厨房機器初期
客席数と業態から、飲食店の厨房機器と設置工事にかかる初期投資を試算します。
厨房機器初期ツール
計算式と考え方
厨房機器費は「客席数 × 席あたり単価 + 厨房面積 × 坪単価」で概算します。定食業態は席あたり22万円が目安で、20席なら440万円、これに8坪 × 20万円の160万円を加えて定価ベースで600万円です。30%を中古で揃え55%の値引きが得られるとすると、新品分420万円と中古分81万円で機器の実費は501万円になります。設置・給排水・電気工事費を機器費の25%とすると約125万円、総初期投資は約626万円です。半分をリースで賄うと自己資金は約313万円、月額リース料は料率1.9%で約59,500円、1席あたりの投資額は約31万円となります。
業態別の席あたり機器費の目安
| 定食・大衆食堂 | 1席あたり22万円前後。炊飯・焼き・揚げの基本構成で機器点数は中程度です |
|---|---|
| カフェ・喫茶 | 1席あたり15万円前後。加熱機器が少なく、抽出機と冷蔵が中心になります |
| ラーメン・麺類 | 1席あたり28万円前後。茹で麺機と寸胴の熱源、排気設備の負担が大きくなります |
| フレンチ・イタリアン | 1席あたり32万円前後。オーブンや低温調理機など単価の高い機器が増えます |
厨房機器初期の詳しい解説
厨房機器の初期投資は、客席数と業態の組み合わせでおおよその水準が決まります。席数が増えればピーク時に同時に処理すべき皿数が増え、加熱機器の口数や冷蔵庫の容量を上げる必要が生じるためです。業態の差は熱源の構成に表れます。カフェのように加熱工程が少ない業態では機器点数が抑えられる一方、麺類やフライを扱う業態では大出力の熱源と、それに見合う排気設備が必要になり、機器そのものより付帯設備の負担が大きくなることがあります。見落とされやすいのが設置と付帯工事の費用です。機器を買っただけでは稼働せず、給水と排水の配管、ガス管の口径確保、動力電源の引き込み、グリスフィルター付きの排気フードとダクト、床の防水と勾配といった工事が必要になります。これらは機器費の20%から40%程度になることが多く、居抜き物件でも前の業態と熱源構成が違えば、ガス容量の変更や電気の増設が発生します。物件を決める前に、必要な電気容量とガス容量、排気経路が確保できるかを確認しておくと、後からの追加工事を避けられます。中古機器の扱いは判断が分かれる論点です。冷蔵庫やコンロのように構造が単純で、故障しても短時間で代替できる機器は中古の相性が良く、定価の半額以下で入手できることもあります。一方、食器洗浄機や製氷機のように水回りと消耗部品が絡む機器は、中古で導入すると修理費と停止時間の損失が重なりやすく、新品や保守契約付きの方が結果的に安く済む場合があります。保証期間の有無、部品供給が続いているか、設置後の調整を誰が行うかを確認したうえで選ぶことになります。リースを使うかどうかも重要です。リースは初期の現金支出を抑えられ、月額を経費として平準化できる利点があります。ただし総支払額は購入より1割から2割程度多くなるのが一般的で、途中解約が原則できないため、業態転換や閉店の際に負担が残ります。開業直後の運転資金を厚く確保したい場合はリース、資金に余裕があり長く使う見込みが立つ場合は購入というように、資金繰りの状況で選び分けるのが現実的です。回収の目安としては、1席あたりの投資額を月商や客単価と並べて考えます。席あたり30万円の投資で月商が席あたり15万円あれば、営業利益率次第で数年での回収が見込めます。投資を抑えすぎてピーク時の提供が追いつかない状態は、機会損失として売上に跳ね返るため、能力と投資のつり合いを確認する必要があります。
業界・現場での使い方
開業資金の計画
機器と工事を合わせた初期投資の総額を把握します。
調達方法の比較
新品と中古、購入とリースの組み合わせで自己資金の必要額を比べます。
物件選定の判断
必要な工事費を見込んで、居抜きとスケルトンの実質差を確認します。
よくある間違い・注意点
- 機器の本体価格だけで予算を組む — 給排水・ガス・電気・排気の工事費が機器費の2割から4割かかります。総額で見積もってください。
- すべてを中古で揃えようとする — 洗浄機や製氷機は故障時の停止損失が大きくなります。機器ごとに新品と中古を使い分けてください。
- リースの総支払額を確認しない — 総額は購入より1割から2割多くなるのが一般的です。途中解約できない点も含めて比較してください。
関連する規格・法規
- 日本フードサービス協会
- ぐるなび統計
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
20席規模の目安はどのくらいですか?
業態によりますが、工事費込みで300万円から800万円の幅に収まることが多い水準です。
居抜き物件ならどれだけ安くなりますか?
前の業態が近ければ大きく下がります。熱源構成が違うとガスや電気の工事が必要になり差は縮まります。
リースと購入はどちらが有利ですか?
総額では購入が有利です。開業直後の運転資金を確保したい場合はリースが選ばれます。