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チラー冷水空調ポンプSHASE

チラー冷水流量(冷凍能力÷ΔT)|空調・データセンター冷却設計ツール

冷凍能力(kW)と冷水温度差(ΔT℃)から必要冷水流量(L/min)と推奨管径(DN)を即算出する無料電卓。SHASE-S 010(空気調和・衛生工学会規格)・JRA 4046(日本冷凍空調工業会)準拠、水の比熱4.186kJ/kg・K・密度1kg/Lをベースに一次-二次ポンプ流量を設計。標準ΔT5℃と省エネ大温度差方式ΔT10℃の使い分け、流速1.5-2.5m/s目安によるDN40〜DN250の管径選定、変流量制御(VWV/CWV)による搬送動力削減、冷水コイル出口温度制御、二次ポンプの台数分割制御、データセンター(DC)高密度冷却まで、ゼネコン設備設計・空調施工・工場保全・DCファシリティ担当者向けに6000字級で徹底解説します。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

チラー冷水流量ツール

冷水流量の計算式と物性値

① 基本計算式

Q(L/min) = 能力(kW) × 60 / (4.186 × ΔT)

Q(m³/h) = 能力(kW) × 0.86 / ΔT ÷ 1000 (簡易式)

比熱4.186kJ/kg・K、水密度1kg/Lをベースにした熱量-流量換算式。350kW・ΔT5℃で1005L/min(=60.3m³/h)、ΔT10℃なら502L/min(=30.1m³/h)と流量半減。搬送ポンプ動力もほぼ半減し、大温度差方式が省エネ設計の主流となっています。

② 水の物性値と温度依存性

冷水系の設計基準物性は比熱4.186kJ/kg・K、密度1.000kg/L(4℃時)。実用の7-15℃域では密度999-1000kg/L、比熱4.184-4.190kJ/kg・Kと変動は0.1%以下で無視可能。ただしブライン(不凍液)使用時は物性が大きく異なるため注意が必要です。エチレングリコール30%水溶液で比熱3.6kJ/kg・K・密度1.05kg/L、同一能力に対して流量は約17%増となります。

③ 管径選定の流速基準

推奨流速は1.5-2.5m/s(SHASE-S 010)。流速3m/s超は騒音・振動・エロージョン(配管内面浸食)、1m/s未満はスラッジ堆積・空気溜まりの原因。流量Q(m³/s)と管断面積A(m²)から流速v=Q/A、DN(呼び径)は内径基準で選定します。

④ ポンプ動力の推算

ポンプ軸動力(kW) = 流量(m³/s) × 全揚程(m) × 9.81 / 効率

500L/min・全揚程30m・効率70%なら軸動力3.5kW、電動機容量4kWが目安。流量を半減させれば動力は1/4〜1/8(親和則:動力∝流量³)。ここが大温度差方式の省エネインパクトの源泉です。

流量別 推奨管径早見表

流量(L/min)流量(m³/h)管径DN内径参考流速(m/s)目安
50-1003-6DN40 (1.5B)φ41.20.8-1.4
100-3006-18DN65 (2.5B)φ67.90.9-1.6
300-80018-48DN100 (4B)φ105.31.0-2.0
800-200048-120DN150 (6B)φ155.21.4-2.5
2000-4000120-240DN200 (8B)φ204.71.5-2.6
4000-240-DN250 (10B)以上φ254.21.5-3.0

※管種:SGP-VS(硬質塩ビ内面ライニング鋼管)またはSTPG(圧力配管用炭素鋼)が標準。流速2m/s設計、施工余裕で1サイズアップも実務では選択されます。

チラー冷水流量の詳しい解説

① 冷水系の熱バランス基本

チラーは「電気で冷媒を圧縮し、蒸発器で冷水から熱を奪う」装置。蒸発器での熱交換量Q=m×Cp×ΔTから、必要冷水流量が決まります。ここでmは質量流量(kg/s)、Cpは比熱、ΔTは冷水入口-出口温度差。標準ΔT=5℃(往温度12℃/還温度7℃)が空調業界の伝統的設計値ですが、省エネ観点で大温度差方式への移行が進んでいます。

