eNPS従業員推奨度
推奨度の回答分布から、従業員推奨度(eNPS)を算出します。
eNPS従業員推奨度ツール
計算式と考え方
eNPSは「推奨者の割合 − 批判者の割合」で求めます。250人の回答のうち、9〜10点をつけた推奨者が50人(20%)、0〜6点の批判者が90人(36%)なら、20 − 36 で −16という値になります。7〜8点の中立者は計算に含めません。この指標は−100から+100の範囲を取り、日本企業では負の値になることが多いという特徴があります。回答率も併せて確認すべき指標で、320人中250人の回答なら78%です。回答率が低い場合、意見の強い層に偏った結果になっている可能性があります。離職率も併せて見ると状態がつかみやすくなります。全従業員320人で離職率が12%なら、年間の離職者は約38人です。厚生労働省の雇用動向調査による全産業の離職率は15%前後であり、この例はそれを下回る水準にあたります。
eNPSの解釈
| +50以上 | 極めて高い水準。世界的にも上位 |
|---|---|
| +20〜+50 | 良好。従業員の満足度が高い |
| 0〜+20 | 標準的 |
| 負の値 | 日本企業では一般的。ただし要因の把握は必要 |
eNPS従業員推奨度の詳しい解説
eNPSは「この会社を親しい友人や知人にどの程度すすめたいか」という質問への回答から算出する指標です。0〜10点で回答してもらい、9〜10点を推奨者、7〜8点を中立者、0〜6点を批判者として分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引きます。中立者を計算から除外するのは、その層が積極的な行動を取らないという前提によります。この指標の特徴は、単純な満足度調査より厳しい結果が出ることです。「満足しているか」ではなく「他人にすすめられるか」を問うため、回答者は自分の評判を賭けることになり、慎重な回答になります。日本企業では負の値が一般的で、これは文化的に極端な評価を避ける傾向があることも一因とされています。このため、絶対値で他国や他社と比較することには限界があり、自社の時系列での変化を追うほうが実務的な使い方になります。値そのものより重要なのが、なぜその評価なのかという理由です。点数だけを集めても改善にはつながらず、自由記述による理由の収集が不可欠です。「なぜその点数をつけましたか」という追加の質問により、具体的な要因が把握できます。批判者の理由には改善すべき課題が、推奨者の理由には維持・強化すべき強みが現れます。回答率の管理も重要です。回答率が低いと、意見の強い層(極端に満足している人か、極端に不満な人)に偏った結果になります。また、匿名性が担保されていないと感じられると、本音の回答が得られません。誰が何を答えたか分からない仕組みと、その説明が、信頼できるデータを得る前提になります。組織の規模が小さい部署では、回答者が特定されうるため、一定人数以下の集団では結果を分けて表示しないという配慮も必要です。測定して終わりにしないことが最も重要です。調査を実施しながら何も変わらない状態が続くと、回答すること自体への意欲が失われ、次回以降の回答率と信頼性が下がります。結果の共有、課題の特定、具体的な取り組み、そしてその成果の報告というサイクルを回すことで、調査が組織改善の手段として機能します。
業界・現場での使い方
組織診断
従業員の推奨度を数値化し、時系列で変化を追跡します。
部署間の比較
部署ごとの値を比較し、課題のある組織を特定します。
施策の評価
組織改善の取り組みの前後で変化を確認します。
よくある間違い・注意点
- 点数だけを集める — 理由が分からなければ改善につながりません。自由記述による理由の収集が不可欠です。
- 他社の数値と単純比較する — 文化的な回答傾向の違いがあります。自社の時系列変化を追うほうが実務的です。
- 測定して終わりにする — 何も変わらないと回答意欲が失われます。結果の共有と具体的な取り組みが必要です。
関連する規格・法規
- 日本人材マネジメント協会
- SHRM
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
日本企業の平均は?
負の値になることが多く、−30前後という調査もあります。文化的な回答傾向が影響しています。
なぜ中立者を除くのですか?
7〜8点の層は積極的な行動を取らないという前提によります。推奨と批判の差を見る設計です。
どのくらいの頻度で測定しますか?
半年から1年に1回が一般的です。改善の取り組みを実施する期間を確保する必要があります。