散水・遮光シート被覆で湿潤養生。
  • 混和材の独自判断で追加 ― 施工性向上目的でSBR・防水材を独自判断で追加すると、他材料との相性で強度低下・凝結遅延を引き起こす。メーカー指定量厳守。

関連する規格・法規

  • JIS R 5210 ポルトランドセメント ― 普通・早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩ポルトランドセメントの規格。基本的な左官工事は普通ポルトランドセメントを使用。
  • JIS A 5308 レディーミクストコンクリート ― 生コン工場の配合設計・強度管理の公的規格。モルタルは範囲外だがW/Cの考え方は共通。
  • JIS A 6203 セメント混和用ポリマーディスパージョン ― SBR・EVA・アクリル系混和材の規格。ポリマーセメントモルタル(PCM)の必須参照規格。
  • JIS A 6204 コンクリート用化学混和剤 ― AE剤・減水剤・高性能AE減水剤の規格。既調合モルタルに配合。
  • JIS A 6916 建築用下地調整塗材 ― プレミックスモルタル・下地調整塗材の性能規格。C-1〜C-3の等級区分。
  • JASS 15 左官工事仕様書 ― 日本建築学会の左官工事標準仕様書。モルタル配合・下地処理・養生・仕上げの実務標準。
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編) ― 国土交通省制定。官公庁工事における左官工事・モルタル配合の公式標準。
  • 建築基準法・同施行令 ― 構造モルタルの強度・防水性・耐火性の法令要件。

参考文献・公的資料

設計・施工・品質管理の詳細を確認する場合は、下記の公的機関・業界団体の資料を参照してください。

※本ページの計算結果および配合比は概算です。実際の設計・施工にあたっては、JASS 15左官工事仕様書・公共建築工事標準仕様書の最新版、セメント・混和材メーカーの技術資料、および建築士・建築施工管理技士等の有資格者による設計・施工監理を受けてください。特に構造モルタル・防水モルタル・耐火モルタル・耐震補強モルタルでは、追加の性能試験・品質管理記録が求められる場合があります。既存モルタル解体時はアスベスト含有可能性を事前調査してください。

よくある質問(FAQ)

モルタル1:3の意味は?

セメント1:砂3の体積比です。1m³作るのにセメント約450kg(25kg袋18袋)・砂1,500kg・水220Lが必要。汎用配合で床下地・壁下地・タイル張下地の実務標準として、JASS 15左官工事仕様書でも推奨されています。

プレミックスと自前調合、どちらが得?

10袋以下ならプレミックス、それ以上ならセメント+砂の自前調合が経済的です。プレミックス25kg袋は300〜800円、セメント25kg袋は250〜400円+砂25kg 200〜400円で単価が半分程度になります。ただし品質管理・練混ぜ手間はプレミックスが有利。

モルタルの塗厚上限は?

1回塗り30mm程度が実務上限。それ以上はダレ・剥落・ひび割れが発生。2回塗り(1回目乾燥後2回目)またはメッシュ補強・繊維モルタルで対応します。JASS 15では下地モルタル厚は10〜25mmが推奨、超える場合は分割施工。

防水モルタルの成分は?

1:2.5の高強度配合+防水剤(パラフィン・シリコン・SBR混和材)が標準。地下ピット・水回り・浴室・プール・貯水槽内側で使用します。JIS A 6916の建築用下地調整塗材C-1〜C-3で防水性能が規定されており、目的に応じて等級を選定します。

モルタル25kg袋で何m²塗れる?

プレミックス25kg袋は約12〜13Lのモルタルとなり、厚10mmで約1.2m²、厚20mmで0.6m²、厚30mmで0.4m²塗れます。1m²あたり2〜3袋(厚20mmで)が実務目安。ロスを含めて実消費量+15%で見積もるのが標準です。

水セメント比はどう決める?

W/C 45〜55%が汎用配合の標準。高強度仕上げは40〜45%、下地厚塗りは55〜65%が目安。65%超は強度低下・ひび割れ・凍害・鉄筋腐食のリスクが急増し推奨されません。プレミックスは指定水量を厳守。

下地はどう処理する?

コンクリート・既存モルタル下地は散水で湿潤状態にしてから施工開始。乾燥した下地に直接塗ると水分が奪われ硬化不良になります。プライマー処理(0.15〜0.25kg/m²)で下地強化・吸水調整するとより確実です。

養生期間はどれくらい必要?

水和反応は7日で強度の70%、28日で100%達成。湿潤養生は最低7日、公共建築工事では14日が標準。乾燥防止のため散水・湿布養生・養生シート被覆で湿潤状態を維持します。急乾燥は表面ひび割れ・強度低下の3重苦。

寒中でも施工できる?

気温4℃以下では水和反応が停滞、凍結でモルタルが破壊されます。JASS 15では気温2℃以下は原則中止、必要な場合は練混ぜ水温水化(50℃以下)+断熱シート被覆+養生温度5℃以上を維持。凍結融解による強度低下は永久的です。

ポリマーセメントモルタル(PCM)とは?

SBR・EVA・アクリル系ポリマーを混和したモルタル。接着強度2倍・防水性向上・柔軟性が特徴で、外壁改修・耐震補強・タイル張り接着に採用されます。JIS A 6203適合のポリマーディスパージョンを使い、メーカー指定量を厳守するのが原則。

モルタルとコンクリートの違いは?

両方セメント+骨材+水ですが、モルタルは細骨材(砂)のみ、コンクリートは細骨材+粗骨材(砂利)を含む点が違います。強度はコンクリート40N/mm²超、モルタルは25〜30N/mm²が上限。塗厚もモルタル100mm以下、コンクリートは構造体として100mm以上が標準です。

ひび割れを防ぐには?

(1)W/C 55%以下、(2)砂の含水管理、(3)7日以上の湿潤養生、(4)急乾燥・急冷却回避、(5)伸縮目地の適切な配置(3m間隔目安)、(6)繊維混入モルタルの採用が有効。事後補修は美観・防水性の両面で不利なため予防が最重要です。

解体時の注意点は?

1980年代以前の既存モルタルにはアスベスト含有の可能性があります(混和材として使用)。事前調査(建材事前調査者による含有分析)を行い、含有時は労働安全衛生法・大気汚染防止法・石綿障害予防規則に基づく飛散防止対策を実施。無資格解体は法令違反です。

耐火モルタルとは?

アルミナセメント・耐火骨材・膨張材を配合した高耐熱モルタルで、1,200℃以上の耐熱性を持ちます。暖炉・薪ストーブ・工業炉・炉壁の目地に使用。単価2,000円/25kg袋以上と一般モルタルの4〜6倍で、施工技術も特殊です。