② 流量設計が肝である理由

冷水系設計の最大論点は「流量-温度差のトレードオフ」。同じ冷凍能力でも、大流量・小温度差方式はポンプ動力大・コイル能力大、小流量・大温度差方式はポンプ動力小・コイル能力小となります。ライフサイクル的にはポンプ搬送電力が支配的で、大温度差方式が経済的というのが業界コンセンサス。

③ コイル出口温度が制約になる

大温度差方式(ΔT10℃)を成立させるには、冷水コイル出口で7℃→17℃まで昇温させる必要があります。コイル熱交換面積の増加、コイル通過時間の確保、熱交換効率の向上が要件。既存設備をそのままΔT倍化はできず、コイル設計の見直しが必要です。

④ 変流量制御の普及

従来は定流量(CWV: Constant Water Volume)制御でしたが、変流量(VWV: Variable Water Volume)+インバータ制御への転換が進んでいます。負荷に応じて流量を絞ることで、ポンプ動力を負荷率²〜³乗で削減。年間搬送動力を30-50%削減する事例も報告されており、省エネ改修の主要手法です。

⑤ 冷水搬送距離と圧損

大規模施設では冷水搬送距離が数百mに及ぶことも。直管圧損は概ね200-500Pa/m、曲がり・分岐・弁類の局部圧損を加えると全体で20-40mAqの全揚程となります。全揚程の削減が搬送動力削減の要点で、配管ルート最適化・低圧損機器選定・二次ポンプ分散配置が効果的です。

一次-二次ポンプ方式の設計

一次ポンプ(蒸発器側)

チラー蒸発器の冷水流量を定流量維持する役割。定格流量を確保して蒸発器凍結防止・熱交換効率維持。台数分割で運転チラー数に応じた必要流量のみを流します。

二次ポンプ(負荷側)

空調機・FCU側の負荷変動に追従。VWV制御でインバータ回転数を調整し、負荷率に応じた最小流量を搬送。ポンプ動力削減の主戦場。

バイパス管の役割

一次系と二次系を接続するバイパス管で流量差を吸収。二次流量>一次流量なら還水混合、逆なら送水混合。バイパス流量ゼロが理想の最適運転点。

複数チラー並列運転

負荷に応じて必要台数のみ運転。部分負荷でチラー台数を絞ることで、各チラーの効率(COP)を高負荷域で維持し、システム全体のエネルギー消費を最小化。

末端バイパス弁(差圧制御)

負荷側の末端差圧を検知し、二次ポンプの吐出圧を制御。負荷率低下時に自動で流量を絞り、搬送動力を削減。BEMSとの連動で最適運転を継続。

並列ポンプの台数制御

二次ポンプ2-4台の並列設置+台数制御で、低負荷時は少台数運転。1台あたりの流量を定格近傍に保ち、ポンプ効率を最大化。省エネと信頼性を両立。

大温度差方式ΔT10℃の省エネ効果

① 大温度差方式のメリット

ΔTを5℃→10℃と倍にすると冷水流量は半減、ポンプ搬送動力は親和則により1/4〜1/8まで削減可能。一次エネルギー消費全体で15-25%の削減効果が実測されています。冷水管径も1サイズダウン可能で、初期投資も削減。

② 実現に必要な条件

  • 冷水コイルの大容量化 — 熱交換面積を1.5-2倍
  • 低温冷水(往5-6℃) — チラー低温対応、蒸発温度低下でCOP若干悪化
  • ファンコイルユニット(FCU)対応 — 大容量FCU選定、除湿性能確保
  • 制御系統の最適化 — VWV+末端差圧制御が必須

③ ライフサイクルコスト比較

初期投資は+3-8%(コイル大型化・低温対応チラー)、ライフサイクル動力費は-20-30%という試算が典型的。ROI 3-5年で回収可能。省エネ補助金(SII等)活用でさらに短縮できる案件も多く、大型施設・DC・ホテル・病院で採用が広がっています。

