メニュー1品原価
食材ごとの原価を積み上げて、メニュー1品の原価率と粗利額、適正売価を試算します。
メニュー1品原価ツール
計算式と考え方
原価は食材を積み上げて求めます。主材料60円、スープ100円、具材110円、調味料20円、器・消耗品15円で合計305円です。仕込みロス率5%を加えると320.25円になります。売価950円に対する原価率は33.7%、粗利額は629.75円です。1日120食を26日提供すると、月間の粗利額は約196万円になります。ラーメン業態の目標原価率30%で逆算した売価は約1,068円で、現在の売価はそれより低い設定です。
原価計算に含める項目
| 主材料 | 麺・米・パンなど。仕入単価÷1食分の使用量で算出する |
|---|---|
| スープ・ソース | 大量仕込みの総原価を仕込み杯数で割る。歩留まりの把握が要点 |
| 具材・トッピング | 肉や野菜。カット後の可食部で計算しないと原価を過小評価する |
| 消耗品 | 器の破損分、紙ナプキン、持ち帰り容器。1食数円〜十数円で積み上がる |
メニュー1品原価の詳しい解説
メニュー1品の原価計算で誤差が出やすいのは、仕入単価をそのまま使ってしまう点にあります。実際に商品になるのは下処理後の可食部で、野菜なら皮や芯、肉なら筋や脂を除いた分です。歩留まりが7割の食材を仕入単価のまま計算すると、原価を3割過小評価することになります。同様に、スープやソースのような仕込み品は、大鍋1回分の総原価を実際に取れた杯数で割る必要があり、蒸発や鍋底に残る分を考慮しないと数字が合いません。原価率の目標水準が業態で異なるのは、原価以外のコスト構造が違うためです。ラーメン店は回転が速く1席あたりの売上が高い代わりに、客単価が低く固定費の吸収に食数が要ります。原価率30%前後が目安とされるのはこの構造からです。パスタや洋食は調理工程が長く人件費比率が高いため、原価率を25%程度に抑える設計になります。定食店は品数が多く見た目の満足感が求められるため原価率は高めですが、その分だけ人件費や家賃を抑えた立地選択で成立させます。したがって、原価率だけを他業態と比べても意味はなく、FL比率(原価と人件費の合計を売上で割った値)で60%前後に収まっているかを見る方が実態に即します。判断が分かれるのは看板商品の扱いです。集客の中心になる商品はあえて原価率を高くして値ごろ感を出し、サイドメニューやドリンクで粗利を確保する構成が広く採られています。ラーメンとトッピング、丼と小鉢、カレーとドリンクといった組み合わせで、セット全体の粗利額を管理する考え方です。1品ごとの原価率で見れば看板商品は目標を超えますが、客単価ベースで見れば成立します。この場合、重要なのは併売率で、サイドの注文率が想定を下回ると全体の採算が崩れます。見落とされやすい要素が3つあります。第一に消耗品費です。器の破損、割り箸、紙おしぼり、持ち帰り容器などは1食あたり数円から十数円ですが、月間数千食では無視できません。第二にロス率です。仕込みすぎによる廃棄、提供ミスによる作り直し、スープの継ぎ足し管理での目減りを含めると、実際のロスは5%を超えることが少なくありません。第三に仕入価格の変動です。原価計算は特定時点の仕入単価に基づくため、食材価格が上がれば原価率は自動的に悪化します。主要食材の単価が10%上がったときに原価率が何ポイント動くかを把握しておくと、値上げ判断のタイミングを逃しません。価格改定を検討するときは、いきなり全品を上げるより、原価率の悪化が大きい品目から順に見直す方が客離れを抑えやすいとされます。
業界・現場での使い方
新メニューの価格決定
食材原価から目標原価率を満たす売価を逆算します。
既存メニューの見直し
仕入価格の上昇後に原価率がどこまで悪化したかを確認します。
収益シミュレーション
提供数と営業日数から、その品が生む月間粗利額を把握します。
よくある間違い・注意点
- 仕入単価をそのまま原価にする — 下処理後の可食部で計算しないと原価を過小評価します。歩留まりを掛けてください。
- 消耗品とロスを計上しない — 器や紙製品、仕込みロスを加えると原価は数%上がります。実勢に近い数字で管理してください。
- 1品の原価率だけで採算を判断する — 看板商品は原価率を高めに設定し、サイドやドリンクで粗利を取る構成が一般的です。客単価で見てください。
関連する規格・法規
- 日本フードサービス協会
- ぐるなび統計
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
原価率は何%が適正ですか?
業態で異なり、麺類30%前後、洋食25%前後、定食35%前後が目安とされます。人件費と合わせたFL比率60%前後が基準になります。
仕込み品の原価はどう計算しますか?
1回分の仕込み総原価を、実際に提供できた杯数や皿数で割ります。蒸発分と残渣を差し引いた実数で計算してください。
値上げの判断基準はありますか?
原価率が目標を5ポイント以上超えた状態が続く場合が一つの目安です。全品ではなく悪化の大きい品目から見直す方法もあります。