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lboM&A買収PMI

LBO負債倍率

EBITDAと買収倍率から、LBOの資本構成と想定リターンを試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

LBO負債倍率ツール

計算式と考え方

買収総額はEBITDA×買収倍率で求めます。EBITDA 5億円×7倍で35億円です。シニアローン4倍で20億円、メザニン0.5倍で2.5億円、負債合計は22.5億円となり負債倍率は4.5倍、必要なエクイティは12.5億円になります。金利3%なら年間の支払利息は6,750万円で、EBITDAに対するインタレストカバレッジは約7.4倍です。利息控除後に実効税率30%を適用し設備投資8,000万円を引くと年間のキャッシュフローは約2.23億円となり、5年で約11.1億円を返済します。5年後に7.5倍で売却すると株主価値は約26.1億円、投資倍率は約2.09倍、IRRは約15.9%という計算です。

LBOの資本構成の目安

シニアローンDebt/EBITDA 3〜4倍。金融機関の与信判断の中心となる部分
メザニン0.5〜1.5倍。劣後する代わりに金利が高く、優先株や劣後ローンの形をとる
エクイティ買収総額の30〜40%。ファンドと経営陣が拠出する
コベナンツ純有利子負債倍率やDSCRに基準を設け、抵触すると期限の利益を失う

LBO負債倍率の詳しい解説

LBOのレバレッジ水準は、対象会社のキャッシュフローがどれだけ安定しているかで決まります。負債倍率を高くすればエクイティの拠出額が減り、同じ企業価値の上昇でも株主のリターンは大きくなります。一方で元利の返済負担は固定的に発生するため、業績が想定を下回ったときの耐性は下がります。この均衡点として、シニアローンで3倍から4倍、メザニンを含めて5倍から6倍という水準が実務上の目安とされてきました。金利が低い局面では6倍から7倍まで許容されることもありましたが、金利上昇局面ではその水準では利払いが賄えず、保守的な構成に戻る傾向があります。金融機関が見るのは倍率そのものより返済可能性です。インタレストカバレッジは営業利益や EBITDA を支払利息で割った指標で、3倍を下回ると与信判断は厳しくなります。加えてDSCRと呼ばれる元利返済に対するキャッシュフローの倍率が設定され、1.2倍程度を下回らないことをコベナンツとして定めるのが一般的です。コベナンツに抵触すると期限の利益を喪失し、一括返済を求められる可能性があるため、事業計画の下振れ余地をどこまで見込むかが交渉の焦点になります。見落とされやすいのが設備投資と運転資本です。EBITDAは減価償却前の利益であり、実際には設備の更新に資金が出ていきます。装置産業のように設備投資がEBITDAの多くを占める業種では、見かけの倍率が同じでも返済に回せる金額は大きく異なります。成長に伴って売掛金と在庫が増える事業では、運転資本の増加分もキャッシュを吸収します。したがってレバレッジの上限は業種によって変わり、安定した契約収入があるサービス業では高く、景気変動を受ける製造業では低く設定されます。リターンの源泉は3つに分解できます。EBITDAの成長、倍率の変化、そして負債の返済です。返済によるリターンは、企業価値が変わらなくても負債が減れば株主価値が増えるという構造から生じるもので、レバレッジをかける最大の理由になります。買収時より高い倍率で売却できればさらにリターンは伸びますが、これは市場環境に依存するため、計画段階では入口と同じか保守的な倍率を置くのが通例です。日本では事業承継を背景とした中小企業のM&Aが増え、サーチファンドのように小規模な買収を対象とする形態も現れました。この規模ではEBITDAが数千万円から数億円にとどまり、金融機関が付けられる融資の倍率は3倍前後と低めになります。買い手の類型によって調達できるレバレッジが異なる点は、価格の提示力にそのまま影響します。

業界・現場での使い方

買収の資金計画

負債とエクイティの構成から必要な拠出額を把握します。

リターンの検証

想定する保有期間と売却倍率でIRRが成立するかを確認します。

与信の事前検討

インタレストカバレッジが金融機関の目安を満たすかを確認します。

よくある間違い・注意点

  • EBITDAをそのまま返済原資と考える — 設備投資と運転資本の増加分が差し引かれます。装置産業では返済に回せる金額が大きく減ります。
  • 出口の倍率を入口より高く置く — 市場環境に依存するため計画の前提にはできません。入口と同じか保守的な倍率で検証してください。
  • コベナンツの余裕を見ない — 抵触すると期限の利益を失います。計画が下振れした場合でも基準を満たすかを確認してください。

関連する規格・法規

  • 中小M&A協会
  • 経産省M&A指針

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

レバレッジは何倍まで可能ですか。

シニアローンで3〜4倍、メザニンを含めて5〜6倍が実務上の目安です。業種のキャッシュフローの安定度により変わります。

インタレストカバレッジの目安は。

3倍を下回ると金融機関の与信判断は厳しくなります。金利上昇の影響を織り込んで確認してください。

中小企業のM&Aでも同じ倍率が使えますか。

規模が小さいほど融資の倍率は低くなり、3倍前後にとどまることが多くなります。買い手の類型によっても差があります。