④ 導入時の留意事項

大温度差はチラー蒸発温度低下によりCOP低下(1-3%)を伴います。搬送動力削減>チラーCOP低下のバランスをシミュレーションで確認することが実務。年間熱負荷パターンを反映した動的シミュレーション(LCEM等)での事前検討が定石です。

変流量制御(VWV)と搬送動力

① 親和則(Affinity Law)

流量Q ∝ 回転数N

全揚程H ∝ 回転数N²

動力P ∝ 回転数N³

流量を50%に絞れば動力は12.5%(1/8)まで削減という強力な省エネ原則。ただし実設備では静圧維持(末端差圧セットポイント)が必要なため、実測動力は負荷率²程度が現実的な相関です。

② インバータの選定と適用

ポンプ用インバータはV/F制御(汎用)で十分。負荷特性に応じたトルクブースト設定、最低回転数下限(20-30%)、始動時ソフトスタートで機械的ストレスを緩和します。高調波発生対策(高調波抑制ガイドライン準拠)、リアクトル追加も必要に応じて。

③ 制御アルゴリズム

基本は末端差圧一定制御。負荷側の最遠末端差圧を検知し、インバータ回転数で吐出圧を調整。ゾーン別末端差圧の同時制御・最小圧側優先制御など複数ゾーンの最適化アルゴリズムも普及。BEMSとの連動でAI予測制御まで進化しています。

④ 省エネ効果の実測

従来定流量→VWVへの改修で年間搬送動力30-50%削減が実測されています。改修費用は数百万円〜、削減電力量から計算するとROI 2-4年程度。省エネ法特定事業者の中長期計画にも組み込まれる標準改修施策です。

業界・現場での使い方

セントラル空調(ビル)

ビル冷水系のポンプ・配管選定。基準階平面での立管配置、階別ゾーン制御、共用部・専有部の分離設計まで、ゼネコン設備設計の基本ツール。

データセンター冷却系

サーバ排熱の高密度・高信頼性冷却設計。N+1・2N構成の冗長化、大温度差方式によるPUE低減、直接液冷(DLC)への発展的検討にも活用。

工場プロセス冷却

金型冷却・射出成形・食品プロセスなど、生産設備向け冷却水設計。品質管理上の温度安定性(±1℃制御)を確保する熱容量計算に。

病院・ホテル空調

個別空調とセントラル空調の混在系。24時間運転前提の信頼性設計、感染対策の陽陰圧維持、静音対策までの総合設計に活用。

地域冷暖房

都市地域冷暖房プラントの配管網設計。数キロの搬送距離に対する経済的管径選定、大温度差方式の必然性(搬送動力最小化)の検討に。

省エネ改修・診断

既存ビル・工場のエネルギー診断+VWV改修提案。エネマネ有資格者・ESCO事業者による診断業務、省エネ法定期報告・SII補助金申請にも活用。

データセンター冷水系の特殊性

① 高熱負荷密度への対応

近年のDCはラック単位で20-50kWと高熱負荷。従来空調(1ラック5-10kW)の3-5倍の冷却能力が必要で、大流量・大温度差冷水系が必須です。列間空調(In-Row Cooling)・後扉冷却(Rear Door Heat Exchanger)・直接液冷(Direct Liquid Cooling)など多様な冷却方式が発展中。

② PUE低減と大温度差方式

PUE(Power Usage Effectiveness)=総電力/IT機器電力はDC業界の効率指標。冷却系電力の削減がPUE 1.5→1.2への鍵で、大温度差冷水+高効率チラー+外気冷房(フリークーリング)の組合せが主流。ハイパースケールDCではPUE 1.1台の実績も。

③ 冗長性(信頼性)設計

N+1(通常運転台数+予備1台)や2N(完全二重化)が標準。冷水系停止=サーバ停止=業務停止という厳しい信頼性要件に応えるため、チラー・ポンプ・配管系統すべて冗長化。管径選定でも冗長化構成での流量配分検討が必要です。

④ 直接液冷への発展

従来の空冷→水冷を超えて、サーバチップに直接冷水を送る液冷(DLC: Direct Liquid Cooling)が実用段階。冷水温度も30-40℃と高めで、フリークーリング活用でチラー稼働を大幅削減。次世代DC設計の主要トレンドで、冷水流量計算もこの前提で見直し中です。

