運動消費カロリー(METs)|種目・時間・体重から即算出
種目・時間・体重から運動消費kcalを即算出する無料電卓。厚労省「健康づくりのための身体活動基準2013」・国立健康・栄養研究所METs表・ACSM/AHAガイドラインに準拠し、METs式の理論的背景、基礎代謝(BMR)・総消費エネルギー(TDEE)との違い、脂肪1kg=7200kcal理論の実務的な限界、有酸素・無酸素・レジスタンス運動の使い分け、心拍ゾーン(Karvonen法)・EPOC(運動後過剰酸素消費)・週間活動量目標(23メッツ・時)、ダイエット・生活習慣病予防・アスリートのフィジカル管理、フィットネスクラブ・保健指導での使い方まで、保健師・管理栄養士・トレーナー・スポーツ指導者向けに6000字級で徹底解説します。
運動消費カロリーツール
METs式の計算式
① METs法(標準式)
消費kcal = METs × 体重(kg) × 時間(h) × 1.05
METs(Metabolic Equivalents)は「安静時代謝の何倍のエネルギーを使うか」を示す単位。ジョギング(9METs)を30分・65kgで実施すると9×65×0.5×1.05=約307kcal。1.05倍は安静時代謝の実測値を反映した補正で、多くの実務では簡略化して×1.0で計算されることも多いです。
② 簡略式
消費kcal ≈ METs × 体重(kg) × 時間(h)
本ツールでは簡略式を採用。ジョギング(9METs)30分65kgで293kcal。実測との誤差は5-10%以内で、日常のダイエット管理には十分な精度です。
③ 純運動消費(安静時分を差し引く)
純運動消費 = (METs − 1) × 体重 × 時間
「運動しなくても消費するカロリー」を差し引いた純粋な追加消費。ジョギング65kg 30分だと(9−1)×65×0.5=260kcalが純増分。ダイエット計画の厳密な計算ではこちらを使うことがあります。
④ 総消費エネルギー(TDEE)
TDEE = BMR × 活動係数(1.2-1.9)
1日総消費エネルギーは基礎代謝(BMR)に活動係数を掛けて算出。デスクワーク中心1.2、通勤+軽い運動1.375、週3-5回運動1.55、激しい運動1.725、肉体労働1.9。運動によるカロリー消費は、この日常活動+運動の合計として理解します。
METs早見表(主要種目)
国立健康・栄養研究所「改訂版身体活動のメッツ表」および厚労省身体活動基準に基づく代表的な種目のMETs値です。
| 種目 | METs | 強度 | 60分・65kgの消費 |
|---|---|---|---|
| 安静・座位 | 1.0 | 安静 | 65kcal |
| デスクワーク | 1.5 | 低 | 98kcal |
| ウォーキング(ゆっくり) | 3.0 | 低 | 195kcal |
| ウォーキング(標準) | 3.5 | 低-中 | 228kcal |
| ヨガ | 2.5 | 低 | 163kcal |
| ラジオ体操 | 4.0 | 中 | 260kcal |
| 階段昇降 | 4.0 | 中 | 260kcal |
| 筋トレ(中強度) | 5.0 | 中 | 325kcal |
| ゴルフ(打球) | 4.8 | 中 | 312kcal |
| サイクリング(通勤) | 6.8 | 中-高 | 442kcal |
| 水泳(平泳ぎ) | 8.0 | 高 | 520kcal |
| ジョギング(緩やか) | 7.0 | 高 | 455kcal |
| ジョギング(標準) | 9.0 | 高 | 585kcal |
| ランニング(速い) | 11.0 | 超高 | 715kcal |
| テニス(シングルス) | 8.0 | 高 | 520kcal |
| バスケットボール | 8.0 | 高 | 520kcal |
| サッカー(試合) | 10.0 | 超高 | 650kcal |
| 登山(登り) | 7.5 | 高 | 488kcal |
| 雪かき | 6.0 | 中-高 | 390kcal |
| 掃除(激しい) | 3.5 | 低-中 | 228kcal |
種目をさらに細かく分けた場合のMETs
同じ「水泳」「筋トレ」でも、速度・強度でMETsは大きく変わります。よく質問のある種目を細分化した値です。
| 種目 | METs | 60分・65kgの消費 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 早歩き(6km/h前後) | 5.0 | 325kcal | 会話が少し途切れる速さ |
