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書店月商

坪数と回転率から、書店の月商と粗利を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

書店月商ツール

計算式と考え方

書籍の売上は「売場面積(坪)× 坪あたり月商」で求めます。80坪で坪あたり3.5万円なら月280万円です。これに雑貨・文具の売上を加えたものが月商になります。粗利は部門ごとの率を掛けて算出し、書籍22%、雑貨40%とすると、この構成では粗利81.6万円、粗利率は約26%です。家賃と人件費の固定費150万円を引くと赤字という計算になり、書籍のみでは経営が成り立ちにくい構造が数字に表れます。損益分岐月商は「固定費 ÷ 粗利率」で求めます。

書店の収益構造

書籍の粗利率20〜23%。再販売価格維持制度により値引きができない
返品制度売れ残りを返品できる。在庫リスクは低いが粗利も低い設定
雑貨・文具粗利率35〜45%。書籍より高く、収益の柱になりつつある
カフェ併設滞在時間を延ばし客単価を上げる。粗利率は60%前後

書店月商の詳しい解説

書店経営の構造的な課題は、主力商品である書籍の粗利率が20〜23%と低いことにあります。これは再販売価格維持制度により定価販売が義務づけられる代わりに、売れ残りを出版社に返品できる仕組みとセットになっています。在庫リスクを負わない代わりに利幅が薄いという設計で、大量に売れば成立するモデルですが、市場の縮小により坪あたり売上が低下すると急速に成り立たなくなります。書店数は1990年代の2万店超から大きく減少し、現在は1万店を下回る水準です。この状況への対応として広がっているのが、雑貨・文具の併売とカフェの併設です。雑貨は粗利率35〜45%、カフェは60%前後と書籍より大幅に高く、同じ面積からより多くの粗利を生みます。ただし雑貨は返品ができない買切り仕入れが基本で、売れ残りがそのまま損失になります。粗利率の高さと在庫リスクは表裏の関係にあり、構成比を上げるほど仕入れの目利きが利益を左右するようになります。近年注目される業態として、選書に個性を持たせた小規模書店、イベントやコミュニティを軸にした店舗、棚を個人に貸し出すシェア型書店などがあり、いずれも本を売ることだけでは成立しない前提で設計されています。立地についても、駅前の大型店より、生活動線上の中小規模店のほうが固定費との釣り合いが取りやすいという見方があります。売場を広げれば品揃えは充実しますが、坪あたり売上が下がれば家賃と人件費が重くなるため、面積の拡大は慎重な判断を要します。図書館との併設や自治体からの支援を受ける公設民営型の書店も各地で試みられており、地域のインフラとしての位置づけを収益構造に組み込む動きが出ています。仕入れの仕組みも収益に影響します。多くの書店は取次を通じて配本を受けるため、話題書が希望どおりに入らない一方、売れ行きの読みにくい本が並ぶこともあり、売場の構成を自力で決めきれない面があります。近年は出版社と直接取引する形や、買切りを前提に条件を有利にする取り組みも見られますが、いずれも在庫リスクを店が引き受ける方向であり、規模の小さい店ほど資金繰りへの影響が大きくなります。計画の面では、坪あたり月商と粗利率、固定費の3つを並べて損益分岐月商を確認し、非書籍部門をどこまで伸ばせば黒字化するのかを先に見定めることが出発点になります。

業界・現場での使い方

書店経営

書籍と非書籍の構成比を変えた場合の粗利変化を試算します。

開業計画

損益分岐月商を算出し、想定売上で成立するかを検証します。

事業再構築

カフェ併設や雑貨強化の効果を数字で比較します。

よくある間違い・注意点

  • 書籍だけで採算を考える — 粗利率20%台では固定費を賄いにくくなります。非書籍部門の構成が前提になります。
  • 売場面積を広く取る — 坪あたり売上が下がると家賃負担が重くなります。面積より回転を重視してください。
  • 返品制度に依存しすぎる — 返品率が高いと出版社との取引条件が悪化します。仕入れ精度の向上が必要です。

関連する規格・法規

  • 業界団体
  • 中小企業診断

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

坪あたり月商の目安は?

3万〜5万円が一つの水準です。立地と品揃えによって大きく変わります。

なぜ書籍は値引きできないのですか?

再販売価格維持制度により、出版社が定めた価格での販売が認められているためです。返品制度とセットの仕組みです。

シェア型書店とは?

棚を個人や団体に貸し出し、それぞれが選書して販売する方式です。賃料収入で固定費を賄う設計です。