事例で学ぶ流量設計

ケース1: 中規模オフィスビル(冷凍能力500kW)

都心オフィス床面積10,000m²、冷凍能力500kW。従来設計ΔT5℃なら流量1,435L/min、DN150管径。大温度差ΔT10℃改修で流量718L/min、DN125に縮小可能。年間搬送動力35%削減、電気代年間150万円削減の試算。VWV改修と同時実施でROI 3.5年。

ケース2: 大型ホテル(冷凍能力1,200kW)

200室ホテルの冷凍能力1,200kW、24時間稼働。ΔT7℃設計で流量2,459L/min、DN200管径。二次ポンプ3台並列+VWV制御、末端差圧セットポイント可変制御を導入。年間電力消費25%削減、CO2排出年間800t削減。省エネ補助金1/3活用でROI 4年。

ケース3: 半導体工場(冷凍能力3,000kW)

クリーンルーム空調+プロセス冷却の複合系統、冷凍能力3,000kW。品質管理上の温度安定性±0.5℃要件。ΔT4℃設計で流量7,180L/min、DN300管径。冗長化2N構成、複数チラー並列運転で信頼性確保。プロセス品質と省エネの両立が設計要件。

ケース4: データセンター(冷凍能力2,000kW)

ハイパースケールDC、冷凍能力2,000kW、ラック20kW×100ラック。大温度差方式ΔT10℃+高温冷水(往温度10℃)+フリークーリング併用。年間PUE 1.25達成、従来型比40%省エネ。N+1冗長化、直接液冷への発展的対応も設計に織り込み。

よくある間違い・注意点

  • ΔT過大による冷水コイル能力不足 — ΔT10℃想定でも冷水コイルが対応できないと、コイル出口温度が上がらず室内温度が上昇。大温度差方式はコイル同時改修が前提。
  • 管径過小による流速3m/s超 — 騒音・振動・エロージョンの原因。SHASE-S 010の1.5-2.5m/s域を厳守、末端流速3m/s以下を実施検証。
  • ブライン使用時の物性補正忘れ — エチレングリコール30%で流量17%増・圧損20%増。物性補正なしで設計するとポンプ能力不足に。
  • 定流量方式のまま省エネ検討 — 定流量方式は搬送動力が固定。VWV転換なしに大幅削減は困難、改修投資の第一候補。
  • 末端差圧セットポイント過大 — 全負荷時の末端差圧を全時間維持する制御では省エネ効果が薄い。負荷追従セットポイント制御を導入。
  • 一次-二次のバイパス流量放置 — バイパス流量大は運転効率低下の兆候。二次側VWV+一次ポンプ台数制御で最適化。
  • チラー並列運転で全台低負荷運転 — チラーは高負荷でCOP高い。台数制御で必要台数のみ運転し、各台を定格近傍で稼働させる。
  • DCで一般ビル空調と同じ設計 — DCは高熱負荷密度+信頼性要件。冗長化・大温度差・フリークーリング前提の専用設計が必須。
  • ポンプ選定で余裕見込みすぎ — 全揚程30%増などの過剰余裕は運転効率悪化の原因。詳細計算での適正選定+インバータ制御が現代設計。
  • 省エネ効果を試算せず改修投資判断 — VWV改修は動的シミュレーション(LCEM等)で年間効果を試算後にROI判断すべき。

設計・施工のチェックリスト

① 設計段階

  • 年間熱負荷パターンの動的シミュレーション(LCEM等)
  • ΔT設計値の妥当性検討(5℃/7℃/10℃)
  • 一次-二次ポンプ方式の適用可否検討
  • VWV制御の適用範囲と省エネ効果試算
  • 末端差圧セットポイント制御ロジックの設計
  • チラー・ポンプ台数分割の適正化
  • フリークーリング適用検討(中間期・冬期)
  • 冗長化構成(N+1/2N)の必要性判断

② 施工段階

  • 流速計測+管径妥当性の実測確認
  • 末端差圧センサーの適正配置
  • インバータ設定パラメータの最適化
  • バイパス弁の作動確認
  • 試運転調整でのバランス取り