| ランニング(10km/h) | 9.8 | 637kcal | 市民ランナーの巡航ペース |
| 水泳クロール(ゆっくり) | 5.8 | 377kcal | 初心者・回復日向き |
| 水泳クロール(速い) | 9.8 | 637kcal | 全身運動で関節負担が小さい |
| 筋トレ(高強度) | 6.0 | 390kcal | フリーウェイト中心 |
| パワーヨガ | 4.0 | 260kcal | リラックス系ヨガは2.5 |
| バドミントン | 5.5 | 358kcal | 短時間で高強度になりやすい |
| バレーボール(試合) | 6.0 | 390kcal | レクリエーションは3.0-4.0 |
| 柔道・空手・テコンドー(中等度) | 10.3 | 670kcal | 全種目でも最高強度クラス |
METs概念とTDEE
① METsの起源
METsは「安静時代謝の何倍のエネルギーを消費するか」を示す1970年代のスポーツ医学で確立された概念です。1 METは1kgの体重で1時間あたり1kcalの消費に相当し、酸素消費量では約3.5mL/kg/分。運動強度の国際共通言語として、疫学研究・保健指導・スポーツ処方に用いられます。
② 基礎代謝(BMR)との関係
基礎代謝は生命維持の最小エネルギー消費で、成人男性1500-1700kcal・女性1200-1400kcal/日程度。1日を安静で過ごすと約24 METs・時、通常の生活で30-40 METs・時。運動でこれに追加消費が乗る形です。
③ TDEE(総消費エネルギー)の構成
TDEEは①基礎代謝(60-70%)+②活動代謝(20-30%)+③食事誘発性熱産生(DIT:10%)で構成されます。運動によるカロリー消費は②の一部で、ダイエットには「運動で消費増+食事で摂取減」の両輪が必要です。
④ 個人差の要因
METs表は「平均的な人の推定」で、実際の消費は筋肉量・年齢・性別・トレーニング歴・気温・体調で±15-25%変動します。特にトレーニング上級者は同じ種目でも効率的に動けるため、消費kcalが低くなる傾向があります。
⑤ 基礎代謝の推定式
ハリスベネディクト式(男性): BMR = 66.5 + 13.75×体重 + 5.0×身長 − 6.75×年齢
1919年発表の代表的な基礎代謝推定式。近年は国立健康・栄養研究所の日本人向け式(体組成計内蔵)が精度高いとされ、実務でも各種フィットネスアプリが個別式で自動計算します。
心拍ゾーンと運動強度
① 最大心拍数の推定
最大心拍数(推定) = 220 − 年齢
1970年代のフォックスの式が広く使われますが、実測との誤差は±10-15%あります。より新しい式では「208−0.7×年齢」(Tanaka式)も推奨されています。35歳男性の推定最大心拍は185拍/分です。
② Karvonen法(予備心拍数法)
目標心拍数 = (最大心拍数 − 安静心拍数) × 目標強度% + 安静心拍数
安静時心拍を考慮したより正確な目標心拍計算。脂肪燃焼ゾーンは50-70%強度で、35歳・安静時60・目標60%なら(185−60)×0.6+60=135拍/分が目標です。
③ 心拍ゾーンとエネルギー基質
ゾーン1(50-60%): 脂肪燃焼中心・低強度長時間 / ゾーン2(60-70%): 有酸素・脂肪+糖 / ゾーン3(70-80%): 有酸素+乳酸閾値 / ゾーン4(80-90%): 無酸素・糖利用中心 / ゾーン5(90-100%): 最大出力・数分限界。ダイエットはゾーン1-2、心肺機能向上はゾーン3-4を主に活用します。
④ EPOC(運動後過剰酸素消費)
激しい運動後は数時間から24時間、代謝が高い状態が続きます。特にHIIT(高強度インターバル)・筋トレ後のEPOCは大きく、運動そのものの消費kcal以上に総消費エネルギーが増加します。「アフターバーン効果」とも呼ばれ、時間対効率でのダイエット手法として注目されます。
⑤ RPE(自覚的運動強度)
ボルグスケール(6-20)またはCR-10(0-10)による自覚的強度評価。心拍計が使えない環境でも「ややきつい(RPE13-14)」を目安に強度管理できるため、保健指導・高齢者運動指導で汎用的に活用されます。
脂肪燃焼と7200kcal理論
① 脂肪1kg=7200kcal理論
脂肪1kg減 ≒ 7200kcal のエネルギー赤字
体脂肪1kgは水分・タンパク質を含めて約7200kcalに相当。1日500kcalの赤字で2週間に1kg減量という理論値です。ただし実際は水分・グリコーゲン・筋肉量変動が絡み、単純計算どおりには進みません。
② 実務的な減量ペース
