ラストワンマイル配送
配達件数と再配達率から、ラストワンマイル配送のコストを試算します。
ラストワンマイル配送ツール
計算式と考え方
1件あたりの配送コストは「1日の総コスト ÷ 配達件数」で求めます。ドライバー日当18,000円、車両5,000円、燃料3,000円で計26,000円、150件配達なら1件約173円です。再配達を考慮すると実際の配達回数は増えます。再配達率11%のうち、宅配ボックスでの受取が15%を吸収するとすれば実効的な再配達率は約9.4%、実配達回数は164回になります。この増分にかかるコストは月に約22万円で、再配達をなくせばそのまま削減額になります。
再配達を減らす手段
| 宅配ボックス | 不在時でも受け取れる。設置コストは必要だが効果が確実 |
|---|---|
| 置き配 | 指定場所への配達。盗難リスクの説明と同意が前提 |
| コンビニ・駅受取 | 受取人の都合に合わせられる。近隣に拠点があることが条件 |
| 時間帯指定・事前通知 | 在宅率を上げる。通知の到達と確認が前提になる |
ラストワンマイル配送の詳しい解説
宅配における再配達は、物流業界の生産性を大きく損なう要因です。再配達は同じ荷物に対して2回以上の配達作業が発生することを意味し、そのぶんドライバーの時間と燃料が消費されます。1件の再配達にかかる時間は10〜15分程度で、これが積み重なることで1日に配達できる件数が減り、結果として1件あたりのコストが上昇します。再配達率は改善傾向にあるものの、依然として1割前後で推移しており、削減の余地が残されています。削減の手段として最も効果が確実なのが宅配ボックスです。不在時でも受け取れるため再配達が発生せず、受取人にとっても時間の制約から解放されます。新築のマンションでは標準装備が一般的になり、戸建て向けの製品も普及しています。設置費用はかかりますが、再配達の削減効果を考えると社会全体では合理的な投資といえます。置き配も広く定着しました。玄関前や指定の場所に荷物を置く方式で、受取人の在宅が不要になります。盗難や破損のリスクがあるため、事前の同意と補償の仕組みが前提になりますが、事業者側にとっては配達1回で完了する確実性が最大の価値です。コストは地域によっても変わります。配達先が密集した都市部では1日の件数を伸ばせますが、戸建てが点在する地域では移動時間が長くなり、同じ人員でも件数が伸びません。全国一律に近い料金設定は、この差を都市部の効率で吸収する構造になっています。ドライバーの就業形態も費用の見え方を左右し、日給で雇う場合と1個いくらで委託する場合では変動の仕方が異なります。個建ての委託は繁閑への対応がしやすい一方、再配達の負担がドライバー側に偏りやすいという指摘もあります。コスト構造では人件費が最大の項目である点が重要です。ドライバーの確保は業界全体の課題で、労働時間の規制強化により1人あたりの稼働可能時間も限られます。この制約下で処理件数を増やすには1件あたりの所要時間を短縮するしかなく、再配達の削減、配達ルートの最適化、集合住宅での一括配達といった施策が並行して進められています。受け取る側でできることもあります。時間帯指定を実際に在宅している枠に合わせる、事前通知を受け取れる設定にしておく、まとめ買いで配達回数そのものを減らすといった行動は、1件ずつは小さくても全体では再配達率に反映されます。
業界・現場での使い方
物流管理
配送コストの構造を把握し、改善の優先順位を決めます。
投資判断
宅配ボックス導入などによる削減効果を試算します。
料金設定
1件あたりのコストから配送料金の妥当性を検討します。
よくある間違い・注意点
- 再配達のコストを計上しない — 実際の配達回数が増えます。1件あたりの単価計算に含める必要があります。
- 件数を増やすことだけを考える — 1件あたりの所要時間が制約です。再配達の削減が処理能力の向上につながります。
- 置き配を同意なく実施する — 盗難や破損のトラブルになります。事前の同意と補償の仕組みが前提です。
関連する規格・法規
- 国交省
- 日本物流団体連合会
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
再配達率の水準は?
1割前後で推移しています。宅配ボックスと置き配の普及により改善傾向にあります。
1件あたりのコストは?
人件費と車両費を配達件数で割ります。150件で日当26,000円なら約173円です。
最も効果的な削減策は?
宅配ボックスの設置です。不在でも受け取れるため再配達が構造的に発生しません。