③ 運転・保守段階

  • 年間搬送動力実測+ベンチマーク比較
  • 末端差圧セットポイントの季節調整
  • チラー・ポンプ効率の定期測定
  • ストレーナ清掃・水質管理
  • BEMSデータの継続的分析+改善提案

関連する規格・法規

  • SHASE-S 010 空気調和・衛生工学会 空気調和設備 配管系
  • SHASE-S 001 空気調和・衛生設備工事標準仕様書
  • JRA 4046 日本冷凍空調工業会 チラー標準
  • JIS B 8613 冷凍装置用ポンプ
  • JIS B 8607 冷水コイル性能試験
  • 建築基準法(空気調和設備の技術基準)
  • 建築物省エネ法(BEI・PAL*評価)
  • 省エネ法 建築物エネルギー消費性能
  • フロン排出抑制法(第一種特定製品)
  • 高圧ガス保安法(冷凍装置)
  • ASHRAE 90.1 Energy Standard for Buildings(米国)
  • ASHRAE TC9.9 Data Center Thermal Guidelines
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。冷凍装置の設置・運転には所定の資格(冷凍機械責任者・ボイラー技士等)と定期検査が必要です。

参考文献・公的資料

  • SHASE(空気調和・衛生工学会) SHASE-S 010 空気調和設備 配管系
  • SHASE 空気調和・衛生設備 施工要領書
  • JRA(日本冷凍空調工業会) JRA 4046 チラー標準
  • 資源エネルギー庁「省エネ法の概要」— 建築物・工場の効率化
  • 省エネルギーセンター(ECCJ)技術情報 — 空調搬送系省エネ手法
  • SII(環境共創イニシアチブ) 省エネ投資促進支援事業
  • 建築設備技術者協会(JABMEE) 変流量制御ガイドライン
  • 国土交通省 建築設備計画基準・設計基準
  • JEIS(日本電気工業会) データセンター設備規格
  • NEDO「エネルギー白書」— DCエネルギー消費動向
  • ASHRAE Handbook - HVAC Applications
  • ISO 50001 エネルギーマネジメントシステム
  • The Green Grid PUE Measurement Guideline

よくある質問(FAQ)

350kW・ΔT5℃の冷水流量は?

約1005L/min(60.3m³/h)。管径はDN100(4B)相当、流速約2m/sが標準設計値。ΔT10℃なら流量半減の502L/minでDN80(3B)級となります。

標準ΔT=5℃はなぜ?

従来の低温冷水コイル(FCU)+除湿性能の両立点として業界慣行化。冷水往温度7℃・還温度12℃が標準の設計値です。近年は大温度差方式(ΔT10℃、往5℃・還15℃)への移行が進んでいます。

大温度差方式のメリットは?

流量半減→ポンプ搬送動力1/4〜1/8削減。ライフサイクル電力費20-30%減、ROI 3-5年で回収可能。ただしコイル大型化+低温チラーへの投資が必要。

VWV(変流量)の省エネ効果は?

年間搬送動力30-50%削減が実測実績。改修費用は数百万円〜で、電力量削減からROI 2-4年。省エネ法特定事業者の標準改修施策です。

流速の上限は?

SHASE-S 010で1.5-2.5m/s推奨、3m/s超は騒音・振動・エロージョンで避けるべき。管径選定は流速2m/s基準+施工余裕で選定します。

ブライン系の流量計算は?

エチレングリコール30%水溶液で流量約17%増(比熱低下による)、圧損20%増(粘性増による)。物性補正済み計算式で再設計が必要です。

データセンターの冷水流量は特殊?

高熱負荷密度(20-50kW/ラック)対応で従来空調の3-5倍、大温度差方式+フリークーリング前提の設計。N+1/2Nの冗長化必須で流量配分検討が複雑化します。

ポンプは何台配置すべき?

二次側は2-4台並列+台数制御が標準。低負荷時に少台数運転で各台を定格近傍で運転、ポンプ効率を最大化。1台故障時のバックアップも兼ねます。