健康的な減量ペースは週0.5-1kg、月2-4kgが上限。これ以上の急速減量は筋肉喪失+代謝低下+リバウンドリスク+胆石発症などの副作用が顕在化します。1日200-500kcalの赤字が持続可能なペースです。
③ 運動だけで痩せるのは非効率
ジョギング30分で293kcal消費に対し、菓子パン1個は300-400kcal。「食事管理なしの運動だけダイエット」は圧倒的に非効率で、多くの研究が「運動より食事管理の方が減量効果大」を報告しています。ただし運動は筋肉量維持・心血管予防・メンタルヘルスに不可欠です。
④ 停滞期(プラトー)
減量が数週間停止する「停滞期」はホメオスタシス(恒常性)による代謝適応で必ず起きます。過度な焦りは禁物で、食事内容の再点検・運動バリエーション追加・十分な睡眠・ストレス管理で乗り越えます。数週間で自然に減量が再開することが多いです。
⑤ タンパク質の重要性
減量期は体重×1.2-1.6g/日のタンパク質確保が筋肉量維持の必須要件。動物性(肉・魚・卵)+植物性(大豆・豆類)のバランス、朝昼夕に分散摂取が効率的。運動後30-60分の摂取が筋タンパク合成に有効なタイミングです。
週間活動量の目標設定
① 厚労省「+10(プラス・テン)」推奨
厚労省「健康づくりのための身体活動基準2013」は「今より10分多く動く」をキーメッセージに、成人には週23メッツ・時の身体活動を推奨。18-64歳は3METs以上の身体活動を毎日60分、65歳以上は強度不問で毎日40分を目安とします。
② WHO・ACSM推奨
WHO・米国スポーツ医学会(ACSM)は「中強度有酸素150分/週または高強度75分/週」+「筋トレ週2回」を成人の推奨活動量とします。ジョギング25分×3回+筋トレ2回で概ね達成可能な水準です。
③ NEAT(非運動性熱産生)の重要性
NEATは「意図的な運動以外の身体活動」で、デスクワーク中心の人は1日100-500kcal、活動的な人は1日1000kcal以上NEATが違うと言われます。階段利用・徒歩通勤・立ちデスクなど日常の小さな習慣がNEATを増やし、長期的なエネルギー収支を大きく変えます。
④ 座位時間の短縮
「座位時間が長いこと自体が独立した健康リスク」という研究が近年急増。30分毎に立ち上がる・歩くのが推奨で、運動していても座り続ける「アクティブ・カウチポテト」は生活習慣病リスクを持ちます。スタンディングデスクの普及は職域健康管理の重要施策です。
⑤ 週間活動量の記録手法
実務ではスマートウォッチ(Apple Watch・Garmin・Fitbit)の週次サマリー、または保健指導アプリでの記録が主流。「歩数8000-1万歩/日+週2回筋トレ」という単純な目標が継続の秘訣で、細かすぎる管理は続かないのが現場の教訓です。
保健指導・フィットネス・臨床での活用
特定保健指導・保健師
メタボ予備群への保健指導で「週23メッツ・時」の身体活動目標を設定。運動記録+食事記録+体重推移を3-6ヶ月モニタリング。行動変容ステージ理論に基づく個別介入。
フィットネスクラブ・パーソナルトレーナー
入会時のヒアリング+目標設定+運動処方でMETs計算を活用。「週何kcal消費」「体脂肪率何%目標」を数字で示し、3ヶ月毎のプログラム見直し。
心臓リハビリ・循環器外来
心筋梗塞後・心不全の運動処方はMETsで厳密に管理。運動負荷試験で最大METsを実測し、その40-60%を目標に運動処方。健康保険適用の心リハプログラムの標準手法です。
糖尿病・脂質異常症の食事運動指導
糖尿病療養指導士・管理栄養士による「食事+運動」の統合指導。運動によるインスリン感受性向上・HbA1c低下は薬物療法と並ぶ標準治療。
アスリート・強化スポーツ
競技のフィジカル管理では、GPS+心拍+呼気ガス分析でMETsとVO2maxを実測。期分けトレーニングで強度・量・回復のバランスを設計。
職域健康管理・産業保健
企業の健康経営で従業員の活動量測定・歩数チャレンジ・階段利用促進などのヘルスケア施策にMETs指標を活用。健康経営銘柄・ホワイト500の評価軸にも身体活動量が含まれます。
有酸素・無酸素・レジスタンスの使い分け
① 有酸素運動(エアロビック)
ウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリングなど持続的な低〜中強度運動。心肺機能向上・脂肪燃焼・血圧血糖改善に効果。1回20-60分、週3-5回が推奨で、生活習慣病予防の柱です。
② 無酸素運動(アネロビック)
スプリント・HIIT・ウェイトリフティングなど高強度短時間運動。乳酸系代謝で糖利用中心、心肺+筋力向上に効果。EPOCが大きく時間対効率でのダイエットに有効ですが、初心者には強度調整が必要です。
