休業手当
平均賃金と休業日数から、労働基準法に基づく休業手当の額を計算します。
休業手当ツール
計算式と考え方
休業手当は平均賃金を基準に計算します。平均賃金は「直近3か月の賃金総額 ÷ その期間の暦日数」で求め、賃金総額99万円を92日で割ると10,760.86円です。日給や時給の場合は「賃金総額 ÷ 労働日数 × 60%」で求めた最低保障額と比べ、高いほうを採ります。この例では最低保障が9,900円のため平均賃金は10,760.86円のままです。支給率60%を掛けると日額は6,457円となり、10日分では64,570円になります。同じ10日を通常どおり勤務していれば165,000円だったため、減収は100,430円、通常賃金に対する補償率は約39.1%です。
休業手当の要点
| 支給の要件 | 使用者の責に帰すべき事由による休業が対象です。天災など不可抗力は該当しません |
|---|---|
| 最低額 | 平均賃金の60%以上と定められています。これを下回る定めは無効になります |
| 平均賃金の算定 | 直近3か月の賃金総額を暦日数で割ります。日給制などには労働日数基準の最低保障があります |
| 賞与などの扱い | 3か月を超える期間ごとに支払われる賞与は賃金総額に含めません |
休業手当の詳しい解説
休業手当は、使用者の都合で労働者を休ませた場合に、平均賃金の60%以上を支払うことが労働基準法で定められた制度です。生活の保障と、雇用関係を維持したまま復帰できる状態を保つことが目的とされています。60%という水準は、賃金の全額ではないものの、生活の基礎的な部分は維持できるという考え方から設定されたもので、これを下回る定めは労使が合意していても無効になります。判断が分かれるのは、どこまでが使用者の責に帰すべき事由に当たるかです。受注の減少、原材料の調達難、機械の故障、経営上の判断による操業停止は、使用者側の事情として休業手当の対象になると解されています。一方、地震や台風のように事業の外部から生じ、通常の注意を尽くしても避けられない事態は不可抗力とされ、対象外になり得ます。ただし不可抗力と認められるには、外部から生じた事故であることと、使用者が最大限の注意を尽くしてもなお避けられないことの両方を満たす必要があるとされており、判断は個別の事情によります。実際の適用については、労働基準監督署や専門家への確認が必要です。平均賃金の計算方法にも注意点があります。分母は労働日数ではなく暦日数であるため、休日を含めた日数で割ることになり、1日あたりの金額は実際の日給より低く出ます。月給30万円台の人でも平均賃金は1万円程度で、その60%にあたる6,000円台が休業手当の日額になります。通常なら1日1万6,500円を得ていた人が6,457円しか受け取れない構造であり、補償率は4割弱にとどまります。60%という数字の印象と実際の手取りへの影響には差がある点を理解しておく必要があります。日給制や時給制、出来高払制の労働者には最低保障の仕組みが設けられています。稼働日数が少ない月があると暦日数基準の平均賃金が著しく低くなるため、賃金総額を労働日数で割った額の60%と比べ、高いほうを平均賃金とする扱いが定められています。この保障を適用し忘れると、本来より低い額で計算することになります。賃金総額の範囲も実務上の論点です。基本給と各種手当、時間外手当は含まれますが、3か月を超える期間ごとに支払われる賞与や臨時の賃金は除かれます。法定の60%は最低額であり、就業規則や労使協定で80%や100%と定めることは可能です。休業が長期にわたると60%では生活が維持できず離職につながるため、雇用の維持を重視する会社では上積みを行う例があります。休業を実施した事業主を支援する助成金も設けられており、要件を満たせば手当の一部が補填されます。制度の内容は変わるため、最新の要件の確認が必要です。
業界・現場での使い方
手当額の確認
平均賃金から法定の休業手当額を計算します。
家計への影響
休業中の収入がどこまで減るかを把握します。
制度設計の検討
支給率を上積みした場合の負担額を試算します。
よくある間違い・注意点
- 平均賃金を労働日数で割って計算する — 分母は暦日数と定められています。労働日数で割ると金額が過大になります。
- 日給制の最低保障を適用し忘れる — 日給や時給の場合は労働日数基準の6割と比べ高いほうを採ります。適用漏れは支給不足になります。
- 60%なら手取りも6割残ると考える — 暦日数基準のため通常賃金に対する補償率は4割前後にとどまります。生活設計は実額で確認してください。
関連する規格・法規
- 厚生労働省
- 日本年金機構
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
何%以上支払う必要がありますか?
使用者の責による休業では平均賃金の60%以上と労働基準法で定められています。
天災による休業も対象ですか?
不可抗力と認められれば対象外になり得ます。判断は個別の事情によるため専門家への確認が必要です。
100%支給にすることはできますか?
できます。就業規則や労使協定で60%を上回る率を定めることが可能です。