③ レジスタンス運動(筋トレ)
ダンベル・マシン・自重トレなど骨格筋への負荷を主目的。筋肉量維持・基礎代謝維持・骨密度向上・サルコペニア予防に不可欠。週2-3回、大筋群中心が高齢者含む全世代に推奨されます。
④ 柔軟性・バランス
ストレッチ・ヨガ・太極拳などは関節可動域維持・転倒予防に効果。高齢者では特に転倒骨折予防の観点で、有酸素+筋トレ+バランス訓練の三本柱が推奨されます。
⑤ HIITと時短トレーニング
HIIT(高強度インターバル)は「20秒全力+10秒休憩」を8セット(タバタ式)など短時間高効率の代表格。EPOCが大きく、時間対効率でのフィジカル・脂肪燃焼効果が期待できますが、初心者・高齢者は強度調整+医療チェック後に導入するのが安全です。
高齢者・生活習慣病・妊娠期の運動
① 高齢者(65歳以上)
厚労省は「強度問わず身体活動を毎日40分」を高齢者の目標に設定。フレイル・サルコペニア予防で筋トレを週2-3回追加、転倒予防でバランス訓練併用。運動開始前の医療チェックが安全対策の要です。
② 糖尿病
糖尿病治療ガイドラインは「有酸素150分/週+筋トレ週2-3回」を推奨。運動によりインスリン感受性が向上し、HbA1c 0.5-1.0%低下が期待できます。ただし低血糖リスク・網膜症合併の運動制限などは主治医相談が必要です。
③ 高血圧・脂質異常症
中強度有酸素運動の継続で収縮期血圧5-10mmHg低下・LDL-C 5-10%低下が期待できます。降圧剤・脂質異常症治療薬と併用することで相乗効果、時に薬の減量が可能になります。
④ 妊娠期・産後
健康妊娠では妊娠中期以降の中強度運動30分/日が推奨。妊娠糖尿病・妊娠高血圧の予防・体重増加コントロール・出産後の回復促進の効果があります。ハイリスク妊娠は必ず産科医と相談を。
⑤ 小児・思春期
WHOは5-17歳に「中〜高強度の身体活動60分/日以上」+週3日の筋骨強化活動を推奨。肥満予防・骨密度向上・学業成績への良好な関連が報告されており、部活動+日常遊びの合計時間を意識します。
体重別 消費カロリー早見表(60分)
METs早見表は体重65kgを前提にしていますが、消費カロリーは体重に比例します。自分の体重に近い列を読めば、60分継続した場合の目安がすぐ分かります(標準式 METs×体重×時間×1.05 で算出)。
| 種目(METs) | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg |
|---|---|---|---|---|---|
| ウォーキング(3.5) | 184 | 221 | 257 | 294 | 331 |
| ヨガ(2.5) | 131 | 158 | 184 | 210 | 236 |
| 筋トレ・高強度(6.0) | 315 | 378 | 441 | 504 | 567 |
| サイクリング(6.8) | 357 | 428 | 500 | 571 | 643 |
| ジョギング(7.0) | 368 | 441 | 515 | 588 | 662 |
| バスケットボール(8.0) | 420 | 504 | 588 | 672 | 756 |
| ランニング10km/h(9.8) | 514 | 617 | 720 | 823 | 926 |
| 水泳クロール・速い(9.8) | 514 | 617 | 720 | 823 | 926 |
体重80kgの人は60kgの人より、同じ運動でも約33%多く消費します。減量を始めた直後は同じ運動でも消費が大きく、体重が落ちるにつれて同じ運動での消費kcalも下がっていく点は、停滞期を理解するうえで重要です。
目的別の種目選び
減量が目的
有酸素運動と筋トレの併用が基本です。週3-5日30分の有酸素(ウォーキング・ジョギング・水泳)に、週2-3日20分の筋トレを組み合わせます。食事管理を併用して月2-3kg減のペースが安全域です。
心肺機能を高めたい
ランニング・水泳・サイクリング・インターバル系。週3日以上、最大心拍数の70-85%を20-40分維持するとVO2max(最大酸素摂取量)の向上に直結します。
筋肥大・引き締めが目的
筋トレ(高強度)を週2-3回、大筋群から順に行います。スクワット・ベンチプレス・デッドリフトを中心に8-12回×3セットが基本形。有酸素は短めにして回復を優先します。
関節に不安がある・シニア
水泳・水中ウォーキング・ヨガ・自転車など、体重負荷が小さく継続しやすい種目を選びます。膝痛・腰痛がある場合は開始前に医師へ相談してください。
ストレス解消が目的
消費カロリーより「続けられるか」を優先します。ダンス・登山・球技など楽しさで選ぶほうが継続率が高く、気分改善の効果も得られます。
時間が取れない
高強度インターバル(20秒運動+10秒休息×8セット=4分)や階段ダッシュなど短時間高強度が有効。総消費kcalは長時間の有酸素に及びませんが、EPOCにより運動後の代謝亢進が期待できます。
よくある間違い・注意点
- METs値の過大評価 — 表の値は目安、個人差±15-25%あり。日常のカロリー管理の目安として使い、精密数値管理は不要。
- 運動だけで痩せる期待 — 食事管理なしでは非効率。「運動+食事管理」の両輪が原則。
- 短期急激な減量 — 月5kg超の減量は筋肉喪失+代謝低下+リバウンドリスク+胆石など副作用大。月2-4kgが上限。
- 脂肪燃焼ゾーン信仰 — 低強度でも高強度でも総消費kcalが赤字なら脂肪は減る。ゾーン選択は目的別に。
- 心拍計の目標を機械的に守る — 体調・気温・脱水で心拍は変動。RPE(自覚的運動強度)と併用で判断。
- 座位時間を無視 — 運動していても長時間座り続けると生活習慣病リスク。「アクティブ・カウチポテト」に注意。
- 筋トレを軽視 — 有酸素だけでは筋肉量減少。基礎代謝維持・サルコペニア予防で筋トレは不可欠。
- ストレッチを準備運動と誤解 — 静的ストレッチ直前実施は瞬発力低下の可能性、ウォームアップは動的ストレッチ主体で。
- 大量発汗=大量消費と誤解 — 発汗量は消費kcalと相関しない。水分喪失は必ず補給。
- スマートウォッチの数値を絶対視 — GPS+心拍による推定でも±10-20%誤差あり。トレンド把握用途で使用。
- 年齢による運動制限を過度に想定 — 高齢者こそ運動が必要。「強度問わず毎日40分」の推奨は変わらない。
関連する規格・法規
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」
- 厚生労働省「アクティブガイド(+10)」
- 国立健康・栄養研究所「改訂版身体活動のメッツ表」
- WHO "Global Recommendations on Physical Activity for Health"
- ACSM(米国スポーツ医学会)Exercise Prescription Guidelines
- AHA(米国心臓協会)身体活動推奨
- 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」運動療法
- 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」生活習慣修正
- 日本心臓リハビリテーション学会 心リハプログラム標準
- 健康日本21(第三次) — 身体活動・運動の目標値
参考文献・公的資料
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」— 国内の身体活動指針
- 厚生労働省 e-ヘルスネット — 身体活動・運動の解説
- 国立健康・栄養研究所「改訂版身体活動のメッツ表(2012)」— 全項目収録
- Ainsworth BE et al. "Compendium of Physical Activities" Med Sci Sports Exerc 2011 — METs国際基準
- WHO "Global Recommendations on Physical Activity for Health" — 世界標準推奨
- ACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescription — 米国スポーツ医学会標準
- Karvonen MJ et al. "The effects of training on heart rate" — Karvonen法の原典
- Tanaka H et al. "Age-predicted maximal heart rate revisited" JACC 2001 — 新しい最大心拍推定式
- 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン」— 運動療法の位置づけ
- Cochrane Reviews on Exercise Interventions — 運動介入のエビデンス集積
- 日本健康運動指導士会 運動処方ガイドライン
- スポーツ庁「スポーツ実施率向上のための行動計画」
よくある質問(FAQ)
ジョギング30分65kgの消費は?
約293kcal(簡略式)、または307kcal(標準式)。ご飯茶碗約1.2杯分に相当します。
METsとカロリーの関係は?
消費kcal = METs × 体重(kg) × 時間(h)。1 METは安静時代謝で、1kgの体重で1時間あたり1kcalの消費が目安です。
脂肪1kg減らすには何kcal必要?
体脂肪1kgは約7200kcal。1日500kcalの赤字で2週間に1kg減量が理論値ですが、実際は個人差・停滞期があります。
運動だけで痩せられる?
非効率です。菓子パン1個(300-400kcal)を消費するのに30分以上のジョギングが必要。「食事管理+運動」の両輪が原則です。
脂肪燃焼に最適な運動強度は?
心拍ゾーン1-2(50-70%)が脂肪利用比率高いが、総消費kcalが多い高強度の方が結果的に脂肪減量に効果的な場合もあります。目的別に選択を。
週にどれくらい運動すべき?
厚労省は週23メッツ・時、WHO・ACSMは中強度150分/週+筋トレ週2回を推奨。ジョギング25分×3+筋トレ2回で概ね達成可能です。
心拍数の目標はどう計算?
簡易法「(220−年齢)×目標強度」、精密法Karvonen法「(最大心拍−安静心拍)×強度+安静心拍」。脂肪燃焼は50-70%強度が目安です。
EPOC(アフターバーン)とは?
激しい運動後の数時間〜24時間、代謝が高い状態が続く現象。HIIT・筋トレで大きく、運動そのものの消費以上に総消費が増える効果があります。
停滞期(プラトー)を乗り越える方法は?
数週間の停滞は代謝適応で必ず起きます。食事内容再点検+運動バリエーション+睡眠改善で対応、焦らず継続するのがコツです。
スマートウォッチの消費kcalは正確?
GPS+心拍による推定で±10-20%の誤差があります。トレンド把握用途で使い、精密な数値管理を求めない姿勢が実務的です。
筋トレは有酸素の後?前?
目的次第です。筋力向上優先なら筋トレ先、脂肪燃焼優先なら有酸素先とする流派もあります。同じセッションで両方やる場合は10-15分の休憩を挟むのが実務的です。
ダイエット中の食事は何kcalが目安?
基礎代謝の1.2-1.3倍を下限に、目標体重×30kcal程度が実務的な目安です。タンパク質は体重×1.2-1.6g/日を確保し、筋肉喪失を防ぐのがリバウンド予防のコツです。
雨の日にできる自宅運動は?
ラジオ体操・自重筋トレ(スクワット・腕立て・プランク)・エアロビクス動画配信・ヨガ・ダンスなど選択肢は豊富です。週3回20-30分の自宅運動でも継続すれば健康効果が得られます。
体重が重い人ほど消費カロリーが多いのはなぜ?
消費kcal = METs × 体重 × 時間 × 1.05 の式のとおり、消費は体重に正比例するためです。体重80kgの人は60kgの人より同じ運動で約33%多く消費します。減量初期は同じ運動でも消費が大きい「痩せやすいフェーズ」ですが、体重が落ちると消費も落ちる点に注意してください。
水泳と自転車、どちらがカロリー消費が多い?
速度によります。水泳クロール(速い)は9.8 METs、サイクリング20km/hは6.8 METsなので、同じ時間なら水泳が約1.4倍消費します。ただし水泳は技術の習熟が必要で、フォームが未熟だと長時間続けられません。継続しやすさで選ぶなら自転車が有利です。
ゴルフはダイエットになる?
カートを使わず18ホール(4-5時間)回ると6-8km歩き、消費は1,200-1,600kcal程度に達します。カートを使うとおよそ半減します。ラウンド後の飲食で相殺されがちですが、継続すれば十分な運動量です。
ヨガはダイエット効果がある?
リラックス系のヨガは2.5 METsと消費は多くありませんが、パワーヨガは4.0 METsと中強度の運動になります。柔軟性・体幹・呼吸の改善効果が高く、有酸素運動や筋トレと組み合わせる位置づけが実務的です。
運動しすぎのサインは?
安静時心拍数の上昇(+5-10bpm)、慢性的な疲労感、パフォーマンス低下、風邪をひきやすい、睡眠障害、気分の落ち込みなどがオーバートレーニング症候群のサインです。週1日は完全休養日を置き、月に1週は負荷を落とす週(ディロード)を設けてください。